今日は、クリスマス。銀成学園寄宿舎も、大騒ぎ。
ここはカズキの部屋。いつもの仲間が集まり、パーティーの真っ最中。
岡倉はサタデーナイトフィーバーし、大浜はプレゼント交換にスクール水着を出して
散々顰蹙を買い(結局、引き当てたのは岡倉だったprz)、六枡はクリスマスに関する
雑学を披露し、それに耳を傾けたり、お菓子を食べてはしゃいだりしている3人娘。
そして、「何を隠そう、オレはパーティーの達人だ!」と、周りを終始盛り上げまくるカズキに、
ツッコミ役が足りず、孤軍奮闘している斗貴子。多種多様な盛り上がりっぷりが、
本当に幸せな12月25日を醸し出している。
「カズキ、入るぞ?」
パーティーが終わり、めいめいが自分の部屋に戻った後、カズキの部屋に戻ってくる斗貴子。
「あ、斗貴子さん!」
パーティーの後、一人で部屋を片付けているカズキ。
「…すごい部屋の荒れようだな…どれ、片付けを手伝おう」
「え?いいの?…斗貴子さん、ありがと!」
散らかったゴミをゴミ箱へ運ぶ斗貴子。
「まったく、キミが一人で片付ける、などと言い出さなければ、こんなコトにはならなかったのに…」
「ゴメン。でもやっぱ、みんなには、楽しんだ後、そのままの気分で帰ってもらいたかったし…」
「…そうか…」(キミらしいな…)
二人の息が合っていたのか、後片付けは案外早く済んだ。何となしに、カズキのベッドに並んで腰掛け、
落ち着く二人。
「あ、あの…斗貴子さん、コーヒー飲む?」
「ああ…ブラックで頼む」
カズキが、プレゼント交換で沙織にもらったコーヒーセットを、斗貴子がまひろにもらった
ペアのマグカップに煎れる。
「ハイ」
「すまないな」
ベッドに腰掛け、コーヒーを飲む二人。
「「ふう……」」
「と、斗貴子さん?あの…」
「どーした?」
「あの…こ、このコーヒー、おいしいね!さすがさーちゃんの厳選品!」
「?…そうだな」
心なしか、カズキの頬が幾分紅潮しているように見える。
(…どうも、さっきから様子がヘンだな…)
「…カズキ」
「ん、何?」
「…キミには、感謝している」
「ど、どうしたの、いきなり?」
「…キミがいなければ私は、今年のこの日、クリスマスだということに気づくことすらなく、
戦いに明け暮れていただろう。それが今、このようにして、キミと共に、この日を過ごしている」
「…斗貴子さん…」
「…キミは私に、新しい世界をくれた…カズキ」
「………斗貴子さん!」
意を決したかのように斗貴子のほうに体ごと向き直るカズキ。
「な…何だ?」
それに吊られて、体ごとカズキに向き直る斗貴子。
「…これ!」
カズキは、ポケットから何かを取り出した。
それは、小さい箱だった。
「…プレゼント交換のとは別に、買っといたんだ。これ…クリスマスプレゼント」
斗貴子にその箱を渡すカズキ。
「…開けてみて」
「あ、ああ…」
突然のことに驚き、カズキの言うままに箱を開ける斗貴子。
中に入っていたのは、指輪だった。
「…これは…」
「…安物だし、サイズも合うかどうかわかんないけど…これなら戦うとき、あまり邪魔にもならないかな、って」
はにかんだ笑顔を見せるカズキ。
「カズキ…」
指輪をはめようとする斗貴子。
…こういう時、どの指にはめればいいかくらいは知っているようだ。
「…ぴったり…」
本当に、測ったかのように、斗貴子の薬指にはまった指輪。
「よ、よかった…アハハ!」
照れくさくなり間が持たず、思わず外を見てしまうカズキ。すると…
「…うわあ!」
「…何だ?」
「…見て、斗貴子さん!」
窓から外を覗き込む斗貴子。…そこには、雪が降っていた。
「すごい、すごいね!クリスマスに、冬初めての雪が降るなんて!…斗貴子さん?」
「…」
「斗貴子さん…どうしたの?」
