空気が冷えて寒さが厳しくなってきた並盛町と黒曜町。街はすっかりクリスマス一色になっている。  
「わーもうクリスマスかぁ〜」  
一緒に買い物に出かけていたツナと髑髏。クリスチャンでもない日本人が一番浮かれる時期と  
言われているだけあって、どこもかしこもツリーやポインセチアで飾られている。  
「クリスマスか…」  
「なんか思い出ある?」  
クリスマスの装飾をじっと見つめている髑髏にツナは聞いてみたが、髑髏は頭を横に振り  
「ううん、あんまり」  
と寂しそうに言う。  
(……そっか)  
彼女の今までの生活の事を思い出したツナ。またうっかりしちゃったなと反省し、つとめて明るい声で言う。  
「じゃあさ、今年のクリスマスはオレのためにスケジュール空けといてよ」  
「…うん」  
にこりと笑いうなずく髑髏。  
「クローム何が欲しい?クリスマスプレゼント」  
「プレゼント?」  
「そう。あ、あんまり高価な物は無理だけど!」  
自分の財布事情を考えてちょっと情けない声を出すツナ。それでも、そう言ってくれるツナの気持ちが嬉しくて  
髑髏は頬を紅潮させる。  
「ボスがくれるなら何でも」  
「おまかせって事?う――ん、どうしよう…」  
腕を組み、下を向いて悩む。  
「ボスは何か欲しいものは?」  
首をかしげてそう問うと、ツナはぱっと顔を上げる。  
「あのさ、欲しいものっていうよりお願い事なんだけど」  
「お願い事?」  
「そう。あのさ、オレ、クロームの手料理が食べたいんだけどダメ、かな?」  
「手料理…」  
 
今まで髑髏が料理を作ったことはなく、髑髏の住む部屋の隣にいる柿本千種が料理上手で黒曜中4人の食事は  
彼が一手に引き受けていた。デート先で食べるのはもちろん外食になり、ツナが髑髏の部屋に遊びに行っても  
食事はすべて隣の部屋でみんなで食べていたのだ。  
 
「料理したことないけど、ボスのために頑張る」  
「ほんと!?く――、うれしー!!メニューはお任せするね!」  
ガッツポーズで喜ぶツナ。そうこう言っているうちにツナが乗るバス停に着く。ちょうどバスがやってきたようだ。  
「じゃ、またね」  
「うん」  
ちゅっとキスをし、バスに乗り込むツナ。バスが発車し、見えなくなるまで手を振っている。  
髑髏はバスを見送ると、決心したような表情でマンションに入っていった。  
 
「――という訳なの。千種、私に料理教えてくれる?」  
一通り話を終え、改めて千種に頼む髑髏。  
「なんと健気なのでしょう、沢田綱吉は三国一の幸せ者ですね」ハンカチでそっと涙をぬぐう六道骸。  
「あいつに髑髏さんの手料理なんてもったいないれす!」牙をむいていきり立つ城島犬。  
2人とも千種の頭の上にのしかかり話に混ざってきていた。千種はぺいっと2人を払い、  
「わかりました。オレでよければ力になります」  
と快諾する。  
「ありがとう!」  
髑髏は目を輝かせ嬉しそうにしている。  
「ではまず何を作るのか決めましょう。ボンゴレが喜びかつ初心者にも作ることのできる料理…」  
「肉!肉がいいびょん!」  
「僕はシチリア風のカルパッチョなどがよろしいかと」  
「黙っててください。―――そうですね、オムライスはいかがですか?」  
「オムライス…」  
髑髏は以前行った水族館で、ツナがオムライスをおいしそうに食べていたのを思い出す。  
「…じゃあオムライスにする」  
 
