「レイビーズによる索敵完了。ホムンクルスが隠れている形跡や不審物は発見できません」  
「よろしい。それでは支援物資の搬入を開始してください」  
 
 犬飼の報告を受けた大戦士長の指示で、コンテナを積んだフォークリフトが次々とトンネルの中へ  
入っていく。  
「それにしても……なんていうかシュールな光景ですね」  
 行き来する車両を眺めながら犬飼が呟いた。久々に使った軍用犬の武装錬金が、彼の足元に蹲る。  
 運搬車の出入りするトンネルは大型倉庫の壁に──正確には壁に掛けられた大きなタペストリーの  
中にポッカリと口を開けていた。薄布をめくれば、その向こうは剥き出しの建材なのだ。  
「ヴィクトリア嬢が使う避難壕の武装錬金は、直接地中に穴を穿つのではなく亜空間に展開される  
 タイプです。短期間ならば、平面である『壁掛けの中』に広大なスペースを造って荷物を  
 保管するのも可能という事ですね。まぁ私から見ても無茶な使い方だとは思いますが、これも  
 ホムンクルスの並外れた体力と生命力ゆえに成せる業でしょう」  
 大戦士長・坂口照星が、犬飼と並んで作業を見守りつつサングラスに指を遣る。  
「積み込みが終わったら、後は丸めた壁掛けと一緒に再び月まで送り届けですか。……ところで肝心の  
 ホムンクルス娘は何処へ?」  
「さて? あまり我々とは顔を合わせたくないようで……。取り敢えず監視は付けてありますから、  
 そう気に掛ける必要は無いでしょう」  
「失礼します」  
 戦団の制服に身を包んだ女性事務官が照星の傍に歩み寄る。  
「月側と回線が繋がりました。ヴィクター氏との通信会談、準備整っています」  
「分かりました。それでは戦士・犬飼。この場は任せましたよ」  
 非常勤戦士・犬飼を残して、照星は倉庫を後にした。  
 
 * * *  
 
「なんだ、これは?」  
 ドクトル・バタフライが遺した秘密拠点の一室。紅茶と共に運ばれてきた皿に、長ソファーに  
腰掛けたパピヨンの口から自然と問い掛けの言葉が出た。  
「ミートパイよ。食べたこと無い?」  
 いつもと同じセーラー服姿のヴィクトリアが、センターテーブルに手際よくお茶の支度を整えつつ  
素っ気無く答える。  
 
 かつて貿易商として莫大な財を成したドクトル・バタフライは、同時に多彩な趣味人でもあった。  
 海外から美術品や錬金術の知識を記した書物に交じって高価な茶器なども買い集め、それらの一部は  
パピヨンが現在アジトとして使っているこの隠れ家にも保管されている。  
 一体どこから見つけてきたのか、いまヴィクトリアが並べているカップやポットも随分と高価そうな  
代物だった。もっとも当のヴィクトリア自身はアンティーク茶器の値段など知っていよう筈も無く、  
「これ、カワイイ」程度の認識で扱っているに過ぎないのだけれど。  
 
 二つのカップに紅茶を注ぎ終え、ヴィクトリアがパピヨンの隣に座る。大皿に乗ったパイに手にした  
ナイフを入れると、切れ目から湯気と同時にビーフと香辛料の香りがゆっくりと立ち昇った。  
「はい」  
 やや大ぶりに切り分けたパイを小皿に載せ、少女が差し出す。  
「久しぶりに月から戻った途端キッチンに篭って、一体何をしているのやらと思っていたが……」  
 フン、とさほど興味無さそうにパピヨンがパイを摘み上げた。そのまま口へ運ぼうとして  
 
 ジィ〜〜〜〜……  
 
 固唾を呑んで見上げるヴィクトリアと目が合う。ソファーに転がしてあったクッションを抱きかかえ、  
緊張と、期待と、不安の入り混じった視線。  
「………………」  
 じっと見守られる状況に奇妙なくすぐったさを覚えつつ、パイにかぶりつく。サックリとした  
歯応えに続いて、意外なほど溢れる肉汁の旨みが口の中に広がった。  
 
