唾を飲みこんで、一息吐くと髑髏は意を決したようにそれを掴んだ。
「…ごめんなさい」
小さく落とされた言葉は誰に対してだったのか、髑髏以外は知る由もない。
細く小さな手が自分のそこを撫でるように行き来していたかと思ったら、そのまま下のほうへと降りていく。
ぎこちないながらも戸惑いがないところを見ると、経験がないわけではないらしい。
下の袋状のそこを揉むように柔らかに刺激しながらもう片方の手で握るようにして上から下へと動かす。
ベッドに座っている状態のディーノの足元に跪くようにしていた髑髏が、少し硬くなり始めたそれへと
舌を伸ばし尿道口をちろちろと舐めた。
「…ッ!!」
その刺激に一気に元気になった一物を確認してから、渡されていたコンドームの袋を破く。
ゴム臭い匂いが鼻に付く。一瞬髑髏の顔が歪んだが、すぐに元の無表情に戻りコンドームを口でくわえた。
ここまではよかったが、その先が分からない。どうしよう、とビアンキを視線だけで探すが元いたはずの場所
ディーノの後ろに彼女はいなかった。
「そのままペニスの上に置くのよ」
いつの間にか髑髏の後ろに移動していたらしいビアンキが髑髏の耳元で囁く。
温かく湿った息が耳朶にかかって、体が反応してしまう。
いわれたとおりに咥えたそれをいきり立ったそこの先端に置く。
「そう、そのまま唇だけつかって下ろすの」
熱く脈打つペニスに唇が触れる。つう、となぞる様に下ろしていく、少しずつ根元へと。
「……出来た」
ほぅ、と安心したように一息つくと髑髏はビアンキへと視線をやった。
ビアンキは唇を少しだけ歪めて笑う。
「あとは好きにしていいわよ。 見たかったら見てもいいし、シャワーも勝手にどうぞ」
「…はい」
髑髏の返事を聞き終えるまえにビアンキはディーノを押し倒した。
いつのまにか服を脱いだらしい彼女は、そこに片手を添えて固定するとその上に自分の秘所をあてがう。
「んっ…」
一瞬躊躇ったかと思ったが、すぐにディーノのそれはビアンキの中へと飲込まれていった。
「いいのかよ…毒サソリ、お前」
ちょうど倒れこんできた身体に、耳元でディーノが囁く。
「…ッ、動かないで。これは仕事よ。リボーンから頼まれたんだから、――私の、仕事。」
(人が心配してやってんのに…あー、くそっ、馬鹿らしくなってきた)
ディーノはされるがままだった身体を、上半身だけ起こす。
「じゃあ俺も好きにさせてもらう」
そういうとビアンキの腰を両手で固定すると、下から激しく突き上げた。
「あんっ…う」
ぐちゅぐちゅという水音と、肌と肌がぶつかる軽い音が部屋に響く。
出るに出られなくなっていた髑髏は目の前の光景をただ呆然と見詰めていた。
(…すごい、…気持ち良さそう)
じわじわと自分のなかにまた熱が灯り始めるのを感じて、そこに手をやれば思ったとおり
指とそこは透明な一本の脆い糸で繋がった。
「や、ちょっあ…」
「どうした、毒サソリ?」
先ほどまでの様子とは打って変わって、ビアンキがされるがままにディーノの腰使いに翻弄されている。
騎上位の体制から、バックへと移り、豊かなバストが腰を打ち付けられるたびに揺れていた。
「あん、っ…」
甘い声がビアンキの唇から漏れる。相手の反応を見ながらディーノは緩急をつけて腰を動かす。
イきそうになればゆるめ、楽になったと思えば激しく攻め立てる。
「…仕事なのにすげー感じてるように見えるけど?」
少し上がった息で、ディーノがビアンキにいう。繋がったままくるりと、体を反転させて正常位へと
互いの顔が見えるようになった。
部屋は少し薄暗いが、ビアンキの顔は赤くなっているのは確認できる。
しかしその瞳は悔しそうにキッと睨み付けていた。
「…五月蝿い、っ」
