旅行から帰ってきた三戦士の様子が変だ。  
上手く言葉に出来ないがなんとなくぎこちない。  
相変わらずカズトキはストロベリってるし、剛太は哀愁がただよっている。  
しかし三人が一箇所に固まると何とも言えない空気が生まれる。  
旅行先で何かあったとしか思えん。  
3Pか?3Pなのか?若さゆえの冒険心と知らない土地での開放感による一夜の過ちなのか?  
いや、それは無いな。斗貴子がカズキ以外の男に体を許すとは思えんし、なにより  
へタレの剛太にそんな度胸があるとも思えない。  
そういえば二日目の昼にカズキの携帯に電話を掛けた時は心底楽しそうな声をしていたが、  
翌日宿舎に帰ってきた時は笑顔の中に影があった。  
つまり二日目の昼以降に何かがあったのだろう。  
3Pか?やっぱり3Pなのか?押さえ切れない欲望と秋の繁忙期が激しくスパークリングして  
大乱交スマッシュブラザーズへとなだれ込んだのか?  
 
考えても分からん。手っ取り早く本人達に聞いてしまえぃ。  
しかし斗貴子には「聞かないで下さい」と目を逸らされ、カズキには「俺は黙秘の達人だっ」と  
胸を張られて、剛太にいたっては殴る勢いで泣き始めたのでアイスを買ってやった。  
これは困った。何があったにせよ戦士としての戦いは待ってはくれない。  
この様な状態で戦地に送り出しても戦うこともままならないだろう。  
指揮官として早急にこの事態を解決しなければ。  
けして面白そうとか何があったのか気になるとかでは無くあくまで任務のためだ。  
管理人室で一人頭を抱え、思考がまた3Pへ行きかけた時俺の携帯が鳴った。敏感な内股を  
バイブレーションが刺激し、思わず声が出てしまったのはブラボーとキミの秘密だ。  
 
「防人君、私。」  
千歳か、ちょうどいい俺の悩みを聞いてくれ。  
「そう、私オススメの旅館だったから楽しんで貰えたら嬉しかったのだけど。」  
旅館自体はとても気に入っていたぞ。  
「でもそうね、プライベートな事だからあまり踏み込まない方がいいんじゃない?」  
そうも言ってられん、特に剛太はひどいし。  
「何があったのかしら?……もしかして3P?」  
お前もか、戦士千歳。  
「冗談よ。しばらく様子を見た方がいいと思うわ。時間が経てば自然と解決するかもしれないし、  
 防人君には聞かれたくない事みたいだし。無理矢理聞いたりしちゃ駄目よ。」  
むぅ、しかしだな  
「相変わらず子供には優しいのね。あの子達なら大丈夫よ、しっかり自分の考えを持ってるもの。  
 面白半分で首を突っ込もうとしている防人君よりずっと。」  
ナンノコトヤラ  
「とにかく今は放っておきなさい、きっと大丈夫だから。  
 何も変わらないようならその時考えましょう。」  
すまんな。それより千歳、そっちの用件はなんだ?  
「防人君が悩んでるような気がして。」  
…………。  
「冗談よ。」  
 
千歳にはああ言われたがやはり気になる。そりゃもう気になる。  
俺の大事な部下達がやんちゃと言う名の肉欲に溺れているかもしれないんだ、心配にもなる。  
脳内で3P説が不動の物になりかけている事に危機感を覚えた俺は、火渡に借りた  
AVを見て心を落ちつける事にした。ぶっちゃけ想像で興奮してしまったのだ。  
『コスプレ好きのお姉さんが痴女って抜き抜きっ・完全版』  
付き合いが長いだけの事はある。こうまで的確に俺のツボを突いてくるとは。  
ビデオデッキにテープを挿し込むといきなり本番シーンが映し出された。巻き戻しとけ火渡!  
しかし、今回のは良い。実に良い。ここ数年で一番のベストバウトだ。  
高ぶった野性を静める為に遠心力を取り入れた方法で伝家の宝刀「ブラ棒」をイジメ抜く。  
己の限界を超える事で今この時より漢は強くなっていく。あっもう無理、限界。  
AV嬢の喘ぎ声が一段と激しくなったのと同時に、まだ見ぬ子供達が外界に飛び出そうと俺に  
訴え掛ける。初めての親子共同作業。ようし、イ、イクぞおぉぉぉッ!!!  
「戦士長、来週のせん・・・・っ!!」  
ノックくらいしないか戦士斗貴子。  
 
俺は今、十歳ほど年齢の離れた美女の前で正座されられている。下半身丸出しで。  
「まったく!戦士長ともあろう者が何をしているんですか!?」  
ナニをしていたんだが。  
「こんなエロスなビデオにうつつを抜かすだなんて、今いくつなんですか戦士長!?」  
ちょっと持て、俺はまだ二十代だぞ。まだ。  
「それにいつまでソレを放り出しているつもりですか!隠して下さい!」  
だって今すぐ正座しろって言うから。  
「カズキといい剛太といい、なぜ男という生き物はこう…いやカズキはいいんだカズキは。」  
 