「……………」  
「……………(モグモグ)」  
「────どう?」  
「ふむ…………悪くはないな」  
「なによそれ! せっかく作ったのに、全然張り合い無いじゃない」  
 パピヨンの薄いリアクションに頬を膨らませ、拗ねた口調で少女は背凭れに寄り掛かった。紺色の  
ニーソックスに包まれた両脚が、行儀悪くパタパタと揺れる。  
「一応これでも褒めたつもりだったのだがな。……では言い直そう」  
 パイを平らげ、指を舐め舐めパピヨンが苦笑する。  
「確かに、コイツは美味い。パイなんて女子供の食べ物だと思っていたが、その認識を改めさせるに  
十分な出来だ」  
「──ホント!? 本当に美味しい?」  
 さっきまでの膨れっ面が嘘のように瞳を輝かせ、ヴィクトリアが身を起こした。  
「貴様に世辞を言ってどうする」  
 パピヨンの言葉に小さく安堵の溜息を漏らし、それから自慢げに胸を張る。  
「フッフーーンだ。まぁ、当然よね。ちゃんとママに教わった通りに作ったんだから」  
 自分もフォークで一切れ口に運び、笑顔で頷いた。  
「うん、上出来。これならパパも喜んでくれるわ」  
「なんだ。要するに俺は単なる味見役か?」  
「心配しなくても、このパイは全部食べちゃっていいわよ。お土産用は別に取ってあるから」  
 カップを両手で包み込むように持ち、ヴィクトリアはミルクと砂糖たっぷりの紅茶をコクンと一口。  
「物見遊山で地球に帰った訳でもなかろうに。わざわざウチまで来て作る必要があったのか?」  
 パピヨンも自分のカップを手に取り、紅茶を口に含む。勝手に放り込まれた砂糖の甘さに眉を顰めた。  
「月での食料はクローン細胞で賄っているけど、やっぱり“楽しんで食べる”食事とは違うもの。  
 せっかく地球まで来たなら、新鮮な食材も味わいたいじゃない。それに……」  
「…………それに?」  
「……ううん、何でもない」  
 言い淀んで、少女が再びカップに口を付けた。よく見れば、その頬にうっすら赤みが差しているのに  
気付くだろう。  
 
「ふむ……」  
 パピヨンは適当な相槌を打つとカップを傾け、黙って紅茶を飲み干した。もとより女心の機微など  
気にする性質ではないが、一方でその胸中にモヤモヤと不可解な気分が湧き上がる。  
 久しぶりに会った、ホムンクルスの少女。  
 細くきらめく金糸のような髪。滑らかな肌と、あどけなさを残す整った顔立ち。  
(肉体的な成長が止まっている以上、急激に外見が変わる筈などあるまいが……)  
 その可憐さは以前にも増し、何気ない仕草や表情にさえドキリとさせられる。  
(父親との再会叶って張り詰めていたものが消えたせいか。あるいはホムンクルスの仲間に囲まれて、  
 一人きりの孤独から解放されたのが良かったか──)  
 空いたパピヨンのカップに紅茶を注ぎ足す横顔を眺めながら、少女の事を考える。  
(それとも月に移住して、いい男でも出来たか……)  
 
 ──ドクン。  
 
 心臓が一瞬早鐘を打ち、全身の血がざわめいた。  
 
「もうパイはいいの? もっと切ってあげましょうか」  
「そうだな。パイも悪くないが……」  
 片手が無造作に少女の身体を引き寄せる。  
「ひゃんっ!? ち、ちょっと! 何のつもり!?」  
「それよりも今はデザートを食べたいキ・ブ・ン」  
 驚きに強張るヴィクトリアの手からカップを取り上げ、その小さな身体をソファーに押し倒す。  
「で、デザートって…やだ、ちょっと待っ────んむぅ!?」  
 抵抗の素振りを見せるより先に唇を奪った。男の身体を押し返そうともがくのも、ほんの数瞬。  
怯えさせないよう優しく啄ばんでやると、少女の緊張がゆっくりと解けていく。  
 
「ふぅ……ん……」  
 甘い吐息が耳をくすぐる。ミルクティーの味が残る柔らかな唇を舌先でつつくと、意図を察した  
少女は微かに口を開いて素直にパピヨンの舌を受け入れた。  
「……いい子だ」  
「ん……んふぅ……」  
 男の囁きに嬉しそうに鼻を鳴らし、ヴィクトリアはその首に縋り付く。白い頬を桜色に染め、目を  
閉じて、男の求めに応じるように自分から舌を差し出した。パピヨンが自分の舌で軽くなぞると、  
小さな体が一瞬震える。  
「ふぁ。はぅ………」  
 
