「うわあ?」
ここはどこ?
「うわああ!?」
あれ、オレ裸じゃないか!
「やっとお目覚めか」
「うわあああん」
ホテル+パンツ一丁+私服の斗貴子さん。オレに一体何があった?
「昨夜キミがあのまま眠りいってしまったから寄宿舎より近い私の宿に運んだだけだが」
お茶を入れてもらいそう説明してもらった。
「それ以外に何がある」
何もありません。
それは最初は焦ったけど、冷静に考えて斗貴子さんがそんなことをするわけがないじゃないか。
(一人で焦ったオレがバカだな…)
うんうんそうだ。まったくだ。
(………バカ)
相変わらず彼は鈍い。
(本当に、何もなかったと思うのか…)
声を大にしてそう言ってあげたかった。でも、私がそんなことを言えるわけもなく…。
考えただけで顔が熱くなるのがわかった。
お茶を飲んでいたのでそのせいだと言い訳できるようにしておいた。
(まあ彼がそんなことに気付くわけないけど)
思ったとおりに彼は私のその微妙な変化に気付くことはなかった。
ちょっと色気を出すためにショートパンツを穿いて太腿を露出している。
けど彼はまったく興味を示してくれない。
(や、やはりむちむちな、お…大人の女性が……)
そう思うと自分のこの細い身体が気になってしまう。
(ど、どうせ私には色気なんて…)
「ねェ、斗貴子さんはどこの学校の何年生なの?」
一人でそう考えているとカズキがそう聞いてきた。
「なんだヤブカラボウに」
私は簡単に自分のことを話した。
「普通に学校に行ってるとすれば、今年で高三になる」
そこまで言ったとき、
「あ、やっぱり年上なんだ」
カズキの顔が明るくなった。やはり彼にはそこが重要なことらしい。
「年上だと嬉しいか?」
自分の顔がにやけているのがわかる。彼が疑問符を浮かべているが、この際どうでもいい。
私は小躍りしたいくらいに、ちょっとだけ喜んだ。
(明日からまた頑張るために、今夜一晩はゆっくりお休み……)
「………はっ!?」
そう心の中で語りかけてから私は今の状況を分析した。
カズキは完全に寝入っている。おそらくは明日まで起きないだろう。
そしてここは河原。寄宿舎と私が滞在しているビジネスホテルの両方からほぼ同じ距離。
「…い、いやいやっ、すす、少しだけ私のビジネスホテルのほうが…っ」
倒れた男のそばで慌てふためく女など、傍目から見れば危険なものだろう。
だがその時の私は少しだけおかしかったに違いない。
「そういうことだから、き、キミをホテルまで運ぶが……ほほ、ホテル、ラブではないぞ!」
自分で言って自分で動転している。いよいよおかしさが爆発してきた。
「それでは……」
彼を担ぎ上げるが、やはり重い。
(仕方ないか)
彼を下ろすと私はバルキリースカートを発動させた。
「痛みは、ないか」
どうやらこいつはホムンクルスに戦闘を仕掛けようとすると邪魔をするようだ。
「さて、運ぶか」
カズキを四本のアームで抱え上げて滞在先のビジネスホテルへと急いだ。
カズキを部屋に運ぶとベッドに横たえた。
「ふぅ」
私も腰を下ろして一息ついた。
「……」
が、落ち着かない。カズキがいるせいだ。
「そ、そうだ!服を洗ってあげねば」
血の付いたシャツでは活動に支障がでるかもしれない。と、もちろんそれは建前だったわけだが。
彼の側に腰を下ろして963のシャツを脱がしていく。
(……ウワッ!いい身体…)
「あ………」
シャツを脱がしていくと、胸に血にまみれた傷が現れた。
核鉄によって増強された治癒力のおかげで塞ぎかけていたが、それでも少し痛々しい。
「まったく。本当に無茶をする…」
そのせいで私の心配は尽きない。きっとこれからもそうだろう。
そしてそれが彼の力の源だということもわかっている。
「……傷の手当てもしてあげないと」
シャツを脱がし終え、包帯で彼の傷を丁寧に塞いであげる。こういうことは慣れている。
上体の傷の手当てを終えると今度はズボンに手を掛けそれを脱がし
「わわ、私は何をしてりるッ!!?」
自分の行動に思わず引いてしまった。考えなしに手を動かしてついついそんなことをしてしまった。
(私はそんな、少年に手を出すなどぉ……)
だが好機。というかこういうことを期待して彼を連れ込んでしまったわけだが。
しかし今一歩というところで私の理性が邪魔をする。
斗貴子エンジェル(ダメよ斗貴子。彼の同意も無しにこんなことをしてしまっては犯罪よ)
斗貴子デビル(喰ってしまえ。これを逃せばお前にもう機会はないぞ)
「うぐぐぐぐ……」
一人で懊悩としていると、すーすーとカズキの寝息が聞こえてきた。
人が悩んでいるのに彼というやつはなんと無責任なんだろう。
(まったくキミは………っ?)
