「アレから、1年だな」  
「そうだね」  
私たちは、去年と同じ海豚海岸に海水浴に来ていた。  
そして、いつまでも続きそうな花火大会を2人で抜け出し、  
宿から少し離れた浜場を歩いている。  
 
気がつくと、ここは戦士長から負ったキズを治療した場所だ。  
あの時と同じように流木に腰を下す。  
「このあたりは変わらないな」  
「そうだね。  
 あの頃は死んだり生き返ったり、生き返ったり死んだり…  
 ところで!」  
「なんだ?」  
私の横に腰を下したカズキが、体ごと、こちらを向いた。  
「この服も去年と同じだね!…1.最初にここをひっぱる」  
そう言って、私の服のジッパーを下げ始めた。  
歓迎すべき行為だが、言葉の意味がわからない。  
「コンビニのおにぎりはアタリハズレがあるけど、  
 斗貴子さんはいつもアタリでうれしい…あっ!」  
腰あたりで手が止った。  
ヘソを見てるのかと視線を追うと、胸を向いている。  
ブラをしてないことに気づいたようだ。  
私もこんな展開を期待していたのだ。  
コンビニおにぎりとの比較は予想外だが。  
 
軽く固まっているカズキに抱きついて唇を重ねる。  
硬直から解けたカズキが、スカートのウエストを掴みながら言った。  
「いいの?」  
もちろん否はない。小さく頷く。  
「いただきます」  
冗談めかした笑みを浮かべ、手を下していく。  
それに合わせて、足を片方ずつ上げ、スカートから抜いた。  
カズキを見つめる自分の顔が緩みきっているのがわかる。  
こんな顔を見せるのはカズキだけだ。  
 
下半身を裸にし終えたカズキは、再び上半身に手をかけた。  
「2…3…」  
そんな言葉の度に、体が顕になっていく。  
 
(続かない)  
 

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