カズキの部屋の扉が開いた。  
「オイ武藤!幽遊白書が読みたいからから貸してくれないか?」  
剛太がカズキの部屋に入って扉を閉める。  
しかし部屋の中にカズキの姿はない。  
仕方がないので剛太が部屋を出ようとすると、廊下の奥のほうからカズキの声が聞こえてきた。  
「そうだ!押入れに隠れて武藤を驚かしてやろう!!」  
そう思い立った剛太が押入れに潜んで少しすると部屋にカズキが入ってきた。  
剛太がカズキを驚かそうと押入れの扉に手をかけた瞬間、続いて斗貴子も入ってくる。  
剛太は斗貴子も入ってきたのに少し驚いて出そびれてしまった。  
するとカズキと斗貴子は服を脱ぎ始めた。  
「ま・・・まさか・・・。」  
剛太の予想は当たっていた。  
2人は剛太がいるのにも気がつかずSEXを始めた。  
「斗・・・斗貴子先輩の裸・・・」  
長いこと憧れていた女性の全裸、根来との戦闘でチラッとは見たもののモロは初めてだ。  
カズキは自分のモノを斗貴子の中に挿入する。  
「あぁあああカズキィィィィイイ!!」  
そんな光景に思わず剛太のナニは勢いよく勃った。  
「す・・・すげぇ・・・武藤の太いのが先輩の中に・・・先輩があんなに乱れるなんて・・・」  
押入れから見ていた剛太は自分の股間に手が伸ばし、そしてそのまま上下に動かし始めた。  
「カズキィ!!そろそろイキそうだ!!」  
「俺もだ斗貴子さん!!いっしょにイこう!!」  
カズキの白濁液が豪快に放出される。  
だが実は同時にイッたのは2人ではなく3人だった。  
「はぁ・・・はぁ・・・・先輩・・・・」  
そう、押入れに潜んで自慰に励んでいた剛太だ。  
自慰を終えて正常に戻ると人の行為を覗き見した挙句、自慰までしてしまった自分に嫌悪感が沸いてくる。  
そして一気に空しく、悲しくなってきた。  
「何やってんだ俺。斗貴子先輩の笑顔は武藤に託したはずだ。何て未練がましいんだ・・・。」  
剛太に未だに気がついていないカズキと斗貴子は第2ラウンド開始。  
最も気づかれていたらとっくに剛太は斗貴子の手でぶちまけられているだろうが・・・。  
この様子だと2人が眠りにつくまで、まだまだ何時間もある。  
「さて・・・どうやって気がつかれないように逃げるか・・・」  
普通に押入れから出て脱出しようものなら前述の通りぶちまけられてしまう。  
根来や千歳の武装錬金なら簡単に脱出できるだけに少しうらやましく感じてしまう。  
「ん?これは?」  
剛太がふと真上を見ると押入れの天井に天井裏へと通じる扉のようなものがあるのを発見した。  
これはカズキの前にこの部屋を使用していた先輩が作ったものだ。  
ブラボーが管理人に就任する前の先代管理人は門限などに厳しかった。  
そのためこの扉を作った先輩は点呼終了後にここから脱出して夜な夜な夜遊びに出かけていた。  
ちなみにこれの存在は先代管理人はもちろん、現管理人ブラボーや部屋の主のカズキも気がついていない。  
「ここから脱出しよう。」  
扉を開けて剛太は天井裏へと上がっていった。  
 
ギシギシ足元をきしませながら剛太は天井裏を歩く。  
「うわ!!蜘蛛の巣が顔に!!」  
あの扉の製作者の先輩がここを使用していたのはカズキが入学する少し前まで。  
あの頃は脱出ルートの部分だけは掃除をして綺麗になっていた。  
しかしすでに2年近く経過して天井裏の脱出コースは荒れ放題になっていた。  
脱出時の足場の目印にしていた蛍光テープはほこりを被って見えなくなっている。  
ほこりだらけの上に蜘蛛の巣が一面に張り巡らされて非常に薄気味が悪い。  
「2度とこんなところ通りたくないな・・・ってうわぁ!!」  
その時突然剛太の足元が抜け、そのまま下の部屋に落下してしまった。  
鈍い痛みで剛太は意識を失った。  
 
