「辛いかもしれない。否、辛いはずだ」
防人はそう言いながら、斗貴子の体を抱き上げ器用に己のズボンを脱いだ。
斗貴子の目が大きく見開く。
「…珍しいか?」
己の股間に痛い程視線を受け、防人が苦笑する。
「す、すみません」
視線を外し、謝る斗貴子。
「別に構わない…お前の中に入るものだ。触っておくか?」
防人の言葉に他意は無かったのだが、斗貴子はあからさまに動揺し、体を震わせた。
「あ…あの」
どうしていいかわからずに、それでも指はゆっくりとそれに近づく。
一端の少女らしい好奇心は、彼女の中にも存在していた。
二人の間に挟まれた形でそそり立っているそれに遠慮がちに指が届く頃には、その独特の青い匂いがふんわりと充満していた。
そっと先に触れ、それからおずおずと指で形をなぞる。
その柔らかな感触は防人にもどかしい快感を与えてはいたが、彼は深く息を吐き、耐えた。
「なんだか、いえ、その…そんなに大きなものが、本当に…入るものなのでしょうか」
几帳面に切りそろえられた彼女の髪が不安気に揺れる。
顔を真っ赤にして見上げるその目の色は、歳相応だった。
「まあ、一般的な女性なら…大丈夫だろうと思うが」
そう答えながらも、彼女の華奢な体は防人に不安を抱かせる。
僅かな茂みに守られる彼女の女陰は、成熟しきっているとは言い切れないような気がする。
「…それかやっぱり、また次回に」
「戦士長!」
つい口から零れた言葉を、斗貴子が叱咤した。
強い目の輝きが戻る。
戦士の目だった。
(セックスしている時にそんな目をする女はどうかと思うがなあ…)
心のどこかでそんな風に感じながらも、防人は何か清清しいものを感じていた。
「それでは、斗貴子」
今の会話で少し勢いを失った雄を持ち、ゆっくりと摩りながら、防人は斗貴子の尻の辺りを撫でた。
見慣れないその行為にどぎまぎしながらも、それが合図だと、斗貴子も腰を浮かせた。
「いいか?」
防人は深く、強く、優しい目を持っている。
「はい」
彼がいるから、自分はここまで来られた。
未知への恐怖や、己の今まで短い間で培ってきたもの、防人への思いなどが、斗貴子の小さな体からあふれ出そうだった。
「ゆっくりでいいぞ。腰を落とせるか?俺に座るように…」
手を添え、己を入り口にあてがう。
ぬるりとした感触に、少し安心した。
「はいっ…はいッ」
防人の肩にかかった斗貴子の細い指先は、まるで子猫のそれのように彼の肩に食い込む。
辛いのか。
細いからだがびくびくと震えている。
防人は身が裂ける思いであった。
己の手で、愛する子を傷つけている。
特訓などでさせる辛い思いなどではない。
「せ、んしちょう…」
心の淀みを掬うように、斗貴子が声を絞り出した。
「ありがとう、ございます…私は、へい…きです」
顔を歪め、苦痛を享受する斗貴子。
それでもいつもの彼女らしくなく必死に微笑もうとしているのが、酷く健気であった。
「あぁ…う」
みちみちと、狭い肉を己が裂いていく。
その感触は紛れも無く強い快感であった。
しかし、それが斗貴子に苦痛を与えているのだ。
ともすれば突き上げてしまいそうになる腰を必死に抑えながら、彼は彼女の体を撫で続ける。
「辛い顔を…しないで」
細い指が、己の眉間に寄せられた皺をそっとなぞる。
同時に全てが彼女の中に収まった。
目の前の少女が、酷く愛しく感じた。
恋愛感情とは違う、親が子を思う気持ちにも似た、純粋な愛に近かったのだが、この状況で防人はそこまで考えられ
なかった。
「斗貴子」
防人が腕を伸ばし、小さな彼女を体を強く抱き締めた。
「あ!」
体が動かされる刺激に声を上げる斗貴子であったが、直に大人しく彼の背中に腕を回した。
「大丈夫か?」
先ほどと比べたら斗貴子の体の強張りは幾分か抜けている。
「平気です。あッ、その…痛くなくは…無いですが…ッ、大丈夫、耐えられます」
彼女にとってこれは「耐える」行為なのだ。
防人は何故だか無償に切なくなった。