(こんな……ちいさい子が……)  
 そう思いながらも毒島華花の視線はあられもない姿の幼女たちから離れない。  
 マンガのなかの少女たちは、大人の男性器に口付け、しゃぶり、そして無毛の陰部にそれを迎え入れている。  
 華花は読み進めるうちに、なぜだか周囲が暑くなってくるのを感じていた。  
 熱い。あたまがぼーっとする。  
 いつしかページのなかの少女の姿が自分に、男が火渡のそれに見えてきてしまっていた。  
 
「火渡……さま……」  
 華花がブラウスの胸に片手を当てると、じっとりと湿った手のひらは薄い胸ごしに心臓の激しい鼓動を  
感じる。そして、その手が触れたまだぺったんこな乳の膨らみに、しびれるような未知の感覚が走った。  
 
 目つきの悪い、粗暴で傲慢なその男の人のことを考えながら華花はその手のひらを動かす。  
 マンガのなかでは、少女が男性の股間に顔を寄せて唇でご奉仕をしている。  
 華花の脳内では、自分が火渡にそんなことをしている光景が浮かんでいる。  
 まだ男性のソレを見たことがないので、その部分にぼかしがかかっているが唇を寄せながら  
甘い鼻声を漏らし、必死に火渡に奉仕する。上目遣いで火渡の顔をみると満足そうな表情が見て取れ、  
華花は胸の中がさらに熱くなってしまう――  
 
 そんな妄想に浸りきっている少女は、いつの間にか火渡の枕に顔をうずめながら、その匂いを嗅いでいた。  
 胸の中に膨らむその匂いは、少女をさらなる境地へと連れて行く。  
 胸をいじる手は火渡のもの。ほほに触れる枕の匂いは、火渡の髪のそれ。  
 無意識のうちに短いスカートのふとももに華花は手を伸ばす。  
 自分の手のひらなのに、それが火渡のものだ、と考えただけでその感触は全然違う。  
 滑らかなふとももをひと撫でしただけで、華花は腰をぴくりと震わせて軽い絶頂に達してしまった。  
 いままで自慰すらしたことのない華花は、それがなんなのか知らなかった。  
 腰だけ無重力になってしまったような、真っ白な感覚。  
 とてもきもちのいい、暖かい感覚。  
 そんなものに浸りながら、いつしか華花はより強い刺激を求めていってしまう。  
 
 火渡の留守に部屋の掃除をして差し上げよう、と思って入り込んだ華花だったが、当初の目的を  
すっかり忘れている。  
 敷布団にうつぶせになりながら、火渡の名を呼ぶ。  
 口の中でその名を転がすと、まるで目の前にその人がいるみたいで。  
 全身にその匂いを感じると、まるで抱きしめられているみたいで。  
 ブラウスのボタンの隙間から手を入れ、スカートの中の下着越しに陰部を刺激する。  
 その手が、指が、火渡のものだ、と考えると少女の興奮は極限にまで達する。  
 
「――さまっ、ひっ、火渡さまっ――」  
 ちいさな悲鳴をもらしながら、華花はびくん、と震えた。  
 乳首をつまんだ指が、白い下着ごしになぞった指が、華花を生まれてはじめての絶頂につれていってしまう。  
 脳が真っ白になってしまいそうな快楽のなか、薄れゆく意識の中で華花は最愛の人の名前を呼んでいた。  
 
 
 
 
 
 
 
 
そのまま失神していた華花をたまたま帰ってきた火渡が発見するのはそれから五分後のこと。  
ふわふわの髪の美少女が自分の布団に着衣を乱れさせたまま突っ伏し、  
傍らには秘蔵のエロ本が開いたまま置かれているという  
そんなマーベラスな状況で火渡がどのような行動に至ったか、というのは記録に残されていない。  
 
 

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