メニューが決まり、髑髏と千種は早速エプロンをつけキッチンに立った。  
「ではまず、チキンライスから作りましょう」  
玉ねぎ、鶏肉、マッシュルーム、ケチャップ、ごはんが並べられていく。千種はまず玉ねぎをみじん切りにし始めた。  
鮮やかな手つきで刻まれていく玉ねぎを感動したような瞳で見ている髑髏。  
「では同じようにしてみてください」  
「う…うん」  
そう言って包丁を持つが、その手はぷるぷると震えている。まな板の上に玉ねぎを置き、  
両手で握った包丁を振り下ろしダン!!と真っ二つにした。ごろごろんと床に落ちる玉ねぎを千種は  
慌てて拾い、  
「ど、髑髏さまもう少し肩の力を抜いて…!」  
とまな板の上に並べる。  
 
「包丁は片手で持って、もう片手は猫の手で!」  
「ね、猫?」  
「猫の手というのはものの例えであって、本物の猫を召喚しなくていいです!」  
もはや戦場と化したキッチンを、骸と犬は不安そうにリビングから見ている。  
「クロームはうまく出来るでしょうか」  
「きっと大丈夫れすよ、髑髏さんならうまく作れるはずれふ!」  
 
―――――――――――――――  
 
「………これは」  
「この謎の物体Xはなんれすか?」  
「「オムライス」」  
初めての料理は散々たるものであった。玉ねぎが大きいため苦味が残り、そこから出た  
水分でライスはべちょべちょ、卵はこげこげ・塩こしょうを入れすぎたそれはお世辞にも  
おいしいとはいえなかった。  
 
「……っ…」眉間にしわを寄せながらも黙って食べる骸。  
「ぎゃう!塩の塊が!!」運悪い部分に当たってしまい水をガブ飲みする犬。  
「…初めて作ったのなら上出来ですよ……ぅ゛」なぐさめながら食べる千種。  
「……ごめんなさい」  
泣きそうになっている髑髏。これでは、とてもじゃないがボスに出せない、そう思った髑髏は  
「特訓する」  
と言って黒曜ボーイズの部屋を後にする。  
「千種、頼みましたよ」  
「はい骸様」  
「上手くなるといいれすね」  
なんだかんだ言いながら髑髏のオムライスは完食した3人だった。  
 
 
髑髏はその足で本屋に向かい、オムライスの作り方の乗った料理本を片っ端から  
買い集めた。そのあとスーパーに寄り先ほどの材料を買い、両手に荷物を抱え自宅に戻る。  
まずは本を熟読する。すべての本に目を通し、共通する作り方を頭に叩き込んだ。  
その後はただひたすら慣れるのみ、とキッチンに向かう髑髏であった。  
 
 
それから髑髏は自室にこもり、ツナに食べてもらえるようオムライス作りに没頭した。  
千種にはそばにいてもらい、横から指導してもらう。  
チキンライスはなんとか美味く作れるようになったが、卵でくるむのが難関だった。  
形がくずれたり、卵がこげたりして中々うまくできないのだ。  
そのため、黒曜ボーイズの夕食はその失敗したオムライスが続いていた。今日も食卓にオムライスが並ぶ。  
「オレ毛穴からケチャップが出てきそーれす…」  
「犬、あと少しの辛抱だよ…」  
「そういう時は味を変えればいいのです」  
骸はオムライスにマヨネーズをかけている。  
「クッフフフ〜、味のIT革命や〜!」  
((ひ、彦○呂…!!))  
 
 
それから数日後――――  
「―――できた!」  
皿の上にはふんわりと卵でくるまれたオムライスが乗っている。  
なんとかツナと約束していたイブに間に合った、と髑髏はエプロンを外しながら大きく安堵の息をついた。  
隣の部屋にそのオムライスを持って報告しに行く。  
「っひゃー、すげー!!」  
「髑髏さま、お疲れ様でした」  
「ありがと、2人とも…骸様は?」  
きょろきょろと部屋を探していると、玄関から両手に大荷物を抱えた骸が入ってくる。  
「おや、うまく出来たのですねおめでとうございます」  
「はい」  
髑髏の手の中のオムライスを見てねぎらう骸。荷物を床におろしながら、  
「部屋の装飾やツリーを調達してきました、早速飾りましょう」  
といって嬉しそうに装飾を始める骸だった。  
 
