「コウ!開けて!」  
氷室が地下室の扉を開けると、くるみを抱えたボブが飛び込んできた。  
くるみは両手首、両足首を縛られ、気を失っている。  
「彩木君は大丈夫なのか?」  
「眠らされてるだけ。外傷はないね…」  
 
くるみが誘拐され、犯人は氷室に身代金を要求してきた。  
ボブが受け渡しに行き、くるみを無事連れ戻したのだった。  
犯人はそのまま逃走した。  
 
「彩木君……。大丈夫か、彩木君!」  
氷室はくるみの頬をぺちぺちと叩いた。  
「あ…氷室警視……?あたし…助かったんですね………」  
ボブが拘束を解いて笑った。「くるみちゃん、良かった、もう大丈夫!」  
 
安堵する3人の背後で電話が鳴った。  
「…氷室だ」  
「俺だよ。スライムだ。金は確かに受け取ったよ。だがな、これで助かったと  
 思ったら大間違いだぜ……」  
氷室の表情が堅くなる。  
「どういうことだっ」  
「女の体に超小型爆弾を仕掛けた。タイムリミットは45分。  
 それまでに解除できなければ女は死ぬ。そばにいる奴も巻き添えだ…じゃあな」  
「う…うそ……」くるみの顔から血の気が引いた。  
「待て!大事な部下だ、死なすわけにはいかん。手がかりくらい教えてくれ」  
「おや…氷室光三郎ともあろう男がヒントだと……?まあいいや、教えてやる。  
 ヒントは『穴』だ……せいぜい頑張るんだな!ふははははは…」  
男の高笑いで電話は切れた。  
 
「彩木君、大丈夫だ。君は俺が助ける!」  
泣き出しそうな顔のくるみに、氷室は力強く語りかけた。  
「あと45分。まず服を脱げ!」  
 
「……へっ?!」  
「洋服の『穴』に仕掛けられている可能性もある。何してるっ、急げ!!」  
「でっ…でも……」  
真っ青だったくるみの顔が、今度は赤くなり始める。  
「くるみちゃん、コウのシャツを着ればイイよ!」  
ボブが奥から持ってきた氷室のシャツを受け取り、くるみはシャワー室に  
駆け込んだ。  
「全部だぞ、彩木君!」  
「は……はい!」  
 
氷室のシャツに着替えたくるみが、脱いだ服を抱えて足早に出てきた。  
「これで全部です」  
「よし。ボブ、これを爆弾処理に出してくれ。こっちにも手配を頼む」  
「Yes, Sir! くるみちゃん、コウがいれば絶対大丈夫ね。安心して」  
ボブの励ましの言葉に、くるみは笑顔を浮かべてうなずく。  
「彩木君、俺の寝室に行っていろ」  
「はい!…あの、サンダルはどうしましょう…?」  
「サンダル?…念のためだ、こっちによこせ」  
裸足になったくるみは氷室の寝室に入り、ベッドの上に座った。  
「…ほんとに助かるかなあ……」  
 
「待たせたな、彩木君。横になれ」  
氷室がサンダルを手に寝室に入ってくる。  
「それはもういいんですか?」  
「ああ…。問題なかった」  
サンダルを床において、氷室はペンライトを点灯し、腕時計を見た。  
「あと37分か。脳から近い場所、耳から見るぞ」  
「…お、お願いします!」  
 
「動くな!何をしている」  
「だってぇ……。警視の息がかかって、くすぐったいんですう……あん」  
「仕方ないだろう。顔を寄せなければ見えん…」  
 
「……あぁん……いや…ぁ…」  
「どうやら耳ではないようだ。上を向け。今度は鼻だ」  
「え…っ?!そんな、伸吾にだって見せたことないのに……」  
「あと33分」  
氷室はペンライトをくるみの鼻に当てて覗き込む。  
「け…警視……くしゃみ、でそう…」  
「止めろ。いや……、していいぞ」  
「………っえっくしっ!!」  
「何も出なかったな。次は口だ。大きく開けていろ」  
くるみは目を閉じて、歯医者に来たつもりになった。  
「詰め物にでも仕込んだかと思ったが、虫歯はないようだな。痛む歯はあるか?」  
「あいあへん」  
氷室は指を差し入れて歯茎、舌の裏、喉の奥を探った。  
「おえ…っ!」  
「…頭部にはない。あと27分、次だ。まさかとは思うが、臍を出せ」  
 
「おへそですか……。何か恥ずかしいなあ……」  
くるみはシャツのボタンを一つはずし、その部分を氷室に見せた。  
氷室はくるみの臍に指を入れたり、広げたりする。  
「あはっ……、やん……!くすぐったい……」  
「問題ない。……さて……。次が難所だぞ……。彩木君、大きく脚を開きたまえ」  
 
