一学期の終業式があった夜、私はカズキの部屋でくつろいでいた。
窓の外には満天の星がきらめいている。
「俺にとっても共に戦う仲間は斗貴子さんとブラボーだから、
次の任務もまた三人一緒にやりたいんだ。
ま、せっかくの夏休みだし、ブラボーが戻るまで、ゆったり構えていこう!」
「そうだな」
「ところで、明日の水着、どうするの?」
「ああ、現地調達と思ったんだが、良く考えると海岸の店は選択肢が少ないだろう?
今日のうちに銀成市内で買いたいんだが、この時間でも開いている店はあるか?」
「うん、案内するよ」
そんなやりとりの後、私はカズキの案内で駅の近くのデパートに向った。
そして、水着売場に着いた後、カズキが隣の売場を見ているのに気づいた。
「どうした、カズキ?」
カズキの視線を追うと、水着売場の隣でやっている夏物一掃セールの片隅に、
ノースリーブにセーラー襟でジッパー前開きの上着と
ミニスカートのセットが展示されていた。
カズキに視線を戻すと、顔を赤くしている。
「…なんか、脱がしやすそうで…あ、いや、変なこと考えてたわけじゃなくて─」
カズキに簡単に脱がされていく自分の姿が頭をよぎった。そして、その後の展開も。
いつのまにか、私はその展示品を手に取っていた。
そして試着。問題なし。手早く会計を済ませる。
呆然として水着売場の前で固まっているカズキの元に戻ったところで我に返った。
「キミが変なことを言うから買ってしまったではないか!
だから…その…責任をとってさっきの言葉を確認するんだ!」
その後、急いで寮に戻った私たちは、カズキの言葉の正しさを十二分に確めた。
水着を買い忘れたことに気づいたのは翌朝になってからだった。
(終わり)