疼きが我慢できないのか、もじもじと太ももを擦り合わせながら
斗貴子は呟く。
「……武装錬金(バルキリースカート待機モード)」
まだうっすらと白濁が残っている太ももが、奇妙な金属の筒に覆われる。
それでも太ももの動きが止まらないから、金属同士が擦れ合い
「ギギギ…」とはだしのゲンが苦しんでるような音が響いて、斗貴子はなんだか泣きたくなった。
まぁそれはともかく、説明の姿を借りた下手な言い訳と嘘吐きを始める。
「…その。こうした方が仕上げの効果があるらしいから」
「あ、なるほど。ブラボーがそんなコト言ってたね」
ぽん、と手など打ちつつ納得する単純なカズキに安心すると
シワ一つない細膝を立て、ゆぅぅ〜っくりと足を開いて
もうすっかりと潤っている秘所をあらわにした。
「や、やり方が分からないなら… さっき私がしたように、
…舐めたり ……足でぐいぐいしたり… …舐めたりしなさい……
その… 私が多少大きな声を上げるかも知れないが…
それは ……あくまで核鉄の作用による闘争本能がうんたらだから 気にせず続けて……いい…」
これが言いたいが為にわざわざ武装錬金を発動させたのだが、結局、
新米保母(ちなみに今は保育士)さんが、園児にあたふたしながら服の脱ぎ方を教えるみたいな
調子になってしまって、斗貴子は溜息をつきたそうな表情をした。
年上の矜持を捨てる決意の末のせっかくのおねだりなのに、どうも色気がない。
とはいえ。眼前にあるやや未発達な秘所は、カズキを真っ白にするには充分だった。
六舛経由で幾ばくか、そこの写真を見たコトはあるのだが、生は強烈。そして直は素早い。
(六舛… ああいう写真はどこから… おばあさんとか外人とか宇宙人のはともかく
小学生や赤ちゃんのはマズいような……… じゃなくてっ! 落ち着けオレ…!
ここで止まったら、身を張ってる斗貴子さんに悪いから! 邪な気持ちではないから!)
考えを一気にまとめると、そーっと斗貴子の秘所へ顔を近づけた。
「斗貴子さんのここ、きらきら光ってて、すごくキレイ…」
ベタな事を生真面目に言う。
褒め言葉なのだが、斗貴子にとっては焦らされているようで
「そ、そんなコトは言わなくていい…っ!」
真剣に見ているカズキを、キっ!と軽く睨んだ。
「ゴ、ゴメン。…じゃあ、いくよ。……痛かったらちゃんと言ってね…」
銀色、肌色、黒色と、やけに色が賑やかな斗貴子の足の中にしゃがみながら
カズキは震える指先を、そーっと秘所の割れ目の部分へと伸ばす。
「んん…!」
待ち望んだ刺激に、斗貴子の眉根が軽く震える。しかし声はあげない。
(エ、エロスは程々にしないと…!)
などと耐えようとしているからだ。
だが、耐える表情と声はひどくかすれて、程々どころか逆にエロスがたっぷりだ。
それに触発されたのかどうなのか、二度、三度、四度…と
カズキのゴツゴツとした人差し指と中指が、沼地を歩いているような音で撫でていく。
「ふぁっ…! あ、…あぁ… ん、ぅ…ッ!」
お世辞にも巧いとは言えないカズキの指の動きだが、ひどく優しい。
妙に優しげで、満たされた気分になって、ひどく甘ったるい快感を感じてしまう。
「ん… くぅぅ」
だからこそ、極力声は抑えてしまう。
既に声が出てしまっても、それが核鉄のせいとカズキにうそぶいていても押し込めてしまう。
意地か羞恥かはよく分からないそれは、程なく破られた。
「ひゃッ!? ……こっ! こらァ……! 突然なんて許可しないぃぃ…ッ!」
不意に舌を這わしてきたカズキに、風船で殴りかかるように力なく怒る。
「…いいって言ったのに」
許可は貰っていたのに怒られて、またもやカズキは落ち込んだ。
「ちち違う! その…! そこは汚いから… 心の準備が……!」
斗貴子はしどろもどろになった。もはやどっちが年上か分からない。
「キレイだから大丈夫。…それとも、やっぱり、嫌?」
「い、嫌とかそういう問題ではない…! その……」
”もっと舐めて欲しい”のが本音だが、恥かしくて言えるわけがない。
「…ええい! 火付きが悪いぞキミは!
