海豚海岸を離れたオレたちは、途中の小さなホームセンターでテントを購入し、
小道を選んで真夜中まで歩き続けた。
そして、人気の少ない川岸でキャンプをすることになった。
オレは剛太と二人用テントを組み立てた後、
一人用のテントを組み立てている斗貴子さんに声を掛けた。
「手伝うよ、斗貴子さん」
「ああ、頼む。剛太は?」
「テントを組み立てたらすぐに寝ちゃった」
そんな返事をしながら、組み立てを手伝い始める。
「そうか…今日の再殺部隊との戦闘が剛太にとっては初めての実戦だったはず。
精神的な疲労が激しいんだろう」
「…本来、武装錬金はホムンクルスを斃すための力で、人を殺すための力じゃない。
なのに、初めての実戦の相手が仲間の戦士だなんて─」
「戦士の役割は敵を殺すこと。
剛太の場合、たまたま、初めての敵が錬金の戦士だっただけのことだ。
キミが気にすることじゃない」
「…ところで、オレたちはどこに向ってるの?」
「まだそれについて話すつもりはない。
話せばキミは一人で現地に向いかねないからな」
図星だった。オレは斗貴子さんと剛太を戦士同士の戦いにまきこみたくなかった。
斗貴子さんは、組み上がったテントの入り口に腰を降ろして言葉を続ける。
「海でも言ったように、キミと私は一心同体!キミが死ぬ時が私が死ぬ時だ!」
そう言った斗貴子さんをオレは抱きしめた。
「そういう一心同体じゃなくてでだな─
そういうのも好きだが─ん!?」
言いかけた斗貴子さんの唇を塞ぐ。
そして、スカート中にに手を入れて下着を脱がし、
股間に顔を埋めて、秘所に舌を這わせた。
「…ん…っ」
斗貴子さんの足を大きく広げて、舌を奥まで入れた。
包帯が巻かれた左足に負担がかからないように気をつける。
「…んぐ………あっ─」
しばらくそうして、舌で斗貴子さんを堪能した後、今度は肩紐に手を伸ばした。
しかし、斗貴子さんはオレのその手を軽く払いのけた。
「お互い上は着ていよう。敵襲があるかもしれない」
この人は、こんな時でも、戦士なんだ。そう思いながらオレはこくりと頷いた。
そして、今度は、斗貴子さんが両手がオレの下半身に伸び、モノを取り出す。
少し斗貴子さんが触っただけで、オレのモノは充分に大きく固くなった。
「…斗貴子さん」
「いいぞ、カズキ」
斗貴子さんの中に自分を侵入させ、一気に奥まで突いた。
「あんっ─」
斗貴子さんの両手が腰を動かし続けるオレの背中に回る。
「……ああ!──ん─ん─ん─」
斗貴子さんが大き目の声を出した後、唇を噛んで声を殺した。
剛太を気遣ってだろうか?それとも、敵を警戒してだろうか?
そんな交わりを続けているうちに、
声を殺したまま先に達した斗貴子さんがオレのモノを締め付け、
それに導かれるようにオレも斗貴子さんの奥に放った。
それからしばらくして、オレたちはいったん体を離した。
そして、再び抱き合い、唇を重ねる。
「…ところで、オレたちはどこに向ってるの?」
「さっきも言ったように、まだそれを話すつもりはない」
こうすれば話してくれると期待したんだけど、当てが外れたようだ。
「一人用で狭いテントだが、今夜はこっちに泊まりなさい。
剛太が目を覚ます前に戻るんだぞ?」
「うん」
テントの中で横になり、腕を伸ばす。
斗貴子さんが横に体を並べ、オレの腕に頭を乗せた。
程なく、寝息を立てる斗貴子さん。何かに備えたような浅い眠り。
LXEとの決戦の後、夏休みが始まるまでの間、
寄宿舎で見せていた無防備な寝顔を思い出して、悲しくなった。
ヴィクター化を解決して、あの日々を取り戻す!オレはそう心に誓って、眠りに落ちた。