ここは前日の夜、山本と京子が別れた交差点。ここが本日の騒動の  
発端となる地である。  
 
 
一つの道の向こうから、なにやら子供の声と爆発音が聞こえてくる。  
「イーピンのばかあぁぁ!!」  
「○※△■;◎!」  
ドーン!ドカーン!  
どうやら、イーピンが朝飲むのを楽しみにしていた牛乳をランボが勝手に  
飲んでしまい、ケンカしているようである。  
 
 
もう一つの道からは、ジャージを着てフードを頭からかぶり、拳をシッシッと振りながら  
走ってくる男が一人。  
朝のロードワーク中の笹川了平だ。  
「やはりロードワークは朝に限る!!」  
 
 
そしてもう一つの道からは、これまたジャージでウォーキングしている女の子。  
「食欲の秋とはいえ太りすぎました〜!」  
と汗をかきかき歩く三浦ハル。  
 
 
三者三様、偶然にも同じタイミングで交差点にむかって来ている。  
ばきっ!  
「▲∵※◎□!」  
「うわあぁぁぁあ!!」  
イーピンにケリをくらい、大泣きするランボ。泣きながら取り出したのはそう、おなじみ10年バズーカ。  
うわあぁあと泣く自分にむけてバズーカを構えるランボだが、足元の石にけつまづき  
よろよろと前にふらついている。  
撃つと同時に、電柱にバズーカの端が当たりぴしっと音をたてたその瞬間…  
 
 
「ん?」  
「はひ?」  
「△※◆?」  
 
 
ドガアァァン!!!!  
 
 
「はひー!何なんですかこの煙!!」  
もうもうと目の前に立ち上る煙で視界がさえぎられ、全く前が見えない。  
「視界ゼロです〜!!」  
目をつぶったまま手で煙をはらうように振るハル。どん、と何かにぶつかった。  
「ぶっ!」  
鼻をもろに強打し、思わず変な声が出てしまう。  
自分がぶつかったであろう物体に手をかけ、形を確かめようとぺたぺたと触っていると、  
 
何やらあったかい感触が…  
「…あの、あまり触らないでください…」  
と男の声がした。  
「へ?」  
 
ようやく煙がひき、徐々に周りが見えてくる。  
ハルの目の前には牛柄のシャツを着た黒髪の男が立っていた。  
「お久しぶりです、若きハルさん」  
「ああああなたはハルの苦手なエロい人!!」  
そこには、10年バズーカで召喚された10年後のランボ。もっとも、10年後のランボだとは  
知らないハルにとってはただのなんかエロい人なのだが…  
 
「やれやれ、朝のラジオ体操の途中だったのに…」  
周りを見渡し、10年前に呼び出されたことを悟ったランボは一人ごちた。  
ハルに視線を戻すと、顔を真っ赤にしてぷるぷる震えている。  
「あの…」  
「ぎゃー!近寄らないでくださいヘンタイ!」  
「え、ちょ…」  
顔を手で覆い、ランボを見もせずに声を張り上げるハル。  
「早くどっか行かないとワイセツ罪で通報しますよ!!」  
 
あまりの言われように、さすがにムッとしたランボはハルの体を持ち上げ、  
右肩にかつぐとすたすたと歩き出した。  
「失礼します、ここでは人目につきますので」  
一方担がれたハルは  
「ぎゃー!人さらいーー!!助けてーーー!!!」  
となお騒いで暴れていた…  
 
近くの公園までハルを運び、ベンチにすとんと下ろす。  
ふぅ、と息をつきハルを見ると、彼女は失神寸前のような状態になっている。  
「大丈夫ですかハルさん」  
声をかけるとハッとしたように我に返り、真っ赤な顔でランボにかみついていく。  
「なんなんですかあなた、ハルをこんなところにまで連れてきて…!  
は!まさかイタズラ目的で!?」  
 
(相変わらずだな…)  
ぎゃんぎゃん怒鳴るハルを見つめながら、この10年間を思い出しふっと笑みがもれる。  
 
そんなランボの笑みにどきっとするハル。  
それまでは無駄に開いたシャツから見える胸元ばかり気にしてまともに顔を見て  
いなかったのだが、よく見てみると相手はかなりの美形。  
(はっ!ハルとしたことがつい…!)  
ぺちぺちと自分の頬を叩き、きっとランボをにらみつけ、  
「そんな顔したって騙されませんよ!ハルにはツナさんというれっきとした未来の  
だんな様がいるんですから!」  
とまくしたてる。  
 
「ツナさん…?」  
「そうです!あなたなんかよりずーーっといい男なんです!」  
「…ああ、そうか まだ…」  
憂いを帯びた表情で思考を巡らせると、ランボはすべてを把握した。  
 
