「あの……本当にすみません、六舛先輩」  
「いいからいいから、気にしないで」  
 すまなそうに再度謝る千里に、カウンターに並んで座る六舛はヒラヒラと手を振って応えた。  
 放課後の図書室は人影もまばらで、受付カウンターの千里と六舛を除けば、参考書とノートを広げた  
女の子二人組みと読書に没頭している二、三人の生徒だけ。  
 やや調子の悪い空調設備の、低く唸る音さえ妙に大きく感じる静かな空間。窓の外からは、野球部の  
練習の掛け声とノックの音が遠く聞こえてくる。  
 千里は手元の本に目を通しながら、ちらりと隣を盗み見た。つい先日正式に“お付き合い”を始めた  
一つ年上の少年は、普段と変わらぬ“のほほん”とした表情のまま、分厚いハードカバーを読み耽る。  
 互いの肩が触れ合いそうな距離で言葉も交わさず座り続ける緊張感に、彼女は奇妙な居心地の悪さを  
感じていた。なぜこんな事態になったのか、少し前の出来事が無意識のうちに思い起こされる。  
 
 発端はクラスメートの頼み事だった。図書委員を務めていたその少女は、外せない用事があるから、と  
受付当番を代わってくれるよう千里に頼み込んできた。持ち前の生真面目さと断り切れない性格から  
渋々引き受けてはみたものの、一緒に帰る約束をしていた六舛に謝らなければならない。恐る恐る事情を  
説明した千里だったが、彼はいつものポーカーフェイスで  
「なら付き合うよ」  
と、彼女の返答も待たずに図書室に向かい、カウンターに居座ってしまったのだ。  
 心遣いは嬉しかったものの、こうして傍にいられると嫌でも意識してしまう。ただでさえ目立つ事が  
苦手な千里にしてみれば、図書委員でもない男女がこんな所に二人並んでいるのを不審に思われないか  
余計な心配までして落ち着かない。さっきから眺める本もページをめくるだけで内容は全く頭に入って  
こなかった。  
 
 きゅっ。  
 
「え!?」  
 不意に右手を握られ、思わず飛び出た声に口を押さえる。慌てて室内を見回してみたが、気にした者は  
いないようだ。手を握ってきた相手を見やれば、何食わぬ顔のまま視線は本に集中している。  
「あ、あの……六舛……先輩」  
「ん、何?」  
 
 小声で千里に呼び掛けられても本から顔を上げようとしない。左手で包むように彼女の手を握り、  
親指で手の甲を撫でる。  
「……いえ……何でもありません」  
 顔を赤らめつつ、千里は自分の本に視線を戻した。少年の指は休まず彼女の手を撫で続ける。  
「……………………」  
 本を読むポーズだけ装ったものの、千里の目は文字ではなく握られた右手から離せない。六枡の左手は  
甲を撫でるだけに飽きたのか一端離れると、右手の親指だけをそっと包み込んできた。そして自分より  
一回り小さな少女の指を、愛しむように撫でさする。小さな爪の形や滑らかな手触りを確かめるように、  
左手全体を使って何度もなぞる。親指の次は人差し指、その次に中指を……。  
 一本ずつ入念に繰り返される探索を、千里はただ目で追い続ける。くすぐったさの中に時折走る快感の  
パルスが指先から体中に流れ、胸がざわつく。少年の愛撫が次の指に移る度に、静かな緊張と期待が  
背筋を走った。  
 
 小指まで丹念になぞり終えた六枡の手は、今度は少女の掌へと愛撫の目標を変えた。人差し指でそっと  
撫でられ、千里の右手がピクリ、と跳ねる。  
「前から思ってたけど……感じやすいよね、千里ちゃんて」  
 しっとりと汗をかいた手の上を、虫が這うように指先を進めながら六枡が呟いた。  
「そ……そんなこと……ありま、せん」  
 さんざん自分の手を弄びながら一度も視線を上げない相手に、少し上ずった声で千里が返す。  
「そう? 夕べだってあんなに乱れて……」  
「せ、先輩っ!?」  
 思わず声を上げてしまった。自習中の女生徒がちらりとこちらを向く。真っ赤になった顔を隠すように  
千里は身を竦めて俯いた。その仕草に初めて六舛は視線を向け、唇の端だけで薄く笑う。  
 