ぎゅう、と言葉とともに肉壁がディーノを締め付けた。
中の上の方をわざと刺激するように、締め付けるそこを進んでいく。
ビアンキの顔から一瞬余裕がなくなって、体がのけぞったのを見て、そこを中心的に攻め立てた。
勝負をしているわけではないが、なんとなくイかされるのは嫌だと互いに思っていたのでお互い譲らない。
が、限界もすぐそこにきているのも事実である。
腰のほうへと何か集中するような、だんだんと抜けていくというその感覚にもう自分自身で
スピードをコントロールする余裕はなくなっていた。
「んっ、ぁあ!」
「っ…!」
一際強くビアンキの中が締め付けたと思えば痙攣を起こし、それに耐え切れずディーノもそこで果てた。
繋がったままビアンキの上に重なるように倒れこんで
「俺の勝ちだな」
と整わない息で言えば、むっとした表情で次はわからないわよと返す。
髑髏はそんな二人を見ながら、すごいなどと感心しながらも良いコンビだなぁと思って
静かに部屋を後にした。
バスルームへと移動すれば、前の二人が使ったせいか仄かな石鹸の香りがそこに漂っていた。
このままで帰るわけにもいかないのは明らかだったが、生憎替えの下着など持ってきていない。
(京子ちゃんとハルちゃんは…どうしたのかな…)
自分の愛液のせいで湿ってしまったショーツを脱ぎながら髑髏は二人のこと思う。
次からどんな顔して会えばいいんだろう、とかそんなことを考えていたら
なんとなく胸に黒い靄がかかるような罪悪感がじわじわと広がってきた。
ドアを開けてシャワーを浴びる。体は綺麗になったとしても消せない事実が髑髏の心に重く圧し掛かる。
自分で決めたことなのだから、今更どうしようもないのにうじうじと悩んでしまうのは自分の悪い癖だと
彼女自身自覚していた。下腹部へと手を伸ばし、水とは違う少しぬるりとしたそれを掻きだすように
細い指でそこをなぞった。黒い靄を打ち消すように頭をふるふると振ると違うことへと意識を向けるよう努力する。
「そういえば、ケーキ…」
ハルが忘れ物を取りに来たときにビアンキが言っていたことだった。
なんとなくあれはただの頼みごとではなくて、何か別の事が含まれていたようにも思える。
「…うまくいくといいな…」
(ハルちゃんと獄寺くん…、京子ちゃんとボス…)
それぞれの幸せそうな顔を思い浮かべながらシャワーを止めると、バスルームをあとにした。
真っ赤に染まっていた部屋に夜の影が広がっていく。
物音ひとつ立てず、どうしていいか分からないまま互いに己の心音だけを聞いていた。
いつもは騒がしいはずの二人は、ただ二人しかいない空間で沈黙を守っている。
それに耐え切れなくなったのは獄寺のほうだった。
「…い、…移動、するだろ?」
こくり、と一度深く首を縦に振ると、ベッドのある部屋の扉を探す。
一つ一つの部屋はつくりが少しずつ違うようで、ビアンキ達といたところとも間取りは変わっていて
二人が最初にあけたのはバスルームの扉だった。
夕焼けのせいで赤かった顔が更に赤くなった。自分のペースも何もない状態の獄寺は慌てて扉を閉めて
ハルも最初は吃驚したものの、獄寺の慌てる様子がなんだかおかしくてちょっと笑う。
「笑うな…!」
視界の端にそれを捉えたらしい彼はそっぽを向きながら言った。耳が赤いことから照れているのがよくわかる。
あー、くそ、とかいいながら獄寺は次の扉を開ければそこには二人が探していたベッドがあった。
おかしなことで意識がそちらに集中すればするほどベッドというものが卑猥なものに見えてきて
清潔感のある白いシーツさえもなんだかやらしく見えてくる。
こういうことにあまり興味のないような二人だから余計なのかもしれない。