 ちゅっ…………ぴちゃ……ちゅっ。  
 
 舌の絡み合う音に吐息が重なる。薄く艶やかな少女の唇を求めながら、一方でパピヨンの手は  
ヴィクトリアの身体のラインをなぞっていく。ウエストから腰、更にその下へ。  
「んっ!?」  
 太腿を撫でられ、ヴィクトリアが小さく声を漏らす。ゆっくりと円を描いて少女の肌を滑る手は  
次第に大胆さを増し、やがてスカートの中に潜り込んだ。  
「んふぁ──ま、待って」  
 慌ててキスを解き、動き続けるパピヨンの手を制する。  
「こ、このまま……その……ココで?」  
「嫌か?」  
 撫で回す手を休めず、パピヨンが訊く。  
「だ、だって……せめてシャワーくらい……ひゃうんっ!?」  
 首筋を舐められて、思わず甘い声を上げた。  
「“食事”の最中だ。後にしろ」  
「ウゥ〜〜ッ! だから、勝手に私をデザート扱いしないでって…きゃあっ!」  
 パピヨンが少女のセーラー服に手を掛けた。強引に裾をたくし上げ、ソファーと背中の間に手早く  
腕を差し入れてブラのホックまで外してしまう。  
「やだ、制服が皺にな──ふあぁん!」  
 ブラをずり上げ、男が顔を寄せる。軽く胸の先に口付けられてヴィクトリアが震えた。  
 男の手で晒された白い肌。もともと肉付きの薄い少女の身体は、十三歳という肉体年齢以上に  
幼く見える。  
 スベスベとしたお腹から臍を撫で上げて、微かに浮き出た胸骨のラインまで。温かさと柔らかさを  
愉しむように、骨張ったパピヨンの掌が這い登る。その手が更に上へと伸び、なだらかな胸の膨らみに  
触れた。掻き寄せるように乳肉を包み込み、絞り上げる。  
「やっ、ダメ……。強くされると……痛、い…………」  
 ヴィクトリアの声に、胸を掴んでいた手が離れた。絞られて赤くなった部分を優しく撫で、脇腹へと  
滑り落ちて再び這い登る。  
「あ、ん……」  
 あやすような男の愛撫が心地いいのか、ヴィクトリアは目を細め、ゆっくりと息を吐いた。そして  
また乳房へと到達した手は、今度はふんわりと包み込んで捏ね回す。一方で男の唇はもう片方の  
膨らみを啄ばみ、薄桃色の乳輪に埋もれていた幼い乳首を吸い上げて勃ち上がらせる。  
「……いい舌触りだ。俺にとっては蝶・サイコーのデザートだな」  
 固く充血した乳首から唇を離し、パピヨンが呟いた。もう一度舌で舐め上げると、ヴィクトリアが  
微かに背をそらせて小さな呻きを上げる。  
 唇は左右の乳房を分け隔てなく愛で、時折り乳首に軽く歯を立てる。その度に少女はビクンと身体を  
震わせた。  
 男の唇と舌は、乳房だけではなく胸元や鎖骨をも啄ばみ、敏感な部分を次々に探り当てては更に  
少女の肌を羞恥と興奮に染めていく。  
 腕の中にすっぽりと納まる華奢な肢体。その温もりがパピヨンにとって何より心地よく、自然と  
自分の身体の一部が熱く滾り始めるのを感じていた。  
 
 胸を弄んでいた手が少女の太腿へと飛び、スカートを捲くり上げて両脚の間に潜り込んだ。  
「んッ!?」  
「……脚を閉じるな。力を抜け」  
 言われるままに、ヴィクトリアが閉じ合わせた両脚の力を緩める。男の指が下着の上から秘唇に触れ、  
ゆっくりと上下に擦り始めた。  
「ふぁぁ……やぁ…………はぁ……」  
 男の指に反応して、膝が跳ねる。パピヨンは再び体を起こし、一旦少女の上から退くと、彼女の  
片膝を抱え上げた。そのまま持ち上げた足をソファーの背凭れに引っ掛けると、ヴィクトリアは自然と  
大きく脚を開いた姿勢になり、清楚な白い下着に包まれた秘部が晒される。  
「やだ、こんな格好……」  
 にやけた男の視線に見下ろされ、ヴィクトリアは恥ずかしげに呟いた。嫌がる言葉とは逆に、妖しく  
恍惚に潤んだ瞳。  
「フフ……嫌か? そう言う割には随分と素直に反応しているみたいじゃないか」  
「そ、そんなこと…………ないもん……」  
「────ほう?」  
 骨張った指が、先程よりも強く割れ目をなぞる。  
「あっ!? やぁっ! ダメェ!!」  
 駆け抜ける快感のパルスに、少女の背が弓なりに反った。下着の上から押し当てられた指の腹が  
秘唇を割り開き、湿った温もりと共にうっすらと恥ずかしい染みがにじむ。  
「これでも違うと言い張るか?」  
「…………意地悪……」  
 消え入りそうな少女の悪態にも、どこか甘えるような響きがあった。  
 
 すり……すり……  
 
 食い込んだ下着の窪みを、指が行き来する。布越しに伝わる、熱くて柔らかな秘肉の感触。指先に  
感じる湿り気は次第に広がり、パピヨンを更に興奮させる。  
「ハァァ…ねぇ、駄目……下着、汚れちゃうから……もう……」  
 ヴィクトリアの喘ぎと呟きが脳を灼く。瞬間、男の頭に一つのヴィジョンが浮かんだ。  
 朧げな、ノイズ混じりの光景。此処とは違うどこかで、目の前の少女が同じように喘ぐ姿。  
自分以外の誰かに身体を開き、潤んだ瞳で淫らな行為を哀願するヴィクトリアの姿を幻視する。  
 