「なら、確かめてみようか」  
 六枡の左手がテーブルの下に潜り込み、千里の脚を掴んだ。  
「!?」  
 無造作に膝に置かれた手に、千里が無言で驚く。制服のスカートの上から、少年の掌がゆっくりと  
太腿を撫で始めた。  
「だ、駄目です……。ここ、学校ですよ」  
 
 悪戯な手を掴んで退けようとしたが、男の腕は意外に力強く、少女の抵抗も及ばない。  
「ほらほら、あんまり騒ぐと変に思われるよ」  
 薄い笑みを浮かべたまま、六舛が千里の耳元に囁いた。その一言が効いたのか、少女が彼の手を離す。  
「見つかると大変だからね。さっきみたいに本読むふりしてて……」  
「……は、はい……」  
 千里の両手が本を持つのを見届けて、六舛の手が内股を這い始める。図書室での大胆な行為に彼女の  
心臓はバクバクと高鳴り、額に冷たい汗が浮かんだ。  
「……は、あ……」  
 太腿を往復する熱い掌の感触に、思わず吐息が漏れる。隠れて目に見えない分、余計鋭敏に手の動きを  
感じ取り、気にするまいと思うほどに意識がそこへ集中する。  
 視界の端で、自習していた二人がノートを片付けるのが見えた。立ち上がってこちらへ歩いてくる。  
「せ、先輩!」  
 小声で六舛に訴えるが、愛撫の手は止まらない。女子生徒たちはどんどん近付いてくる。  
(……………………!!)  
 思わず息を呑んで目を瞑った。少女達は彼女の前を通り過ぎ、図書室を出て行く。一気に緊張が解け、  
千里は安堵の息を吐いた。  
 
「ひゃっ!?」  
 気の緩みを衝くように、太腿を撫でていた手が両脚の間に伸びた。スカート越しに股間を割り込み、  
女の子の敏感な部分を指で探る。  
「……じ、冗談ですよね、六舛先輩……。いくらなんでも、これ以上は……」  
 戸惑いと、僅かな怯えを含んだ表情の千里。六舛は彼女のそんな顔が大好きだった。小動物のような  
瞳で見つめられると、つい意地悪してみたくなる。  
「ん!……ふ、う……」  
 少し強くスリットの上をなぞる少年の指。ぞくり、と千里の肌が一瞬粟立つ。精一杯の自制心で嬌声を  
こらえ、唇を噛んだ。反射的に閉じた脚の間へ、指が強引に潜り込もうとする。  
「そんなにしたら……スカート、皺になっちゃいます……」  
「なら、自分から脚広げて。……そうしたら上手に気持ちよくしてあげる」  
「……………………」  
 
 数秒のためらいの後、そろそろと両足が左右に開かれる。六枡の手は足の形に沿ってスカートを押さえ  
中指で股間のスリットをくすぐり始めた。  
「ん……」  
 布地の上を上下に指が往復する。最初は気にするまいと本に目を走らせていた千里だったが、いつしか  
目を閉じて、執拗な指先の悪戯に意識を集中していた。  
「あは……ふう……」  
 物欲しそうに伸びた少女の舌が唇を舐める。延々と繰り返し擦り上げられる刺激に、千里の秘所が  
じんじんと痺れ、花弁が微かに開くのを感じる。下半身からの甘い疼きに耐えるうち、本を持つ手に  
知らず知らず力がこもっていった。  
 
