「はぁ……疲れた」
肩を落とし、背中を丸めて剛太は部屋のドアを開けた。ぼんやりと薄暗い照明の中、スプリングの
固いベッドに寝転がる。
銀成市に逗留して早や3カ月。安アパートの天井も随分見慣れてきた。
思えば夏から色々な出来事が目まぐるしく起きた。憧れてた先輩は他の男のものになり、
再殺するはずだったその男は特殊な核鉄2つを宿す“第四の存在”として戦団でも一目置かれ、
今ではその核鉄を狙う謎の連中と闘うのが自分の任務になっている。
「阿呆らしい。なんで俺がこんな……」
言いかけて首を振った。別にアイツがどうなろうと知った事じゃない。ただ、あいつの傍には
必ず先輩がいる。彼女を守るためにも今はこの地に留まって戦い続けなければならない。
「それに、まだ先輩のこと……あきらめたわけじゃ……」
次第に目蓋が重くなってきた。どうやら思っていた以上に疲労が溜まっていたようだ。
「むにゃ……先輩……」
寝間着に着替える気力も無く、剛太は夢の中へと落ちていった。
悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 ………………………………
「……太。起きろ、剛太!」
よく知った声に剛太の意識が急速に覚醒する。
「せ、先輩!? あれ、ここは一体……」
気が付けば、どことも知れない石畳にトランクス一丁で転がされ、後ろ手に縛られている。
「ふん、ようやく気が付いたか」
「せ、せ、センパイ!? そ、その格好は一体……?」
目の前で踏み鳴らされた黒いピンヒールに剛太が仰天する。
黒いニーストッキングに黒いガーターベルト。黒いシルクパンティと黒いビスチェ。そしてエナメルの
黒い長手袋とチョーカーを身に着けた、それは紛れもなく津村斗貴子その人だった。
ビシイッ!
「痛ェッ!」
「気安く私を呼ぶな」
手に持った乗馬鞭で剛太の胸を打つ。焼けるような痛みとともに真っ赤なミミズ腫れが出来た。
「せ、先輩!? こりゃ何の冗談ですか! つか、まさかこーゆーのが趣味!?」
ビシ! ビシイッ!
「痛で! 痛でェッ!」
「物覚えの悪い犬は嫌いだ」
だらりと鞭を下げ、もう片方の手を腰に当てて斗貴子は剛太を見下す。その目は氷のように冷たくて
何の表情も浮かべてはいなかった。
「い、犬!? いくらなんでも犬はあんまりじゃ……」
ビシ! ビシ! ビシイッ!
「痛で! 痛で! 痛でェッ!」
「口ごたえは許さん。……どうやらこの犬はキチンと躾てやる必要があるな」
ヒールのつま先で剛太の腹を小突く。
「知っているぞ。いつもいやらしい視線で私の事を追い回して。私が気付いてないとでも思ったか」
「ご、誤解っス! お、俺は先輩の身を案じてるだけで、別に下心は……」
「昨日もスカートの中を覗こうとしただろう」
「あ、あれは飛び降りたのを受け止めようと」
「いつぞや私が円山と戦っていた時も……」
「う……あ、あれは……」
思わず口篭もる。返答に悩みつつ斗貴子を見上げれば、パンティに包まれてうっすらと秘部の形が
浮き上がった股間や剥き出しの白い乳房が視界いっぱいに広がった。思わずゴクリと喉が鳴る。
「どこを見ている!?」
ビシ! ビシッ!
「痛だだだだ! す、スンマセン!!」
「誰が貧乳だ! 誰が!!」
バシ!! ビシイッ!!