「────チッ!!」  
 心の奥底にわだかまる不快感を拭えぬまま、パピヨンは少女の股間にむしゃぶりついた。  
「!? ヤッ、ダメ!! いきなりそんなの嫌ァッ!!」  
 反射的に両脚を閉じて男の頭を押し退けようとしたヴィクトリアだったが、パピヨンは構わず下着の  
上から秘部に舌を這わせる。  
「んんっ!?」  
 布越しに蠢く生暖かい感触に、たまらずヴィクトリアが身を竦めた。舌が秘肉の合わせ目を舐め上げ、  
そのまま“はもっ”、と股布の部分にかぶりつく。  
「やぁんっ! 息、息当たって……変な感じ…」  
 紡ぐ言葉は次第に震え、小さくなっていった。  
 獣じみた荒い息遣いと共に、パピヨンはヴィクトリアの秘唇を味わい、啜る。  
「あぅっ。はぁん……んっ!」  
 男の指が、舌が動く度、少女の小さな肩が跳ね、喉が反り、悩ましげに頭が振られる。  
髪留めと一緒に揺れるブロンドがソファーに広がり、クッションが床へと転がり落ちた。  
「はぁぁぁぁんっ!!」  
 少女が一際大きな嬌声を上げる。水気を吸って張り付いた下着に浮き出た秘裂の形。ひくつく花弁に  
隠れた肉芽を、男の指と舌が探り当てた。  
「やぁっ、んっ、ひっ!?」  
 敏感な部分を容赦なく責め立てられて、これ以上声を出すまいとヴィクトリアが指を噛んでこらえる。  
一方で、もう片方の手が男の頭を押さえ付け、新たな快楽をねだるように指が黒髪を梳く。自分から  
男に秘部を差し出すように腰が浮く。  
 
 その乱れようが、何故かパピヨンの癇に障った。  
 ためらいと拒絶の言葉とは裏腹に少女の身体は過敏なまでの反応を見せて、指先で軽く肌に触れた  
だけで容易く快楽に震える。切なげな吐息と、蕩けるような甘い啼き声。  
 それは少女が月へと移住する以前、孤独と食人衝動を紛らすために幾度も身体を重ねたあの時とは  
明らかに異なる姿。純粋に性の歓びを求め、男に媚びる痴態。  
 
「クソッ!!」  
 湧き上がった不快感を吐き捨て、パピヨンは少女の身体にのしかかった。胸の上に跨り、臍下まで  
開いた蝶・素敵スーツから己の逸物を引きずり出す。  
「あ!?……」  
 鼻先に突き出された肉茎に、ヴィクトリアが小さく声を上げた。それは既に固くそそり立って、  
病弱な身とは思えぬほど力強く脈打っている。  
「……どうすればいいか、分かるな」  
 パピヨンの呟きに、ヴィクトリアは真っ赤な顔でペニスの先端を凝視し、それからそろそろと両手を  
伸ばした。掌に包み込んだ強張りが、生き物のように跳ねる。  
「嘘……こんなに、大きくなって…………それに、熱い……」  
 青筋を浮かべて反り返る肉塊の孕む熱に、無意識に驚きの言葉を漏らす。包み込んだ手が愛しげに  
幹を撫で擦り、男の滾りを慰撫する。その行為に、赤黒いペニスは一層猛々しく膨れ上がった。  
 幼さの残る指先がペニスに絡み、竿を握りこむ。軽く扱き上げると、鈴口に透明の露が溢れた。  
二度、三度と少女の手がシャフトを扱く度に露の玉は膨れ上がり、トロリと先端から流れ落ちる。  
「ん────」  
 少女が手の動きを止めて首を起こした。裏筋を垂れ伝う先走りの露に、そっと小さな舌先を伸ばす。  
「うぉ……」  
 先端を舐め上げられて、たまらずパピヨンが呻きを漏らした。ヴィクトリアは先走りを舐め取ると  
ペニスの先っぽに口付ける。親しみを込めた挨拶にも似たキスは、“ちゅるっ”と小さな音を立てて  
茎に詰まった露を吸い上げ、尖らせた舌が亀頭の口に残った味も余さずこそげ取る。それから今度は  
竿の付け根へ顔を寄せ、先端へ向かって舌を這わせていく。  
「ん……ん……」  
 首を起こした辛い体勢にも関わらず、少女は何度もペニスを舐め上げて唾液まみれにさせていく。  
 パピヨンは身を屈めて床に転がったクッションを拾い上げ、少女の頭の後ろに挿し入れた。支えを  
得て少しだけ楽になったヴィクトリアの頭を、軽く撫でる。  
「ふあ……ん……」  
 頭を撫でられた少女が上目遣いにパピヨンを見上げ、微かにはにかんだ。そして反り返った  
シャフトを少し強引に引き倒し、亀頭に口元を寄せる。  
「あ……む……」  
 小さな口が、艶光りする先端をそっと含んだ。  
「クッ、……」  
 再びパピヨンが声を噛み殺す。熱くぬめる口内粘膜が牡の肉塊を包み込み、小さな少女の口は、  
屹立の半分ほどを収めただけでいっぱいになってしまった。それでもヴィクトリアは、男を少しでも  
満足させようとペニスに押し当てた舌で懸命に竿と裏筋をくすぐり、収まりきらない幹を指で扱く。  
「──随分と上手くなってるじゃないか……どこで覚えた?」  
額に汗を滲ませ、パピヨンが囁いた。  
「………………」  
「言えないのか?」  
 またもパピヨンの脳裏を掠めるヴィジョン。  
見知らぬ男のペニスを愛しげに撫で、命じられるままに口唇で奉仕する少女の姿。  
 
