汚染された世界。隔絶された空間で汚染獣に対抗すべく生まれた存在。  
‐‐‐武芸者。  
彼らは自らの誇りのため、故郷のため訓練をし、技を磨き自らを高めていく。  
自立型移動都市<レギオス>の中で…  
 
 
学園都市ツェルニ。  
若い武芸者達が今日も錬武館で訓練に励んでいた。  
シュッ、バシッ、ズザー  
「…くっ!」  
彼ら17小隊も近い武芸大会に向けて訓練をしていた。  
「よし、今日はここまでにしておこう」  
隊長のニーナ・アントークが隊員にむけて言った。  
「うぃ〜、疲れたぜぃ」  
だらけたシャーニッドが早速シャワーを浴びに行った。  
フェリは気がついたらもう部屋から出ていっていたみたいだ。  
「まったくあいつらは帰るのだけは早いな…」  
ニーナがブツブツと扉の方に愚痴を飛ばしている背後から声がかかった。  
「まぁいいんじゃないですか先輩?最近シャーニッド先輩もフェリ先輩も真剣に訓練してるみたいですし」  
この学園都市、いや世界中でもっとも最強に近い男レイフォン・アルセイフが苦笑いをしながら言った。  
あの汚染獣襲撃はこの学園都市にとっていい意味で影響を与えていたようだ。いつまた襲撃が起こるかわからないという危険な状況を体験できたのが良かったようだ。  
「しょうがない奴らだ、最初からあれぐらいまじめに訓練をすればいいものを」  
はぁ、とため息をつきながらもどうやらうれしいらしく頬が緩めながらそう呟いた。  
「それもそうですけどね……っとと」  
二人しかいない訓練部屋にギュルーーッと大きな音がこだました。  
「むっ、いつの間にかこんな時間か。どうだレイフォンお前も今日はバイトはないのだろう、夜食を一緒にしないか?」  
「いいですけど、ちょっとこの前お金を使いすぎて金欠で外食はちょっと…」  
「……」  
武芸者と言えども勤労学生の二人には少し、いや結構痛手になるようだ。  
 
「そうだ、よかったら僕が作りましょうか?材料費ならそうかからないと思いますし」  
「そうだな、それはいい考えだ」  
結局二人は自炊ということにし、材料を買うためこの時間でも開いているだろうスーパーへ買い出しに行った。  
「あっ…!そういえば、僕の寮は関係者以外立ち入り禁止だったような?」  
「私の寮もだ…」  
((忘れてた…))  
確かに寮は関係者以外は入ってはならない、だが腹は減った。成長期真っ盛りな彼らには簡単すぎる問いだった。  
「すぐにすませて退出すればいいだろう…たぶん」  
「見られなきゃバレないとは思いますが…たぶん」  
食欲の誘惑に負けた二人はコソコソと、しかもニーナは部屋の窓から侵入した。  
「ふぅ、誰にも見つからなかったな」  
無事侵入を果たしたニーナは初めて訪れたレイフォンの部屋をしげしげと見回していた。  
男の割りにシンプルに整頓され清潔感もたもたれているようだ。  
「せんぱーい。あんまり時間がないのでサンドイッチでもいいですか?」  
扉から顔だけを出し伺ってくるレイフォン。この寮はキッチン、冷蔵庫は共同らしく食堂で作ってくるようだ。  
「うむ、すまないな私にも手伝えることがあればいいのだが」  
「じゃあ飲み物だけお願いできますか。部屋の隅に小さい冷蔵庫あるので」  
なんでも、共同冷蔵庫はよく盗難があるらしくレイフォンも何度も被害にあっているため小さい冷蔵庫を買ったようだ。  
「これと、これ…でいいだろう」  
適当に選んだ飲み物をグラスに入れ、テーブルに置き食べ物が到着するのを待っていた。  
 
「すみません、お待たせしました」  
そう時間も経たないうちにできあがった料理と一緒にレイフォンが戻ってきた。  
二人は手をあわせていただきますを言い早速食べ始めた。  
「いつ見てもすごいな。女の私ですらこんなうまく作れんぞ」  
「そんなことありませんよ。味付けのコツさえ掴めば先輩だって作れますよ」  
二人はたわいない会話をしつつ黙々と食べていた。  
 
‐‐‐しかし異変は起こった。  
 
「だがな、あそこは……」  
今まで作戦について語っていたニーナの動きがふと止まった。  
「先輩…?」  
「…なぜ……く…ない…」  
なにか呟いたが声が聞き取れなく不審に思ったレイフォンがニーナの肩に触れようとして…  
「なぜうまくいかないっ!!」  
「せ、先輩!?」  
いきなり大声を出したニーナにびっくりしレイフォンがなだめようとしふと視線をさきほどまでニーナが飲んでいたグラスに向けた。  
(まさか…)  
「レイフォン、わたしはちゃんと隊をまとめているのだろうか」  
ひっく、とのどを鳴らしながら言葉を言っている。「先輩まさかお酒を…?」  
「よってなどない。それに、レイフォンおさけはおとなになってからだぞ〜」  
そういえばこの前シャーニッド先輩にお土産だと押し付けられた飲み物をそのまま冷蔵庫に入れたような…  
レイフォンが悶々と自問自答している間に後ろでゴソゴソと物音が聞こえてきた。  
「せ、せせせ先輩!なんで服脱いでるんですか!?」  
「あつい」  
「即答ですか!?」  
脱ぐのは困る、どんなに鈍感でも目の前で女の人が服を脱いでるのだ一応男であるレイフォンには刺激が強すぎた。  
「せ、先輩帰りましょう。送りますから、ね?」  
なんとかなだめようとするレイフォンに追い打ちをかける。  
「なんだ、わたしがいたらだめなのか?お前はわたしのことがきらいなのか?」  
なぜそうなる。心の中でツッコミをいれながら相手は酔っ払いと自制をかける。  
「嫌いじゃありませんよ。嫌いなら部屋に入れませんし。僕はそこまで心が広くありません」  
(あれ、なんで僕こんなこと…)  
そう、ニーナはレイフォンのグラスにも同じ飲み物を入れていた。ということはレイフォンもアルコールを摂取していることになる。  
 