私が合図を送るまで、絶対に絶対に絶ッ〜〜〜〜対に止まるな!! 無駄口も叩くな!!
も、もし止まったらバルキリースカートで刺すぞ! 削るぞ!! ブチ撒けるぞっ!!!」
と、殺伐としたおねだりをするのが精一杯だ。
「…りょ、了解!」
どこかのワニなら「夫婦になったら間違いなくカカァ天下だな」と笑う所だ。
カズキは、ただ戦々恐々に懸命に舌を這わす。主人公なのにバター犬のような扱いだ。
薄く色づいた清楚な粘膜をただ舐める。頭上でか細く震える斗貴子に気付かず舐める。
ちょっとドキドキしながら、割れ目の中へにゅるり…と舌を入れて、舐める。
「ひゃぁぁ…!!」
より弱い所を出入りする不気味な心地良さに、斗貴子は軽く首を振った。
だが、カズキはやめない。合図が出ていない。
(けど合図って…ナニ? わからないけど、やめたら…)
確実にヒドい目に合わされるから、とりあえず舌を埋めたまま動かす。
舌を体液の粘度はますます濃く、生暖かい。
「んぅ…っ うう、あ、ふぁ…!」
お互い不慣れゆえに、感覚も大きさもまちまちにくる刺激に、つい斗貴子は太ももを擦り合わせようとしてしまう。
いきおい、バルキリースカートの支柱部分がカズキの頭を、ギリギリギリ!と締め上げる。
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いってば斗貴子さんっ!)
それでも声を上げたらヒドい目に遭いそうだから(充分遭ってるが)無言で耐えて、なお舐める。
結果、太ももの動きが激しくなったせいでカズキの鼻が、ぎゅむ!と珠に押し付けられ
ガードレールをへこませる脚力が、斗貴子自身に返ってきたからたまらない。
「あ、ああ… そ、そこはぁぁ…!!」
細い体がもっと細く見えるほど力がすぅ…っと抜けて、カズキの頭を苛んでいる足がベッドに沈んだ。
…ちょっと間抜けで無理がある気がするが、とにかくそうなったのだッ!
鼻腔いっぱいに広がった、昆布のような匂いにぼーっとしたカズキだが
汗で前髪をべったりとつけて、小さい胸を上下させながら
はぁはぁと細い息をついている斗貴子を認めると、焦った。
屹立と体の奥で、何かが大きく疼き始めている。
ハっとして屹立を手で抑えてみると、痺れるような気持ちよさに遅れて
半透明の液が、驚くほどついた。
ゴク…
浅い眠りが醒めた様に気付く「未知の強さ」に誘われるまま
先走りの液でべたべたしている指先で、控えめで心細げな珠を挟む。
飛び込んでく嵐の中、何も迷わずにと言った心もちだ。
「や、やめっ…」
脱力しきった一番無防備な時に、一番無防備な部分をぬめぬめと指で擦られて
ためらう瞬間、闇に飲まれるように弱い心をおびき出されてしまう。
「…ゴメン。止まれない」
先走りで湿った人差し指で、ぬぬ…っと珠を押し込める。
「ひぁぁ……!」
奇妙な叫び声を上げながら、しなやかな両手で、カズキの頭を剥がそうとする。
だが、力が抜けているせいで剥がせない。表情が、犬に吠えられた幼稚園児のように心細げに潤んだ。
「は、早く終わらせたほうが楽だから…!」
「その、もう少し…はぁ…っ んん、弱く……! あ、ぁぁ!」
