「またか…」
聖サンジェルマン病院のベッドの上でキャプテンブラボーは頭をかかえていた。千歳から受けた傷はほぼ完治、医者によれば後遺症も心配ないとの事だ…肉体的にには。
そう。初めての行為の最中によりによってその相手に入院が必要なほどの殴打を受けたのだ。精神的なダメージは計り知れない。
「もう何をすればいいんだ…さすがに千歳は見舞いにも来てくれないし、みんなが差し入れてくれた本もDVDも役に立たない…特に火渡が差し入れによこしたやつは見ててかわいそうになるようなのばかりだし…はあ…」
「防人さ〜ん、治療のお時間です。」
「はい…」
(どうせカウンセリングも投薬もきかないよ…)
と、半ば諦め気味の状態でキャプテンブラボーは処置室へと向かった。
ガチャ
「防人さん、こちらです。」
「はい…あれ?先生は…?」
キャプテンブラボーはメガネナースさんに連れられ処置室へとやって来たが、すぐに違和感を感じた。普段なら精神科なり泌尿器科の医者がいるのだが…
ガチャガチャガチャ
「え?看護婦さんなんで鍵をかけるんです?」
「…はい、防人さん。今日は私が治療させていただきますので。では、服を全て脱いでそこのベッドに寝てください。」
「…へ?ちょ、ちょっと看護婦さん!何脱いでるんですか!」
「防人さんの主治医と相談したんですよ。そして、もうこれしかないと言う話になったんです。さあ、脱いでください。」
「…?防人さんどうしました?治療ですから、早く脱いでください。」
「あ、は、はい。」
…
「では、始めます。」
今、キャプテンブラボーの前にはナースキャップにガーターベルトとストッキング。そしてメガネ以外は生まれたままの姿の看護婦さんが立っていた。
(こ、これは…たまらん…)
「では、失礼しますね。痛かったらすぐに言ってください。」
「ちょ、ちょっと看護婦さん!そこは…」
ブラボーが驚くのも無理はない。いきなりペニスを揉みしだかれたのだから。
「治療ですから。先生曰く、一回立てばあとは心配無いそうですから。あとは私に任せてください。」
「うう…」
…それから約一時間。手に始まり、口、胸、腿、足…一部に熱狂的フェチがいると言う臍も試した。が、ブラボーはまだ立たなかった。
「…防人さん、次は横になって向こうを向いてください。」
「すいません…ここまでしてもらったのに…」
「いえ、実は私も元プロです。次は最終手段使いますから」
「…看護婦さん、何をカミングアウトしてるんですか…ん?」
ズプッ
「アッー!!看護婦さん!そこはちょっと!」
「前立腺です。どうです?」
「…あ?た、立ってる!看護婦さん!ありがとうございます!」
「良かった…では、入ってきてくださ〜い!」
「?」
ガチャ…
「…な!?千歳?」
「アンタしっかり立ってるじゃない…」
「今回の治療は千歳さんの許可を受けてやらせていただきました。では、後はお二人でお楽しみください。もう防人さんはこれで退院ですから。」
と、いそいそとメガネナースさんは服を着て処置室から出て行った。
「さて、萎える前に行くわよホテルに。あなた入院で痩せたからヘルメスドライブで行けるわよね。」
「え…それって…」
「あたしだって悪いと思ってるし、心配してるのよ…いいから、早く行くわよ!」
「すまない…」
「何でもかんでも謝るんじゃないの!」
ヘルメスドライブ!
で、数か月後にこの日の一発が大当たりと発覚。ブラボーは責任を取りましたとさ。
終