ヴィクター騒動も一段落つき、ここ戦士長火渡の自宅ではあるパーティーが催されていた。  
「火渡戦士長、おめでとうございま〜す!!」  
 
そう、今日は彼の誕生日である。かつて再殺部隊とよばれたメンバーが勢揃いし、プレゼントを持ち寄りこの記念日を祝っていた。  
戦部は秘蔵の酒、犬飼は超特大の犬のぬいぐるみ(すぐ捨てられる)、根来は錬金女性キャラの蝶・秘蔵写真、そして毒島は手編みのセーターと最高の料理…  
が、しかしこのパーティーに自ら希望した任務により再殺部隊から唯一参加できなかった者がいる。そう円山である。  
 
 
翌朝、所変わってここは錬金戦団本部の火渡の執務室…  
 
円「戦士長おはようございまぁ〜す」  
火「てめぇ…人のパーティーに一人だけ参加しなかったくせにやけに上機嫌だな。」  
円「あら、せっかくプレゼントを買ってきてあげたのにそれはないんじゃない?はい、プレゼント!」  
火「てめぇ…なんだこれは…」  
 
円山が火渡にプレゼントしたもの…それは金やら銀やらラメの入った紫色やらあまりに怪しい色ばかりが散りばめられた大きな袋をショッキングピンクのリボンで止めたものだった。  
 
火「てめぇ…殺すぞ。」  
円「あらぁ?本当は嬉しいくせにぃ…」  
−トントン−  
「円山さん、ここにいましたか。大戦士長様がお呼びです。」  
円「それじゃあね。…あ、そうそう。ソレは毒島ちゃんと一緒に開けてね。」  
火「…どういうことだ?」  
円「あらぁ、みんな知ってるのよぉ。でも毒島ちゃんに手は出してないらしいじゃない。だから…ネ。」  
火「うるせぇ!さっさと逝け!」  
円「バイバーイ」  
火「ふう…なんなんだこれは…まあいいか、仕事するか…」  
 
そしてその日の夕刻。火渡は既に帰宅したが、執務室では毒島が一人残業(掃除)していた。  
 
毒「ふう…こんなものでしょうか…ん?あれは?」  
毒島タンの目に入ったのは、棚の上に置かれた例の怪しすぎる袋であった。  
背の低い毒島タンは脚立に上り、精一杯背伸びをして棚の上から袋を取った。  
毒「ん〜…取れました。『円山より』?昨日渡せなかったプレゼントですかね。とにかく火渡様にお渡ししないと…」  
 
そしてここは火渡宅  
ピンポーン  
 
毒「火渡様、毒島です。執務室のお忘れ物をお届けに参りました。」  
火「おう、入れ。」  
 
毒「これ…なんなんでしょう?」  
火「さあ…なんだろうな?円山はお前と開けろとか言ってたが…まあとにかく開けろ。」  
毒「はい、このリボンを解けば…」  
 
ゴロゴロゴロゴロ…  
 
火「!!!!!!?」  
毒「これは…蝋燭ですね。で、こっちは鞭ですか?乗馬用ではないような…他には麻縄に…これはなんでしょう?」  
 
そう。円山が火渡にプレゼントしたのは大量のアダルトグッズ詰め合わせであった。あと一歩をなかなか踏み出せない火渡と、蝶奥手な毒島に対する彼(女?)なりの配慮だったのだろう。  
そしてよりにもよって、毒島が今握っているのはバイブであった。  
 
毒「火渡様、これは一体なんでしょうね?変な形…あれ?何かスイッチがありますね。」  
 
ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン…  
 
毒「この動きはなんのためのものなんでしょう?火渡様はご存知ですか?」  
火「………」  
毒「火渡様?」  
 
火渡は押し黙ったまま答えない。当然答えを知らないわけではない。もしこれを持っているのが他の人物だったらあっさり答えているか、テキトーにはぐらかしているはずだ。  
しかし今彼の目の前には毒島が不思議そうな顔をして火渡の顔を覗いているのだ。片手にはこともあろうか激しく動くバイブの現物を持って…  
 
毒「火渡様、これは一体何に使う物なんでしょうね?………あの…火渡様?先程からどうかなさいましたか?」  
 
−プチン−  
 
このとき、確かに火渡の中の何かが切れる音がした。  
 
「それはなぁ…こう使うんだよ!」  
「きゃあ!???」  
 
そう言うと火渡はまず毒島のガスマスクを剥ぎ取った。その無骨なガスマスクの下にはあまりに華奢で、長い黒髪の似合う誰もが見とれるような美少女がいた。  
しかし火渡は彼女に目を合わせることもない。すぐに麻縄を手にとり、呆気に取られている毒島の手を後ろ手にかなりきつく縛り上げる。  
「うう…」  
かなり痛かったのだろう。毒島の口から呻き声が漏れる。そんな彼女を無視するかのように火渡は毒島の後ろに回り込み、純白のパンティーに手を掛けると一気に膝まで引きずり下ろした。  
そしてそのまま毒島の股間に顔を埋め、犬の様に毒島の性器を舐め始めた。  
 