「冷たい・・・」  
頭の上の冷たい感覚で目を覚ました剛太。  
頭の上に濡れたタオルが置かれているようだ。  
おでこの部分がジンジンと痛む。  
どうやら落下したときに頭をぶつけて失神していたようだ。  
ぶつけた部分を濡れたタオルで冷やされて気持ちがいい。  
ぼやーっとした視界の向こうに見えるのは青い髪の毛のおかっぱ頭の少女だ。  
(斗貴子先輩・・・?俺また先輩に手当てされてんのかな?)  
しだいに視界がはっきりしてくるとその少女は斗貴子ではないことに気がついた。  
髪形が微妙に違うしメガネをかけている。  
たしか寄宿舎に入る日にここまで案内してくれた1年生の女の子だ。  
「あ、気が付きましたか?剛太先輩?」  
「え〜っと君は確か1年生で武藤の妹の友達の・・・」  
「若宮千里です。急に先輩が天井を破って落ちてくるからビックリしました。」  
「えっ!?天井!?」  
ビックリして千里の部屋の天井を見ると自分が突き破ってしまった大穴がドンと開いていた。  
剛太はカズキの部屋から脱出途中に天井裏から足元を突き破って落下したのを思い出した。  
その惨状たるや、かなり手間のかかる大修理なるのは一目瞭然だった。  
「ごめん。事情は俺のほうからブラボーに説明するから。」  
「それにしても何で天井裏から落ちてきたんですか?」  
剛太は答えに詰まる。  
まさか本当のことを言うわけにもいかないので不自然な答えになってしまう。  
「あっと、その・・・俺の夜食のお魚を加えたドラ猫を追っかけてたらいつの間にか天井裏に・・・」  
「アハハハ。何ですかそれ?結局猫には逃げられたんですか?」  
「え?ああ。全部食べられちゃったな。」  
あからさまに不自然な話だが、千里はそれ以上追求してこなかった。  
実は千里がそれ以上を聞かないのにはわけがあった。  
平生を装ってはいるが憧れていた剛太先輩と2人きりで緊張しているためだ。  
(とりあえず笑ってみたけど何を話したらいいのかしら?)  
 
「あの・・・えっと・・・突然ですけど好きな人いますか?」  
「へ?好きな人?」  
千里は思い切って以前から聞いてみたかったことを聞いてみた。  
千里の唐突な質問に思わず呆気に取られる。  
言うか言わぬか少し悩んだが肝心な部分はぼかして話してみることにした。  
「いるよ。え〜っと前の学校の頃のバイト先の先輩って所かな。」  
「そうなんですか・・・。」  
やはり剛太に好きな人がいたことに少し千里はがっかりする。  
「でもしばらく離れ離れになっている間に別の男と相思相愛になってた。しばらくはその男といがみ合ってたけど、  
いろいろあってこの人を笑顔でいさせてあげることが出来るのは俺じゃないって気がついたんだ。それで俺は  
その人から手を引いて、その男にその人の笑顔を託して俺は見守ることにした・・・。」  
剛太が斗貴子とのことを語り終えると、突然千里が涙をこぼし始めた。  
横に座っている女の子の突然の涙を見て、剛太は動転してしまう。  
「ご・・・ごめん!!俺何かした?」  
「だって・・・好きな人を他人に託して見守るなんてどんなに辛いだろう、切ないだろうと思うと・・・。」  
「ありがとう。でも俺が望むのはその人の幸せなんだから。これでいいんだよ。」  
「でもそれだったら剛太先輩の幸せは・・・。」  
「俺はまた別の新しい幸せをゆっくりと探すことにするさ。」  
「その剛太先輩の新しい幸せって・・・わ、私じゃ駄目ですか?」  
突然の千里の告白に剛太は呆気に取られる。  
自分に対する同情からの発言かとも思ったが、そうでないことは目を見ればすぐにわかった。  
「私・・・初めて先輩が寄宿舎にやってきた晩からずっと憧れてたんです。」  
「俺なんかのいったいどこに?」  
「ほとんど一目惚れに近いんですけど、大人っぽくてどこか悲しげなところに・・・。」  
この娘の言うことに嘘偽りなど何一つないことはわかっている。  
しかしカズキに託したとはいえ自分の心の中にはまだ斗貴子が残っている。  
斗貴子への思いを残したまま千里と付き合うのは申し訳なく感じられる。  
「ごめん。3日間俺に考える時間をくれ。それまでに気持ちの整理をつけるから。」  
「・・・・・・わかりました。」  
ダメージも案外たいしたことはないので剛太は自分の部屋に戻ることにする。  
「手当てしてくれてどうもありがとう。天井のことは俺がブラボーに話しておくから。じゃあおやすみ。」  
「おやすみなさい。剛太先輩。」  
剛太は千里の部屋の扉を閉めて去っていった。  
 
1週間後  
剛太と千里は手を繋いで仲良く寄宿舎の前を歩いている。  
どうやらどこかへ出かける様子だ。  
「今日どこへ行こうか?」  
「そうね。剛太“さん”はどこへ行きたい?」  
剛太は斗貴子と再会したあの晩以来ではないかと思うほどの笑顔をしている。  
斗貴子の笑顔を戻したのはカズキだったが、剛太の笑顔を戻したのは千里だったのだ。  
斗貴子とは失恋に終わった剛太だが、新しい恋を見つけることに成功した。  
余談だがその頃岡倉はストロベリーカップル第2号の誕生を羨んで奇声を発していた。  
 

楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] ECナビでポインと Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!


無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 解約手数料0円【あしたでんき】 海外旅行保険が無料! 海外ホテル