「ギャアアアア! そんなの一言も言ってないいぃ〜〜!」
ぴくぴく痙攣する剛太と、ゼェゼェ肩で息をする斗貴子。ふと、彼女の顔に陰惨な笑みが浮かぶ。
「剛太。これは、何だ……?」
鞭の先端で“ソレ”をつつく。いつの間にか剛太のトランクスが大きくテントを張っていた。
「こ、これは……だって……先輩がそんな格好してるから」
「ほう、お前は私が悪いというのか(ニヤリ)」
「いいいいえ、決して悪いなどとは(ガクガクブルブル)」
「ふふふ、何を怯えている。……私が悪いというのなら、きちんと面倒を見てやらないとな」
声に微かな艶を含ませ、斗貴子が剛太の股間に屈みこんだ。トランクスの前からはちきれそうに
なっているペニスを器用に引っ張り出す。
「フフ……意外に立派じゃないか」
張り詰めてテカテカに光る亀頭を掌に包み込み、クニクニ弄ぶ。
「うあぁ……せ、んぱい……そんなこと、したら……」
たまらず剛太は声を漏らした。
「ん? どうした? こんなことをしたら、どうだというのだ?」
エナメルに覆われた手が、血管の浮き出た竿を握る。そのまま斗貴子は手首のスナップを利かせて
ペニスを上下に扱き始めた。
しゅ……しゅ……しゅ……しゅ……
「ああ、そ、そんな!? せ、先輩が俺のを」
「はあ……熱くて、堅い……。どうだ、剛太? 私の手は気持ちイイか」
「い、イイっす! 最高っす!!」
斗貴子の手は規則正しいリズムで竿を扱き、時折り親指で裏筋を、人差し指で先割れの穴をグリグリと
刺激してくる。その指先を先走りの透明な液が濡らし、流れ出た液がペニスを伝って手袋を濡らす。
にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ……
流れた先走りが潤滑剤となり、手の動きがなめらかになった。細かく泡立つ粘液にまみれ、ペニスが
一層大きさを増す。
「せ、先輩……オレ、もうそろそろイキそ……」
剛太が身体を震わせると、不意に斗貴子の手が離れた。
「……え……?」
「お前だけ気持ちいいのは、なんだか気に入らんな」
斗貴子は立ち上がると、腰に手を掛けてスルスルとパンティを脱ぎ捨てた。そしてなぜかその場に
あった椅子に腰を下ろし、ゆっくりと両脚を開く。
「おおおぉぉぉっ!?」
思わず剛太が歓声を上げる。一瞬だが、淡い恥毛に覆われた陰部が見えた。
ビシィッ!!
「ぐぅおあぁぁぁ! 目が! 目がぁ〜〜〜っ!!」
「まったく……。誰が勝手に見ていいと言った」
のたうつ剛太を前にして、斗貴子は自分の秘部に手を伸ばす。
「ん……はぁ……」
手袋に包まれた指が両脚の間に滑り込み、同時に斗貴子が背中を反らして長い息を吐いた。
目を閉じて一心に指先を動かし始める。
くちゅ……ぬちっ……ぴちゅ……
剛太の耳に粘った水音が微かに届いた。
「んふ……あ、いい……」
わざと見せつけるように、そのくせ肝心の部分は決して見えないように、斗貴子が剛太の前で自分の
秘唇をかき回す。更にそれだけでは足りなくなったのか、片手に掴んでいた鞭の柄を秘部に宛がって
ゆっくりと自分の中へ沈めていく。
「ふあぁぁぁぁぁ…………っ」
歓喜の鳴き声とともに細い身体がぶるるっ、と震えた。椅子から落ちそうなくらいに仰け反って
片手で鞭の柄を出し入れさせ、もう片手でクリトリスを弄る。
じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ、じゅっぷ
「あひ! イイ! イイのぉ!! 堅いのゴリゴリこすれてぇ、おまんこ、おまんこめくれるぅ!!」
普段のクールな表情をかなぐり捨て、狂ったように乱れる斗貴子。
「ああ……せ、先輩……」
「ふふふ……どうした、剛太。そんな物欲しそうな顔をして……」
誘うような流し目で剛太を見ながら冷たく微笑む。半開きの口から覗いた舌が、唇を舐めた。