「すいません、本の貸し出しを……」  
「え、えっ!?」  
 突然の呼び掛けに顔を上げると、いつの間にか本を手にした男子生徒が立っていた。  
「……あ! か、貸し出しですね。はい!」  
 咄嗟の作り笑顔で本を受け取る。貸し出しカードを抜き取り、記録帳に番号を書き写そうとした時──  
(ええっ!?)  
 六舛の手は、大胆にもスカートをたくし上げだす。  
(そんな!? いくらなんでもバレちゃいます!……)  
 受付のカウンターは割と高い造りになっていて、実際には一般利用者からこちらの手元は見えない。  
それでも見知らぬ他人の前での羞恥責めに、少女の全身は真っ赤に火照り、視界がぐるぐると回る。  
震える指で何度も書き直しながら必死に帳簿を付け、カードを男子生徒に差し出した。  
「こ……これ、に……ン、学年、と名前を……」  
 声にも震えと艶が混じる。スカートは太腿の辺りまでたくしあげられ、その中に手が潜り込んでいた。  
男子生徒がカードに書き込む間、下着の上から柔らかな秘部を指で嬲られる。  
 書き終えたカードを再び受け取り、学年・氏名を帳簿に記してから本に挿し込み直して手続きは完了。  
本を受け取った男子生徒は少しだけ怪訝そうな顔をして、図書室から出て行った。  
「う〜ん、結構頑張るねぇ」  
 ニヤニヤと笑いながら、六舛は悪戯を続けていた手を離した。指先がうっすら湿っている。気が付けば  
本を閲覧していた生徒はみんな引き揚げ、図書室には自分たち二人きりになっていた。立て続けの  
責めからようやく解放され、千里は潜めていた呼吸をハァハァと荒げた。小さな肩が上下する。  
 
「酷いです、先輩! なんでこんな意地悪するんですか」  
 キッと睨む目元に涙が滲んでいる。  
「酷い? 千里ちゃんはこういうの好きだと僕は思ってたけど」  
「そんな訳ないです! 私、恥ずかしくて死にそうだったんですから」  
 僅かな怒気を孕んだ千里の声に、ニヤニヤしていた六舛の顔つきが一転して真面目になった。  
「……でも、心のどこかでそれを望んでいる君が居る」  
「…………え?」  
 六枡の一言に、ぐさり、と千里の心が抉られる。さっきまでの怒りが嘘のように霧散した。  
「君は目立つのが嫌いでいつも控え目に振る舞っているけど、実はそんな自分に  
コンプレックスを感じてない? 華やかで賑やかな友人たちにどこか引け目を感じてない?」  
「……そ、それ……は……」  
 目の前の少年から視線を逸らす。彼の言葉を否定しようと開いた唇から、声が出ない。  
「そうやって抑圧されたストレスを、僕はほんの少し解き放っただけ」  
「そ、そんなの詭弁です! それとこれとは……」  
 
「あ、いたいた。ちーちん!」  
 馴染みの声に心臓が跳ね上がる。振り向けば、ぞろぞろと図書室に入ってくる男女の集団。仲の良い  
友人である沙織とまひろ。六舛先輩の友達の岡倉、大浜両先輩。その後ろには、まひろのお兄さんである  
武藤先輩と、彼の恋人の津村先輩の姿もあった。  
「ウッス。頑張ってるね千里ちゃん」  
 派手なリーゼントヘアの岡倉が片手を挙げて微笑みかける。  
「え、え〜と。皆さんどうしてここに……」  
「事情はまひろから聞いたよ。代理図書委員ご苦労様」  
「えへへ。さっきまでみんなでお喋りしてたんだけど、そろそろちーちんも帰らない?」  
 武藤兄妹の言葉から察するに、どうやら自分を待っていてくれたようだ。  
「すみません。なんだか気を遣ってもらったみたいで……」  
「ああ、気にしないで。ところで千里ちゃん、六舛君がどこに行ったか知らない?  
 靴があるからまだ帰ってはいないと思うんだけど」  
「え? 六舛先輩なら……」  
 
 言いかけて息を呑んだ。隣に座っていたはずの六舛がテーブルの下に潜って、千里の両脚の間から  
顔を出している。  
「なっ!?…………なっ!?…………」  
「どしたの、ちーちん?」  
 首を傾げる沙織に、千里はブンブンと首を振った。  
「ななななな、何でもないの。……ろ、六舛先輩なら私も見てないけど……」  
「ったく、一体どこほっつき歩いてんだよアイツ」  
 岡倉の声を背中で聞きながら、六舛は千里のスカートをそっと腰までたくし上げる。水色ボーダーの  
コットンパンティが露わになった。  
「あの……一応下校時間まで残っている規則なので……私に構わず先に帰って頂いて結構、ですか、ら」  
 濡れて染みになった股布の上から、指が秘唇の形をなぞる。  
快楽に蕩けそうになる理性を懸命に保ちながら、千里はどうにか平静を装って会話を続けた。  
「え〜、でも誰もいないのにぃ」  
「まひろ……。規則は規則、よ。代理でも、私は、当番なんだ、から」  
 指が下着の中に滑り込み、股布を引っ掛けて横に引っ張った。ぷっくり充血した花弁が外気に晒され、  
千里の心臓が再び早鐘を打ち始める。  
 