斗貴子は、左目だけギュっとつぶって、先ほどまでの我慢も忘れてうわ言のように叫ぶ。
カズキは、そんな叫んでいる嵐の中、動きを止めたら自分を無くしそうだから舌を這わす。
「いやぁ……! ……ち、違…! 嫌じゃ、やぁ… 嫌じゃ、ない…けどっ やあぁぁ…」
びくっ!と背中が弓ぞりに曲がって、引き締まったわき腹が一瞬だけ宙に浮く。
顔はというと、叫びすぎたせいで一筋の涎が垂れているのにも気付かずに
目をギュっと閉じて、虫歯に耐えるような表情だ。そんな斗貴子に、カズキは震えた声で尋ねる。
何度も記憶から呼びかけるような強烈さを以って。
「…指、入れていい?」
「ダ、ダメ! 破れる…!」
自分の純潔を指で破られる事へ抵抗を覚えている自分に少し斗貴子は戸惑った。
そういう概念は捨てたと思っていたのに。
もっとも、処女膜は指で破れるほど容易くはないしカズキも、力加減くらいは出来る。
といっても、カズキは鈍いから斗貴子が「初めては気付いてはいないのだが。
「爪、立てないようにするから…」
聞き分けのない子供に言い聞かせるような調子で言われて
斗貴子は、困りきった顔で更に困惑──する暇もなく。
「はぁ、ああぁ…! ひぅっ」
ぐじゃぐじゃと中をかき回されて、切なげに悲鳴をあげる。
指が出たり入ったりなぞったり離れたりするたびに
びしょびしょと流れる体液が、内臓のような存在感で流れていく。
もっとも、不思議と痛みがなく、ただ心地良くて気持ちいい。
大きすぎて受けきれないコトさえ除けば。
「ここ、こらぁぁ! 同時に、ふぁ! しっ、しないでぇ…!」
いつの間にか珠から皮を剥いて、熱心に、じと…じと…と舐め
割れ目を指でかき回し始めたカズキに、戦慄を覚えて懇願する。
「…多分もう少し」
「も、もう少しって何だ…!? その、いい加減に…ふわぁあっ!?」
途中で、珠に歯を立てられて、怖気のように快楽が走る。
「強っ…強いから… お願い、やめてぇぇぇ!!」
斗貴子は泣き出しそうな真っ赤な顔と声で、必死に頼むがカズキは聞かない。
もうすっかり血が集まった珠を舐めながら、指を不器用に、そして激しく割れ目を擦る。
のほほんとしているカズキにしては珍しく、興奮の赴くままに、珠をガリっ!と噛むと
「ふ、ふぁぁあああ…!!」
仰け反らせたノドが、がくがくと激しく震えるのを感じながら
斗貴子の意識は白くかき消えていった。
さて、しばらくして。
(達した為に意識を失った斗貴子に、人工呼吸を施したカズキだが
目覚めた斗貴子に手刀(ちなみに、山梨県西部の方言では”カラミティエンド”と言うらしい)を
首筋に食らわされ気絶して、斗貴子が逡巡した末、人工呼吸をそっと施すというような出来事が
1レス分くらいあったりなかったりしたが、それ書くと不二vs比古のあとの才槌vs翁みたいに
バランスもリズムも取れないだろうから、巻いていこう巻いていこう)
人工呼吸など、それまでした行為に比べれば一番の小物なのだが、ひどく気まずい。
彼らは唇を、大仰にいうなら「純潔の証」とみなしている所がある。
