ガタンゴトン…
並盛町から黒曜町にある髑髏のマンションまでは2駅分の距離がある。
いつもは徒歩で並盛に向かう髑髏だが、今日は珍しく電車で移動していた。
「…っ」
ドア付近に立っている髑髏の頬は少し赤い。心なしかそわそわと落ち着きがない。
(恥ずかしい…でも骸様の命令だし…)
さかのぼること30分前。
いつものようにツナの送り迎え(護衛のため)に向かおうとして部屋を出た髑髏を
呼び止める骸。
「クローム、ちょっといいですか」
「はい?」
「今からボンゴレの送り迎えに行くのでしょう?今日はハロウィンです、
折角なのでいつもとは違うサプライズ的なことをしてあげてください」
「?」
「これとこれを…」
といって骸が差し出したものは、ドラキュラのマントのような黒いトレンチコートと
かぼちゃ型の眼帯。
トレンチコートは制服の上から羽織るとちょうどスカートの丈くらいの長さだ。
言われるがままにコートと眼帯を身につける髑髏。
「ああ、かわいいですよ。きっとボンゴレも気に入るはずです」
「ほんとですか?」
かわいいと言われて素直に喜ぶ髑髏に、
「それと、これを。これが今回のメインアイテムです」
と骸が差し出したものは……
ヴヴヴ…
「っ!」
髑髏の下着の中で振動し続けるピンクローター。
骸いわくのメインアイテムとはこれのことである。
『むっ、骸様これ…!』
『ハロウィンの格好をしたかわいいクロームとエロスのコラボレーション…
きっとボンゴレはメロメロですよ楽しみですね』
断りきれず、ツナが喜んでくれるなら…とそのローターを受け取ってしまったのだった。
そのローターは一定の振動だけではなく、時折強くなったり弱くなったりするので
そのたびに髑髏は声が出てしまいそうになるのを電車の手すりを両手でぎゅっと握りしめ、
必死で我慢していた。
(っふ…)
ヴ…ヴヴヴッ
「ぁ!」
ローターの振動が変わり、思わず声が漏れてしまった。
あわてて口を押さえる髑髏。椅子に座っている年配の男性がちらりと髑髏に目をやる。
電車の走る振動と騒音でローターの音など聞こえるはずもないのだが、
周りの乗客にバレるんじゃないかと気が気ではない髑髏だった。
(恥ずかしいよぉ…早く着いて…)
髑髏の下着は快感に喜ぶ愛液ですでに透き通るほど濡れていた。
[次は並盛〜、並盛駅です]
車内にアナウンスが流れ、駅に到着する。ドアが開いたと同時に
電車を飛び出し、駆け足で並盛中へとむかう髑髏だった。
並盛中の正門前で髑髏を待つツナ。
いつもなら獄寺が一緒にいるのだが、今日はダイナマイトの仕入れにいくとかで
学校を休んでいた。山本は部活だ。
「は〜、さすがに肌寒くなってきたなぁ…」
そう思っていると、ツナの携帯が鳴った。
それは最近リボーンに「ここんとこ物騒になってきたからな」と持たされたもの。
画面を見ると、知らないアドレスからメールが届いていた。
(?誰だろ…)
とメールを開くと、なんと送信者はあの六道骸。
[こんにちはボンゴレ。もうすぐクロームがそちらに到着すると思います。
楽しみにしていてください、クフフ…]
「わ゛―――!?なんで骸がオレのアドレス知ってんだよ!!」
思ってもいない相手に焦っていると
「ボス…」
「わぁ!」
背後からの声に驚くツナ。振り向くと息切れして顔を紅潮させた髑髏が立っている。
「あ、ごめん。今日はいつもより遅かったね…ってそのカッコは…?」
「え、と…今日ハロウィンだから…」
黒いトレンチコートにかぼちゃの眼帯。骸にもらったと聞いて妙に納得する。
(楽しみにしてろってこれか)
「じゃ、行こうか」
と2人は肩を並べて帰路についた。
日が落ちるのが早くなる秋、辺りは少し薄暗くなってきている。
今日あった他愛もない話をしながらツナの家に向かう二人。
が、今日の髑髏はいつもと様子が違う。いつもは無表情に近い彼女が、
なんだか泣きそうな顔をしているのだ。
(泣きそうっていうより…)
熱でもあるのだろうか、頬が赤く瞳が潤んでいる。
「あの…どうかした?」
びくんと髑髏の肩が揺れ、その潤んだ瞳でツナを見る。きゅっと唇をかみしめ、ツナの腕を掴むと
「…来て」
とすぐ近くの森林公園に引っ張っていったのだった。「え、ちょ、なに!?」
並盛森林公園、噴水や丘があり昼間は子供連れで賑わっているが、夜はカップル達で賑わっている。
ガサガサと茂みをかきわけ、人目にふれない所に到着した二人。
ゼエゼエと息を切らせたツナは、自分に背をむけたままの髑髏に
「ねぇどうしたの急に?」
と問い掛ける。
すーはーと髑髏は息を整えてツナの方を向くと、掴んだままのツナの右手を自らの
スカートの中に導いたのだった。
突然の髑髏の行動に白目をむくツナは、ひっくり返った声で
「ななななななにすんの---!…って…?」
と唸っていたが、指先の異変に気がついた。なんだか細かく振動している…
(なにこれ…?)
