髑髏が来日してはや1ヶ月が過ぎようとしていた。
相も変わらずツナの命を狙ってくる刺客は後を絶たず、髑髏は連日任務の状態だ。
その辺の雑魚マフィアなどに遅れをとる髑髏ではないが、さすがに疲れがたまってきているらしい。
「てめー髑髏さんに感謝しやがれえぇぇぇ!!」
ある日の夕方噛み付かんばかりに城島犬に告げられ、何も言えないツナ。
そんな犬の首根っこを掴み制止する柿本千種ですら、
「ボンゴレ…少しは気にかけてほしい…」
と控えめながらも一言告げて去っていった。
一人取り残されたツナは、しばらくその場から動くことができなかった。
確かに、よく考えてみれば疲れもたまるだろう。昼夜問わず刺客の始末・朝夕のツナの送り迎え、
その他雑務を一人でこなしているのだ、髑髏は口には出さないが…
(ほんとオレってダメツナだよな…女の子に無理させちゃって……よし!)
何かを決心して、その足で本屋に向かうツナだった。
ある朝。
右側には獄寺、左側には髑髏とツナをはさんで三人で登校している。いつもの風景だ。
「てめーは必要ねえって言ってんだろが!十代目はオレ一人で守れる!」
「あら、用心に越したことはないわ」
この言い合いもいつものこと。
「まーまー。そうだ、獄寺くん先に教室行ってて、今日日直でしょ?」
「は!そうですね、真っ先に十代目の机を磨いてまいります!」
と猛ダッシュで駆けて行った。
(いや机磨くのは日直の仕事じゃないから!)
心の中でそうつっこみながら、はぁとため息をつくツナ。
くるっと髑髏のほうに向きなおし、改まったようにこう告げる。
「あのさ、今度の休みどっか遊びに行かない?」
思いがけない誘いに目を丸くする髑髏。
「遊びに行く?」
「そう。こないだは買い物だけで一日終わっちゃったでしょ?他に楽しいところが
いっぱいあるんだ、ね?」
敬愛するボスに誘われて嬉しくないはずがない。少し頬を染め、
「うん、行く」
と髑髏は嬉しさをにじませてこっくりと頷いた。
いつもなら髑髏が沢田家に迎えに行くのに、この日に限ってはツナが髑髏のマンションに
迎えに行っていた。
ピンポーン
数秒ののち、がちゃりとドアが開けられ髑髏が姿を見せる。
流行のカットソーにロングカーディガン、短パンにニーハイソックス、ストラップ靴。
まるで雑誌のモデルのように着こなしている。
改めてスタイル抜群だよなぁとツナはしみじみ思う。
マンションのエントランスを出て、ツナの誘導で2人は歩いていく。
その2人のあとを、距離をあけてついて行く二つの影…
「ここだよ」
「水族館…?」
ここは並盛に新しくオープンしたばかりの水族館。生き物たちの実際の生態が見れるよう施された
造りで人気を博しているニュースポットである。
ゲートをくぐるとまずは南極の動物たちが2人を出迎えてくれた。
「わぁ…」
「ペンギンだ〜!あはは歩き方かわいいね」
そのあと、イルカのショーや海中トンネルを模した水槽など、2人は水族館を満喫、
お昼になったので同じ敷地内にあるフードエリアに移動し食事をすることにした。
エリア内一番の人気と評判の高いレストランに2人は入る。
おすすめNo.1はイルカを象ったオムライスランチ。
運ばれてくるプレートには、イルカ型のオムライスとスープ、サラダが盛られていて
とてもかわいらしかった。
「おいしそう…」
「なんか食べるのもったいないよね」
2人の間にはハートが見えるようなラブラブモードが漂っている。
(くっそー、それ以上『十代目』『髑髏さん』に近づくんじゃねー!!)
ぞくっ
「!?」
「どうしたのボス」
「え、いや何でも…」
なんだか不穏な空気を感じたツナであったが、気にしないことにした。
ランチを食べ終え、レストランをあとにする。
そんな2人のあとを追う二つの影…もうお分かりであろう、一つはサングラスとマスクをかけた獄寺、
もう一つはレゲエ調のヅラをかぶった犬。
バレないように変装したつもりの2人だったが、不審者丸出しであった…
その後館内すべてを回り、充分楽しんで二人は帰宅することにした。
途中、
「ちょっと君の家に寄っていってもいい?」
ツナからそう言ったのは初めてのこと、少々戸惑いながらも髑髏は
「もちろん」
と快諾する。
そんな2人のあとをつける不審者2人。いつの間にか意気投合(というか利害一致)し
一緒になって行動している。
『あのヤロー、ぜってーこの後髑髏さんに手ぇ出す気だ!!』
『んだとテメーあの女が十代目に破廉恥な真似しだすに決まってんだろ!!』
『『やんのかコラ!!!』』
小競り合いをしながら、いつの間にか髑髏のマンションにまでたどり着いていた。
「今お茶いれるね」
と髑髏がキッチンに立とうとすると、
「いいよオレがするから君は座ってて」
とツナは自らがお茶を入れにいく。
紅茶をいれ、髑髏に手渡し自分もそれに口をつける。
髑髏がいれるようにうまくはいかないが、それでも充分おいしい。
ほっと一息いれたところで、ツナは自分のバッグを片手にベッドルームへと
姿を消した。
「?」
5分後、ツナは
「ちょっとこっち来てー」
と髑髏を呼び入れる。
なにごとかと思い髑髏がベッドルームに入ると、そこにはアロママッサージの
準備をしたツナがいた。
「ボス、これは…?」
「へへー、ちょっと靴下脱いでここに座ってよ」
言われるがままにニーソックスを脱ぎ、ベッドサイドに腰掛ける髑髏。
「たぶん下手だと思うけど、それはご愛嬌ってことで」
と手にラベンダーの香りのするオイルをとり、髑髏の足をマッサージし始めたのだった。
さすがに焦った髑髏は珍しく動揺した様子で
「だめ、ボスにそんなことさせられない!」
と足を引っ込めようとするが、ツナはそれを制止する。
「いいんだ、正直オレ君が疲れてるって気づけなくて自分が情けなくてさ…
オレにできることなんてこれくらいだけど…いつもありがとね」
とマッサージしながらツナは髑髏にお礼を言う。
「…っ」
ああボス、あなたって人は…!
