「くしゅん!」
自分のくしゃみで目が覚めた。
時計を見ると、また深夜といえる時間。
どうにか、地球に帰ってきて、いろんなことに決着がついて。
そして、昨晩、一晩中、斗貴子さんと求めあって。
今、オレの横には斗貴子さんがいる。
オレは斗貴子さんの裸体を腕に抱き、斗貴子さんの四肢がオレの裸体を抱いている。
「くしゅん、くしゅん」
またくしゃみ。
斗貴子さんにくっついている肌は暖い。でも、他は少し寒い。
足元で丸まっている布団を掛けた方が良いかも。
斗貴子さんの腰の後ろに回していた手を解いた。
次に、オレに絡めている斗貴子さんの四肢を解こうする。
しかし、斗貴子さんの手足ががっちりとオレを捉えていて、なかなか解けない。
そうしているうちに、斗貴子さんが目を開いた。
「ん…どうした、カズキ?」
「あ、ごめん、起こしちゃって─ちょっと寒いんで、布団を掛けようと思って」
「そうか、わかった」
斗貴子さんはそう言って、無音無動作で、武装錬金を発動させた。
そして、バルキリースカートのアームを器用に操り、布団を引き寄せた。
「これでいいか?」
「うん、ありがとう──でも、手足を解いてくれれば、オレがやったのに」
「それは、絶対にダメだ!」
「え?」
「手を握っていても、キミは一人で月まで行ってしまった…
こうやって抱きしめていても、不安なくらいだ」
あの決戦の日の台詞を思いだした。
『ゴメン、斗貴子さん。その約束、守れない』
「そうはいっても、ずっとこうするわけにもな─
まぁ、外が明るくなるまで、こうしているぞ。いいな?」
「うん、わかった、その約束、守るよ」
「よし」
3時間後。
ザザッーーーーーーー。
たぶん、日の出くらいの時間。
でも、少し前から降り始めた大雨のせいで、外は暗いままだ。
「これは──約束、続行中?」
「ああ。まだ、明るくないからな」
斗貴子さんの手はオレの背中で組まれ、足はオレの腰の後ろで組まれたままだ。
あの決戦と同じことが起これば、オレはまた約束を破ると思う。
でも、だからこそ、それ以外の約束は守りたかった。
だから、斗貴子さんが望む限り、こうしていることに決めた。
「しかし、キミの…は元気一杯だな」
「あ、ええと──時間的には朝だし」
オレのアソコは力強く隆起し、斗貴子さんに当たっていた。
斗貴子さんは微笑みながら腰の位置を調整し、オレの先端に陰部を合わせてくれた。
「ありがとう」
おれはゆっくりと斗貴子さんの中に入っていった。
斗貴子さんの中はすでにたっぷりと濡れていた。
9時間後。
ザァザッーーーーーーー。
ぐぅ〜
「お腹、空いたね…」
雨雲が陽の光を遮り続けているようだ。外はいっこうに明るくならない。
「そうだな──少し待ってくれ」
気がつくと、斗貴子さんは再び武装錬金装着していた。
そして、そのアームでベッドの下から何かを取り出し、枕元に積み上げた。
カロリーメイト。
「こんなこともあろうかと、用意しておいたんだ」
その山からアームで1本取り出して袋を開き、中身をオレの顔の前に差しだした。
こんなこともあろうかと…って、今の状態は想定の範囲内なんだろうか?
「どうした、食べないのか?ミネラルウォーターも出そうか?」
「あ、うん、いただきます」
オレがそれを咥えると、斗貴子さんが反対側を咥えた。
お互いに食べ進み、中間で唇が重なった。
カロリーメイトは味気無いけど、斗貴子さんの唇は美味しかった。
27時間後。
2度目の日の出。雨が上がり、外も明くなってきた。
「約束、終了だな」
斗貴子さんはオレに軽いキスをした後、手足を解いた。
そして、ベッドから降り、こちらに背中を向けて体を伸ばした。
この約束をしてから今まで、斗貴子さんの希望に合わせるつもりでがんばってきた。
でも、こうなると、なんだか、名残り惜しい。
こういうことを望んでいたのは、ホントはオレの方なのかも。
がばっ
オレはベッドに座り、斗貴子さんを後から抱き寄せた。
「あの約束は終わったぞ?」
「約束と関係ないけど、こうしていたいんだ…ダメ?」
「ああ、いつでも好きなだけ、そうしてくれ。
しかし、キミの…はまた元気一杯だな」
オレのアソコは力強く隆起し、斗貴子さんに当たっていた。
斗貴子さんは微笑みながら、オレの先端に陰部を合わせて腰を降ろした。
斗貴子さんの中はすでにたっぷりと濡れていた。
「あっん」
「ありがとう、斗貴子さん」
オレはゆっくりと腰を動かしだした。
そして、ふと気になることを思い出し、いったん、動きを止めた。
「斗貴子さん、ゴム、昨日からずっと付けてないけど、大丈夫?」
「ぁんっ…ぁあ、昨日も言った通り、大丈夫だ」
「うん、わかった」
「名前もちゃんと考えてある。男の子なら『和斗』、女の子なら『斗樹m」
「ええ!?オレたち、まだ、高校生だよ!」
「それはキミをこの惑星(ほし)に繋ぎ止める理由にならない。
だが、子供でもできれば…」
「だ、だからって…」
「…冗談だ。安全日だ。問題ない」
「ホント?ホントに?そっかぁ、びっくりしたよ」
「(ぼそっ)ホントは危険日じゃないだけだがな。
積極的に作る気はないが、できたらできたでうれしいんだがな…」
「え?何?良く聞こえないけど」
「ひとりごとだ、気にするな」
「あ、うん…」
オレはまた腰を動かしだした。
「ぁっ、ぁっん」
斗貴子さんの声を聞き、感触を楽しみながら、考える。
今は高校生。だから、子供は作れない。
でも、いつか、斗貴子さんとそうできれば良いなあ、と思う。
オレはその日が来ることを願って、斗貴子さんを強く抱きしめた。
(終り)