* * *  
 
「いくらなんでも、少し羽目を外し過ぎじゃないかしら」  
備え置きの湯飲みに煎茶を注ぎながら、浴衣姿の千歳が背後の男に話し掛ける。  
声を掛けられた男───キャプテン・ブラボーこと防人衛は、窓辺の藤椅子に腰掛け、夜食サービスの  
握り飯をのんびりと頬張っていた。  
 
あの宴会の後、カズキ達を温泉へと追いやってから、二人とも何とは無しに男性陣の宿泊部屋で  
くつろいでいた。  
この数ヶ月、とにかく色々な事が在り過ぎた。  
武藤カズキの再殺指令に始まって、防人の負傷と入院。ヴィクターと錬金戦団との全面対決。そして  
カズキの自己犠牲によって百年越しの戦いに終止符が打たれ、戦団はその活動を縮小、一部凍結する。  
その間、防人は常人なら半年はかかるリハビリをわずか数週間で終え(その陰には千歳と看護婦の  
献身的支えがあったのだが)、カズキの帰還後は世界中を飛び回って各国間の調整やホムンクルスの  
制圧に日々を費やした。  
千歳にしても、膨大な書類と格闘しながら事後処理に当たり、時には防人の支援のために別件の調査や  
水面下の交渉を行うなど、休む暇も無い忙しさだった。  
こうして二人きりの静かな時間を過ごせるのは本当に久しぶりなのだ。  
 
「あの子たちが可愛いのは分かるけど、あそこまで容認するのは良い事じゃないと思うわ」  
千歳が丸盆に二人分のお茶を載せ、口をもぐもぐ動かしつつ窓の外を眺める防人の傍に歩み寄る。  
「宴会の飲み比べの事なら、あの時も言った通り今夜は無礼講。特別扱いだ」  
差し出された湯飲みを受け取り、防人は熱さを気にした風も無く口を付けた。  
「それに、斗貴子も桜花もあまり腹を割って話すタイプじゃないからな。酒の力でも借りないと中々  
親睦を深めるという訳にもいくまいと、そう思った」  
悪戯っぽく笑って、片目を瞑ってみせる。  
「そうは言っても、一応貴方は引率者なんだから。たとえ休暇中とはいえ、戦団のメンバーとして  
何時如何なる事態にも対応できる心構えを教える必要もあるんじゃない?」  
「だからこそ、さ」  
向かい側に腰を下ろした千歳に、防人は静かに、しかし力強く答えた。  
「一度錬金術の世界に足を踏み入れた者に、平穏な日常など望むべくもない。戦団がどうなろうと、  
これだけは動かし難い事実だ」  
 
──錬金術。表向きには現代科学の前身となったオカルト紛いな研究、というイメージが一般的だが、  
その実体は表社会で最先端とされる研究さえ及びもつかないオーバーテクノロジーを次々と開発する  
“闇の科学”。質量消滅や異空間侵入など、殆ど魔法に近い領域へと踏み込んだ禁断の技術は、時に  
社会の常識を覆す恐るべき“異形”を産み落とし、世界に混乱を呼び起こす。  
その恐怖を目の当たりにした者に、日常の裏に潜む真実を知った者に、それを忘れて生きることなど  
決して出来ないだろう。  
 
「戦団に残ることを選んだ秋水には、きちんとした訓練を受けてもらう必要がある。卒業と同時に  
命懸けのプログラムに挑むことになるだろう」  
かつて斗貴子やその後輩も経験した、戦士として必要な知識と技能を得るための研修。秋水にも同様の  
過酷な洗礼が待ち受けている。  
「カズキ達にしたって、このまま普通の生活に戻れる保証は無い。何よりあいつの胸には特殊な核鉄が  
二つも埋まっているからな。いずれそいつを狙う者が現れないとも限らん」  
ずず…、と再び茶を啜り、防人は窓の外へと視線を戻した。  
「だから……少しぐらい躓いたって、転んだっていい。あいつらには今を精一杯生きて欲しいのさ」  
「…………防人君……」  
月を見上げる男の横顔を、千歳がじっと見つめる。  
 