「んぐぅっ!?」  
 突然ヴィクトリアが苦しげに呻いた。それまで彼女のするがままに任せていたパピヨンが、いきなり  
腰を突き入れて口内にペニスを捻り込む。  
「この程度で俺が満足すると思うか!? もっと心を込めて尽くしてみせろ!」  
男の瞳に、かすかな狂気の色──冥く濁ったドブ川の色が混じっていた。  
「くっ!──ふぅんっ……」  
 口蓋の奥を突かれた苦しさに涙目になりながら、ヴィクトリアはペニスにむしゃぶりついた。  
 唾液と一緒に亀頭を啜り上げ、じゅるじゅると卑猥な音が響く。舌は円を描いて先端の丸みを刺激し、  
両手の親指が茎の根元を揉み解す。  
 
「──フ。ク、ク、ククク…………」  
 乾いた笑い声が男の口から零れた。同時に腰が動き始め、少女の口を蹂躙する。  
「んぶっ……ん……んぅっ……」  
 ヴィクトリアは一瞬だけ苦しげな声を上げたが、唇をすぼめ、目を閉じて、男の欲望を従順に  
受け入れ始めた。  
 男の腰が前後して、少女の口内へと己の醜悪なモノを出し入れする。  
 一方の少女は、口を犯されながらも唇の締め付けと舌で更なる快楽へと男を導く。  
 
「──ック!」  
「んぅぅっ!?」  
 パピヨンの動きが止まり、ヴィクトリアがくぐもった声を漏らした。  
 唇から半分覗いた肉茎が脈打ち、少女の口中に粘ついた白濁液を勢い良く迸らせる。ヴィクトリアは  
息を潜め、注がれた精液でむせかえらないようにじっと舌で受け止めた。  
 
「ハァ、ハァ……ハァ…………ククク……」  
 欲望を注ぎ終え、荒い呼吸を整えながら、パピヨンが少女の髪を掬い取る。  
「…………ん……」  
 ヴィクトリアがモノを咥えたまま男を見上げた。潤んだ瞳と、紅潮した目元。  
 ゆっくりとパピヨンが腰を引き、濡れた肉茎が露わになっていく。ヴィクトリアは口の中の精液を  
零さないよう、逃げていくペニスを唇の輪でしっかりと包み、絞り込む。  
 やがて粘ついた小さな音を立てて男のモノが口から離れ、唇と亀頭の間に白い糸を引いた。  
 
「おっと」  
 身を起こしかけたヴィクトリアの顎を、男の指が掴む。唇の端を吊り上げ、瞳を冥く濁らせて。  
「吐き出すなよ。せっかく物欲しそうなお前のために出してやったんだ。そのままジックリと味わえ」  
「────」  
 ちょっとだけ戸惑うように眉根を寄せたヴィクトリアだったが、目を閉じると言われるままに口中の  
精液を舌で転がし始める。  
 クチュクチュと、微かな水音がパピヨンにも聞こえた。  
「…………よし、飲め」  
「んん……」  
 
 こく、こくん。  
 
「フ……フフフ……ククククク…………」  
 少女の白い喉が動き、自分の精を飲み下したのを確かめて、パピヨンが嗤った。マスクの上から額を  
指で押さえ、唇が厭らしく吊り上がる。  
「まったく…一体全体どうしたことだ。しばらく会わない間に、随分と男を悦ばす手練手管を  
 身に付けているじゃないか」  
「ひ、人聞きの悪い事言わないでよ、イヤラシイ!!」  
 パピヨンを押し退け、ヴィクトリアが起き上がった。乱れた服装を手早く整え始める。  
「ふん……」  
 不機嫌そうに顔を顰め、パピヨンはヴィクトリアを見た。  
「月は、楽しいか?」  
「え?」  
 髪を撫で付け、冷めてしまってティーカップを手に取って、少女はちらりと男に視線を向ける。  
それからミルクティーで口の中の精臭を洗い流し、カップを干して天井を見上げた。  
「別に……そんなにいい場所じゃないわよ。青い空も、海も、森も無い……石ころと砂だけの場所。  
 少しずつ地下住居を広げて暮らしやすくしようと頑張ってはいるけど、物資もまだまだ足りないし…  
 それでもパパが居るし、前みたいに独りぼっちじゃない分、救われてるかしら」  
「ついでに身体の淋しさも埋められる、か?」  
「???」  
 怪訝そうに振り向いたヴィクトリアの眼前に、パピヨンの顔が迫った。  
「大戦士の娘ともなれば、さぞかし持て囃されるだろう。一体どれだけの男を食い散らかした?  
 貴様のその、淫乱な素質を月で開花させたのはどんなヤツだ? 包み隠さず白状し──」  
 
 ────パンッ!  
 
