切ない声に一瞬怯んだ。  
動きを止めた途端、体制を美咲に押し返されて勢いのままキスされる。  
「美咲?」  
「我慢してたの、全然気づかなくってごめんね」  
……引かれるならまだしも謝られるとは思わなかった。  
「……いーよ。お前鈍感なの、知ってたし」  
喋りながら、またキスされる。  
考えてみれば美咲からキスしてもらったのって初めてだな。  
「引かないのか? さっきの」  
「そう思うならなんで言うの?」  
「や、勢いっつーか…」  
「引かないよ、嬉しいもん。亮のそーゆー隠し事できないところも、可愛くて好き」  
「あのな、俺は可愛くねぇっつってんだろいつも」  
好きはいいとして、可愛いとか全然褒め言葉になんねぇ。  
 
「可愛いじゃないだろ?」  
声のトーンを落として耳元で囁くと、面白いぐらい真っ赤になる。  
「今日はカッコイイって言わせてやる」  
 
さっきまでの甘ったるい雰囲気が一瞬で戻ってきた。  
「電気…」  
ぼんやりと言われて、急いで消した。ぱっと暗くなると余計に変な気持ちになる。  
美咲の背中に手を回してブラのホックを取るともう一度押し倒す。  
服をたくし上げて、今度は直接触った。  
「やわらけ…」  
「いっ、いちいち言わないでいいから、そーゆーこと」  
「照れてんのか? …可愛い」  
恥ずかしがる美咲の耳にそっとキスして、わざと音が鳴るように舐めると驚くほど大人しくなった。  
「ん…、くすぐったい…」  
耳なのか胸なのか、いや、多分どっちもか。  
舌を動かす度に、手を動かす度に美咲の甘い吐息が漏れる。  
「ここ」  
クリ、と硬くなってるところを抓むと、息を呑んだ。  
「ぁ……っ」  
「……敏感だな?」  
「だ、って……んっ」  
くる、と円を描くようにこねると、また声が漏れた。顔を見ると恥ずかしさで瞳が潤んでる。  
それがまた余計にそそる。  
ツン、と勃ったそれに吸い寄せられるように口元を近づけて、そっと舐めた。  
「ひゃぁ…」  
「なんだその色気のない悲鳴…」  
「大きなお世話…、…ぁん、もうそこばっかり……ん…っ、ダメ…」  
「イイ、の間違いだろ」  
そんな顔して。そう付け足すと、美咲はうるうるの瞳でぐっと睨んだ――つもりだろうな、多分。  
でも全然迫力がなくって、結局余計に可愛いなぁ、と気分が和んでしまった。  
「ここばっかりじゃダメってことは、他も触ってほしいってことだよな、美咲」  
「〜〜! ………もぉ、亮キライっ」  
「冗談でも傷つくぞ、それは」  
最後にくちゅくちゅと音が出るように舐めて唇を離すと、唾液が糸を引いた。  
それを見てまた更に顔を真っ赤にして視線を逸らす。  
 
美咲のこんな顔が見れるのは俺だけ、なんだよな…。  
それでも強い独占欲が全部満たされるわけじゃない。そっと白い肌に唇を寄せて、強く吸った。  
「っ……。りょう?」  
「キスマーク」  
首を傾げる美咲ににやりと笑って答えてやった。  
痕をつけるだけで「こいつは俺のモノ」って証拠ができた気分になる。  
首筋から鎖骨、胸、お腹、と転々と痕をつけて、唇が移動していった。  
そうしながらボタンに手を掛けて、美咲のショートパンツを足から抜き取る。  
 