たとえ人工呼吸といえども、承諾も無しに唇を重ねたのは
意識がないお互いを汚してしまったようで、罪悪感と後悔があるのだ。
そのくせ何故か、拳一つの隙間で並んで寝ているのが、更に気まずさを濃くしている。
何か言わないと間が持たないのに、何も言えない。二人して損な性格である。
カズキはまだ痛む首筋をさすりながら、一生懸命に謝る言葉を探していた。
だが、見つかるのはぷにぷにした唇の感触ばかりで、どうにもらちが開かない。
そうこうしている間に、ここが年上のアタックチャンスと、斗貴子が文字通りに口火を切った。
「その…」
かすれ気味の甘〜い声だが、気まずいカズキには、十三階段に誘う無慈悲な看守の声に聞こえた。
怒られるのを覚悟して、斗貴子を見やると、熱くとろけて定まらない、溶けた鉄のような瞳が目に入る。
カズキ、初めて(斗貴子さん、可愛い…)とか思い、慌てて目を逸らした。
どうにも気まずい。ぽりぽりと頬などかきながら、とりあえず横顔全体で「ゴメン」と謝る。
そんなカズキの顔は、いつも以上に可愛らしく斗貴子に映り
「…仕上げ、して……いい」
手刀のコトを謝ろうとしていた口から、別の、しかし一番言いたい事を言わせてしまう。
「ホントにいい…?」
熱が篭りはじめて真っ直ぐな、初春の日差しのような目線を向けられては
斗貴子は無言で、こくり…とうなづく他ない。
「じゃ、じゃ行くよ…」
ぴと…と屹立を押し当てるカズキの顔は、彼の描く自画像のようだ。
緊張感や「スゴ味」がありすぎて、斗貴子は思わず笑いたくった。
だがカズキは笑えない。緊張してるせいで、屹立が力余って反れてしまったのだ。
それから三度。ぬめついた粘膜を擦られ短い声をあげた後、斗貴子は
「その。ひょっとして初めて……か?」
ひょいと首を上げて聞いた。べそかく迷子に家を尋ねるような複雑な表情で。
「……うん」
故に、迷子が家の住所を知らないように、挿入の仕方がわからなくて、カズキはうつむいた。
その反応に、斗貴子は色々な意味で安心した。そして、屹立をそっと持つと
「多分、こうすればいいはずだ…」
何ともいえない生温かさに頬を赤らめつつ、屹立に角度をつけ、秘所へと導いた。
「さすが年上…」
「…ばか」
年上であるせいでリードを取らなくてはならず
声一つ立てるにも神経を削り続けて、ようやく屹立を導いたのはいいものの
成功しても失敗してもどうなるかという不安を今も必死に押し込めているといるのに
感心されてはどうも難儀な気分でやるせない。
そんな難儀な気分のお姉さんへとカズキは、ゆっくりと挿入を開始した。
ふとカズキの頭に、Hでキレイなお姉さんの”さよなら66。キミの笑顔は忘れない増刊号”の
『兵は拙速を尊ぶッ! 初めての時は一気にバーっと入れちゃいましょう!
我入れる故に我在りです! 扉の向こうへREADY STEADY GO! 本文:しんよ〜鈴木』
とかいう一文が浮かんだりもしたが、彼は怖いのでゆっくりと入れる。
ゆっくりと言えば、”第三期EDに引くのはダメか?増刊号”には
『前言撤回ッ! 相手が初めての時は、ゆっくりと時間をかけて痛みが薄らぐのを待つべきです!