 パピヨンが最後まで言い終えるより早く、ヴィクトリアの手が男の横面を引っ叩いた。  
「下衆な勘繰りしないで! 月に居る仲間たちはみんな紳士的よ! 少なくとも、貴方みたいに  
 女の子を手篭めにしちゃう不埒者なんて居ないわ!!」  
 キッ、と鋭い視線でパピヨンを睨みつける。その瞳に涙が滲んでいるように見えるのは気のせいか。  
ぶたれたパピヨンは無言で視線だけをヴィクトリアに向け、  
「なら自分から男を誘って咥えこんだか!?」  
 少女の肩を掴むと、またソファーに押し倒した。  
「イヤッ! 離してよ、もう帰る!!」  
 涙目のヴィクトリアが、本気でパピヨンを押し退けようとする。  
「かつて此処に居候していた時も、何度となく体を疼かせていた貴様の事だ。月に行ったところで、  
 その衝動が治まる訳でもあるまい! 見せてみろ、お前の本性を!! 男無しにはいられない、  
 淫らな本当の貌を!!」  
 スカートのホックに手を掛け、ファスナーを引き下げる。抵抗する少女の手など意に介さず、強引に  
剥ぎ取った。  
「この、変態! 私のコトそんな風に思ってたなんて、最低!!」  
 もう一度引っ叩こうとしたヴィクトリアの手を難なく捕まえ、露わになった下着に手を掛ける。  
「や!? 嫌ッ!!」  
 ばたつく両膝を腕に抱えて抑え込み、濡れた下着を無理矢理脱がせる。申し訳程度に生えた恥毛と、  
白い秘肉のスリットが目に飛び込んできた。そして少女の片足に下着を引っ掛けたまま、両膝を  
力づくでこじ開ける。  
「やだ、やめて!! こんなのって嫌ァ!!」  
 悲痛な叫びなど聞く耳も持たず、開かれた両脚ごと身体を引き寄せる。そのまま覆い被さり、  
わずかに綻んだ合わせ目にペニスの先端を宛がった。必死で男の胸を押し返す、ヴィクトリアの腕。  
柔らかな花弁をこじ開け、無慈悲な怒張は少女の中へ侵入する。  
 
「────痛ッ!!」  
「!?」  
 パピヨンが目を見開き、腰の動きが止まった。  
 先刻までの愛撫で既に熱く潤っていたにも関わらず、少女の膣は驚くほど狭かった。  
 処女を奪ったあの夜と変わらぬ程に。  
「オマエ……」  
「…………なによ。これで満足でしょう」  
 涙を浮かべたまま、ヴィクトリアは覆い被さる男を睨み上げた。  
「久しぶりに逢えたのに。久しぶりに逢えると思って、ずっと前から楽しみにしてたのに……  
 …………ひどいよ、こんなのって……」  
 ぽろぽろと零れる涙が、すすり泣きに変わる。顔を覆って泣きじゃくる少女を呆然と見下ろしていた  
パピヨンが、ゆっくりと息を吐いて顔を寄せた。  
「──忘れろ」  
 ヴィクトリアの耳元で囁く。その瞳に、もう狂気の色は無い。  
「傷付けるつもりは無かった。この俺としたことが、つまらん嫉妬に我を忘れるなど痛恨の失態だ」  
「今更なによ!」  
 か弱い拳が、男の胸を叩く。  
「私が月へ行くって言った時だって、一度も引き留めなかったくせに! 今になって、  
 私の心を乱すようなこと言わないで!! ……嫌いよ。あんたなんか、大っ嫌い──んんっ!?」  
 男の指が少女の涙を拭い、唇を自分の口で塞ぐ。同時に、止まっていた腰が胎内への侵入を再開した。  
「んぷっ、やぁっ。…んうぅ、んむ……ぷはっ。はぁ、やめ…んっ!……んん……」  
 首をよじって男の唇から逃れると、剛直を深々と打ち込まれる。身体の奥を満たす肉茎の熱さに  
ヴィクトリアが思わず硬直すると、すかさずまたキスの追い討ち。  
 抵抗する四肢は次第に力を失い、心も身体も蕩かされていく。  
 