「……ことわっておきますけど、それと貴方の監督責任とは、全くの別問題ですからね」  
「…………随分しっかりしてきたな、千歳。ブラボーだ……」  
 
 * * *  
 
「んぁっ!…………ひっ!?……くぅ…………」  
泡まみれの細い裸身を、二つの掌がヌルヌルと這い回る。  
立ったまま後ろから抱きすくめられ、斗貴子はカズキに翻弄されていた。  
「どうしたの斗貴子さん……。なんでそんなに縮こまってるのさ」  
「んはぁ……あ……だ、だって……」  
耳元で囁かれ、両腕で胸を隠していた斗貴子は顔を真っ赤にしながら戸惑いの声を漏らす。  
「斗貴子さんのお腹、スベスベで気持ちいい……」  
「ば、バカッ!」  
円を描くように少女の腹部を撫で回していた少年の両手が腰へと回り、脇腹を撫で上げる。  
「ふああぁぁぁぁぁん……!」  
普段の斗貴子からは信じられないほど蕩けた声を上げ、ぶるるるっ、と身体が震えた。  
「…か、カズキ……そこ、駄目ぇ。……エッチなスイッチ、入っちゃう…………」  
「それでいいよ。エッチな斗貴子さん、見せて。……俺だけじゃなくて、向こうの二人にも」  
「うぅ…………そ、そんな……恥ずかしいコト…………」  
快楽と羞恥の狭間で身悶える彼女の正面では、  
「ふあぁ……やっ!……秋水くんったら、さっきからそこばっかり……」  
「気持ちいい? 姉さん」  
向かい合わせに立った桜花が、同じように背後から秋水に弄られていた。  
 
秋水は姉の豊かな双乳を下から掬い上げ、そのボリュームを誇示するようにゆっくりとさすり上げる。  
それからやおら掌いっぱいに乳肉を掴むと、指を食い込ませて思うままに揉みしだいた。  
「んん…………ふぁ……」  
桜花は目を閉じて、胸を捏ね回す秋水の手の動きに意識を集中する。ソープのぬめりに時折ツルリと  
逃げる果実をその都度掴み直し、存分になめらかな感触を楽しんだ掌は、再び下から掬うように両方の  
乳房を握り直した。  
「やんっ!?」  
熱を帯びた手が、まるでミルクを搾り出すかのように乳房の付け根から先端へ向かって滑っていく。  
胸の先に辿り着いた指が泡を纏った乳首を転がし、また乳房の付け根から同じ動きを繰り返す。  
「やぁ、秋水くぅん………いけないわ……武藤君と、津村さんに……ンッ……見られてるぅ……」  
桜花がわずかに身体を捻り、潤んだ瞳で頭上にある弟の顔を見上げた。  
「何を今さら。見せ付けるつもりで誘ったんだろ」  
首筋に舌を這わせながら、秋水は冷たい声音を装って姉の耳元に囁く。  
「ひゃうんっ!? ち、違うのぉ。津村さんが秋水くんのコト悪く言うから……ついカッとなっただけで、  
そんな……見せ付けるなんて……んむっ!?」  
不意打ち気味に唇を塞がれ、桜花が目を見開く。秋水は姉の口内へ舌を割り入れながら右手で濡れ光る  
乳房を弄び続け、その間に左手が細いウエストを滑り降りた。  
「んむ……チュ………ンッ!」  
無意識のうちに弟の舌に応え、自分の舌を絡め合わせていた桜花がくぐもった声を上げる。秋水の指が  
下腹を過ぎて手入れされた恥毛を掻き分け、両脚の間に潜り込んだ。  
「ンンーッ! …ぷはっ。ま、待って秋水くん、そこは────ひっ!?」  
桜花の制止に耳も貸さず、秋水の指は姉の敏感な秘唇に触れる。白い肉の合わせ目顔を覗かせていた  
花弁が、軽く撫で上げられただけで待ち侘びていたようにヒクリと蠢いた。  
「嫌がっても無駄だよ。姉さんのココだって、期待してるじゃないか」  
指先に感じる姉の微妙な変化に、秋水はそっと中へ潜り込む。  
「くぅんっ!」  
桜花が身を捩り、唇を噛んだ。  
「動かすよ…………ほら……」  
「あひ、あ……駄目……あぁ……んふぅ……」  
雌芯を行き来する愛撫に、桜花が腰を引く。秋水は逃がすまいと背後から自分の腰で逃げ道を塞ぎ、  
股間の熱く憤ったものが桜花に押し当てられた。  
「ゃ……嘘。さっきイッたばかりなのに、秋水くんの……もうそんなに……ん……チュ」  
「ん…………姉さん……舌、出して……」  
言われるままに桜花がおずおずと舌を差し出す。次第に従順になりつつある姉の態度にほくそ笑み、  
秋水はピンクに濡れた柔肉を口に含んで吸い上げた。  
「んんっ……んっ……ひゅうすい、くぅん……んむぅ…………」  
 