 
今宵は12月24日・クリスマスイブ。  
夕方に待ち合わせをし、並盛に飾られたツリーを見に行く2人。  
「きれい…」  
「ほんとだね〜、うわ、すごい大きい!」  
メインストリートに設置された何mもあるクリスマスツリーは色とりどりのイルミネーションに彩られ  
幻想的な輝きをみせていた。  
その広場はものすごい人混みだったので2人ははぐれないようにと手をつなぐ。  
そんな中、広場に大音量の音楽と共にアナウンスが流れた。  
『それでは今からミス・サンタクロースコンテストを開催しまーす!!』  
それはサンタクロースの衣装を着た女の子の中からグランプリを決定するという、ミスコンのようなものだった。  
「へーあんなのやってんだ」  
そんな2人のそばにたまたまいたイベントのスタッフが髑髏を見つけ、  
「君、是非参加してください!」  
「え、え?」  
とツナと髑髏の手を引き半ば強引に参加者控え室に連れて行ったのだった。  
 
「ボス、どうしよう」  
「んー、とりあえず出てみようよこんなの滅多にないしさ」  
(つーか、単にオレがクロームのサンタ姿を見たいだけなんだけどね)  
とツナはコンテスト用に設置された舞台の最前列席に移動する。  
 
『それでは美しいサンタクロースの登場です!1番・○○○子さん、2番・□□□美さん…』  
司会者が一人ずつ女性の名前を読み上げると、サンタの格好をした女性が次々と姿を現す。  
「あ、クロームの名前!」  
ツナは焦った。クローム髑髏じゃまずいし、かといって骸と会う前の話はしたがらない彼女が  
フルネームを言うわけないし…頭を抱えるツナ。  
『6番・沢田凪さん』  
「…え?」  
ツナが顔を上げた瞬間、会場が大きくどよめいた。舞台に上がった髑髏は、ミニスカのサンタの格好を  
していた。胸の中心部分がハート型に開いており、ミニスカートのすそはふわふわと白いモヘアがつき足元はブーツ。  
小柄な彼女にはサンタの衣装の上着が少々大きかったらしく、そでからは指がちょっとのぞいていて  
とても可愛らしかった。ほかの参加者もくやしそうな目をして髑髏を見ている。  
そんな中、判定は満場一致で髑髏となり、ダントツで優勝したのである。  
『優勝した沢田凪さんには優勝商品と、副賞として今着ているサンタの衣装がプレゼントされまーす!』  
 
「優勝商品って…」  
「買う手間はぶけたね」  
先ほどのコンテストで貰った商品を抱えて歩く2人。ケーキやシャンパン、チキンなど  
クリスマスには必需品のものが一通り揃っていた。  
「すげー可愛かったよ」  
ツナは髑髏のミニスカサンタ姿を思い出して言う。  
「ほんと?じゃあれ着てオムライス作るね」  
「やった!あ、作る料理ってオムライスなんだ!?オレ大好きなんだよ!」  
にこにこと笑いあいながら2人は髑髏の部屋に向かっていた。  
 
「な、なんということでしょう!」  
目を瞑って黙っていたサンタ姿の骸がカッと目を開け叫ぶ。  
「骸様、どうしたんですか!?」  
何事かと千種と犬が骸に駆け寄ってくる。  
「クロームがミスコンで優勝したようなのですが…」  
「なんら〜、いい事じゃないれすか」  
髑髏にプレゼントする予定の包みを抱えて愕然とする骸。  
「副賞がミニスカサンタの衣装だなんて…!プレゼントがかぶってしまった!」  
「ご自分で着るだけでは飽き足らず髑髏さまにまで…?」  
「変た…ギャン!!」  
犬を殴りつけた骸はしばらく考え込んでいたが、  
「クフフフ…仕方ありません、プレゼントはこれにしましょう」  
と言って別の包みを取り出した骸だった。  
((まだあるんかい!!))  
 
