はぁ、はぁ、はぁ………  
カ、カズキ、私の事はもういいから、そろそろキミの方も――  
ひゃうん!  
あぅう、せめて触る前に一言断ってくれ!!  
あ、あっ、やぁっ止めなさい!さ、さっきキミにイカされたばっかりなのに…  
だだだから駄目ひゃぁ、ぁあ、ひぁぁん……………  
 
 
 
…キミはずるい。  
何がどうして?だっ!  
キミは私と寝る度に、好きなだけ私をイカせてしまうじゃないか!  
そ、そりゃあ男の人には限界があると分かってるが…  
他の人と比べればキミも多い方だとは思うんだが…  
それにしたってあんまりだと思わないのかっ!?  
…リアクションが薄いな。  
本当にキミという奴は、私が恥を堪えてハッキリと言葉にしなければ理解出来ないんだな。  
いいか。キミは大体、一晩に三〜四回ぐらいだろ?  
つ、つまり、それぐらいの頻度で射精してるって言ってるんだ!分かってくれ!!  
はぁ……確かに私が殆ど毎日キミの部屋に来てる事を考えれば、元気すぎるぐらいだが…  
しかし!!対して私は、一晩で平均八回だぞ!?それも私が記憶してる分だけで!  
要するに、キミは私に尽くしすぎなんだ!  
イ、イヤ…悪い事だと言ってるんじゃない。それにしたって、キミはやりすぎだろう。  
そう言えば、逆に私がキミに何かしてあげようとすると抵抗する時があるが、あれは何故だ?  
…私がキミの為なら何でも我慢しちゃうから、って…別に我慢なんかしてないぞ?  
むしろ…その、キミに奉仕できるのなら……何と言うか……  
や、やっぱり何でもない。…話を戻そう。  
とにかくだなぁ、キミはそんなに頑張らなくてもいいんだ!  
別に何回もそういう事する意味なんか――  
ん?何だ?キミにも言い難い話なんかあるのか。大丈夫だから話してみなさい。  
………………………………。  
このバカッ!!エロスの権化め!!  
わ、わた、私が達した時の全部がキレイでカワイイからだなんて、ホンットにキミは!  
う、ううるさい!はにかんだ顔でそんな事われれば真っ赤にもなって当たり前だろう!  
…だ・か・ら!一心同体だから斗貴子さんが気持ちいい時には  
俺も気持ちいいんだよなんて言うなぁ!  
もういいっ!この話はお仕舞いだ!柄にも無い事を言い出した私がバカだった!  
はやく寝なさいっ!  
 
 
 
…は?  
私が?イクとか?射精とか?達するとか?  
いつもは簡単には言わない様な淫語を何回も口にしたから?  
また興奮してきただとぉ!?  
や、止めろ!イッイヤするのは構わない、構わないから私を気にせず――  
うひゃぁん!  
コラ、いきなりどこ触ってるんだ!私はいい、私はいいから!  
はぅう!やぁあ、そんなに優しく触るなぁ!  
やぁ、ひゃあ、ぁああん!  
あぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!  
 
 
 
 
 
 
「言わなきゃ良かった」―――了  
 

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