「……どうした? さっきから体調がすぐれなさそうだが」  
 それまで黙っていた斗貴子が千里に声を掛けてきた。少女の背筋を冷や汗が伝う。  
「そういえば顔赤いよ。ちーちん、熱あるんじゃない?」  
 土手の間から覗くピンク色の秘唇を、六枡の指が撫で上げた。それだけで透明のシロップがトロリと  
指先にまとわりつく。ぬるりと押し込まれた指が、ゆっくりと前後に動く。  
「だ、大丈夫。何でも……ないから」  
「でも呼吸も苦しそうだし、保健室に行った方がいいんじゃ……」  
 椅子に腰掛けた状態では奥深くまで指を押し込めないらしく、浅い部分でピストンを繰り返す。  
ぴちゃ、ぴちゃ、と小さな水音。  
「い、いえ、本当に大丈夫……ですから。あと三十分もしたら……時間になります、から」  
 淫らな水音が知人たちに聞こえていないのを祈りながら、両の掌を向けて言葉を制する。が、それでも  
仲良し二人は納得しないようだった。  
「でも、目も潤んでるし無理しちゃだめだよ。熱、本当に無い?」  
 
「さ、沙織!」  
 熱を測ろうと額に手を伸ばしてきた沙織に、つい強い口調で叫んでしまった。  
「……ちー……ちん?」  
 びっくり顔で手を止めた沙織の目に、じわっと涙が浮かぶ。  
「ごめん、沙織! ちょっとびっくりしただけだか……ンンッ!」  
 指が花弁をくつろげ、敏感な肉芽を探り当てた。顔を見られまいと咄嗟に俯く。  
「あの……皆さん、ご心配ありがとう、ございます。……き、気分が悪くなったら……ちゃんと……  
保健室に行きます……から。だから……わ、私に構わず、先にお、お帰り……くだ、さい」  
 肉芽を押し潰すようにクルクルと小さな円運動を繰り返す少年の指。俯いたまま肩を震わせ、千里は  
必死に声を絞り出した。  
 
「約束だよ、ちーちん。無理しないでよ」  
 最後まで心配そうな友人たちに心の中で謝った。来た時と同じようにぞろぞろと図書室を出て、扉が  
閉まる。足音が遠ざかるのを確かめて、千里は全身の緊張を解いた。  
「あっ……ふあ……んはああぁぁぁぁっ!!」  
 こらえていた快楽の衝動が解放され、ぶるるるるっ、と全身を震えが走る。図書室中に響き渡る  
悦楽の叫びを上げ、少女は軽い絶頂に達した。  
 
「ふふふ。今のは随分良かったみたいだね」  
 テーブルの下から六舛が這い出てくる。立ち上がり、千里の顔を覗き込んだ。  
「はぁ……はぁ…………ろ、六舛……先輩……」  
 陶然とした瞳で見上げる千里。下腹部からこみ上げる疼きは未だ治まらず、より確かな絶頂を求めて  
秘唇がわななく。  
「うん。僕も我慢できなくなってきたし……おいで」  
 千里の手を取って立たせると、ふらふらする足取りの少女を書架の陰へ連れ込んだ。ここなら万一  
誰かが図書室に入ってきても、すぐには見つからない。  
 壁に両手をつかせると、スカートを捲り上げ、ぐっしょりと濡れた下着に手を掛ける。引き下ろすと  
発育途上の白いヒップが表れ、淫液を滴らせる秘唇が姿を見せる。秘唇と下着の間に一瞬だけ透明な糸が  
伝った。膝まで下着を下ろし、すべすべのお尻に軽くキスをすると、六舛はズボンから既にガチガチに  
勃起した自分のモノを引っ張り出す。  
 