 
部屋に入ろうとした髑髏は、玄関のドアの前に置かれた包みに気づく。  
「なんだろ…」  
それを手に取り、包みについているメッセージカードを読む。  
「なになに?」  
「骸様からのプレゼントだ…」  
「なぁ!?どーせろくでもないもんだろ!?」  
ツナは髑髏の手から包みを取り上げ、黒曜ボーイズの部屋の前に放置し、髑髏の部屋に入っていった。  
「くっ、沢田綱吉、僕からのプレゼントを拒否するとは…!」  
ハンカチを噛みしめくやしがる骸。  
「もういいじゃないですか…」  
と千種が放置された包みを拾い、骸を部屋の中に引きずっていく。  
 
 
「じゃオムライス作るね」  
「うん!お願いします!」  
髑髏はキッチンへと消えていった。ツナはその間にもらったチキンやケーキを  
テーブルに並べていく。  
 
 
副賞でもらったミニスカサンタの格好で髑髏はキッチンから出てきた。  
「おまたせ」  
そう言って置かれた皿の上にはきれいに盛り付けられたオムライス。  
「うわーおいしそう!!いただきます!」  
スプーンに取り、口に運ぶ。卵は半熟でチキンライスをより引き立てていて、  
「―――っおいしー―!!」  
思わず大声で叫ぶツナ。どんどん食べ進め、あっという間に完食してしまった。ケーキを切り分けながら、  
「嬉しい、喜んでもらえて」  
と頬を染める髑髏。  
「ありがと、最高のプレゼントだよ〜!あ、そだオレからのプレゼント!」  
ツナは自分のバッグから小さな包みを取り出し、髑髏に差し出す。  
「開けてみて」  
ラッピングをほどくとそれは小さな箱。開けてみると、中にはハートの石がついた指輪が入っている。  
「ボス、これ」  
「へへー。クロームには霧のリングを渡してるけどあれは骸のものでもあるし、オレからきちんとした  
指輪を渡したかったんだ。受け取ってくれる?」  
「…もちろん」  
髑髏は箱から指輪を出して霧のリングのように自分の中指にはめようとするが、ツナは  
「あーそこじゃないよ」  
と言って髑髏の手を持ち、左手薬指に指輪をはめた。  
「ボス、ここ…」  
「中指は忠誠の証、薬指は愛の証。クロームのすべてをオレに頂戴?」  
 
「ふぁっ…ん、ん…」  
リビングのソファの上で唇を重ねる2人。髑髏の口内を舌でねぶっていくツナ。  
ぴちゃ、と糸をひかせツナが顔を離す。  
「ぁ…ボス…?」  
潤んだ瞳の髑髏を見つめるツナは  
「今日はクリスマスだからね…」  
と言って目を閉じる。すぅ、と再び目を開けるとそこは透き通ったような瞳が在った。  
そう、ハイパーモードになっていたのである。  
「ど、して…?」  
「今日はクロームをとことんいじめようと思って」  
顔を赤くする髑髏にニッと笑うと、テーブルに置いてあるケーキに手を伸ばす。  
髑髏の上衣のボタンをはずし下着をずらせると、生クリームをひとすくい指に取り、胸の突起に塗るツナ。  
「ひゃ?」  
「動かないで」  
とツナはもう片方にも塗りつけてゆく。最後にいちごを取り、髑髏の唇にくわえさせる。  
「噛んじゃだめだよ、そのままくわえてて…」  
「は…ぃ、」  
ツナは髑髏の耳たぶを甘噛みし、ゆるゆると耳を攻めてゆく。  
「ん、ん…」  
つ‥と首筋をたどり、クリームを塗った部分に到達するとそのまま舌でれろ、と  
クリームごと舐め取った。  
「んぅ!」  
びくんと髑髏の体が跳ねる。  
「…甘い」  
ぺろりと自分の唇をなめたツナは手を髑髏の一番敏感な部分に這わせた。  
そこはしっとりと濡れ、更なる刺激を求めてヒクついている。くちゅ、と音をたて指を中に挿入させる。  
「んっア!」  
 
