赤銅島の惨劇から数ヶ月の時が過ぎ…
防人…彼はもうその名を捨てたが…と千歳は、お互いの気持ちに気づき、
世間様でいう、「お付き合い」をしていた。
しかし、両者共に純情で奥手であったため、幸か不幸か健全な付き合いが進んでいた。
デートもしたし、キスも…したが、なんとかその先に進みたい。防人はそう思っていた。
そしてある任務で、二人はホテルに泊まることになった。
当然、シングルを二部屋あてがわれていたのだが…
「ち、千歳、俺の部屋…こないか?」
「え…」
千歳も18歳の乙女。それが何をするかわからないほどウブではなかった。
コクン、と首を縦に振る。顔は哀れなくらい真っ赤になっていた。
千歳が入浴に行くのを見送る防人は妄想逞しくシュミレーションする。
二人きりの部屋。これから行われる行為を想像し、防人は頬を上気させる。
千歳が風呂から上がって来ていた。濡れた髪に上気した肌。
ゴクン、と生唾を飲み下す。
「ほ、本当に…いいのか?」
「…うん」
「無理は、しなくていいんだぞ」
「本当、大丈夫…だから…抱いて」
そう言って、うるむ瞳で、防人を見つめた。防人は意を決し、千歳のバスローブに手をかける。
「すごく…綺麗だ」
千歳の湯上りの素肌は綺麗だった。ふっくらして、柔らかで。
「もう…」
千歳が恥ずかしそうな表情を浮かべる。あの水着を見られたときのような複雑な…そそる顔を。
男性器にドクドクと血が集まり始めた。
防人は本能のまま千歳をベッドに押し倒した。
「さ、きもり、くんっ…」
防人は千歳の胸元に小鳥がついばむようなキスをした。チュッ、チュッ、と音を立てる。
「ひゃうっ…」
なんだかくすぐったい。千歳は体をよじる。最初は抵抗しようとしていたが、やがてされるがままになった。
しばらく舐め続けると、乳首が固くなりだして、防人は彼女の先端を唇でコロコロと転がした。
「や、やだぁ…なんか…変…」
「変じゃないよ、千歳…可愛い」
乳房を舐め上げた口で、そのまま千歳とキスする。甘く、濃厚なディープキス。
「ん〜っ!!」
千歳は目を見開く。やがて熱い舌を受け入れ、されるがままにうっとりと目を閉じる。
防人は興奮し、欲望の赴くまま彼女を味わう。口だけでなく手も休めず体をまさぐる。
たっぷりキスしていたが、息が苦しくなってきたのでプハッ、と口を離す。
とろ〜ん、とした顔で、千歳がつぶやく。
「防人くんって…すごく情熱的なのね…」
「ハァッ、ハァッ…千歳も、すごい綺麗で、情熱的で、エッチだ…」
「ここ…触るよ?」
「えっ、あっ!!いきなり、そんな…んっ」
女性の大事なところに触れられて、千歳は敏感に反応した。
防人が手を動かしている内に、何度かクリトリスの先端をさすり、千歳を攻める。
「あっ!…か、感じ、ちゃうよ…」
「ち、ちとせ…っ!」
防人は、顔を千歳の濡れた秘所に近づける。まさか、と千歳が思ったときに防人の舌が触れた。
「や、やぁん…そこぉ、ふあぁっ、舐めないでぇ…」
ぴちゃぴちゃという音が聞こえ、そのあられもない行為を実感させる。
「んっ、んっ、ふむっ…」
防人の頭は千歳の太ももに挟まれ、頭髪は快感に耐え切れず涙を流す千歳にグシャグシャにされる。
「あっ!!あ、うぅ…ちょ、だめ…くぅん、さ、きもり君…もうやめて…ふ、あぁん!」
泣きそうな声でーいや、実際に涙声で千歳は行為を止めるよう懇願する。
頭髪をひきむしられそうになってようやく防人は千歳を解放した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「い、痛たた…」
ぐったりと千歳は倒れ伏す。そうとうクンニがこたえたようだ。
「…ゴメン、調子に乗りすぎた」
千歳の体を気遣う。のぼせ上がっていた頭の芯が少し冷える。
しかし千歳は言った。消え入りそうな声で。
「防人くん…私、欲しい…の。もう、治まらない…」
「入れる…ぞ」
精一杯気遣う。もう千歳を苦しめたくはなかった。
「……う、うん。いいよ」
照れくさそうに、千歳は言う。ああ、なんと甘美な笑顔なのだろう。
くちゅ…という音と共に、先っぽから入っていく。あ、固いな、と千歳は思った。
挿入れていく度に肉棒に纏わりつく膣の感触。
「ち、ちとせ、辛くないか…?」
「………!!」
千歳はイエスともノーとも言えない。押し入ってくる防人の感覚を追うだけで精一杯だ。
もう先端に膜が当たる所まで来てしまった。防人は勢いをつけ、処女膜を一気に破った。
ブツッ…
「あ、ああっ…!!!」
千歳は突然襲ってきた激痛に、悲鳴を上げ…
「ちとせ…千歳!」
千歳が意識を戻した時、バスローブを着せられ、頭にタオルを置かれていた。
ポカン、と千歳は防人の顔を見る。
「…ヤダ。私…気絶しちゃったの!?」
「…ん」
「ウソ…ゴメンナサイ」
千歳はしょんぼりとうなだれた。防人は複雑そうに笑みを浮かべる。
「謝るのは俺のほうだよ。ゴメンな…痛かっただろう」
「もう一度…する?」
「いや…無理しなくていいんだ」
防人は千歳の耳元でささやいた。
「俺たちの未来はまだまだ長いんだから…」
(END)