「貴方はそのままでいいわ。退院が延びるといけないから」  
 
 そう言うと、千歳は布団を下から捲り上げ、パジャマと共に下着をずらす。  
すると腹に届くほどに反り返った防人の男性器が露わにされた。  
 
「こんなにしてしまって…可哀想に」  
 
 慈しむような声とは裏腹に千歳の口元はほころんでいる。  
それは嘲笑にも似ていて、見下されているような背徳感が防人の背筋をわななかせた。  
 千歳はベッドに横座りになりながら男根全体を優しく撫で擦る。  
むず痒い刺激がだんだんと蓄積されて、早くも先走りとなって立ち現れた。  
その様子を見てまた千歳は薄く笑うのである。  
 こんなにしどけない女だっただろうか…防人は意外な気持ちでかつてのパートナーを  
見ていたが、嫌悪を覚えるほどでもない。  
なぜかと問われれば自分は彼女の…千歳の人となりをそれなりに理解している  
つもりであったからだ。いみじくも男をそそらせる彼女の姿にさえ、どこかいたいけさを  
感じるのである。  
 
「随分巧いんだな」  
「褒められて悪い気はしないわ。ありがとう。7年前よりは余程ましになったでしょう…?」  
「そうだったか…もう覚えていないよ」  
「あら、酷いのね。泣きじゃくる私を無視して処女を奪ったくせに」  
「若かったからな、あの頃は。…すまなかった」  
「…もういいの。それより、耄碌するのはまだ早いんじゃなくて?」  
「ああ…じきに思い出すだろう。こっちにおいで、千歳」  
 
 寝たままの防人と、彼を覆うように四つん這いでベッドへ上った千歳は  
キスを貪るように繰り返す。  
舌を絡ませ合いながら、防人ははっきりと千歳がまだ自分を慕っていることを感じ取った。  
しかし7年前の任務失敗からうやむやになってしまった二人の関係の隙間を  
この戯れの中で塞ぐことが出来るのか…。  
 
「…君の準備はいいのか?」  
 
 口付けの合間にそう訊ねる防人へ、千歳は気まずげな顔を見せる。  
 
「恥ずかしいのだけど、見てくれる?」  
 
 防人の顔を挟んで膝立ちになる千歳はタイトスカートの中に手を入れると  
ゆっくりと下着を下ろし始めた。  
見上げる形となった防人から見れば、スカートの中は楕円の薄暗い闇だった。  
そこにオフホワイトの下着がわずかな光を集めてぼんやり浮かび上がっている。  
クロッチ部分が股間に張りつき、しぶとく離れないでいるのを防人は確認した。  
千歳が手を下ろし続ければやがて小さな粘着音と共にそこは剥がされ、  
暗く陰になった茂みとクロッチの間が透明な粘液の糸で結ばれる。  
やがて下着が腿の中ほどまで下ろされると、それも儚く途切れてしまった。  
 
「キスだけでこんなになってしまったわ…」  
 
 千歳は普段虚無的な表情ばかりの顔を紅潮させて、消え入りそうな声で言った。  
確かに淫らではあり、千歳はそれを心から恥じている様子だったが、  
防人とってはただ愛しく思えるだけである。  
 
「気にしなくていい。魅力的だ」  
 
 そう告げると、腿から尻を撫で上げながらスカートをずらし、  
露わになった千歳の女性器の亀裂を指でなぞる。  
それだけで奥から真白な愛液が滲み出した。  
 
「ああ…だめよ、貴方は何もしないで…私にさせて…」  
 
 深く入り込んできた指先の刺激に腰を震わせながら、切なげに千歳は漏らす。  
 
「されてばかりなのも性に合わなくてな、名前ほど俺は保守的じゃないんだ。  
それにこっちは随分悦んでるじゃないか」  
「そんな、ああ、言わないで…はぁ、ん…」  
 
 粘液にまみれた柔肉を防人はゆっくりと人差し指でほぐしていく。  
抜き差しする度に白濁とした露が指を滴り落ち、濃厚な女の匂いが鼻をついた。  
7年前とは比べようのないほどに成熟した女性器は防人の指先をどこまでも  
飲み込みそうなほどで…それでいて酷く狭かった。  
俗な言い方をさせてもらうなら、使い込まれた感触がしないのである。  
 もしも千歳が7年前のあれから、自分以外の男に体を許していないのなら…。  
防人はその貞淑さに恐れさえ感じた。  
 元々そんなイメージに相応しい生真面目な女なのだ。その可能性は十分ある。  
 