「今あげるよ、千里ちゃん……」  
 ひくつく花弁に先端を宛がい、ゆっくりと沈めていく。  
「はぁ………………ああぁ」  
 ペニスに押し出されるように、千里は大きく息を吐いた。  
「ふふ……どう? 僕たち、学校でセックスしてるんだよ」  
「やぁ。……い、言わないでください」  
「でも、ドキドキするでしょ」  
 六舛が腰を動かし始める。  
「あっ! くふっ! す、凄いぃ!」  
 立ったままの姿勢のせいか、千里の秘所は普段よりも強く締め付けてくる。  
 
 ぱちゅっ。 ぱちゅっ。 ぱちゅっ。  
 
「あっ! あんっ! 六舛先輩! 先輩ぃ!」  
 押し上げるような激しい突きに千里の両足はつま先立ちになり、ピン、と伸びた脚が震える。  
千里の腰を掴んでいた六舛の手が、胸に伸びた。制服の上から二つの膨らみを捏ね回す。固くしこった  
乳首が、ブラの内側に擦れる。  
 窓の外からは野球部の喧騒。二人きりの図書室には、腰を打ち付ける湿った音と千里の喘ぎ、そして  
六舛の荒い息遣いが繰り返される。白いカーテンの隙間から、オレンジの西日が室内を照らす。  
「……ねえ、千里ちゃん……このまま……中に出していい?」  
 少年の言葉に、少女の顔色が変わった。  
「だ、駄目! もし赤ちゃん出来ちゃったら……」  
「だけど、今日一応安全日なんでしょ……」  
「で、でも……」  
 
 戸惑う千里の髪を掻き揚げ、耳元に六舛が囁く。  
「好きだよ、千里ちゃん……。だから……中でイかせて」  
 悪魔の誘惑にも似た甘い囁き。それを引き鉄に千里の膣が二度、三度と痙攣し、一気に高みへ昇る。  
「ひあ! あ! んああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」  
「ぐ!…………うぅ!」  
 
 びゅるっ びゅっ びゅくっ  
 
 六舛は膣を思い切り突き上げ、千里の一番奥深い所で射精した。魂まで吸い取られそうな、今まで  
経験した事の無い膣内のうねり。眩暈するほどの気持ち良さに倒れそうになるのをぐっとこらえる。  
 
 びゅく……びゅく……  
 
 溜まっていたものを全て放出してなお、六舛のペニスは千里の中で跳ねる。  
「か……は……はあ……はあ……」  
 絶頂の悲鳴とともに肺の空気を吐き切った千里が、軽い酸欠に陥りながら息を荒げる。胎内の痙攣は  
まだ治まらず、射精し終えた六舛のペニスを更に擦り立ててくる。  
 ずるずると、千里の上体が壁をずり落ちる。脚はガクガク震え、立っているのも辛そうだ。  
六舛が名残惜しそうにペニスを引き抜くと、少女の身体はそのまま膝から崩れ落ちた。六枡も、腰が  
抜けたように床に尻餅を着く。激しい性交の余韻の中、二人は交わす言葉も無く息を整え続けた。  
 
 × × × × × × × × × × × × × × × × × ×  
 
 図書室の扉を閉め、六舛が鍵を掛けた。きちんと施錠されているのを確かめ、鍵をポケットにしまう。  
「ろ、六舛先輩。返してください! その……私のパンツ……」  
 千里の下着は丸められて反対のポケットの中。伸びてきた手を難なくかわして、六舛は彼女を  
後ろから抱きすくめた。  
「寄宿舎に帰ったら返してあげる。今履いてもぐしょぐしょで気持ち悪いでしょ」  
 からかうような口調で囁きながら、彼女の下腹を軽く押した。  
「やぁ、駄目です! 先輩が出したの……垂れてきちゃう……」  
「帰る途中で零さないようにね。……困るのは千里ちゃんだよ」  
 クスクス笑いながら腕を離す。帰りの道のりを思い、千里は視界が揺らぐのを感じた。  
「……さあ。まずは職員室へ鍵を返さないとね」  
 
 六舛の左手が、千里の右手をそっと握った。  
 
(おわり)  
 

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