待たなくて、二人が無邪気に笑ってたあの頃に戻れなくなるのは…辛いぜ? 本文:ヘタレメガネ』
とかいう一文もあったりするが、それとは全く関係なく、斗貴子は
「ん…」
押し広げられる圧迫感にかすかに呻いた。
「ふぁ…」
先端だけが埋まると、甘い声が漏れた。カズキの口から。
敏感な先端が、しどけた粘膜にぬるりにゅるりと包まれる刺激は彼には強すぎるのだ。
だが、彼はくっ…!と息を吸って震えを治めると、
「……ゆ、ゆっくりでもいい?」
少しバツが悪そうに聞いた。
「別にいい」
「…ゴメンね。早く終わらせた方が楽なんだろうけど…」
謝りながら、38度6分ある上気の顔でカズキは進む。
緊張と不安、ひたむきさと、一筋の汗。彼ならではの表情だ。
斗貴子はそんなコトをベッドに頭を埋めながら思い、フと笑みを浮かべた。
本当は顔より、挿入されつつある箇所を見たくもあったりするのだが
焼け石を埋め込んだような、重くて熱くて痛々しい違和感を
下腹にもたらしている箇所だから、怖くて見れなかったりする。
「えと、どうすれば…」
ぬ…と突き当たった屹立を、どうすれば良いか素直に聞く。斗貴子が経験済みと信じて。
「そ、そのまま…突き進んでいけばいい。
確か、その、血は出るけど……カ、カサブタを剥がす程度で済む…っ!」
教えざるをえない。一層増した色々な違和感に息をつきつつも。それが年上の心意気ってものだ。
「斗貴子さん、ケガ…してたの?」
血とか、カサブタと聞いて、単純にケガを連想したのかカズキは心配そうだ。
「…違う。その。………その」
斗貴子は口ごもったが、ウソをつけば心配される。心配されるのは辛い。だからつかない。
「………は……初めて……だから…」
「え…? えええ!?」
カズキはギャグっぽい例の顔になった。
文字通り「手取り足取り」でリードしていた斗貴子が未経験という事実は、衝撃が大きいのだ。
斗貴子はと言うと、喋れば、衝撃に揺らめく彼に引きずられてしまいそうだから、”だんまり”だ。
とりあえず、(…いいぞ せいぜい恐怖しろ ………私も怖い!)とだけ思った。真っ赤な顔で。
「オ、オレなんかでいいの!?」
いちいち生真面目な彼に苦笑しながら、落ち着いたようなので斗貴子は答える。
「…だから! これは訓練の仕上げなんだからそういうのは別にいい!」
「けどっ…! 斗貴子さんだって女のコなんだから、初めては大事にしないと…」
「私ならいい。せいぜい、カサブタが剥がれる程度で済む。…それだけだ。
それだけでキミが”拾える命を全て拾う”ようになれば安いモノだ。それに…」
カズキが相手ならば構わない。のだが、それは言わない。
言えば、今の微妙な彼との関係が変わりそうだから嫌なのだ。
振られるのはいい。だが、もし受け入れられたら…と考えると、怖い。
受け入れてくれる彼を、再び、自身の黒く滾り続けている形質で傷つけるのが怖い。
だから、いずれ彼を日常に返して、自分は再び戦場へ。そういう別れを望んでいる。
だがそれでも、カズキが相手ならば構わない。…たった一度だけならば。
「…破れても、核鉄で修復できるから、キミが気にするコトはない」
思惑とは裏腹な、ひどく乾いたコトを斗貴子は言い終えた。
だが何故かその顔は、かつて山奥で「日常に帰りなさい」といった表情に似ていて
カズキは寂しい気分になったが、しかし、それを押し込めた。
「ゴメンね… オレのせいでこんな…苦労をかけてしまって。けど、これで最後だから…」
『最後』と言う言葉に、斗貴子の胸が少しつまった。
「強くなったら、まず一番に斗貴子さんを守るから。だから、だから…」
少し乾き始めた秘所へと、屹立を力強く当てる。
斗貴子の目が潤んだのは、その刺激のせいだけでは、多分ない。
「行くよ… 本当に、本当に。ゴメンね…」
(キミだって初めてだろうに…)と思う斗貴子に、ゆっくりと突き入った。
カサブタと皮膚の間に爪を入れて、一気に剥がしたような感覚が走る。
一瞬、斗貴子の目がこれ以上ないほど見開いた。