男だからこういうことをリードするのは俺だ、とよく分からない使命感に獄寺は一息吸うと
自分の一歩後ろにいたハルの手を握って、勢い付けのように少し強引に部屋に入っていった。
握った手の小ささや柔らかさなんかに驚きと胸の高鳴りを隠せないままベッドの前までいくと向き直り、
ハルの肩を掴んだ。
「…お、……っ、は、ハル…」
「は、はい…!」
いつもの癖と言うのは恐ろしいもので、こんなときにでも出てしまう。恥かしさで顔が熱いが薄暗い部屋ではあまり
見えないだろうと獄寺は高をくくって彼女の名前を呼ぶ。
「…その、…俺も、お前のこと…好きだから」
最後のほうは小さい声になって、顔も俯いていた。ちらりと視線を向ければ、またハルの大きな瞳からは
ボロボロと涙が零れていて、何か間違ったことを俺はいったのかと獄寺はあたふたする。
「…、ち、が、っ、これは、…っうれし涙で…」
溢れ出るそれが獄寺を狼狽えさせていることに気付いたハルは一生懸命手で涙を拭うように頬をこすった。
あまりにも一生懸命なものだから、見ているこっちには痛いのではないかと思えて獄寺はその手首を押さえた。
咄嗟にでてしまったものだったけど引っ込みがつかなくなって、そのまま涙の残る頬に唇を寄せて舐める。
自然とそのまま互いの唇を重ね合わせ、体の距離が近づく。一度唇を離して、もう一度。
今度はハルの柔らかい唇の間へと舌を少し進めて、ゆっくりと割り込ませる。
びくりと、肩が跳ねたが逃げられないように腰へと手を回していたのでそのまま受け入れられた。
自分のではない口腔内に、不慣れながらも体が求めるがままに侵していく。
「ん、ぅ…っ」
苦しげな息が唇と唇の合間から漏れる。解放すればハルはまた涙目になっていたし、自分も少し息が上がっていた。
そのままハルをベッドの端に座らせて、それを合図にまた唇を重ねる。
先ほど着直したばかりの制服がまた脱がせられていく。恥かしいという気持ちもあったが薬と先ほどまでしていた
行為のせいか感覚は少し麻痺していた。
ブラウスのボタンを外す間も惜しいのか、その上から掌に丁度収まる胸を揉む。
「ぁ、っ」
我慢しきれず甘い声がハルの口から漏れた。いつもと違うしおらしい態度になんだか胸がこそばゆいような
不思議な感覚になる。焦ることで手が上手く動かず、両手でボタンを外していくことになって
真剣に人を脱がそうとしている様子は酷く滑稽だと思いながら、手を動かしていく。
するりと手が伸びてきたかと思えば
「私ばっかりじゃ、卑怯です…」
とハルが言う。それもそうか、と黙って頷くとそのまま互いにボタンを外していく。
外気に肌が晒され、体の火照りを強く感じた。
部活のせいか、白く細い体は引き締まっているのに女性らしい丸みを帯びていて美しいラインで獄寺を誘う。
ブラジャーのホックなど外したことなどない彼は、そのままそれを上の方へ押し上げ露になったピンク色の
頂きに口付けをする。するとハルの体が跳ねるように反応を示す。
「や、…恥かしい、です」
「…きれいだ、すごく」
口から自然と出た言葉にまるで自分じゃないみたいだと思いながら獄寺はそこに直接手を触れる。
ふに、と柔らかいそれは獄寺の手の平に馴染む。同じ肌であるのに、自分の少しがさついたそれとは別もののように
滑らかで柔らかいことに少し感動を覚えた。
(大きくはないけど、なんかすげー…)
まだまだ成長途中らしいハルの胸は強く揉めば少しのしこりを感じる。その度にハルの口から我慢したような可愛らしい声が
漏れた。その反応が獄寺の心にはたまらなかったらしく、揉みながら、今度は人差し指でくりくりと胸の頂をいじった。
「んっ!あ…!やぁ…え、っち」