む、斗貴子は今何と言った?カズキといい剛太といい、剛太?  
何故そこで剛太の名前が出てくる?カズキとは常日頃からストロベリっているので名前が出るのは  
分かる。しかし剛太は斗貴子に想いを伝える事すら出来ないへタレキャラ、斗貴子にエロスだと  
思われる事を何より恐れているはずだ。その剛太を斗貴子はエロスだと思っている、必ず原因が  
有る筈だ。クールになれキャプテンブラボー、奴の思考を読むんだ。  
「カズキはエロスだが優しくしてくれるからな、何処かのブタ野朗とは大違いだ。  
 しかし私とカズキの仲を妬みあんな事を…あの発情犬、去勢してやろうか。」  
……目が本気じゃないか戦士斗貴子。なんでこんな子に育っちゃたのかなぁ。昔はあんなに  
良い子だったのに、いつの間にかブチ撒け好きになってるし。どこで育て方を間違えた?  
「あの粗チンさえ居なければ私とカズキはストロベリーパニックを満喫できたというのに、  
 えぇい思い出すだけでも腹が立つ!あの肥溜野朗!!」  
事態は大体把握した。つまりカズトキがいちゃいちゃラブラブストロベリー浪漫寄航している  
最中に剛太が何か仕出かした訳だ。事件解決、めでたしめでたし。  
…いや違う何も解決していない。斗貴子の怒りっぷりを見ても、放っておいてあのギスギス感が  
自然解消するとはとても思えない。やはりここは俺が動くしか無いようだ。  
とりあえず適当に謝った後、来週の事は後日伝えると言いくるめ斗貴子を部屋から追い出した。  
さて、どうしたものか。……とりあえずパンツを穿こう。  
 
うっすらと現状を飲み込めたものの、良い解決策が見つからなく俺は再び頭を抱えていた。  
思考がだんだん『ゴージャス松野のどの辺がゴージャスなんだ?』など、どうでもいい事に  
脱線しかけた時俺の携帯が鳴った。ちゃぶ台の上で踊る携帯を見て  
『空気の膨張で勝手に動き出す味噌汁の様だな』  
などと思ってしまった事は口外しないでくれブラボーとキミの約束だ。  
「防人君、私。」  
俺の悩みを聞いてくれ。  
「つまり二人の時間を邪魔された津村さんは激怒、剛太君は失恋してしょんぼり、  
 優柔不断のカズキ君はオロオロ。こんな所かしら。」  
おそらく。  
「それこそ大人が首を突っ込んじゃ駄目よ、本人達で解決しないといけない問題だわ。」  
むぅ、しかしだな  
「あの子は、津村さんは私達にとって特別な子だから入れ込む気持ちは分かるけど、  
 過保護すぎるのも良く無いわよ。思春期の女の子は繊細なの。」  
その娘にさっきイチモツ丸出しで正座させられたのだが。  
「動くにしてもまだ駄目よ。情報が少なすぎるわ。  
 具体的に剛太君が何をしたのかを確認してから対策を練りましょう。」  
分かった。色々とすまんな千歳。  
「いいのよ。私とあなたの仲じゃない。」  
ところでそっちの用件はなんだ?  
「防人君がパンツ一丁で悩んでるような気がして。」  
…………。  
「相変わらず制服が好きなのね。」  
……………………。  
「冗談よ。」  
待て切るなっ!見てんのか?どっかから見えてんのか!?俺の痴態を一部始終見てたのかっ!!?  
 
AVの出元である火渡の身を案じながら、俺は寄宿舎の廊下を歩いている。  
剛太が何をしたのか、それが問題だ。しかしそれさえ分かれば解決策が見えてくるはず。  
もう考えるのが面倒くさくなった俺はカズキの部屋を目指している。  
カズキはこの状況に一番不満を持っているはず、切り崩すならまずここだ。  
千歳には「無理矢理聞いたりしちゃ駄目。」と言われているが、もう一刻の有余も無い。俺の中で。  
カズキの部屋の前に着く。世間話にアメリカンジョークを交えたブラボートークから  
それとなく何があったのかを聞き出す。完璧なプランだ。  
気合を入れドアノブに手を掛けたその時、部屋の中から何やら声が聞こえる事に気付いた。  
「斗貴子さんッ!すごっ、凄すぎるよ!こんな体位あり得ないよ!!うあっ、俺、もう!!!」  
「あぁんカズキ!カズキィ!!へそがしゅごいことににゃってるぅ!!イイッ!イイよぉカズキィ!!!」  
俺は無言でその場を後にした。仲良き事は美しきかな。  
こうなれば剛太に直接聞くしかない。何度も言うがもう時間が無いのだ。俺の中で。  
へタレの剛太のことだ、ちょっと痛くすると脅せばホイホイ喋る事だろう。  
剛太の部屋が見える。剛太の部屋のドアを蹴破る。たのもう!!  
 
……………………すまん、取り込み中だったか。  
いやいいんだ、すぐ出て行く。気にせず続けてくれ。その、そんな眼で見るな戦士剛太。  
俺もさっき同じ目に遭ったからな、気持ちは分かる。泣きそうな顔をするな!強い子だろお前は!!  
悪かったっつってだろ!出てく、出てくよ!!おじゃましました!!!  
話はまた明日に…む、そのビデオは  
 
『スパルタンなSっ娘に縛られて抜き抜きっ・復刻版』  
 
今度貸してくれ戦士剛太。  
                          第三話ANOTHERSPACE  完  
 

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