気が付くと回りは死体だらけだった。
思い出そうとするが、頭が痛い。
何でこんなところに。
どこを向こうが屍屍屍屍屍屍屍屍屍屍屍屍屍屍
しかばねしかばねしかばねしかばねしかばねしかばね
シカバネシカバネシカバネシカバネシカバネシカバネ
頭がおかしくなりそうだ。
いや、ここに至る経緯を覚えていない時点で、もうオカシクなっている。
……なんて、可笑しい。
ふと、見慣れた槍が目に入る。
それは地面に突き立っていて、まるで墓標のようだった。
否、近づいてみると、それは人に突き立っており、まさしく墓標だった。
その、胸に槍を突き立てられた人物は……
「カズ、キ……」
私はカズキに触れる。
それは、もう冷たくなっており、手遅れと言うことは明白だった。
そしてもう一つわかった。
私の手は、血まみれになっていた……
ドクン
血の生臭いにおいが甘美に感じられる。
ドクン
そこかしこに転がる肉隗を貪りたくなる。
ドクン
その血でのどを潤し、その死肉で腹を満たしたい。
……そこで我にかえる。
今、私はナニを考えた。
なんてことを考えた。
我に返っても、その本能に抗えず、私は血まみれの手を舐め取ろうとする。
嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
「ぅああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そこで、目が覚めた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
夢、だったのか……
「は、ぁーーーーーーーーーー」
一度、大きく息を吐き、気持ちを落ち着ける。
体が濡れていて、一瞬背筋が凍ったが、
それは血糊などではなく、ただの汗だった。
なんていう、夢を見てしまったんだ。