戦闘のための知識は持っている。潜入任務に必要な程度の一般常識もあるつもり。  
だが、これからすることの知識は薄い。  
一抹の不安の中、互いの唇が近づいていく。カズキが口を半開きにした。よくわからないまま、それに倣う。  
 
接触。  
 
こういうものなのか。気持ちが良い。ずっとこうしていたい。  
カズキの舌が私の唇を通った。びっくりして、顔を離した。  
 
自分の口を押さえる。  
「おい!」「あ、ゴメン」  
赤い顔で頭を掻くカズキ。だが、悪びれた様子はない。なら、さっきのもキスに含まれるのか?悪いのは勝手に中断した私なのか?  
 
私は決意を固め、カズキの顔を見据えた。  
「斗貴子さん?──ん!」  
こちらからキスをした。そして、舌を入れる。一瞬、硬直したカズキが、舌同士を接触させてきた。  
 
唇だけ接触させているより、気持ちが良い。  
カズキの舌のあちこちを舐めた。口の中も舐めまわした。そして、唇を離した。  
頭がぼんやりしてくる。カズキの目がとろんとしている。  
 
今度はカズキからキスをしてきた。互いに舌を入れ合い、絡めあう。唾液を引いた唇が離れていく。  
 
そして、今度はこちらからキスをした。互いに舌を(以下、無限に繰り返し)  
 
 
 
部屋を見回す。広めのベッドに2つ並んだ枕。枕の横にスキンが2個。  
 
『斗貴子さん、いい?』『いいぞ』  
給水タンクでの永遠に続きそうなキスの後、何のことかよくわからないままに同意はした。  
その後、カズキに手を引かれ、学校を出て、裏通りから建物に入り、着いたのがここ。  
この分野の知識に乏しい私でも、さすがにどういう場所かわかった。  
 
勇気を出して聞いてみる。  
「キミは………こういうことは初めてなのか?」  
コクンコクンと頷くカズキ。  
 
そうか。ならいい。覚悟を決めよう。  
カズキの初めてになってみよう。カズキを私の初めてにしよう。  
 
「で、どうする?」  
「え?」  
「わ、私もこういうことは初めてなんだ」──こんなこと言わせるな!  
「あ、斗貴子さんもなんだ…とりあえず、シャワー?」  
そういうものなのか。  
「わかった。先に浴びさせてもらうぞ」  
 
シャワーを浴びながら、この後、カズキに見られて触られる自分の体を見下ろす。  
戦うために鍛えてきた体。出るべきところが出ていない体。せめてキレイにしようと、念入りに洗う。  
 
思い切って、バスタオル1枚でシャワーを出て、真っ赤な顔をしたカズキと交代した。  
ベッドに腰を掛ける。寄宿舎のベッドより柔らかい。いや、それはどうでも良くて。  
これから、カズキとここで?覚悟を決めたつもりだったが、心臓がばくばく言っている。  
かすかな知識を総動員して、この後起きることを頭に描く。顔が赤くなったり、火照ったり、ニヤけたり。  
 
「………斗貴子さん?」  
いつの間にか、カズキが横に座っていた。  
 
カズキの手が肩にかかった。そして、キス。そのまま、ベッドに押し倒される。  
「斗貴子さん、いい?」  
いいぞ。でも、答えるのが恥ずかしい。だから、聞かないでくれ。  
「斗貴子さん?」  
「………いいぞ」  
「うん」  
バスタオルを取られた。カズキの視線が私の上を巡っていく。  
「斗貴子さん…キレイ──」  
「コラ!恥ずかしいぞ!」  
「大丈夫!キレイだから」  
 
そして、首筋や胸やヘソや脚や、その他の体の隅々まで例外なく念入りに触られてしゃぶられて。  
股間に指を入れられて、舐められて。  
かつて聞いたことがない声が、自分の口から飛び出して。  
濡れるという言葉の意味を実感したりして。  
 
めり、めり。  
いつの間にか、そんな音が聞こえそうな大きいモノが入ってきて、私の中の障害物に当たった。  
「痛っ!」  
走る激痛。体全体が後ずさってしまう。最初は痛い、と聞いていたが、真実のようだ。  
「斗貴子さん!」  
「止まるな、カズキ」  
以前、同じ台詞を言った時、動きの止まったカズキを越えて、鷲尾に飛び掛ったりしたのが、今はそうするわけにもいかず。  
せめて、これ以上後に下がらないようにと、掴まる場所を探す。でも、見つからない。  
やむを得ず、カズキの腰に腕を回して、がっちり掴まる。その結果──ずぶっ。  
「え?」「っ!!」  
カズキの腰を引き寄せることになって、一気に貫通完了。痛いんだけど、何故か、可笑しい。  
そんな和んだ空気の中を、カズキが動いて果てて『初めて』が終わった。  
 
スキンを外してゴミ箱に入れるカズキを眺めながら、挿入前のカズキのモノを思い浮かべる。  
カズキが大きいのか、スキンが小さいのかわからないが、とても窮屈そうだった。  
そして、自分のカレンダーを思い浮かべる。ここ数日は、たぶん、大丈夫。  
 
「カズキ…スキンなしでもいいぞ」  
「え、ホントに!?」  
「ああ、また明日にでも──」  
「斗貴子さん!」  
速攻で、ベッドに押し倒された。  
 
よほどスキンが窮屈だったのか、さっきに倍する熱意で、カズキが私を仕上げていく。  
私の体もそれに応えて、良い声を出しながら、たっぷりと濡れていく。  
ぬるっ。スキンが無いせいか、私がカズキに合ってきたのかわからないが、今度はあっさりカズキが入っていった。  
給水タンクでのキスの後、よくわからない変な気分になったが、同じ気分を感じる。気持ちの良いくすぐったさ。  
そして、カズキが動くにつれ、くすぐったさが気持ち良さに変わっていく。  
オーガズムとか言う状態に近づいているのだろうか?どうせなら、カズキと一緒にイきたい。  
「斗貴子さん…オレ…もう─」  
「まだだ!まだ、ぶち撒けるな!」  
「ウ、ウン」  
青くなったり、赤くなったりしながら、堪えるように動き続けるカズキ。  
自分の気持ちよさが、制御できないくらいになってきた。  
「カズキ、そろそろいいぞ」  
「ウン!」  
 
どくん。どくどくどくどく。カズキがイった。  
びく。びくんびくんびくん。私がイった。  
 
ホテルを出た後、学校に置いたままのカバンを取りに、手をつないで戻った。  
まだ学校に残っていた同級生が目を丸くてしいるのを奇異に感じながら、教室まで戻る。  
そういえば、公然とカズキと手をつないで歩くのは初めてかも。文字通り、一心同体になった私たちは、それが自然なのだ。  
 
(おわり)  
 

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