「見てよ斗貴子さん、あの桜花先輩の顔……」  
「あ…………」  
カズキに促されて、伏せていた顔を上げる。  
自分たちの目の前で、あられもなく身をくねらせる桜花の姿。  
(すご……あんな…………あんなに気持ち良さそうに……)  
身も心も秋水に預けて快楽に没頭するさまに圧倒され、斗貴子はゴクリと唾を飲んだ。  
「ねぇ、斗貴子さん…………手、退けて……」  
胸を隠す斗貴子の腕の下へ、カズキの手が潜り込もうとしてきた。  
「……でも…………だって………」  
年頃の少女相応の、戸惑う震え声。  
「さっきは俺の事さんざん弄ってたじゃない。今さら嫌がるのは無しだよ」  
「…………うぅ……」  
そろそろと腕が解かれ、水滴を纏った上半身が露わになった。  
戦士としての厳しい鍛錬を積み重ねてきたとは信じられないほど、小さな肩。細い身体。  
緩やかな曲線を描く乳房は、ボリュームこそ控え目ながらツンと上を向いて瑞々しい魅力を放っている。  
「もう、乳首勃ってる…」「い、言うな!」  
なだらかな丘陵の先端は、斗貴子自身にも分かるくらい固く充血し、少年の愛撫を待ち焦がれる。  
胸を晒した途端、さっきから腰に当たっているカズキの怒張が、ビクンと跳ね上がってお尻の少し上を  
軽く叩いた。  
(あ、カ、カズキったら……)  
自分の胸に少年が興奮したのを感じて、少女は耳まで赤く染まる。  
「ふぁうっ!?」  
引き締まった腹部から滑り上がった両手が、ヌルリと乳房を撫で上げた。  
軽く開いた四本の指先で次々に乳首を弾かれ、思わず声が上がる。  
「凄いよ。熱くて、コリコリになってて……。斗貴子さん、ずっとエッチな気分を我慢してたでしょ」  
「やぁ……い、言わないでって頼んでるのに……。き、今日のキミは少し意地悪だ…………あんっ!」  
耳たぶを舐められて、また甘い声が出る。  
乳房を撫で上げたカズキの両手はそのまま少女の膨らみをすっぽりと包み込み、奥の方に固さの残る  
白い果肉を、痛くしないよう慎重に揉み解していく。  
「んふ…………く……っん…………」  
斗貴子は快楽に耐えるように目を閉じて眉根を寄せ、指を噛んで声を押し殺す。同時に、下腹部の甘い  
疼きを誤魔化すように両腿を擦り合わせ、華奢な身体がゆらゆらと揺れた。  
「我慢は良くないよ斗貴子さん。桜花先輩みたいに、もっと乱れたトコ見せてよ……」  
カズキの人差し指が、充血した乳首を転がし始める。  
「ひゃぁんっ!? ……カズキ、それだめぇ…………。先っぽが、ジンジンするぅ……」  
「駄目なんて、嘘でしょ。斗貴子さんの顔に“いじめて欲しい”って書いてあるよ」  
少年の指が両方の乳首を摘み、ギュッと捻りあげた。  
「ひあぁぁっ!!」  
痛みさえも強い快楽の衝撃となって脳を灼き、膝から力が抜けてまともに立てなくなる。  
崩れそうになる身体を支えようと、脇の下を通るカズキの腕に慌てて掴まった。  
「やぁ! 駄目ェ! ちくび引っ張っちゃダメェ!!」  
容赦ない指は更に肉の突起を責め続け、強烈な刺激を和らげようと反射的に斗貴子の上体が反る。  
「涙目で喘ぐ斗貴子さん……可愛い」  
乱暴に捻った乳首を指先で優しく撫でながら、カズキは熱にうかされたように呟いた。  
 