股を閉じるように足が動いている反応を獄寺は見逃さなかった。ハルの可愛らしい抵抗も意味はなさないし
挑発にも余裕のなさが窺えてかわいいとすら思えるようになっていた。
「だ、だめです!」
ぱ、と足を閉じようとするも獄寺の手が既に間に割って入ってために叶わない。スカートと太腿の間で手がもぞもぞ
と動きなんだか変な感じがすると、ハルは身をよじらせた。
「何が”だめ!”だよ… ハル」
にやりと笑っているようにも見えた獄寺はショーツの上からそこを指でつんつんと押した。
湿ったそこからはくちゅ、と小さく音が聞こえる。ハルは真っ赤になった顔を両手で覆い隠して
「ち、ちがいますそれは!」
と言い訳をし始めようとするが、それも叶わない。
膝を立てた状態で寝ていたハルだが、両手でもって、獄寺が可愛らしい膝を掴みこじ開けたのだった。
ショーツをゆっくりと脱がしていけば薄い茂みと、ピンク色の襞が少しだけ見え隠れする筋が見える。
「お前のここ、すごいことになってるぜ」
「…いいい、言わないでくださいっ!獄寺さんの変態!エッチ!バカ!」
思いつく限りの言葉を並べてみたが相手に効果はないらしく、いつものような罵声は返ってこない。
(今日は変なんですよ…!ハル、初めてなのに、いつもはこんなじゃないのに…)
心の中で叫ぶがそんな事情を彼は知るはずもなく、静まり返ってしまって何も起らないから変だと思い
指の隙間から見ると、彼の顔が自分の足の間にあった。
まじまじと見つめられているということが分かり、ハルの脳みそは沸騰しそうなくらいだった。
足を閉じようにも両手で太腿をしっかり押さえられているのでそれも叶わない。
と、その時、今まで体験したことのないようなものが、蜜の溢れるそこへと侵入する。
「ひあっ」
(…狭…!こんなの、本当に入んのかよ?)
獄寺の指が膣口へと侵入したのだった。ハルの腰が跳ねるのも構わず獄寺は確かめるように指を一本ぐりぐりと
そこを広げるようにしながら進めていく。
どう考えてもおかしい、こんな狭いところに自分のモノが入る気がしない、などと思いながら。
ごつごつして、少し乾いた指先が自分の中に侵入してきて、しかもそれが獄寺のものだというので
ハルの心臓は跳ねるように早打つ。頭がおかしくなっちゃいそうです、と薬の抜けきっていない体で反応をしていた。
ぐちゅ、くちゅ、と水音は増していき蜜は滑りよくするように溢れてくるが、どう考えても狭い。
「あぅ、…っ」
ハルは逃げることもできずにされるがままだ。獄寺はもう一本と指を増やしてみる。
それだけでそこがぎゅうときつく締め付けてくるのがわかる。
ズボンの中で痛いほど反応している自身の存在を感じるが、少し不安を感じた。
中へと入れた指を根元まで入れるように奥へと進めていく、温かいそこは湿っていて本当にハルの中なんだと感じた。
唾を飲込み、意を決したようにハルの方へと顔を向けた。
「…入れて、いいか?」
心音が五月蝿くなった。一応の確認だが、断られても引き下がれないほどにもう自分には余裕がないことを知っている。
顔を覆い隠すようにしていた手を口許でぎゅっと握り締めて、ハルは頷いた。
それを確認してからベルトを外し、ズボンのチャックへと手を伸ばす。
入り口で蜜で自身のそれを濡らすように擦ればハルの口から甘い声が漏れた。
「あ、っん…!」
「掴まってろ…」
手を自分の背中へと回させて、蜜が溢れるそこをゆっくりと押し開けるように進めた。
「いっ…!」
亀頭の途中までは受け入れてくれたものの、ハルの顔が苦しげに歪んだので躊躇する。
「…おい、…力抜けよ…」
「そ、そんなこといわれてもっ…!」
「痛かったら爪たてていーからよ………ハル」