「…………ずるい、こんなの……」  
 少女の呟きに、パピヨンが薄く笑った。  
 ヴィクトリアの背中に腕を回すと、そのまま上体を抱き起こす。互いに繋がったまま、少女の身体が  
パピヨンに跨った格好で向かい合う。  
「……ん」  
 トロンとした瞳のヴィクトリアは、あまり羞恥も感じていない様子だった。男の手に促されるまま  
両腕を上げ、セーラー服とブラを脱がされると、ニーソックスのみを身に着けた細い肢体が露わになる。  
「あうん!」  
 乳首を啄ばまれて、また甘い声。  
「自分で動け」  
 パピヨンの声に、こっくりと頷く。  
「はう……ん…………こう?」  
 小さなヒップが、パピヨンの膝の上でぎこちなく揺すられる。  
「俺のことは構うな。自分の好きなように動け。自分の感じるままに……」  
「う……その言い方……やらし……んっ! んっ、んっ……」  
 パピヨンの肩に掴まって、懸命に腰を動かすヴィクトリア。最初は恐る恐る自分の性感を探っていた  
その動きが、次第にスムーズに、リズミカルになっていく。  
 
「うっ……く……」  
 絡み付く膣壁の襞。ぴっちりとペニスを包んで締め付けるヴィクトリアのそこは、温かく、心地良く、  
パピヨンはまるで自分自身が溶かされてしまいそうな感覚に眩暈を覚えた。  
 抱き締めれば折れそうな細い身体も、汗に濡れて吸い付く肌も、切なげな口から紡がれる喘ぎ声も、  
全てが愛おしく感じられる。  
「ああっ!」  
 白いうなじに指を這わせると、ヴィクトリアがのけぞる。  
「あ、や、はぅんっ!」  
 うなじから耳朶へ、そして首筋へと指を滑らせる。少女の腰の動きが止まり、肌が粟立った。  
「あ! 背中、駄目ェッ! 感じ過ぎちゃ──あああんっ!!」  
 背筋に沿って撫で下ろすとヴィクトリアの身体が跳ね、同時に膣がギュッ、とペニスを締める。  
たまらず少女の胎内で肉茎が跳ねた。先に一度射精していなければ、とっくに果てていたところだ。  
 
「ハァ、ハァ…………ね、動いて」  
 首筋に抱き付いて、ヴィクトリアが懇願する。  
「……一人でなんて、やだ。お願い、一緒に……」  
「…………フフ……」  
 ヴィクトリアの背中に両腕を回し、優しく抱き寄せる。ソファーから下ろした片脚を支えに腰の上の  
少女を突き上げ、揺さぶった。  
「んあっ! あっ! それ、奥まで来る! 深いよぉ!」  
「はっ……くっ……痛くは、ないか?」  
「い、痛い! ……けど、いいの! んっ! ちゃんと、貴方の気持ち見せてくれるなら──  
 あぅっ! どんなに痛くされても、いいの!」  
 パピヨンの動きに合わせて、ヴィクトリアも腰を振り始めた。  
「んぁうっ! んっ! 離さないで……そのまま、私を、ん──捕まえてて!」  
 ソファーが軋む。テーブルの茶器が振動に硬い音を立てる。  
 抑え気味だった少女の愉悦の声は、あられもない嬌声へと変わっていた。  
「あうん! ひゃん! お腹の奥が……んんっ! 熱い、よぉ!」  
「どうした、もうイキそうか!?」  
 パピヨンの指がヴィクトリアのヒップの谷間に潜り、小さな窄まりに触れた。  
「ひん!? そ、そこはダメェ!!」  
「そうだな、こっちの処女を奪うのは今度にしよう。ククク、楽しみは後にとっておかないとな…」  
「へ、ヘンタイ!! お尻なんて、ん、絶対イヤなんだから! んぁあああっ!!」  
 パピヨンの動きが速まった。小さなヴィクトリアの身体が、嵐の中の小船のように揺さぶられる。  
「あああっ! んぁっ! は、激しすぎ──あ、あ、はぁあああああああああああああんっ!!」  
「────ウゥッ!!」  
 
 押し寄せる快楽の波。絶頂の奔流がヴィクトリアを包み込む。断続的に締め付ける膣の収縮が激しい  
うねりとなってシャフトに吸い付き、たまらずパピヨンは中に精を放った。  
 
「あ、はぁ──あ……」  
 男の射精が終わっても、少女を包む快楽の余波は収まらない。  
 男にしがみ付いたまま──男に抱き締められたまま──暫し身体を震わせ続けていた。  
 パピヨンはヴィクトリアが落ち着くまでその背中と金色の髪を撫で、  
いまだわななき続ける膣の余韻を楽しむ。  
 