(やるな武藤。あの気丈な津村君をそこまでに仕込むとは……)  
姉の口内を味わいながら、秋水は視界の隅でカズキたちの遣り取りを見守っていた。  
(ならば、遠慮無く次のステップに移らせてもらう!)  
桜花から唇を離して、秋水は再び彼女に正面を向かせる。  
「武藤。どうだい、僕の自慢の姉さんは」  
あらためて背後から掌に包み込んだ乳房をタプタプと揺すりながらカズキに話し掛けた。  
「学校じゃ清楚で品行方正な優等生を演じているけど、本当は見ての通り…。  
制服の下にこんないやらしい身体を隠して、俺が望めばどこででも身体を開く淫乱女さ」  
「そんな!?…………酷いわ、秋水くん」  
「間違ってないだろ? 二人きりの生徒会室でしたことだって、一度や二度じゃないしさ……」  
白い膨らみを泡と一緒に撫で回していた秋水の左手が、姉の身体をゆっくりと滑り降りていく。  
「きゃっ!?」  
片膝を抱え上げられて桜花が小さく悲鳴を上げた。秋水は左手で姉の膝を支えたまま、右手を彼女の  
大きく開かれた脚の間へと伸ばす。  
「ヤッ! 嘘!? ……じ、冗談でしょう秋水くん? お願い、悪ふざけはよして!」  
「ほら……綺麗だろう。中学の時に処女を奪って以来ずっと使い込んでるのに、まだ姉さんのココは  
こんなピンク色なんだ」  
秋水の指が、下草を掻き分けて桜花の秘唇を割り開く。妖しくぬめ光る赤みがかった粘膜が、カズキの  
立ち位置からわずかに見て取れた。  
「うわ……凄いよ、桜花先輩」  
初めて“生”で見る斗貴子以外の少女の花弁に、カズキが興奮気味の声を漏らす。その腕の中では、  
「あひっ! あっ!……」  
乳首を責められ続けたまま斗貴子が喘いでいた。カズキの指の動きに合わせてビクン、ビクンと跳ね、  
身をよじる。  
 
「嫌ぁっ! 見ないで、武藤君! 見ちゃダメ………アウッ!!」  
顔を背けた桜花が仰け反った。秋水の指が火照る雌芯の奥へ潜り込み、蠢く。  
「目を逸らさないでよ、姉さん。ちゃんと武藤を見て、今、自分が何をされているか伝えるんだ」  
姉の膝を抱えていた左手を離し、代わりに顎を掴んで前を向かせた。  
右手の人差し指が姉の中に潜り、顎から首筋へ滑り落ちた左手は、豊かな胸を円を描くよう撫で回す。  
「あぁ、秋水くん……どうして? どうしてそんな意地悪するの……?」  
涙目で問いかける姉に、秋水は応じなかった。  
「ほら、言いなよ。どんな風に感じているか、自分の口から武藤に教えてやれ……」  
「…………そんな………………ンッ!!」  
ためらう桜花に追い討ちをかけるように、姉の敏感な肉芽を粘液まみれの指先で転がした。  
「さあ、姉さん………」  
「ふあぁ…………あ…………わ、私は……」  
朦朧とする頭に、弟の囁きが染み通っていく。  
「私は…………私の中、秋水くんの指が……動いてて…………奥で指、曲げられると……感じる所……  
当たって……奥の方が…きゅんっ、てなっちゃって……」  
目の前で、カズキが斗貴子を弄びながら食い入るように自分の身体を見つめている。答える桜花の声が  
自然と震えた。  
「感じるのは、そこだけ?」  
「そこだけじゃ……なくて…………おっぱい、も……ぎゅってされると、身体中に……びりってきて…  
なんだか……心がふわふわになって…………」  
桜花の言葉を遮るように、秋水が大きく溜息をついた。  
「…がっかりだよ姉さん。そんなつまらない説明じゃ、武藤にちゃんと伝わらないだろう? もっと  
よく分かるように具体的に言ってくれなくちゃ」  
「お願いよ秋水くん……もう許して。こんなの恥ずかしくて……これ以上……ああぁっっ!!」  
秋水が、桜花の中に挿し込んだ指を二本に増やして乱暴に出し入れさせる。  
「あぁっ!! やめっ! あひぃぁあああっ! だめぇっ!! 感じすぎて、頭、おかひくぅ!!」  
 
にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ……  
 
粘つく水音が広い風呂場の壁と床に反響して増幅される。秋水の指を飲み込む桃色の襞は、石鹸と違う  
細かい泡に白く縁取られていた。  
「ほら! 言ってよ姉さん!! どこが、どう感じるのさ!?」  
「やっ、あっ!…………お、……お、おまんこぉっ!! オマンコがイイのぉっ!! 秋水くんの指、  
姉さんの襞々、コスッってるぅ!! 中、掻き回されてるぅっ!!」  
ぎゅっ、と目を閉じて桜花が叫ぶ。  
「やぁっ! 指、指曲げられると、感じるトコ、当たっちゃうぅぅ!! それ、ダメェ!!  
濡れちゃうの! 奥から、エッチなお汁がイッパイ溢れちゃうのぉぉっ!!」  
「フフ……。今さら遅いよ、姉さん。こんなに太腿まで垂らしてるくせに……」  
「ああああぁぁぁぅ!!」  
桜花の膝が震え、秘処を責める秋水の腕に両手でしがみつく。秋水はサディスティックな笑みを浮かべ、  
反対の手を姉のお尻へと滑らせた。  
「っ!? ま、待って秋水くん。そこは………」  
「こっちも好きだろ、姉さん」  
指先が、小さなすぼまりを探り当てる。  
「やめてっ! お願い秋水くん……そんなの…………んああああああっっ!!」  
異物が侵入してくる感覚に、桜花が悲鳴を上げる。  
「もっと力を抜いて。そんなに締めたら、爪で傷がつくよ」  
中指の先端だけを潜り込ませた状態で、キュッと締まった入り口をくじる。小刻みに指を震わせ、  
さらに奥へと沈めていく。  
「ヤッ、ダメ! お尻、らめぇっ!! 指がこすれるぅ! 私の中で、アッ! 前と後ろ、指、ンッ!  
こしゅれてるぅぅ………」  
上体を屈め、ふるん、と大きな乳房が揺れる。  
「ひっ……く。やだ…武藤くん……見ないで……見ないでぇ……」  
 
「ダメ……カズキ……わた…………ち、くびぃ……ちくびだけでぇ……ひゃああああん!」  
胸を弄られ続けたまま、カズキの腕の中で斗貴子の身体が強張った。桜花の媚態に思わず見入っていた  
カズキがハッと我に返る。  
「斗貴子さん……胸だけでイッちゃった?」  
「ハァ、ハァ…………い、いちいち聞かなくていい!」  
達した直後の顔を見せないよう伏せたまま、斗貴子は上手く回らない舌でどうにか言葉を紡ぎ出した。  
軽く脱力した身体は、それでもまだ胎内の疼きを満たされることなく焦れ続けている。  
「ねぇ、斗貴子さん」  
耳元で囁かれ、ぞくり、と快感の余韻が全身を撫でた。  
「桜花先輩、さっきから凄いんだ。お尻にまで指挿れられて、大声で喘いでさ。…………でも一人だけ  
恥ずかしい思いさせるのも可哀想だから、お返しに斗貴子さん……」  
そこでカズキが言葉を切り、斗貴子は息を潜めて続きを待つ。  
「…………オナニー、して見せて」  
「んなっ!!?」  
流石に目を丸くしてカズキに振り向いた。  
「ば、ば、バカも休み休み言え! そ、そんなコト、人前で出来るものか!」  
「あれ? 嫌なの?」  
「あ、当たり前だ…」  
カズキの瞳に見つめられるうちに恥ずかしさがこみ上げて、ぷい、とそっぽを向く。途端、  
「はぁんっ! やっ! そこ、そこぉ!!」  
秋水に責められる桜花の痴態が目に飛び込んできて、うろたえながら視線を泳がせた。  
「あれ?……もしかして斗貴子さん、オナニーしたこと無いとか……?」  
カズキは斗貴子のお臍の上で両手を組み、後ろから抱き寄せた。熱を帯びた脈打つペニスが少女の肌に  
押し付けられる。  
「……ぅ……そ、そういう訳じゃ……ない、けど……」  
あからさまな質問に当惑し、答える少女の声が少しずつ小さくなる。後ろから押し当てられた熱の形が  
肌を通してくっきりと頭の中にイメージされて、斗貴子はやるせなく俯きながら、両手の指先同士を  
もじもじと突き合わせた。  
 