下着を脱がせ、濡れた茂みの奥に指を進ませる。後から後から溢れてくる蜜。  
緩急をつけて出し入れすればあっという間に髑髏は限界にまで追いやられてゆく。  
「すっかりいやらしい身体になっちゃったね…」  
「ん!ン、だってボスが…」  
「オレが、何?」  
「ャああ!」  
ツナの指がある一点を捉えた。くりくりといじり、擦ってやると  
「ひ、ア!あっあ、―――!」  
髑髏はのけぞり、達した。ソファに身体を沈め、はぁはぁと息を上げる髑髏。  
ず‥と指を抜いたツナは微笑しながら  
「随分イくの早いね…このシチュエーションに燃えちゃった?」  
と問う。  
確かに、髑髏はミニスカサンタの格好で上ははだけ、下はノーパン、おまけに  
超直感のツナの愛撫…達するなというのがそもそも無理なのだ。  
カァと赤くなる髑髏にツナはさらに言う。  
「ね、オレにオナニー見せてくれる?」  
「え!?」  
 
「や‥だ、できない…」  
少し震える声で拒否するが、ツナは笑みながら黙ってじっと髑髏を見ている。  
「…っ」  
強く否定してツナに嫌われるのが嫌だ、そう思い髑髏はゆっくりと手を  
自身の乳房に持っていく。やわやわと手全体で揉むと、床に座っているツナが  
髑髏を見上げて言葉で責めてくる。  
「乳首も触って…そう、摘むようにね――ああ、固くなってきたね」  
「っふ…」  
「そのまま手を下に…クリトリスに持っていって」  
「あ、ァ」  
「そこいじるの好きでしょ?いつも喘いでるよねそこ触ると」  
くちゅくちゅと粘液の音がツナの声と共に耳に入り、髑髏の思考に霞がかかる。  
 
羞恥心より快楽を――――  
 
「あれオレ指入れてって言ってないのにね…」  
クリトリスの刺激だけでは足りないのか、髑髏は片手の指を秘穴に出し入れし始めていた。  
クス、と笑うツナの声はすでに聞こえていないようだ。  
「んン、あっ、ッイ く…!」  
「だめ」  
「…!?」  
イく寸前にツナが髑髏の手首を掴み動きを止めたのだ。寸止めされて泣きそうになっている髑髏。  
「な‥ん、で」  
「いじめるって言ったでしょ?」  
ツナは髑髏の座っているソファの後ろに回ると、うなじにキスを落とし再度髑髏の恥部に手をのばす。  
「ぅあ!」  
 
イきそうになる度、直前で手を止められる。何度か繰り返される内に髑髏の身体はヒクヒクと  
痙攣し始め、瞳は焦点があわなくなってきていた。  
「ぼ、す もう‥」  
目じりには涙が浮かんでいる。もうとっくに限界は来ているのだ。  
 