「取り敢えず、機嫌は治してもらえたかな?」  
 頃合を見計らって、少女に尋ねた。  
「…………そんな訳ないでしょ」  
 パピヨンに密着していた胸を離し、ムスッとした表情でヴィクトリアが睨んでくる。  
「あんな酷いことしておいて。百万回謝ったって許してあげないんだから」  
 唇を尖らせているものの、その目は本気で怒っている風ではなかった。  
「フフン。では、どうしろと?」  
 パピヨンの問いに、少女も悪戯っぽく笑う。  
「そうね。じゃあ私が月に戻っても、またいつでも好きな時に二人で逢える方法を考えて。  
 貴方がまた変な誤解をしないように。……私が、寂しくならないように」  
「簡単に言ってくれる……三十万`以上の距離を越えて自在に行き来する方法を見つけろだと?」  
「貴方なら出来るでしょ。自力で白い核鉄まで精製する蝶・天才さん」  
 クスクスと忍び笑いを漏らしながら、ヴィクトリアはパピヨンの鼻先に指を突き付けた。  
「都合のいい時だけ持ち上げるな。だが、まあいい。それで機嫌を直すというなら、受けてやろう」  
 こちらも不敵に笑いながら、パピヨンは既に少女のリクエストについて考えを巡らせていた。  
 
 ──錬金戦団の中に空間転移型の武装錬金を扱う者が居た筈だ。『武装錬金』に成し得る能力ならば  
   即ちそれは錬金術の範疇。再現は決して不可能ではない。  
   刻々と変わる月と地球の位置関係に関しては、例えば双方向型の転移装置を月とこちら側に  
   用意して同期させるか? その方法は? 長距離を転移するのに必要なエネルギーは何処から──  
 
「ククククク。面白い! 久々に蝶・ビンビンに燃えてきた」  
 パピヨンは少女を両腕に抱え直すと勢い良く立ち上がった。  
「きゃあ!? ど、どこに行くの」  
「ん? さっきシャワーがどうとか言っていたろう。お互い汗もかいたし、このままバスルームまで  
 連れて行ってやる。続きはそ・ち・ら・で♪」  
「つ、続きって……まだする気?」  
「明日にはここを発つのだろう? ならば一分一秒たりとも無駄にしないことだ。次に逢うときまで  
 身体が夜泣きしないよう、じっくり存分に可愛がってやる」  
「なに考えてるのよこのムッツリスケベ! 底無し!! お風呂場で倒れたって知らないんだから!!」  
 顔を赤らめた少女の罵倒に笑いながら、ふとパピヨンの視線がテーブルに向いた。  
「────!?」  
 違和感を覚えたのはミートパイの皿。最初にヴィクトリアが切り分けた時よりも、明らかに少ない。  
「……ふん、威嚇のつもりか? それとも単なる挨拶か」  
「え? な、何?」  
 突然のパピヨンの呟きに、ヴィクトリアはキョトンと目を丸くする。  
「いや、何でもない。そうそう、昨日エアマットを買っておいたんだが、あれを使って──」  
 ヴィクトリアを抱きかかえ、パピヨンは部屋を後にした。  
 
 * * *  
 
「ほう、これがホムンクルス手製のミートパイか。なかなかどうして、  
 存外に美味いじゃないか」  
 狐色の生地に齧り付き、非常勤戦士・戦部が素直な感想を漏らした。  
「いっそ人肉でも使っていれば、問答無用で切り捨てられたのだがな」  
 面白く無さそうな口調で、同じく非常勤戦士である根来が懐にスカーフを収める。  
 
 パピヨンの隠れ家から程近い木陰に陣取った二人の任務は、極秘でのヴィクトリア嬢の護衛と監視。  
いま戦部が食べているミートパイは、あらゆる場所に潜入できる根来が件の隠れ家から持ち帰った  
一切れだった。  
 
「さて、どうやら護衛対象はこのまま動きそうにないが、どうしたものかな」  
 食べ終えた指先を払い、戦部が思案げに顎に手を遣った。  
「個人的な心情を言わせて貰えば、これ以上ホムンクルス同士の痴話喧嘩など見るに堪えん。  
 ましてやホムンクルスに情愛があるなどと、俺には認め難い考えだ」  
 腕を組んだ根来が、無表情に応える。  
「ふむ。なら話は早い、今日の仕事はここまでだな」  
 戦部が槍を肩に担ぎ直した。  
「……良いのか?」  
「他人の恋路を覗き見るのも無粋というもの。明日あらためて迎えに来るとしよう。  
 お前はどうする? 残って監視を続けるなら止めはせんが?」  
 さっさと隠れ家に背を向け、戦部が歩き始める。根来は振り返って背後の建物を見上げていたが、  
すぐに戦部の後を追い始めた。  
 
 * * *  
 
 ──こうして。  
 結果的にパピヨンとヴィクトリアの間に交わされた“約束”について監視者が知る事は無く、  
やがてパピヨンは戦団に感知されないまま、空間転移装置の開発に成功した。  
 
 ──だが。  
 それがヴィクトリア誘拐を伴うムーンフェイスの月面脱走事件を招く事になろうとは、更には  
ムーンフェイスの扇動によって、地球に潜伏していたホムンクルス達の反乱事件にまで発展しようとは、  
さしもの“蝶・天才”にも予測できよう筈も無かった。  
 
(おわり)  
 

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