彼を見て気付いた。963のトランクスが立派なテントを作っていることに。
「っかかか、カズキぃーーッ!?」
私の悩みもよそに彼自身はもう準備万端であった。
(なぜ、ぜぜぜぜッ!)
冷静に考えれば頭も回ったはずだ。
核鉄は生存本能に働きかけ治癒力を高める。言ったのは私自身だがすっかり忘れている。
生存本能――つまり、その……あれだ。
冷静さを欠いた私はただ単に彼がおったてているとしか考えられなかった。
「そ、そうだ!こ、こここういったことの処理もパートナーである私の役目ではないか!」
とんでもない思考回路だったが今の私にはそうとしか結びつかなかった。
「カ、ズキ。後のことはは私に任せなさい」
さよなら斗貴子エンジェル。そしていらっしゃい斗貴子デビル。
私はこれからカズキの体調を正常に戻す処理を行おう。
まずは何をすべきか考がえた。
(そうだ。今日カズキの部屋から持ってきたあれを)
懐からあのいかがわしいタイトルの本を取り出す。
先刻ホムンクルスと対峙したときも傷付かないように細心の注意を払っていた。
(も、もしかしたら…)
カズキからすればあのホムンクルスもえっちでキレイなお姉さんに該当するのではないか?
そう思った途端、私の胸をあの女に対する劣等感が埋め尽くそうとしてきた。
(いやいやダメだ!そう、そうだ、このコをそんなやつらから守るのも私の役目っ!)
私は早速本に目を通した。
……五分後
エロス充填完了。大分私もその気になってきた。
「それではまず口で奉仕からするが、かまわないか?」
聞いても彼は死んだように眠り続けている。少し辛そうだ。
「カズキ…。射精できないことがそれほど苦しいのか」
私がじっくり、ねっとりその苦しみから解放してあげよう。
まずは963のトランクスを脱がす。
カズキのは立派なもので引っかかってしまう。
トランクスを下げると引っかかっていたものが勢いよく跳ねあがった。
剥けて、血管が浮いているそれはカズキのお腹にぴったりとくっついている。
「これが若さか…」
見ているだけで胸がどきどきと高鳴る。体温が上昇していく。
早くこの立派な逸物で私を貫いて欲しい。
「……ふふ。変態だな、私は」
バカなことは考えないで早く処理してあげなければ。
カズキの足元から近づき、ベットに手をついてものに口付けた。
熱い。唇を焦がすほどに熱く感じる。
湿った息を吐きかけるとぴくぴくと反応してくれる。
グロテスクなものが示すかわいい反応に、私はひどく興奮した。
「カズキ…はむっ、あん……はぁ、カズキぃ」
口だけで挟み込む。不潔な、粕が腐ったような匂いと、鼻腔をくすぐる鋭い刺激が口内に充満する。
雌としての本能が狂おしく渦巻く。脳が蕩けていくのがわかる。
這いつくばり、雌犬のようにカズキにしゃぶりつく。
自分でも驚くほどじゅるじゅると音を立てている。カズキに気付かれないか心配だ。
(でも、気付かれるのも悪くはない……か)
そう考えてしまって、自分が少しばかり怖くなった。
同時に私の内で抑圧していたエロスが爆発的に膨れ上がってきていることを悟った。
「カズキ、あぁカズキ……」
カズキの精子を味わいたい。私は懸命に奉仕を続けた。
相変わらず彼はぐーぐーと寝息をたてている。
しかし下半身だけは別の生き物のように熱く硬く脈打っている。
嬲るように口で責めた。彼のが私の粘膜に何度も擦れる。