とうとう唇が太股に触れて、甘噛みしながら唇で肌の感触を楽しんだ。  
反射的に力が入ったのを感じてそっと撫でる。  
呆気なく開いた太股の内側に唇をつけ強く吸い上げ、次は――  
「美咲、濡れてる」  
「だから、言わなくていいって……」  
呆れたように、でももう諦めたのか、それ以上は言わなかった。  
下着の上から見るだけでも濡れてるのはよく分かる。指で触れると余計に。  
「あ……」  
一直線に撫でると、美咲の体が震えた。  
「なぁ」  
ゆるゆると撫でたまま、声を掛ける。  
「ん……っ?」  
「美咲、初めてだよな」  
「うん……はぁ……ん…」  
頷くのを見て息をつくと、下着を下げて直接触れた。  
ぷっくらと硬くなったそこに手を伸ばす。  
中指で何度か擦るように刺激を与えると、さっきよりも吐息が激しくなる。  
「ここ、気持ちいいのか?」  
「ぅん……あぁっ……っ」  
「そっか」  
きゅっと抓むともっと声が甘くなった。あんまり声が大きいと気づかれるかもしれない。  
咄嗟にキスをして唇を塞ぐと、美咲の方から控えめに舌を絡ませてきた。  
「は……、…ん、ちゅ」  
「ふ…ぅん……、っあぁ…」  
お互いの吐息が交じる。  
正直、もうこれだけでイキそうなのをぐっと堪えて、突起を弄っていた指を美咲の中に  
ゆっくり差し込んだ。  
しっとりと濡れていたそこはすんなりと指を受け入れて、熱いぐらい感じてる。  
「痛くないか?」  
唇を一瞬離して問いかけると、こくんと力なく頷いて熱い吐息を洩らす。  
緩い動きで指を動かし始めると、濡れたそこがぴちゃぴちゃとやらしい音を立てる。  
「やぁ……も…、りょぉ……」  
「もうちょい我慢して…」  
俺も初めてだからよく分かんねぇけど、女の子はゆっくりしないと痛いとか聞いた気がする。  
「指、もっと奥まで入れていいか…?」  
「う…、っん…あぁっ、…ん」  
手探りで奥まで入れて、しばらく中をゆっくり刺激した。  
甘い声が耳に掠める度に、俺の限界も急速に近づいてきてる。  
……入れたい。  
太股までしっとりと濡れてるのを見て、ごくりと喉を鳴らした。  
口元をそこまで寄せて、指で刺激したままさっき刺激した突起を舐める。  
指の音と、舐める音と、美咲の吐息と俺の吐息。  
部屋の中にはその音しか存在してなくて、耳に強く響く。  
 
「りょぉ……もぉ…っ、わ、……たし…はあ…ぁ…っ」  
「美咲、俺も…」  
もう無理、と告げて身体を起こすと、勃ちっぱなしだったのを擦りつけた。  
先っぽが濡れたそこをぬるりと滑る。  
「…くっ……ハァ…」  
今まで感じたことのない刺激に、たったそれだけなのにすごく気持ちいい。  
擦り合う度にくちゅくちゅとやらしい音が鳴って、お互いの息が荒くなった。  
「美咲、力抜いて」  
足を広げてそっと撫であげて、腰をそこに押し当てる。するとふにゃりと力が抜けた。  
ゆっくりと腰を沈めながら、気を紛らわせるように唇を合わせた。  
「……っ」  
「はぁ…っ、……っつ…」  
「キツ……っ」  
きゅぅ、っと絞られて、一瞬で達しそうなのを必死で抑えた。  
「力……、抜け…美咲……っ、ん…」  
「んん……、くぅ…っ」  
痛いのかもしれない。  
和らげるように胸に唇を寄せて吸い上げると、少しだけ力が抜けた。  
慎重に腰を進めると、感覚がそこ一点だけになったみたいに気持ちよさしか分からなくなった。  
さっき一人でしてたのもあって、限界は思ったよりもすぐそこまで来てる。  
息を吐きながら美咲の顔を盗み見た。  
「……痛いか?」  
「うぅん…、っ、だいじょうぶ……」  
(無理してる)  
衝動的に揺れる腰を必死にセーブして、とりあえず一回息を深く吐いた。  
でも……  
(あーもぉ気持ち良すぎ…)  
まだ奥まで達してないのに、それでも十分すぎるぐらいの刺激だ。  
全然我慢が利かなかった。  
「美咲、ちょっと我慢して」  
そっと耳元で囁くと小さく頷いた。  
痛いのを我慢してる顔がまた可愛い。  
美咲の表情を見つめながらゆるゆると腰を動かすと、その度にくちゅ、と擦れる音が  
部屋に響いた。  
「はぁ……美咲…、っまだ痛い……?」  
「そんな…こ、と……あ、んん…っ」  
繰り返し浅く息を吐いて、美咲は小さく首を振った。  
ほっとして、少し早さを増して腰を揺らす。  
「りょぉ…、あ、いやぁ……ん、なんか……ヘン…ッ」  
「名前」  
もっと呼んで、とせがんで美咲の口元に耳を寄せると、小さい声でうわ言みたいに  
名前を呼ばれる。聞いたこともない甘い声で、何度も何度も。  
「亮、亮、りょうっ…、あ、あっ、ん…も、……ダメ…ぇ」  
「…っ、はぁ…っ、……ヤベ…」  
散々我慢してたせいもあるかもしれない。もうイキそうだった。  
自制は利かない。欲望のまま、腰を打ち付けていると――  
 