「くわえててねって言ったのに」  
ツナが髑髏の唇から落ちたいちごを拾う。  
「…っ、は、やくぅ‥」  
ふっとツナは笑い、髑髏の太ももを割り広げ猛った自身を奥に進めた。  
「っああぁあ!」  
待ち望んでいたモノに貫かれ歓喜の声を上げる髑髏。濡れたソコは  
ピクピクと震え、ツナを奥へ奥へと飲み込んでゆく。  
「…ぬるぬるしてる」  
「んぁ、あア!」  
自分の上にのしかかり腰を打ち付けるツナの背に腕をまわし、  
ぎゅっとしがみつく髑髏。ツナは手の中のいちごを自分の口に  
くわえると、顔を髑髏に近づける。  
「ほら…」  
ぷちゅ、と果肉を噛んで口移しでいちごを髑髏の口内に入れてやる。  
「んっ、ぅ」  
甘酸っぱい果汁が口の中に広がる。そのまま舌を吸われ、髑髏は何も  
考えられなくなっていた。  
ぴちゃ、ちゅ、ズプ…  
「んう!ぅ、ああア」  
ツナは挿入しながらも両手で髑髏のクリトリスと乳首を刺激していた。  
3点を同時に責められ、髑髏は快感で呼吸もままならないほどになっている。  
「ひ、ァ…ッッ!」  
ぶるぶると髑髏の身体が痙攣を始めた。限界が近いようだ、そう悟ったツナは  
「一緒に、いこうね…」  
と腰の角度を変え一層深く突く。  
「は、は……も、イくっ…!!」  
―――――ほぼ同時に2人は果てた。  
 
一緒にシャワーを浴び、ベッドにもぐる2人。ツナはなんだか恥ずかしくて素の時に  
聞けなかった質問を髑髏にしてみた。  
「ミスコンの時、自分の名前を『沢田凪』って…」  
「あ…」  
もじもじと視線をさまよわせる髑髏だが、少し頬を赤くしながら  
「え、と…スタッフの人に名前教えてって言われて、なんて言っていいのか  
わからなくてついボスの苗字を…不快だったらごめんなさい」  
と謝る髑髏。ツナはふ、と笑い  
「不快なわけない」  
と彼女を抱き寄せ、耳元でささやいた。  
「dopo di anello , abito da sposa」  
「―――!」  
すっとハイパーモードを解除し素に戻るツナ。戻った途端顔を真っ赤にして照れている。  
「いや、あの、えーと!」  
「ボス…」  
「…ほんとにそう思ってるから。ほんとだよ?」  
「…うん」  
 
 
今宵は12月24日クリスマスイブ。  
聖なる夜、このようなプロポーズの言葉はあちこちで語られているのだろう。  
 
―――指輪の次はウエディングドレスだね―――  
 
髑髏はこの言葉を嬉しそうにかみしめながら眠りについた。  
(だけどオレ、ほんとにそう思ってるんだよ、いつか――)  
ツナもまた、この言葉に誓いを立てながら眠りについたのだった。  
 
 
 
 
END  
 
 
 
 
おまけ 
 
黒曜ボーイズの部屋は、とてもではないが一個人の部屋とは思えないほどの  
凝った装飾で彩られている。  
「ひゃっほー!メリークリスマスだびょーん!!」  
クラッカーを鳴らし浮かれている犬。  
「……メリークリスマス」  
いつものニット帽ではなくキラキラの三角帽をかぶらされている千種。  
「クフフフ、イタリアでは『Buon Natale』ですけどね」  
とサンタの格好でクラッカーを鳴らす骸。  
「早く肉食べたいれす!肉!肉!」  
 
「ところで骸様、あの包みの中身はなんですか?」  
食事をしながら骸に質問する千種。  
「よく聞いてくれました、沢田綱吉とクロームがより甘い聖夜を  
迎えるようにと用意していたのです」  
と骸は包みから取り出したもの、それは…  
 
「いちご味のローション、これはかの有名な叶○子が愛用しているものです。  
そしてこちらがバイブです。ポリウレタン製で体温になじむそうです。  
そしてこちらが――」  
 
次々に取り出される大人のおもちゃ。  
「おやどうしました2人とも、そんな絶対零度のまなざしで僕を見ないでくださいよ…  
ああ千種何をするのです、折角のプレゼントを燃えないゴミに分別だなんて!」  
 
 
こうしてそれぞれの聖夜はすぎてゆくのだった。  
 
 
 
END  

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