武装錬金  
『斗貴子さんの気持ち』  
 
ある日、学校の帰り道。  
斗貴子さんが俺の知らない男と、楽しそうに、話してた。  
頭が真っ白になって、何も考えられなくなる。  
う、そ……だ。  
握り締めた拳が震える。  
斗貴子さんは俺には気付いていない。  
俺なんかの存在なんて気にしていない。  
その場に居たたまれなくなった俺はそのまま走って寄宿舎に帰った。  
途中まひろや岡倉達にあったけど、挨拶なんて出来なかった。  
結局、その日は夜まで誰とも会わずに部屋にこもりきりだった。  
 
夜、斗貴子さんが部屋に来た。いつものように窓から。  
いつも通りの斗貴子さんの行動に、少しほっとしたけど。  
それでも、心の中に渦巻く黒々としたものは、晴れなかった。  
「カズキ、遊びにきたぞ」  
……『遊び』  
ただそれだけの言葉に、なんだか心が逆撫でされる。  
クソッ!!  
心の中で毒づいてしまう。  
「悪いけど、今日は帰ってくれないかな」  
自然、口調がきつくなる。  
「え?なんでだ」  
「疲れてんだよ。それだけのことさ」  
また、口調が荒くなる。  
「ど、どうしたんだ。なんで怒ってるんだカズキ」  
「怒ってなんかいないッ!」  
怒鳴ってしまう。  
なぜか、斗貴子さんの一挙手一投足が癇に障る。  
「な、何なんだカズキ。私、カズキに何かしたか?」  
少し、泣きそうな顔で斗貴子さんが言う。  
何やってるんだろ。俺……  
「ごめん。とにかく、今日は帰ってくれるかな……」  
俺はそれだけ言って、眠ることにして、目を閉じた。。  
窓の開く音、次に閉じる音。  
気になって窓のほうを見ると、もうそこに、斗貴子さんはいなかった。  
 
 
翌日、朝。  
結局、昨日あれから斗貴子さんが帰ってくることは無かった。  
来なかった、ってわかるということは、結局寝なかったってことで。  
一晩考えても、結局、悶々とした気持ちはそのままだった。  
ドンドン  
乱暴に扉がたたかれる。  
岡倉か?なんて思っていると、  
「お兄ちゃん、ちょっと入るよ」  
まひろだった。  
「お兄ちゃん、ちょっと聞きたいことあるんだけど」  
ちょっと、いやかなり怒った声でまひろが言ってきた。  
「お兄ちゃん、昨日、お義姉……斗貴子さんに何したの。私の部屋で、一晩中泣きはらしてたんだから」  
こんなに怒ったまひろをみるのは初めてだ。  
でも……  
「泣きたいのは、こっちのほうだよ」  
そう言って、まひろとは反対のほうを向いた。  
「それに、斗貴子さんが泣いてたからって、なんで俺が責められるんだよ」  
それは詭弁。自分でもわかる。  
「女の子が泣いてるときはね、男の方が悪いの!」  
そう言って、まひろに思いっきり頭をはたかれた。  
 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル