放課後、いつものようにいっしょに寄宿舎に戻った俺たちは、
2階への階段を上がっていた。
すると、六枡たちが少し後から階段を上がってきた。
気になった俺は、斗貴子さんの制服ののミニスカートの後側に自分のかばんを当てた。
「どうした?」
「後から見えちゃうよ?」
「問題ない、気にするな」
「!?問題あるよ!」
無意識に声が大きくなった。
斗貴子さんは自分をあまり大切にしないから、心配なのだ。
「そうか、では説明しよう」
2階についた斗貴子さんはそう言ってから、俺の部屋へと足を向けた。
いつもは私服に着替えてから俺の部屋に来てくれるんだけど、
今日は制服のまま来てくれるようだ。
俺の部屋に着いた斗貴子さんは、前の廊下に誰もいないのを確認した後、
いつものようにベッドの中央に座った。
「私の武装錬金の特性は知っているな?」
「俊敏にして正確…だっけ?」
「そうだ。私はその特性を生かす訓練をしてきた。
今では、体を動かしながらでも、全アームの空間座標と向きを把握できる」
「なるほど」
とても凄いことだと思う。でも、スカートの話と関係ないのでは?
「ついでに、制服のスカートの状況把握や制御もできるようになってな」
「へ?」
「あの位置関係なら、下着が見えることはありえない。
少しくらいスカートが捲れても腿や腰の動きで直すせるしな。
キミの仲間がかがんで覗けば見えたかもしれないが、
そんなことをする連中ではあるまい」
…ある意味、バルキリースカートの制御より凄いんじゃないかな。
俺は驚きで言葉を失った。
「そういうわけで、私のスカートの中が誰かに覗かれることはない。もっとも…」
斗貴子さんが顔を赤くして言葉を続けた。
「キミは別だがな」
その言葉に反応した俺は、ベッドの上の斗貴子さんに覆いかぶさり、唇を塞いだ。
「オイ!だからって、こんな時間から…あん」
そして俺は、俺だけが立ち入りを許された鉄壁の内側に手を入れた。