「ひ、火渡様ぁ…そんな所汚いですよ…」  
 
ここまでガスマスクを外してから全く無言だった火渡が、この毒島の言葉に対してこう言い放った。  
 
「うるせぇなぁ…殺すぞ?」  
 
「は…はい。わ…かりました…」  
 
こう言われると、毒島は完全に蛇に睨まれた蛙になってしまう。その顔は美しい顔は恐怖に怯えている。しかし火渡はそんなことはお構いなしに事を進める。  
 
ズプズプズプ…  
「きゃあああ!」  
 
毒島の下腹部を強烈な異物感が襲った。火渡が一気にその太い指を挿入したのだ。しかし毒島の蜜壷は意外なほどあっさりと火渡の指を受け入れた。  
それに驚いたのか、あるいはもう十分だと感じたのか。火渡はすぐに指を抜いてしまった。  
 
「なんだ?案外アッサリ入るじゃねぇか。初めてじゃねぇのか?それとも自分でやってんのか?」  
「そ、そんなこと……!!!????」  
 
答える間もなくまたも毒島の下腹部を強烈な異物感が襲う。しかも指よりも数段強烈な異物感だ。火渡がついに毒島にバイブを突き入れた、しかも一気に全部挿入したのだ。  
 
「オイ、すごく熱くなってるなぁ。」  
 
上機嫌になった火渡であったが、そんな彼をに対して毒島が予想外の言葉を放った。  
「つめたい…」  
 
「何言ってやがる。こんなに熱いじゃねえか。何が冷たいって言うんだ。」  
「も、申し訳ありません…先程のご指摘の通り、毎晩…その…ひ、火渡様を思い浮かべ、自分で自分をそ…その……慰めて…いました…。その時の私の想像と少々違ったもので…  
で、でも火渡様と言えばどんな時でも不条理ですものね。私はこうして火渡様と一緒にいられるだけでも幸せです。どうぞお続け下さい。」  
 
そう言うと毒島は精一杯の笑顔を作る。しかしその頬には涙が伝い、跡を作っていた。  
 
(こんな不条理を押し付けられても人間は笑っていられるのか…?)  
 
火渡はこれまで数多くの不条理を数多くの人間に押し付けてきた。が、そうなると必ず相手の表情は怒り、悲しみ、絶望の淵に落ちる。しかし目の前の美少女は違った。  
しばし2人の間を沈黙が包む…  
 
しばしの沈黙の後、火渡が口を開いた。  
 
「すまなかった。」  
 
そう言うと火渡は毒島の縄を解き、ゆっくりと口づけた。暫くの間、この甘い感触をお互いに楽しむと、毒島は火渡の手によってゆっくりと優しく生まれたままの姿になり、火渡もまた生まれたままの姿になった。  
そして2人はゆっくりと体を重ね合う。それはあくまで優しく優しく愛し合った。  
 
「ああっ…火渡様ぁ…」  
(俺はこいつには不条理を感じさせたくないのか…?)  
 
「火渡様…私…もう…」  
(こんな感覚は今までなかった…)  
 
「火渡様あああああっ…」  
「くっ…毒島…」  
 
 
そして火渡は自分の腕の中でぐっすりと眠る少女に対し、ある決意をした。  
 
 
−そしてちょうど3ヶ月後、今度はとある教会でパーティーが催された−  
 
「火渡戦士長、おめでとうございま〜す!!」  
 
そこには真っ赤なスーツに身を包んだ火渡と、純白のウエディングドレスにガスマスクという出で立ちの毒島がいた。  
 
円「ちょっとォ、誕生日からちょうど3ヶ月後にできちゃった結婚なんてどうしたのよ?しかも毒島ちゃんも妊娠3ヶ月って…  
まさかあの誕生日プレゼントをフル活用しちゃったわけェ?あれ冗談のつもりだったのよォ。」  
 
毒「プシュ〜〜〜〜〜〜〜」  
火「う、うるせぇ!殺すぞ!それに…」  
円「それになあに?」  
火「ううううるせぇ!!武装…」  
「「「わ〜!戦士長を止めろ〜」」」  
 
 
−絶対こいつにだけは二度と不条理を感じさせないって決めたんだよ−  
 
 
そしてパーティー終了後…  
円「さてと、無事あの2人もちゃんとくっついたわね。次は千歳ちゃんと防人くんでもくっつけようかしらね…」  
 
こうして円山姐さんのお節介は、無事成功したのでした。  
 
 
〜完〜  
 
 
 
 
 
 
 
 オマケ 
 
この結婚式は戦団関係者ほぼ全員が招待され、例によってストロベリーズも招待されました。その帰り…  
 
カ「いい結婚式だったね〜オレもはやくああなりたいな…」  
斗((///)ええっ!?それはもしやできちゃった結婚…)  
カ「あの真っ赤なスーツかっこいいよね!着たいなあ…それにウエディングドレスにガスマスクっていう組み合わせもオシャレだよね。斗貴子さん!」  
斗「カズキ…お前オシャレ間違ってるぞ…」  
 
 
 オマケ2 
 
火渡の結婚式の二次会の帰りに、 戦士・千歳がべろんべろんに酔っ払っていたので仕方なく送っていくことになった。  
そしたら俺のアパート行きたいと言うので、仕方なく連れて帰った。  
途中のコンビニで買ったビールを、俺の部屋で飲んでるうちに彼女は横になって寝入ってしまった。  
あんまり色気など感じたことなかったが、 寝顔をまじまじと見ると結構かわいい。  
暇だったので額に肉と書いてやったら、 突然くわっと目を開き、  
「あんた、そんな事する暇があるなら、襲ってきなさいよ!」  
と、怒られた。  
                                  防人 衛  
 
 
 
 
 
 
今度こそ本当に完  
 

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