「あ、やっぱり斗貴子さんでもオナニーするんだ。どんな時に? 誰かをオカズにするの?」  
「そ、それは…………」  
普段ならこんな質問をされれば問答無用で目潰しでも喰らわせるところだが、アルコールのせいか、  
それとも押し当てられるペニスの脈動にあてられたのか、ピンク色の靄がかかったように頭の中が  
ふわふわとしてまともに考える事ができない。  
「……………………で……した……」  
「え? 何?」  
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!! だからッ! キミが! 君が月へ行っていた間、…………ずっと寂しくて、  
切なくて……だから、その…我慢できずに……君のことを想って………月を見上げながら……してた」  
言ってしまってからカァッと顔が熱くなる。頭に血が昇り過ぎて、視界までグルグル回る感じだ。  
おまけにカズキが何のリアクションも返さないものだから、益々いたたまれない気分に追いやられる。  
 
「……………………えっと、その……ごめん。辛い思いさせて……」  
少しだけお互い無言の状態が続いた後、ようやくカズキが口を開いた。  
「いい、謝らなくて。こうして君は帰ってきてくれたんだから」  
抱き締めるカズキの手に、そっと自分の掌を重ね合わせる。  
「んで、斗貴子さん。その時さ…………。俺の事想って、どんな風にしてたの?」  
「え!? だ、だから、そんなの言えないって……」  
「でも、俺知りたいな。斗貴子さんが、どれだけ俺のこと想っていてくれたのか」  
「そんな…………」  
「俺の事好きだから、自分で慰めてたんだよね。その気持ち……ここで見せてよ」  
「す、好きな気持ちとソレとは……」  
次第にカズキのペースに乗せられていることに気付かないまま、斗貴子の心が揺れる。  
「俺が望めば、何でもするんでしょ?」  
「…………ぅぅ……」  
決定的な一言に、とうとう折れた。  
「えと……だから……夜にベッドから月を見上げて……」  
「見上げて、それで?」  
「……見上げて……こ、こんな風に…………ンッ!」  
カズキの手を離れた少女の指先が、ゆっくりと自分の下腹部に伸びる。細い両脚の付け根に入り込んだ  
途端、ビクン、と身体が跳ねた。反対の手が、声を出すまいと反射的に口元を覆う。  
「口塞いじゃダメだよ斗貴子さん。せっかくなんだから可愛い喘ぎ声、間近で聞かせて」  
「!? バ、バカ!! そんな恥ずかしい真似、でき…………ひゃあっ!?」  
軽く耳朶を噛まれて、押さえた指の間から甘い声が漏れる。さらに調子に乗ったカズキは、柔らかな  
斗貴子の頬を舌で舐め上げた。  
「斗貴子さん…………いま、ドコ触ってるの……?」  
「……ど、ドコって…………その……い、言わないと、ダメ?」  
「うん。できれば言ってほしいかなぁ」  
「うぅ…………く……クリトリ、ス……」  
人差し指で隠れた肉芽を探りながら、斗貴子が小声で答えた。  
「ふぅん……斗貴子さんが自分でする時は、クリトリス触るんだ」  
「そ、そう……クリトリスとか……開いた……ピラピラした、所とか…………ん……カズキに……  
いっぱい……いっぱい、舐めてもらってるのを想像して……ふぁぁ……」  
指の動きが少しずつ速くなり、同時に零れる吐息も甘く、荒くなっていく。目を閉じて指遊びに集中  
し始めた斗貴子の横顔を眺めながら、カズキの呼吸が次第に荒くなっていった。  
 
「ねぇ、中に指挿れたりはしないの?」  
「んっ……ゆ、指とか……挿れるのは…………はっ、あ……なんだか……怖い、から…………」  
「そんな事ないよ。ね、やってみせて……俺の指だと思ってさ……」  
「ハァ、ハァ…………あ……君の…………指……?」  
潤んだ目を微かに見開いて、斗貴子はカズキを見上げた。  
「そ。俺の指。…………ね?」  
「………………………………うん……」  
ぼんやりと少年の瞳を覗き込んでいた少女の顔が俯いて、小さく頷く。それまで桃色の秘唇や小さな  
陰核をなぞるように動いていた指が、ひくひくと息づく花弁の合わせ目の奥へそっと滑り込んだ。  
「……んっ!?………ふ、ぅ…」  
斗貴子の肩が一瞬だけ震えた。指先は、膣の入り口にほんの少し潜ったところで止まっている。  
 