耳元で名前を呼んで(獄寺にとっても恥ずかしかったが)、気をそらせるために背中を少し撫でて
その間にぐっと腰を推し進めた。強い抵抗感を感じたが、これならなんとかと思ったがあまりにも締め付けが
気持ちよすぎて慎重に動かなければいけない。
ハルも獄寺も初心者マーク付なのだった。深く息を吸って吐いて、落ち着き始めたらしいハルが
どうしたんですか、と尋ねる。
「…悪ぃ、あんまり優しくできねー…」
余裕がない、とは情けなくて言えない。思わず目を逸らしてしまう。
「…大丈夫ですよ、ハル、頑張りますから…!」
背中に回されていた細い腕に力が込められる。
(やっぱ女ってよくわからねー…)
なんでこんな細くて小さくて、壊れそうなのにこんな時に笑顔なんだよと考えながら頼りないその体を抱きしめて
壁を突き破るように捻じ込む。
「…んっ!」
そこを突破すればすんなりと受け入れられる(勿論多少の抵抗はあった)。最奥まで行き着けば、ほっと一息つく。
しかしゆっくりこうしている暇もない。腰がむず痒い。
「動くぞ」
返事を待たずに腰をゆっくり離して行き、また奥まで突く。
ハルは痛みと同時に気持ちよさを感じてしまって自然と声がでていることにも気付いていなかった。
(やっぱり私は変態なんでしょうか…)
薬のせいだとは知らず、そんな見当違いなことを考えながら。
「あっ、んっ…!ひゃ! ごくで、ら…さ…っ」
潤んだ瞳が求めるのに答えてその唇を塞ぐ。息苦しさと気持ちよさに頭が真っ白になりそうだった。
中の襞がぎゅうぎゅうと締め付けてくるし、腰の律動はもう止められない。
じゅぷっ、ぐちゅっと卑猥な音をたてている結合部からは愛液と初めての証拠である血が混じったものが流れ落ちていた
段々早まる動きに限界が近いことが窺えるが、初めての獄寺にモノを引き抜くという余裕は無かった。
「ふぁ、…、いっひゃうっ!」
「く、」
自分の最奥で、動くそれが一瞬膨らんだと感じた時、初めて獄寺が慌てて腰を引く。
びくびくと痙攣を起こすハルの入り口から引き抜かれたそれからは既に白濁とした液体が出ていた。
イってしまった後の余韻でハルの頭の中は霞がかかったようにぼーっとしている。思考回路が上手く繋がらない。
それとは対照的に快感が抜けたあとの独特な感覚と罪悪感に獄寺は押しつぶされそうになっていた。
「はぁ、…っ……ごくでら、さ?」
「…悪ぃ…中に、その…少し」
ハルのそこから流れる微量の精液を見つめて、獄寺は言った。
そんなに落ち込んで大人しい彼を見るのは初めてだったのでハルは少し笑うと
「大丈夫ですよ。私気にしてないですから…!」
「いや、そういう問題じゃねーだろ…」
「私が大丈夫っていうんだから大丈夫です! 大丈夫じゃないけど大丈夫です!」
もう何のフォローだか分からない状態になったがお互いになんだか可笑しくって顔を見合わせて笑った。
無我夢中で最後までしてしまったが、こんなに互いが近いのは初めてで少し恥かしい。
「…お前、」
「”ハル”です」
「う、…その今度からはゴム付けるから……ごめん」
「…いいですよ。ハルは珍しい獄寺さんを見れたのでよかったです」
(素直になるって、大事なんですね。ありがとうございます…)
京子と髑髏の顔を思い浮かべながらハルは笑った。
「…あっ! そういえば、ケーキ!」
「ケーキ?」
「ビアンキさんが、お土産用にって…」
「姉貴が?…でもさっき見たところ冷蔵庫にそんなもん入ってなかったぞ」
「はひ?!」
(…おい、これって… 嵌められてハメたのか…!)
(もしかしてこれは計画的なものですか…?!)
二人の中で同じ答えにたどり着いて顔を見合わせたが、後悔はないらしく
そのあとはシャワーを浴びて部屋をあとにしたらしい。