「ハルさん、彼の事はあきらめたほうがいい」  
「は?何言ってるんですか!?そんなこと言われる筋合いはありません!」  
ランボはちらりと公園に設置されている時計を見る。  
召喚されてからとうに5分間は経っているのに、自分はまだ10年前にいる。  
バズーカに不具合でも生じたのだろうか、そう悟るとハルにこう伝える。  
「未来を変えてしまうことになるので詳しくは言えません、が、彼にはすでに  
心に決めている女性がいるのです」  
 
 
   
ショックで目の前が暗くなる。脚が震えてきた。動悸がする。  
涙で視界がぼやけてきた。そんな姿を見られたくなくてランボに背をむけるハル。  
「…そんなこと言われなくたって知ってます」  
「ハルさん?」  
 
「ツナさんに好きな人がいるってことくらい、ツナさん見てればわかります…  
それでも振り向いて欲しくてがんばってるんです!いけませんか!!」  
細い肩を震わせ、涙声の彼女が無性にいとおしくなった。  
後ろからそっとハルを抱きしめるてみると、ランボの腕の中にすっぽりと収まってしまう。  
 
「すみません、泣かないでください」  
「泣いてないです!」  
「泣かないで…」  
ハルの耳にちゅ、とキスを落とす。  
「ひゃ!?」  
びくんと彼女の体がはねた。どうやら耳は弱いらしい。  
右耳にもう一度キスをし、舌を耳の中にさし入れてみる。  
「んっ…やぁ」  
眉根をよせ、ぞくぞくと背筋をはう感覚に耐えている表情が色っぽい。  
する、と手を胸のふくらみに這わせてみる。まだ発育途上の小さな胸。  
円を描くように揉みしだいていくと、ハルの吐息が聞こえてきた。  
「ハルさん…直に触っていいですか?」  
耳元で囁いてみると、ハルは  
「は、はひ…」  
とイエスともノーともいえない返事をかえす。  
イエスととることにしたランボはジャージの中に左手をいれ、ブラの上から  
胸を包むように掴む。  
 
ゆっくりと形をなぞるように胸を触ると、ブラの隙間から指を入れ  
中心の突起をくりっと刺激する。  
「ん!」  
ダイレクトに触れられた感触に、思わず声が出てしまう。そのいい反応を  
確かめ、ランボは右手をハルの下半身に持っていく。  
「や、そこは…!」  
「ダメ、ですか」  
悲しそうな声で言われると、自分がいじわるを言っているように錯覚してしまう。  
「ダメじゃない、です」  
 
左手は胸を刺激しながらジャージの中に右手をさしいれ、下着の上から割れ目をなぞる。  
 
「ひゃ、あぁ!」  
布の上からでもその充血してとがったクリトリスが確認できた。その中心を攻めるように  
中指で執拗に愛撫していくと、ハルの口からは絶え間なくあえぎ声がもれる。  
「あっ、あ、なんか変です…ぅ!」  
下着の中に手を入れ、直接ソコを触ると指先にねっとりと愛液がからんでくる。  
(クリュ、ちゅぷ…クチュクチュ‥)  
自身の股間から聞いたことのないような卑猥な音が聞こえさらに羞恥心があおられる。  
 
「ああ ぁ、や、ひっ… アァぁ!!」  
びくんと体をそらし、ハルは達した。  
 
「はぁ…ふ、ぁ…」  
腰の抜けてしまったハルをベンチに座らせ、その前にしゃがんでハルの顔を覗き込むランボ。  
「ハルさんとても綺麗でしたよ」  
「っ…あなたはやっぱりエロい人でしたーー!!」  
ぺちん!とハルのビンタがランボの頬をとらえる。  
たたかれた頬を押さえながら、はは、と笑うランボ。  
「うん、ハルさんはそうでなくちゃ」  
「なに笑ってんですか!」  
顔を真っ赤にして怒鳴るハル。その表情にはランボに対する警戒心はなくなっている。  
 
 
 
ふ、と笑うランボ、その体にはしゅーしゅーと煙が漂ってきていた。  
「時間ですか…若きハルさん、お別れの時間のようです」  
「へ!?」  
すっとハルの愛液に濡れた自身の右手を口元に持っていき、  
「あなたの魅力はそのまっすぐで一途なところです、忘れないでくださいね」  
その右手をぺろりと舐め片目をつぶってウインクする。  
 
ボフン!!!  
 
 
 
もうもうと煙がたち、ハルの目の前にはうわぁぁぁんと号泣する5歳児ランボが現れた。  
 
「ランボちゃん!」  
ランボを抱き上げ、よしよしと頭をなでてやる。  
「いったいあの人は何者だったんでしょう…でも、どこかで…」  
腕の中の子供の成長した姿だとは想像すらできないであろう、ハルは朝日の  
上り始めた空をただ見上げるばかりであった。  
 
 
 
 
 
 
ランハル編END  
 

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