なんだろうこの感覚。
胸が痛くてあったかくて。こんな感覚知らない。
「…ボス、ありがと」
「ええ、お礼を言うのはこっちのほうだよ〜」
両足のマッサージを終え、2人は自然と体を重ねあっていた。
髑髏がツナの体に触れようとすると、ツナはすっと体制を変え
彼女をベッドに寝かせる。
「今日はオレにさせて?」
今まではどちらかというと髑髏のほうがリードしていたのだが、
今日はツナのほうからそう切り出す。
髑髏の首筋、鎖骨にキスを落とし、左手で形のいい胸をなぞるように
愛撫していく。
口に含み、軽く吸い上げれば先端はぷっくりと尖る。
「ん…ん」
左右を充分味わった後、ツナは髑髏の脚を開かせるとその中心に
顔を近づける。
「や…そんなとこ…!」
(うわーこんな間近で見るの初めてだよー…)
目の前に映る髑髏のその部分は、すでに濡れてきていた。
独特の甘酸っぱいような香りがして、それだけでツナの欲情に火をつける
そっとクリトリスに舌を這わせると、びくんと髑髏の体が跳ねた。
「あっ!」
舌先で舐め上げ、口に含み、軽く吸ってみる。
ちゅくちゅく… ぴちゃ
「んっ、ん あァ…」
髑髏の太ももがふるふると小刻みに震えてきている。ツナは自分の人差し指を
くわえて唾液で濡らすと、髑髏のソコにゆっくりと挿入した。
「っア!は あぁ」
滑らかに飲み込まれていく。苦痛はないようだ。ゆっくりと出し入れを繰り返し、
感じるポイントを探っていく。舌先はクリトリスを刺激し続けたまま。
ツナの指先がある一点を触れた瞬間、
「あ!!」
髑髏が嬌声をあげた。
(ここだ…)
執拗にその一点を嬲ってやると、見る見るうちに髑髏の体がしっとりと汗ばんできた。
「そ、こや だ、ボスぅ…!ひ…」
「すごいね…もうびしょびしょだよ…」
「言わな いで…っ!」
指を抜き、自身にコンドームをつけると髑髏のそこにあてがった。
「入れるね…」
「っきしょー!てめーがモタモタしてっから見失っちまったじゃねーか!」
「うっへーボムヤロー!今匂いをたどってんだ静かにしろ!」
鼻をくんくんさせながらたどり着いたのは髑髏のマンション。
「帰ってきてんじゃん!」
2人は急いで犬&千種の部屋に戻り、髑髏側の壁に耳を寄せて様子を伺う。
「何も聞こえねーじゃねーか!」
獄寺が額に青筋を立てて怒鳴ると、犬はまたしてもドッグチャンネル用の牙を取り出した。
「これで聞こえるびょん!」
「おーやるじゃねーかアニマルヤロー!」
犬が牙を差し込もうとしたその瞬間、2人の背後に怒りのオーラを背負った千種が立っていた。
「いい加減にしなよ…」
「「!!」」
後頭部に千種のヨーヨーをモロにくらい気絶する2人をロープでしばりつけ口にガムテープを
貼り適当に転がしておく。
(髑髏さま、千種はあなたの味方です…)
ゆっくりとツナ自身が髑髏の中に飲み込まれてゆく。
ズププ…
「ああ!」
丁寧な愛撫のせいか、髑髏の中はやわらかく収縮してツナを迎え入れる。
先ほど探り当てたポイントを狙うようにツナが腰を動かしていくと、結合部から卑猥な音が奏でられる。
(ジュプッズプッ)
「ひァ、あっあ… ふあぁ!」
半開きの口の端から唾液が零れ落ちているのにもかまわず髑髏はただ快感にあえいでいる。
(っ、きもちいー…)
「私もうダメ…っボ スぅ…!」
「ッオレも…!」
きゅうぅっと髑髏の中がツナを締め付けた瞬間、ツナは髑髏の中で果てた。
続いてビクビクンと全身を痙攣させて髑髏が絶頂を迎えた。
「はぁ…はぁ…」
ベッドに横たわりながら、2人はまどろんでいた。
「ね、ボス…私ボスに出会えてよかった」
指をからめあう、お互いのぬくもりを感じられるように。
「オレも君に会えてよかったよ」
「ボス、mia diletto」
「え、みーあ…?」
「最愛の人、っていう意味」
ちゅっとツナのほっぺたにキスをし、髑髏はいたずらっぽく笑うと
「おやすみ」
と眠りについたのだった。
そんな髑髏の髪をなでてやりながら、ツナも隣で目を閉じた。
(mia dietto dokuro…)
END