「ボス…その紐ほどいて…」
少し震える声で髑髏が請う。
「紐…あ、これ?」
髑髏の左太もも付け根辺りに紐の感触があったので、言われるがままに
するっとほどいてみた。
ほどいた瞬間、髑髏の足元にぽとり、はらりと落ちたもの。
それは振動し続けるローターとひもがほどけたひもパンティーだった。
「……ん゙な---------!?」
(こっ、これってローター…ってやつだよね!?なんでそんなものが
スカートの中から――!?)
訳がわからず白目で頭を抱えうろたえるツナ。
そんなツナの様子を見てさらに頬を赤くする髑髏。
[いいですかクローム、2人きりになったら下着の紐をほどいてもらいなさい。
そしてスカートを … こう言うんです …]
羞恥に涙ぐみながらも、髑髏は必死で骸の言いつけ通りに行動する。
よほど恥ずかしいのか真っ直ぐ立っていられないようで、髑髏は後ろの樹にもたれかかると
黒のトレンチコートのボタンをはずし前を開ける。コートの下には
黒曜中の制服を着ているがボタンが外れ、先ほど落ちたひもパンと
同じデザインのブラがのぞいている。
髑髏は両手でスカートの裾を掴み、そのままゆっくり上にまくる。ツナの目の前には
奥が濡れそぼった薄い茂みが露わになった。
「いっぱい、イカせてください…」
ぷしゅ―――― ←(ツナの魂と理性が飛んでいった音)
髑髏の台詞に理性がふっとんだツナは彼女をぎゅっと抱きしめキスを繰り返した。
舌を絡め、歯列を割り口内を犯していく。時折2人の唇からちゅ、ちゅくという
水音が響く。唇を離すと、つ、と唾液の糸をひいた。
「もー…まんまとやられちゃったよ…」
「ぼ、ボス私…」
そのまま髑髏をくるりと半回転させ、後ろにある樹に手をつかせた。
「しっかり掴まっててね…」
「え…っひァ!」
ローターで一時間ほどじらされたそこは愛液が内股に垂れ落ちるほどびしょびしょになっている。
ツナはすっかり勃ち上がった自身を髑髏のソコに押し当て、一気に挿入した。
「あっアァ ん!」
「きもちいい…?君恥ずかしがりながら興奮してたんだ、やらしいね…」
「ッちが… あぁア!」
ズチュ、ズプ、といやらしい水音が2人の鼓膜を刺激する。
「あ、ァ ふあぁ!」
ツナは右手で髑髏の腰を引き寄せ、左手で彼女の乳首を嬲っていたがそこから手を離し、
髑髏の口元へもって行き口をふさぐ。
「ん゛ん…」
「周りの人に気づかれちゃうよ それとも人に見られたい?」
カァと顔を赤く染め、口をふさがれたまま頭を左右に振る髑髏。
「どうしても声が出ちゃうならオレの指かんでいいから」
はぁはぁと吐息を漏らしながら髑髏はツナの人差し指をきゅっとくわえて声を我慢する。
ツナの腰の動きが激しくなり、2人は一気に頂点まで上り詰めたのだった。
「っ、う…ん…ッッ!!」
「…という訳なんですよ千種、聞いてます?」
この度の騒動の諸悪の根源が優雅に紅茶を飲みながら満足気に語っている。
「ああクロームはうまくできたでしょうか」
「骸様、セクハラです」
「きっとボンゴレはびっくりするでしょうね、コートと眼帯を夜なべして作った甲斐がありましたよ」
「骸様、努力を向けるベクトルが間違っています」
「早く結果を知りたいですねクフフ…」
(……おいたわしや髑髏さま…)
すっかり日も暮れ、辺りは真っ暗になっている。
情事の後腰が立たなくなってしまった髑髏をおんぶし、家路に着くツナ。
「ごめんねボス…」
申し訳なさそうに謝ると、ツナは顔だけ振り返り
「オレが無理させちゃったからね、これくらいさせてよ」
と穏やかに答える。今のツナはいつもと違って落ち着きある雰囲気が漂っている。
(ボス、何だか大人な感じでかっこいい…)
背負われながらまた少し赤くなる髑髏。
どうやらツナはあまりの衝撃に理性がとび、超死ぬ気モードのスイッチが入ってしまったようだ。
ツナは髑髏の部屋まで彼女を送り届けた後、すぐ隣の黒曜ボーイズの部屋の
ドアを叩き、返事を待たず中に入っていく。
「おやボンゴレ、クロームはどう… ((ガツン!!!))
一直線に骸に向かい、自慢のパイナッポー頭を掴みそのまま机にたたきつけるツナ。
そのまま無言で部屋を出ていく。
「骸様…」
ゆらりと顔をあげる骸、鼻から血が垂れているが全く気にした様子もなく
「ク…フフ、超死ぬ気になるほどびっくりしたようですね…嬉しい誤算です…」
「骸様マヌケです鼻血をふいてください」
自室に戻った髑髏はシャワーを浴びていた。
(今日のボスいつもよりちょっと強引でかっこよかったな…
おんぶしてもらっちゃったし…)
彼女が幸せなら結果オーライとしておこう。
END