4月。
「キミの名前ってナニ?」「……すまん、言い忘れていた」
「今だから話すが、核鉄を心臓代わりにするのは実はかなり荒療治なんだ」「そーなの!?」
5月。
「それより何それ?」「キミには話してなかったな。信奉者とは──」
そして7月。
「本隊のコト、戦士・斗貴子から、どの程度聞いている?」
「どの程度って…核鉄を管理してホムンクルスを倒す組織ってコトぐらいで名前もまだ──」
「そうか。ではそこから話そう。我々錬金の戦士を束ねる組織。その名は錬金戦団!!!」
「錬金戦団…!」
(なんか、微妙なネーミング…それはともかく。
まただ…斗貴子さん、組織の名前くらい教えてくれたっていいのに!
ブラボーの話が続いているが、頭に入らなくなってきた─)
「目的は大別して3つ。今、オマエが述べた2つに加えて更にあと一つ──"賢者の石"の精製」
(これもだ…目的のウチ、2つしか教えてもらえてなかったんだ…
オレを戦いに巻き込まないための気遣いと思ってたけど、今は一緒に戦う仲間と認めてくれてるみたいだしな─
戦士にとって敵味方の情報は有用なはず。
なのに、そーゆー話をしてくれないってことは、ホントはうっかり屋さんなんじゃないかな?
今後も『キミには話してなかったな』が続くんじゃないかな?)
「夏休みが終わる頃にはオマエはヴィクターと同じ…存在(いる)だけで死を撒き散らすモンスターとなる。
そうなる前に…始末をつける…!それがオレの新たなる任務」
「ブラボー?」
(なんか、ブラボーの話が続いてるけど、適当に答えとこうっと。
それはそれとして、オレ、とんでもない女の子を好きになったのかも─
でも斗貴子さんならうっかり屋さんでもいいかな─)
「「一度ホムンクルスに殺され、戦士・斗貴子の手によって蘇った彼(か)の命は在ってはならない。
武藤カズキを再殺せよ」」
(クールでお姉さんな態度と、うっかりのギャップがたまらないよな─
『今だから話すが』でピンチになってもそれはそれで萌えるっていうか─)
「…おーい、カズキ?ヒトの話を聞かないのはブラボーじゃないな」