防人君が寝た後、私はベッドから抜けだし鏡を見てため息をついた。
今こんなに顔色が悪いのも、肌にツヤがないのも、防人くんがいつも寝かせてくれないからよ。
何人も客を取らされた後のくたびれた娼婦みたい。
いつだってそう…不器用で、強引なセックス。
でもやっぱり彼は優しい。
ベッドに寝ている彼を見る。くつろぎきってだらしなく口を開けて寝ている。…よだれまでたらしてる。
ヒゲをざらざらといじると「むにゃ…」と寝言を言った。
私はくすくす笑った。
少なくとも今、娼婦よりは、幸せだ。