「せ、先輩、殺生っす! こんな状態で放っとかれたら、俺……」
「お預けもできないとは、本当に駄目な犬だな。……まあいい、ならここまで来て私に奉仕しろ。
うまくできたら褒美をやるぞ」
斗貴子が両脚を左右に大きく開き、両手で自分の秘部を広げる。淫液で貼り合わされていた花びらが
“くぱぁ……”と口を開けて、ヌラヌラ光るピンク色の粘膜が姿を見せた。
「先輩!!」
後ろ手に縛られたまま、剛太は肩と足を使って尺取虫のように斗貴子に這い寄る。猛然と斗貴子の
足元まで辿り着くと、広げられた秘肉にむしゃぶりついた。
「ん……先輩……これが……先輩の味……」
ぺちゃぺちゃ音を立て、ぬめる穴をまさしく犬のように舐め上げる。
「ふう、ん……いいぞ剛太。では、私も褒美をやろう」
斗貴子はピンヒールを脱ぎ、我慢汁を垂らすペニスを両足で挟み込む。
「ああ! 先輩ぃ」
ストッキングの足先が器用にペニスを扱き立て、思わず剛太がうめいた。
「なんだ? お前は足で弄られても感じるのか? まさか私の足で射精する気か? この変態め」
ニヤニヤと笑いながら足コキを続ける斗貴子。
「ほら、口を休めるな!」
剛太の頭を自分の股間に押し付ける。再び剛太が秘唇を舐め始めると、彼女もペニス弄りを再開した。
ぺちゃ、ちゅるる、ちゅぱ……
「あ、……ふんっ!……はひぃ……そこぉ、そこ痺れるぅ……」
斗貴子の喘ぎと剛太が舐める水音がハーモニーを奏でる。
「剛太……舐めるだけじゃなくて、穴……舌、挿れて……」
「ん……こ、こうっスか?」
「ひああっ! それイイ! あ、あと……クリちゃんも、吸って……」
「んむぅ(チュ、チューーッ)」
「ふあ、あ、アハァーーッ!」
快感に仰け反る斗貴子。思わずペニスを挟む両足にも力が入る。
「ぐうぅ……先輩、俺、もう……」
「あぁ、待って。一緒に、一緒にぃ……」
「うぅ!!」
「あああああああっ!!」
× × × × × × × × × × × × × × × × × ×
「せ、先輩ッ!!」
叫びながら、剛太はベッドの上から跳ね起きた。
「……………………………………………………あれ?」
周囲を見回せば、見覚えのある自分の部屋。当然ながら斗貴子の姿などあろう筈も無かった。
「夢?……そうだよな、いくらなんでも先輩があんな真似するはずが……」
時計を見れば、まだ午前2時。寝入ってから2、3時間しか経っていない。やけにリアルだった
夢の感触を思い出し、頬が熱くなった。ジーパンの前が窮屈なくらいパンパンに勃起している。
「こんな格好のまま寝たのが悪かったんだな、くそ……」
着替えようとジーパンのボタンに手を掛け、ふと止まった。
「…………このまま二度寝したら……夢の続き……見れるかも」
数秒間の沈黙
そして剛太はそのまま毛布を被ると夢の中へ舞い戻った。
(とりあえず終わる)
『悪夢の中なら』
次第に目蓋が重くなってきた。どうやら思っていた以上に疲労が溜まっていたようだ。
「むにゃ……先輩……」
寝間着に着替える気力も無く、剛太は夢の中へと落ちていった。
悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 悶 ………………………………
「……起きろ、!」
大きな声に剛太の意識が急速に覚醒する。
「やった!? 続きがきた!……」
気が付けば、どことも知れない石畳にトランクス一丁で転がされ、後ろ手に縛られている。
「ふん、ようやく気が付いたか」
「せ、せ、センパイはどこ!? というかおまえは一体……?」
目の前で踏み鳴らされた黒いビキニパンツに剛太が仰天する。
黒いビキニパンツだけを身に着けた、それは紛れもなくパピヨンその人だった。
「今夜は蝶サイコー!フフフ・・・」
「ひええええええええええええええええええええええええええ」