「あ…………や、やっぱり……怖い……」  
「大丈夫。リラックスして少しずつ、少しずつ……」  
カズキの囁きに勇気を奮い起こして、斗貴子はわずかに指を前後運動させた。ぞわり、と粘膜を擦る  
むず痒い感覚が走る。不快ではない。むしろ止め処ない快楽への呼び水になりそうな切ない甘さ。  
「ん……ん……う……」  
声を殺すために指を噛みながら、もう片手の人差し指は次第に速さを増していく。  
「気持ちイイの? 斗貴子さん」  
「……ウン……ウン…………気持ち、イイ……」  
カズキの問いに頷きながら、更に奥深くへと指を潜らせる。初めて触れた“自分の中”の感触に微妙な  
後ろめたさを覚えながらも、指は貪欲に快感を生むポイントを探り続けていた。  
 
「斗貴子さん……」  
少女の火照った身体から立ち上る汗と肌の匂いに、カズキもまた魅了されていた。  
さっきから漲りっぱなしのペニスはビクビクと脈動し続け、斗貴子の背中を先走りの汁で汚している。  
恋人が自分を想ってオナニーに耽る横顔に興奮しながら、無意識のうちに組んでいた両手を解いた。  
そのままゆっくり撫で下ろし、引き締まった太腿を掌に感じる。  
「アンッ! カズキぃ! あ、脚は……脚、敏感だから……や、め……ンッ!」  
内腿を滑る温もりに、斗貴子が身を竦ませ、震わせる。  
「斗貴子さん……斗貴子さん!」  
少女の声は、既にカズキに届いていなかった。うわごとのように名前を呼びながら太腿を撫で回し、  
後ろから自分の怒張をグリグリと擦り付ける。  
「やん! 当たってる……カズキの硬いのが、お尻の谷間……行ったり来たり……ぁぁ……」  
「ハァ、ハァ…………」  
胸の核鉄はいつにも増して強く激しく脈打ち、ヴィクター化の時と似た高揚感が、腕の中の愛しい者を  
犯せと呼び掛ける。  
「やぁ……内股やぁ…………ちから……ぬけちゃ……」  
斗貴子の手が制するようにカズキの手首を掴むが、それ以上の抵抗は示さない。少年の掌は止まること  
なく白い太腿を擦り続け、同時に斗貴子が自身を慰める指先も激しさを増す。  
 
「う……ひっく……かずき…………かずきぃ……」  
絶え間ない快楽の波に自分でもどうしたら良いか分からず、斗貴子はポロポロと涙を零した。  
「イけない……指じゃ、イけないよぉ……カズキの……カズキの挿れてくれないと…イけないのぉ!」  
「斗貴子さん…………」  
「ねぇ、挿れてぇ! もう我慢できない! カズキの熱いので……奥の、奥の一番せつないトコ、  
いっぱいにしてぇ!!」  
耐えかねたように、斗貴子が両手で自分の花弁を左右に割り開く。カズキは荒々しく彼女の腰を掴み、  
肉茎を淫液の滴る両脚の間に潜らせた。  
「あはぁ……かずきぃ…………」  
斗貴子の指がカズキの先端を包み込み、火照った粘膜の狭間へと導いた。亀頭に触れる熱いぬめりに、  
若い滾りはそれだけでイッてしまいそうだ。ぐっとこらえ、後はただ押し込めば──  
 
「いかん、武藤!!」  
鋭い制止の声に、カズキの理性が呼び戻される。秋水が、姉の二穴をくじりながらこちらを見ていた。  
「一時の感情に流されて大局を見失うな! 何のために俺達がこんな真似をしているか忘れたのか!?」  
「く……分かってる! ……分かってる……けど!!」  
ぎりり、と噛み締めた奥歯が鳴る。  
「ぐす……。かずきぃ……どうしてやめちゃうのぉ……ねぇ、ちょうだい……ちょうだいよぉ……」  
斗貴子は腰をくねらせてペニスに秘唇を擦り付け、子供のような甘え声でカズキを呼んだ。  
 
 
(今度こそ後編に続く)  
 

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