「ほんとにきらいじゃないのか?」  
「嫌いじゃないです」  
「ほんとのほんとか?」  
「本当の本当です」  
 
「じゃあしょうこをみせてくれ」  
 
稚拙なやりとりを繰り返していたはずなのになぜこんなことになったのか。だがその問いに答えてくれる素面の人はここにいなかった。  
(証拠って…どうすれば)  
考えこんでいるレイフォンにススッとニーナが近づいてきて服の端をちょいちょいと引っ張った。  
いつも強気な彼女からは考えられないしおらしい顔でこちらを見上げている。しかも、酒のせいなのか目が潤んでいる。見る者が見ればすぐにわかる。  
誘っているのだ。  
鈍感王レイフォンでもさすがにわかった。しかも彼もお酒を飲んでいるのだ。誘惑に勝てそうもなかった。  
 
 
「んっ…」  
レイフォンはニーナの背中と頭に手を当て唇を重ねた。  
「…んっ、はぁ、んん」  
最初は重ねるだけだったキスはしだいに深くなり互いに舌をからませていた。  
「レイっ…んっ…フォン…あっ」  
唾液を存分に交換しあい、レイフォンの舌が首筋、鎖骨、耳たぶ、と移動をはじめた。その間に服を脱がせブラジャーの上から胸を弄っていた。  
武芸者だからかよく引き締まった身体をしている。しかし胸は比例しているわけではなく大きさはそれなりにある。  
「…っ!」  
「先輩って意外に綺麗な身体してますよね」  
ブラを上にずらし、口で胸の飾りを弄りながら右手はもう片方の飾りを弾いたり、摘んだりしていた。  
「う、るさいっ!…あっやめっ…ん!」  
口で口を塞ぎ声を封じる。しだいに手はするするとくびれをなぞり、太股まで届いた。  
太股の内側を這い下着の上からそっと秘部をなぞった。  
「ーーーーーーっ!」  
そこはすでに潤いをもち受け入れる態勢を整えていた。  
「先輩、ほんとにいいですか?」  
レイフォンが躊躇いがちにそう訊ねる。しかしニーナは切羽詰まったようにまくし立てた。  
「いいといってるだろ、はやくこい」  
上気し赤く染まった頬、潤んだ瞳、荒い息づかい、そしてなにより雌の香りがする身体。レイフォンの理性は焼き切れた。  
 
「先輩っ!…僕もうっ…!」  
レイフォンがニーナに覆い被さり出番を今か今かと待ちわびていた自身を取り出した。  
「ぁあ…いいぞレイフォン!」  
その声が聞こえた瞬間レイフォンの自身は勢いをつけ膣の中に侵入した。  
「ーーあ、ぁぁあぁっ!!」  
いきなりの挿入にニーナの顔が痛みに歪む。  
しかしそこはレイフォンにとって未知の領域であり、とてつもない快感だった。  
「ッ…はっ、先輩っ締まりすぎっ力抜いてっ」  
レイフォンはすぐにでも吐き出してしまいそうになる気持ちを押さえ込みその場に踏みとどまる。  
「す、すまないっ……」  
ニーナはなんとか力を抜こうとするが如何せん身体は言うことを聞かずレイフォンを締め付ける。  
レイフォンは力を抜かせるために口を塞ぎ舌を絡ませる。しだいに落ち着いてきたのか膣の力が抜けたのを見計らい一気に先端まで抜き一気に挿入した。  
「はぁっ…!!」  
二人に重さに耐えられないとベッドがギシギシと不満をもらすがお構いなしに続ける。最初は痛みしか与えなかった行為がやがて卑猥な水音をたてはじめる。  
「な、なんかあたまが、お、おかしくなりそ…だっ!」  
揺すられながら途切れ途切れにそう伝えると  
「……くっ、じゃあ一緒に堕ちましょう」  
ラストスパートの如く抽出を早める。  
「ぁっ、あっ、…レイフォンっ、レイフォンっ…!」  
先端まで抜いたものを根元まで入れた瞬間………  
「…ひっ…、あぁぁぁぁぁぁ!!!」  
「……うっ、くっっ」  
今までにない締め付けを感じそのまま膣の中にドクドクと精液を流し込む。  
腰をわななかせながら最後の一滴まで出し切るとそのまま二人でベッドの中に沈みこんだ。  
 
 
 
おしまいノシ  
 

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