髪が乱れるほど頭を振り、しかしそれでも射精までは導けない。
「しぶとい……」
まったく、何故これほどまで鈍感なのだ。まさに彼そのものではないか。
「ん……それでは」
少し早い気がするがこれ以上は口では無理だと判断した。
私らしくもない。それほどまで彼のもので貫いて欲しいという想いがぐつぐつと煮えたぎっていた。
パンツだけを脱ぎ去ってカズキの上へと跨った。
「では、いくぞ」
彼のを手で私の入り口へと導く。奉仕していただけで私のそこはべちょべちょだ。
熱い肉塊で縦筋をなぞるとぞくぞくと、恐怖とも愉悦ともつかない妙な感覚が脊髄を駆け巡る。
「ふぅ……んんっっ」
息を止め、丹田に力を込め、腰をぐいぐいと下げていく。
カズキが私の襞を掻き分け、小さな道を引き裂いて、奥まで犯してくるのがわかる。
「はぁあ……ッ」
私の子宮に突き当たったのか、挿入が幾分遅くなった。
それでも彼の根元には程遠く、まだ全身の三分の一ほどが入りきっていない。
とにかく彼を全部入れたかった。それが私のエロスを満足させうる数少ない方法だ。
「くぅ……ん、……や、ぶれそ…う……」
どんどんと私が下から突き上げられていく。股間にはさがった異物がたまらなく快い。
きっと今はだらしない顔をしているはずだ。
(こんな私を見たら、この子はどう思うだろう・・・・・・?)
考えればそれだけ興奮が高まり、無理矢理に腰を下ろしていく。
「んぐぐぐ、ぐぁ……」
かなり息が荒くなってしまったがようやく私の腰が彼を最も深くまで呑みこんだ。
「――――はぁッ」
引きつるような声を出して腰を上下へと振り始めた。
股間の怒張は私のサイズにはあっていないので毎度苦しい思いをする。
でも、それは始めのほうだけで、やがて、それすら、も、快楽となって――。
「は、はぁ、は、は、う゛ぅ、ふぅぅ……」
カズキを運びこんでから数時間、私は未だに彼の上で腰を振り続けていた。
「ふぐッ、は、ん、ん、んん……」
数え切れないほどの絶頂。それを迎えるたびに私は悦びの声を上げ、喘ぎ続けた。
ベットのシーツも結合部のところだけがお漏らしをしたように巨大なしみを作っている。
「ん、んん、……ぅん………」
だがそのしみはすべて私が股間から垂れ流したもので、彼が出したものは一滴たりともない。
一晩中私と繋がっていたのに、彼はまだ射精していなかった。
「ふはぁ………」
夜通し動いていた私は疲労がかなり溜まってきていた。
それでももうすぐで彼が出してくれるかもしれないという淡い期待が私の原動力だった。
目の端に窓の外を朝焼けの白い光りが照らしているのが映りこんだ。
「はぁ………」
その途端、腰の動きを非常に重く感じるようになった。
(一晩かけて、それでもイかないのか……)
もはやこれ以上続ける気力が湧かなかった。
じゅぽっと音を立てて結合部を切り離した。大分お股がゆるゆるになっている。
カズキの股間を見やると、そこにはてらてらと太陽の光りで輝くものが突き立っていた。
とりあえず手で掴んでみたり揉んだりしてみたりするが、やはり射精はしてくれない。
いい加減それが憎たらしくなってきた。
「このっ」
指で亀頭を弾いてやった。
「ぁぅッ」
間欠泉のように射出される精液が私の顔にびしゃびしゃと降りかかった。
「……………」
その現実にしばし呆然としてから、指で精液をつまみとってシャワーを浴びに行った。