コンコン  
 
とノックの音が響いた。  
 
「!?」  
 
熱に浮かれていた頭が一気に現実に戻って、二人して扉をばっと振り返った。  
辛うじて繋がれたままのそこは、動きがピタリと止まっている。  
 
『亮、起きてるのー?』  
 
「な、夏男……」  
ふと美咲を見ると不安そうな顔を浮かべていた。  
そりゃそうだ、見つかったら……ヤバイとかそういうレベルじゃねぇ!  
縋るような視線に冷や汗を浮かべながら、引き攣った笑みを作った。  
「心配すんな、お前が入って来た時鍵閉めといたから」  
ドアの向こう側にある夏男の気配はまだあるから、安心はできないけど。  
 
『おかしいわね、ロック聴いてないってことは寝てるのかしら』  
 
察して早く去れ、と祈るような気持ちで美咲の顔を見ると、  
同じように不安そうな顔でじっと時が過ぎるのを待っていた。  
なんというか…さっきまで名前を呼んでくれた時の美咲が普通に戻っちまったみたいで  
少し寂しくなって、つい…  
「!? ちょ、ちょっと亮……んっ」  
声を噛み殺して美咲が訴えてきた。  
俺が腰をゆっくりと動かし始めたからだ。ドアの向こうでは夏男がまだぶつくさ言ってるけど…  
「亮ダメ、まだ梅さん……、あぁ…もぉっ」  
「声、抑えろって……」  
「〜〜〜っ!」  
トン、と突くと、顔を真っ赤にしながら瞳を潤ませてじっと見つめられる。  
そんな顔しても……ダメだ、やめられない。今日一日、我慢しすぎて限界も限界。  
夏男ごときに邪魔されて堪るか。  
 
『もう、ったく早くお風呂入ってもらわないと光熱費が』  
 
「ぁっ、…ん、んっ…ッ」  
「美咲……、すげ、いい……」  
「もぉ……、ダメぇ…はぁ…」  
必死に声を抑える姿が可愛くて、余計に攻めたくなる。  
遠慮せず腰を振っていると、キスを強請るように美咲の腕が首の後ろに回った。  
抑えていた声は全てキスで埋もれて、小さくて熱い吐息だけになる。  
いつの間にかドアの向こうからは夏男の気配がすっかり消えていた。  
唇を離した美咲は怒ったように俺を見つめて、パシ、と腕を叩く。  
「亮のバカ!」  
「もうこれ以上我慢できるかよ……、それより、っ」  
熱く息を吐いて、美咲の白い足を持ち上げた。  
繋がりがもっと深くなって、余計に気持ちいい。  
「あ…っ、あっ、ぁっ……ッ!」  
「も…、イ……!」  
熱い美咲の中で擦れる度に気持ちよくて、何度も何度も突く。  
いつの間にか痛みも消え去ったらしい痛みも顔を真っ赤にして甘い声を出し続けていた。  
きゅぅきゅぅと引き絞られる感覚に、頭がくらくらする。  
もうダメだ、と思ったと同時に、ぬるりと美咲の中から突き立てていたそれを抜いた。  
「……りょぉ…?」  
「っぶね」  
残っていたひとかけらの理性で中でイキそうなのを我慢して、  
熱く固くなったそれを美咲の腹に擦りつけた。  
「ハァ……っ」  
やっと出せた…妙な解放感にぐったりとしながら、美咲にキスを落とす。  
 