「…カズキ…」
カズキのほうに振り返る斗貴子。そして…
ーありがとうー
斗貴子は泣いていた。斗貴子自身にも理由は分からない。
言葉では言い表せない想いが溢れ出したのか、とにかく頬を涙が濡らしていた。
…また、それと同時に、今まで誰にも見せたことが無いような笑顔を、カズキに向けていた。
「…斗貴子さん…」
二人は、口付けをしていた。どちらからともなく、コーヒー味の、初めての口付けだった。
長いようで短いそれが終わった後、斗貴子が頬を赤らめながらカズキに言った。
「カズキ…私も、その、プ、プレゼントをしたいのだが…」
「…本当にいいの?斗貴子さん。…今日一日、自分をプレゼントに、なんて…」
「ああ…遠慮せずもらってくれ。こんな機会、二度とないかも知れんぞ?」
生まれたままの姿の斗貴子が冗談めかして言った。
「…オレ、初めて、なんだけど…」
決まり悪そうに頭をかきながら呟く、斗貴子と同じ状態になったカズキ。
「…私も、だ」
カズキに続き、決まり悪そうに話す斗貴子。
「…大切に…優しく、するから…」
「…わかった」
「ん…はぁ…んぁ…」
緊張してほとんど動けない斗貴子の体を、全身を使ってぎこちなく愛撫するカズキ。
「カ…カズキィ…優しすぎて、私はぁ…」
「斗貴子さん…キレイだよ」
「んっ…余計なコトは、言わんで、いいっ…あっ!」
最初は冷たかった二人の肌が、だんだん熱を帯びてくる。
それと同時に、まだだれも触れたことの無い斗貴子の秘部が、徐々に熟してくる。
そして、そこを指で丁寧にほぐすカズキ。
「斗貴子さん、気持ちいい?」
「うん、んっ…気持ちいいぞ、カズキ…ふあぁ…」
「よかった…『Hできれいなお姉さん』も捨てたもんじゃないや」
「バ、バカァ…」
「カズキ、欲しい…」
「…わかった…」
斗貴子の指に導かれ、自分の屹立したモノを斗貴子の秘部へと押し当てるカズキ。
そして、ゆっくり腰を沈めていく…
「んぐぅ…はっ、あっ!んああっ!!」
十分にほぐれていたためか、カズキへの想いのためか、あまり痛そうな素振りを見せない斗貴子。
「斗貴子さん…大丈夫?痛くない??」
「んっ…大丈夫、みたいだ…」
「斗貴子さんの中、すごくあったかくて、気持ちいいよ」
「だから、余計なコトは言うな…カズキ…動いて…」
斗貴子をいたわり、ゆっくりと腰を動かすカズキ。
「あっ、あっ、い、いいぞ……カズキ…もっと、もっとぉ…」
これじゃあどちらへのプレゼントかわからない。斗貴子の要求と自分の欲求に応え、
さらに激しく腰を動かすカズキ。
「斗貴子さん、斗貴子さん…!!」
「あっ!やっ、すごい!カ、カズキッ!私はっ…!」
激しく絡み合いながら互いを求める二人。
「斗貴子さん、オレ、もうっ…!」
「んっ、カズキ、わ、私も…あっ、ああああっ!」
二人が同時に絶頂を迎えるのに、時間はかからなかった。
「カズキ…」
「…何?」
裸のままベッドに、寄り添うように横になる二人。
「私は、キミにもらってばかりだな…新しい生活、共に暮らす友人、そしてこの指輪…」
薬指を見ながら話す斗貴子。
「そんなコトないよ。オレだって、斗貴子さんに色んなものもらったよ?」
「…何だ?」
「新しい命、戦う力、強くなろうとする意志、あと…斗貴子さんの初めt」ドスッ
「くぁwせdrfgtyときこさんlp;!!!?」
「…余計なコトは…言うな…!!」
「…ゴメンナサイ…で、あとは…」
「…また変なものじゃないだろうな…」
「一人の女の子を、こんなにも大切に思える気持ち」
「…カズキ…」
「ん?」
「…愛している、キミを…」
「…オレも愛してるよ、斗貴子さん…」
二人は再び口付けを交わした。
聖なる夜に、何物にも代えがたい贈り物を手に、二人は眠りについた…