「七夕」
梅雨も明けて、これからどんどん日差しも強くなっていく、7月。
「これからどんどん暑くなっていくんだよね。いやだなあ。
ねえ、斗貴子さんは夏と冬、どっちが好き?」
「私は別にどちらも好きでも嫌いでもないな」
「そ、そうなんだ」
カズキと斗貴子さんは街の見回りをしていた。
近所の幼稚園に差し掛かって、そこの庭に七夕の笹がかざられているのを見つけた。
「もうすぐ七夕だねえ。斗貴子さんはなにか願いごと、ある?」
「……自己鍛練に励み、ホムンクルス一掃の成就」
「そ、そうなんだ」
「…………キミの願いごとは?」
「オレはもちろん、斗貴子さんとずっと一緒にいられますように、って」
「…………」
つんつんしてた斗貴子さん、ちょっと赤面。
「ま、またそういうことを平気で言う!」
「いや、本気だよ。本当に笹と短冊用意して書こうかなあ」
「や、やめなさいいい年して!」
今日も暑い。
これから夏本番。