「…どうしたの?」  
「いや…感じやすいようだな?」  
「昔とは違うでしょう? すぐに溢れてしまって…あ、そう、そうして  
角度を変えられる度に、ああ…気をやりそうになるの…」  
「千歳が指だけでこんなに乱れるとは思わなかったよ…誰に教わったんだ」  
「まさか…貴方以外の男性に触れさせたことなんて、一度もないわ…  
自分で慰める内に、こんなにいやらしくなってしまったの」  
「それは…俺とこうなることをまた望んでいた、それを待っていたということなのか?」  
「…ごめんなさい、答えられないわ。私には…わかるから…」  
 
 言いよどむその言葉だけで防人には十分だった。  
 言えば、俺は俺を怨まずにはいられなくなる…そういうことなのだろう。  
 
 千歳も防人も若かった7年前、一つの任務の失敗で、防人は自分であることを捨てた。  
同時に恋人だった千歳とも合わせる顔を持たなくなり、関係を一方的に断ち切った。  
それは女の千歳から見れば男の身勝手以外の何物でも無かっただろう。  
 なのにそのことを責めもせず、むしろ寂しかった自分の7年を隠すことで防人の  
呵責を軽くさせようとしている彼女を…防人は強く抱き締めたかった。  
だが傷の癒えぬ体でそれは叶わず、ただもどかしい気持ちのまま彼女を見つめる  
ことしか出来ない。  
かといって彼女を捨てたも同然の自分に、本当に彼女を愛する気持ちがある  
のかと問われれば自信がなく…。  
 今はただ体が欲するままに慰め合うことだけが自分たちへの救済になる気がした。  
それだけが確かなものに感じられたのだった。  
 
「…ありがとう、千歳…後は君に任せる」  
「…ええ、喜んで。私ももうたまらないのよ…」  
 
 言われ、千歳は体をずらし、反り返る幹を押さえ自分の入り口へあてがう。  
潤い溢れた蜜壺のような千歳の女性器は7年の空白を埋めるように、  
徐々に男根を迎え入れた。  
 
「はあぁ…凄い…なんて逞しいの」  
 
 恍惚として呟く千歳に感応してか、内部の襞もしゃくり上げるように震え、  
防人を締め上げる。防人にはきついとさえ思えた。  
それは確かに千歳が今まで防人以外の男に体を許さなかった証拠だった。  
 
 たまらず千歳の腰を掴み、先端で奥を擦るよう下からぐりぐりと押し付ける。  
滑りながらも程よい弾力のある襞が男根全体を押し返し、粘りつく。  
千歳には刺激が強すぎたのか、思わず腰を上げかけるが、防人の手に阻まれて  
叶わない。  
 
「ああっ…! そんな、奥を…う…動かさないで…あん、だめ…っ」  
「じゃあ君が腰を使うんだ。してくれ…ちゃんと全部見ているから」  
「う、ああ…見ていて…」  
 
 腰の手を離され、千歳は静かに動き始める。  
 最初はどこか懐かしむように、それがやがて全てを欲する女の性を表すような  
激しい動きに変わっていく。  
 熱くなった壁と幹の擦れ合いで互いの性器が溶け出しそうだった。  
 こんこんと滲み出る愛液で見る間に濡れそぼった防人の腰と千歳の尻たぶが  
ぶつかる度にぴちゃぴちゃと湿った音が響く。  
 
「いい…気持ちいいわ…、気持ちいいの、防人くん…っ」  
 
 軋むベッドの音と断続的に漏れる粘着音がだんだんと早まり、  
狭い病室の中は爛れた空気に満たされていく。  
 防人は健気に乱れる千歳を見上げながら、服の上から慎ましい乳房を掴んだ。  
 その脆くも思える膨らみから彼女の鼓動が伝わってくる。  
 
「…思い出したよ千歳、久しぶりだ…君をこうして感じるのは…」  
「防人くん…嬉しい…ああ」  
 
 枝垂れ倒れる千歳と再び口付けを交わす防人は、一際強く絞り上げてくる  
彼女の肉襞の誘いのまま、欲情を飛沫を内側で弾けさせた。  
 
「はあ、ああああ…っ!」  
 
 息継ぎの間に離れた口元から千歳の熱い溜め息が漏れる。  
 断続的に噴き上げ注ぎ込まれる精液を受けて、彼女も絶頂を迎えたのか、  
ねっとりと吸い付いてきた壁が一斉にひくつき震えてみせた。  
その動きにまた吸い上げられるように、一滴残らず精を放つ。  
 
 オーガズムの余韻に二人は体を震わせ、やがてそれも静かに引いていくと、  
どちらともなく唇を重ねた。  
 
「あむ…ん…防人くん…」  
「ち…とせ…」  
「んん…ねぇ、防人くん…?」  
「…何だ?」  
「まだまだこれからよね…? 私達…」  
 
 上気した頬に汗を浮かせて、千歳は微笑んだ。  
 自分には想像もつかない女の充足感を湛えるその笑顔に魅入られながら、  
防人は愛しさを込めて、再び彼女と彼女の未来にキスをした。  
 

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