「ふぅ〜」
ここは海豚海岸近くの旅館、三浦屋の大浴場。お湯の上に顔だけ出して、おもいっきり手足を伸ばす。
みんなで花火をした後、一人で少し長めの散歩をして、軽く汗を掻いて戻った。
すると、旅館の人が入浴時間外の大浴場を使わせてくれた。
せっかくなので甘えさせてもらい、今、こうして一人で湯船に浸かっている。
本来、今は清掃時間とのこと。隣の男湯から何かの作業をしている音が聞こえる。
そして、今、私が居るのは、先に清掃が終わったらしい女湯の湯船だ。
一度、早い時間にまひろ達と入り、それはそれで楽しかったが、一人で入ると落ち着いて別な気分になれる。
散歩をしながら考えたのは剛太のこと。何故、今日、ここに?カズキの処遇と関係あるのか?
しかし、推測はできるが、答えは出ない。そろそろ出よう。私は湯船から出て、体の水気を拭いた。
がたん。誰かが脱衣所に入ってきたようだ。
清掃の続きだろうか?私が入っているのはわかっているだろうから、何かあれば声くらい掛けてくれるだろう。
そう思いながら、脱衣所への扉に向かうと、曇りガラスの向こうに人影が見えた。
なんだか良く知っている背格好な気がする。そして、その扉が前触れ無く開いた。
「カ、カズキッ〜!」
永遠にも思える数秒間、硬直して裸のカズキと見つめ合った。そして、互いに背を向けた。
「…い、いったい、どうして?」
「もう一度お風呂に入りたくて旅館の人に聞いたら、男湯は清掃中で、女湯は誰も入ってないからどうぞって…」
どうも、横の連絡が悪いらしい。
「ゴメン。オレ、出るね」
「私は上がるところだ。キミはそのまま湯舟へ行け」
「ウ、ウン」
背後を小走りしてしく足音。じゃぼん。ちゃぷちゃぷちゃぷ。
かけ湯もしないで飛び込んだようだ。顔を回して、横目で湯舟を見た。
隅の方にカズキのタオルが見えた。体は物陰で見えない。よし。私は出よう。
がたん。また、脱衣所で音がした。
「斗貴子さ〜ん、私も入るよ〜…あれ、脱衣カゴが二つ?…こっちはお兄ちゃんの服だ!
ストロベリー中に邪魔しちゃ悪いよね…じゃあ、私、部屋に帰るね。ばいばい」
がたん。パタパタパタ。
「まひろ、帰ったみたいだね」
「ああ、そうだな…って、なんで、キミがここに!」
「ゴ、ゴメン…でも、斗貴子さんが…」
「あ…そうだったな…」
まひろの声に慌てた私は、浴場出入口からの死角に駆け込んだ。そして、そこはカズキが居た場所。
今、私たちは湯船の中でぴったりと密着している。
この後、どうしよう?なんだか、ぼーっとしてしまい、冷静になれない。
二人分の脱衣カゴを見られた以上、隠れているのは無意味だが、だからといって、どうしたものか?
少し濁ったお湯を通して、カズキの前がおかしくなっているのが見えた。おそるおそるソレに触ってみる。
「ト…斗貴子さん!?」
コレについての知識はあるが、こうなっている実物に触るのは初めてだ。こんなにも大きく固くなるモノなのか。
こうなったのは私のせいだ。私が責任を取るべきだ。そうに違いない。よし。
「…コレを鎮めたいんだが」
「え?えっ〜!?今?ここで?」
一瞬、迷う。ここを出て、二人になれる場所を探して…ダメだ。この後、剛太に会う必要がある。今しかない。
「ああ、今だ!」
「…ウン…ウン!」
カズキが私を正面から抱きしめ、ぎこちなく唇を重ねてきた。そして、胸を揉みしだく。
互いの唇の隙間から私の声が漏れた。
「ぁんっ…ぅっん…。も…ぉっと…大きく…なったぞ」
私はカズキのナニを握った手をお湯の中で動かしている。
「んくっ…斗貴子さん…手だけでもいいよ」
「ぁっ…私に…ぃん…ぶち撒けぇ…るんだ!」
私はそう言って、ソレから手を離し、カズキの舌を吸った。
キスをしたまま頷いたカズキが私の股間に指を入れて、掻き回した。
「ぁっ…ぁん…ぁっ…」
頭が蕩けて、まともしゃべれない。
「ごめん…お湯のせいで…濡れてるかどうか…わかんない」
「大丈夫…っぅん…いいぞ…っ」
本当に大丈夫なのかわからないが、カズキが早く欲しかった。
「ウン…じゃあ…」
カズキが私の秘穴にモノの先をあてがい、腰を引き寄せた。
「んぅっ!」
アレが内肉を大きく掻き分け入っていった。激しい痛みと僅かな快感が体を走り、力が抜ける。
「斗貴子さ…」
何か言いかけた唇を塞ぐ。そして、体に力を入れ直し、腰を動かした。
かなり上下に動いても、カズキはしっかりと私の中に居る。入れる前に触った通りに大きいようだ。
そして、痛みと快感の比率が逆転していく。
「ハァ…ハァ…斗貴子さん…凄い…」
「…カズキぃっ!」
カズキも動き出した。もはや、声すら出ない。激しい二人の息遣いだけが浴場に満ちた。
しばらくして、私の体がカズキの精を飲み込んだ。
「ハァ…ハァ…鎮まったか?」
「ハァ…ウン…ありがとう、斗貴子さん」
「キミのなら、いつでもこうして鎮めてやる…だが、次は、風呂以外にしよう?」
「ウン、そうだね」
私たちは、そのまま、のぼせる寸前まで抱き合っていた。
(おわり)