くるみはぽかんとした顔で氷室を見た。  
「は……はあ??!!!け、警視…、まさか……あの……」  
「穴といったらもうそこしかないだろう。女性は2箇所あるんだ、急げ」  
「やーっ!!やだやだやだ、絶対にイヤーッ!!お嫁に行けなくなっちゃう!!」  
「バカか!死んだら結婚も何もないだろうが!いいから脚を広げろ!!」  
全身真っ赤になったくるみは、固く閉じていた腿を少しずつ開いた。  
「まったく世話の焼ける……。こうだっ」  
氷室はくるみの足首をつかみ、M字形に開脚させる。  
「あ……!…い、いやぁ……ん。お願い…、見ないでぇ……っ!」  
赤ん坊のような格好をさせられたくるみは、両腕で顔を隠し、喘ぐように叫んだ。  
 
「…ん!潤滑剤が要るかと思ったが、これなら必要ない。上出来だ、彩木君!」  
氷室の声は、もはやくるみの耳には届いていない。  
「あと21分。念の為、外尿道口も見ておくか」  
氷室は指でその部分を広げる。  
「ひっ…!あっ……、ぁあん…!」  
異物がないかどうか、氷室の指がそこをつまむと、くるみはぴくぴくと動いた。  
「よし。…いよいよだ、彩木君。楽にして力を抜け…」  
 
氷室は人さし指を膣口にゆっくりと差し込んだ。  
「あ、あああああ!!」  
「中で動かせない、力を入れるな!……そうだ。息を吐いて緩めろ…」  
視認ができないため、氷室は指先に神経を集中させて感触を確かめる。  
膣壁を全方向になぞられ、くるみの呼吸はひどく乱れた。  
「い…いやぁ、あああ…っ…!は……はぁ……っ」  
あふれ続ける透明な蜜が、指の出し入れに絡まって、ぴちゃ、ちゃぷ、と  
小さな音をたてる。  
 
「子宮口まで届かない。中指も入れるぞ。少し痛むかもしれんが…」  
氷室は2本の指を重ねて、さっきよりもゆっくり中に進ませた。  
「ああ…っ!あ……あ……はあああ…ぁん……」  
氷室は指をぐるぐると回転させて、奥の奥まで確認する。  
「あっ!……はあっ!……くっ……!あぁ…はああ…っ!」  
「彩木君、腰を動かしすぎだ……少し落ち着け。それにしても……。  
 見当たらないということは、ここではないということか…」  
 
指を抜かれたが、くるみは狂ったようにがくがく震えていた。  
「あと5分を切ったか…。最後の穴だ。行くぞ、彩木君……」  
氷室は濡れた中指をくるみの肛門にあてがった。  
「きゃああああああ……!!!」  
 
「ない……、どこにもない。万事休すか……」  
45分が過ぎた。  
 
電話が鳴った。  
氷室は寝室から歩み出て電話を取る。  
「……氷室だ」  
「スライムだ。どうだ、お前でも少しはびびったか……?」  
「爆弾はなかった……なぜだ」  
「お前に必死で爆弾を探してもらいたかったんだよ。おかげですごいものが  
 録れたぜ……メディアにタレ込んだらどうなると思う?  
 警察を揺るがす一大スキャンダルだ。『引きこもりの天才警視、自宅地下室で  
 部下にセクハラ三昧!』ってな。お前は懲戒、警視総監の首も飛ぶな…ははは!」  
「俺に何の恨みがある。大体お前は誰だ」  
「…俺を憶えてないのか?畜生、ノンキャリだと思って馬鹿にしやがって……!」  
「警察関係者か…?だが、お前なんか知らん。迷惑だ」  
「糞!今からタレ込みに行ってやる…!泣きを見るのはお前……へぐっ!」  
 
「コウ、遅くなってゴメン!犯人は確保したよ!」  
「ご苦労だった、ボブ。応援を向かわせる。AV機材を押収して来てくれ。身代金もな」  
 
氷室は寝室に戻って、くるみに声をかける。  
「彩木君、犯人を逮捕できたぞ!君のサンダルに盗聴器が仕掛けられていたんだが、  
 その電波をトレースして犯人の居場所を突き止めた。ちょっとかかったがね。  
 ……彩木君?……なんだ、失神しているのか。涎までたらして、だらしがないな。  
 脚くらい閉じたまえ……」  
   
この事件は、その犯罪の性格から、公表されることはなかった。  
闇に葬られた事件のファイルがまた1冊、A別館に増えた……。  
 
                               〈完〉  

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