乱れた息もそのまま、ティッシュを取り出して拭き取っているとそっと手を取られた。  
熱さを失って落ち着いた俺のそこに手を伸ばされ、一瞬ぎょっとする。  
「美咲?」  
「……亮、見つかったらどうするの?」  
そう言って綺麗に拭ってくれる。そんなことされたらまた元気になるだろバカ…とは、  
口に出しては言えない。  
「お、怒ってるのか?」  
段々頭には冷静さが戻ってきてる。むっと眉を潜める美咲に少し焦った。  
「少し…」  
「でもお前、夏男が居る時気持ち良さそうだっ――」  
「亮!」  
真っ赤になって遮られた。……あながち間違ってもないからだな、多分。  
バレるかも、と思ったら「いけない事をしてる」って感覚が余計強くなって余計に感じたのは、  
美咲というよりは俺の方かもしれないけど。  
「見つかったらもう、こういうこと…とか、できないかもしれないでしょ?」  
「へ…」  
「部屋に入ること自体規則でダメってなってるのに」  
亮と一瞬でも長く居たいんだよ、って言われるともうダメだ。  
「お前…なんつー可愛いことを……」  
「か、からかわないでよ」  
「からかってねぇよ」  
どんだけ破壊力を持ってるのかよく分かってないらしい美咲の腰をそっと撫でた。  
ぴく、と体が震える。ちょっと感じてるんだったら嬉しい。  
「……美咲、初めてだったんだよな」  
中途半端に着崩れた美咲の身体を引き寄せて、温めるように抱き締めた。  
一瞬強張った美咲の体が、次の瞬間には俺に委ねるように傾く。  
「身体、大丈夫か?」  
「うん……。亮は? 亮は、…したことあるの?」  
いや、したことあったらもっと余裕あるだろ普通…と憎まれ口では返せなくて、  
俺もつい視線を逸らす。したことないって、自慢できることじゃねぇし…  
「美咲が初めてだよ」  
「ほんと?」  
「こんな嘘つくかバカ」  
くしゃ、と髪を撫でると、くすくすと笑い声が聞こえた。あーもうくすぐったい!  
「亮、我慢とかしないでいいんだからね」  
「え」  
顔を真っ赤にして俯けて、ぎゅっと抱き締められた。  
「オイ、あんまくっつかれると――」  
「えっ?」  
若さってすげぇな…、と自分のを見て思った。さっき出したばっかなのにもう硬くなり始めてる。  
「…あー、もう、気にしなくていいから。明日も学校だし寝ようぜ。  
 美咲、部屋に戻るか?」  
「…………」  
俺の話を聞いてる様子がない。  
大きくなりつつあるそれをじっと見た美咲は、顔を真っ赤にしてぎこちなく手で触ってきた。  
「な、なにしてんだお前」  
「亮、また我慢しちゃうかなって思って」  
たどたどしく擦られるだけですっかり元気を取り戻した。  
手の動き自体が、とかじゃなくて、多分美咲が俺のを触ってるって事実に反応してる。  
「まだできないけど…手でいい?」  
「…はぁ……っ」  
頷きながら熱い息を吐き出した。やべ、気持ちよくなり始めてる。  
止まらない快感に、まだまだ夜は長そうだな、とふと思った。  
 
 
***  
 
「ぐー」  
「…オイ、コラ寝てんじゃねーよ!」  
ガッ、と机を蹴られてハッとした。  
結局昨夜は一睡もできなかったんだよな…  
いやさすがに一晩中してたわけじゃないけど。  
気持ちが落ち着かなくて美咲が部屋に戻ってからも全然眠れなかった。  
けど、疲れは溜まってるわけで…。  
登校して退屈な授業を聞いてる内にすっかり寝てたみたいだ。  
「ふぁ……」  
「てめー俺の授業で寝るとは、喧嘩売ってんのか!  
 罰として課題プリント10枚の刑だ、明日までにやってこい!!」  
「げっ! 横暴だぞこの不良教師!」  
「うるせぇ、5枚追加するか、あ?」  
「……ちっ、わーったよバカ由紀!」  
 
結局その捨て台詞が仇となって2枚追加された。  
帰りのHRで本当にプリントを渡され、がっくりと肩を落とす。  
12枚って…つか高校総復習ってぐらいの範囲だし。なんなんだこれ。  
「亮、昨日寝れなかったせいだよね…」  
申し訳なさそうに言う美咲はちょっと責任を感じてるみたいだった。  
もちろん美咲が申し訳なく思う理由はないわけだけど。  
「美咲、手伝え!」  
にっと笑って言うと、えぇ? と戸惑う声が返ってきた。  
「でも私化学苦手だよ?」  
「それでもいいぜ。夜部屋に来いよな」  
まんまとプリントを口実にして誘うと、美咲も顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。  
 
結局その夜、プリント12枚は全然手につかなくて、  
翌日さらに10枚追加されたことは言うまでもない…はぁ。  
 
 
【終わり】  
 

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