「ぐ…!」
ノド奥が詰まったような声をあげ、思わず歯を食いしばる。
剥がれた部分の痛みはともかく、こなれていない秘所へかかる圧迫感が辛いのだ。
関節に石でも詰められたような異物感が、じんじんと腹を熱していく。
カズキの屹立は岡倉の5倍はあるから、小柄な斗貴子の体にはキツい。
幾筋もの赤い線を流しながら、びくりびくりと屹立を受け入れる秘所は広がりきって
見るだけでも痛々しい。だが。
「そ、そうだ、そのまま…奥へ」
歯を食いしばるのを必死にガマンして、斗貴子は懸命にカズキを見る。
「う、うん…」
カズキはカズキで、まったくこなれていない秘所の締め付けが痛い。
進もうとはするが、腰が鉄塊を引きずるように重くて
カズキはふぅ、ふぅ、と息をつきながら進む。
細膝を支点にしているので、進むたびに斗貴子の足はギシギシと揺れた。
そうして、いつの間にか足が浮き、赤ちゃんがおしめを変えられるようなポーズに
斗貴子がなってしまった時、ようやくカズキは最奥へとついた。
「んぐっ!」
ひどく熱をもった肉感に、腹の奥を突かれて斗貴子はまた声をあげた。
と同時に、交じり合った半透明の赤い液が、べちゃり…とカズキの陰毛に染みた。
「大丈夫? ちょっと辛そうだよ」
「大丈夫だ。痛いのには慣れている… むしろ、痛い方が楽だ」
ウソではない。戦士ゆえに、辛い状況には慣れやすいのだ。
それでも、下腹部にくる熱さと圧迫感が気になって
ちらりと見たお腹には、想像したような痕跡がなくて不思議な気分になった。
なんとなく、嬉しい。
「そろそろ動いて……」
「…うん。けど、力は抜いて。痛かったら……言ってね」
カズキがぎこちなく動き始めると、こわばった内壁がずるずると擦られて
「ん…!」
圧迫感がムズ痒さへと変わる妙な感覚に、せつなげに眉根を寄せた。
更に緩やかに(内心抜けないかとハラハラしつつ)カズキは腰を前後する。
「ん、んぅ!」
最初に比べて、若干素早く、舐めらかに奥が疲れる。
圧迫感にはやや慣れた。裂けたトコの痛みはもう忘れた。
しかし、それらの向こうから徐々に徐々にと何かが来ている。
「斗貴子さんの中、あったかいね…」
カズキも同じなのか、どこか声が震えている。
「へ…変なコト言わないで…」
覗き込まれて、ぷいと顔を反らした。
もちろん羞恥のせいなのだが、カズキからは
痛いから怒っているように見えて、余計なコトを思いつく。
「ここここらぁ! か、関係ないトコに手を置くなぁ!!」
胸に手を置かれると同時に、受身のスイッチが入ってしまった。
「だ、だって斗貴子さん、痛い時や辛い時は言ってくれないから…
せめてこれなら。気功だから、楽になれると…思うよ」
ワカってない親切ほど始末の悪いモノはない。
そう。オレはあの時ラーメン食べたかったのに、弁当差し出されたから……
…ではなく、カズキは、ゆっくりと手を回し始めた。腰も止めずに。
「い、いい! 痛い方が楽だからぁ…!」
ふよふよと胸をさすられて、甘ったるい刺激が
導火線の火花よりも激しく早く斗貴子に走る。
「痛くない方が楽だから、無理…しないでいいよ…」
「キっ、キミこそ無理をやめ……ひぐっ!」
核鉄よりも希少な膨らみを、文字通りの一手に収めながらも
なお腰を突き入れてくるカズキに辟易だ。
ピザの生地をこねるような、丁寧に力強く揉まれる感触がたまらない。
「い、いや…! 痛くないから… そのっ! …気持ちいいから、やめて……!」
「本当?」
手だけを止めたカズキに斗貴子は一筋の光明を見出した。
「…ほっ、本当だ! だから胸は触らなくていい…!」
「き、気持ちいいなら、…いいでしょ…? 優しくするから…」
要するに、気功にかこつけて触りたいらしい。それも悪くはないのだが
「しなくていい… 優しくしないでいいから… やめて…」
秘所と胸を同時に責められたらどうなるか分からず、
斗貴子はおびえた表情で頼むが、こういう時にカズキが言う事を聞いた試しはない。
ぐず…! ぐず…!
更に動きを早めた。若干こなれたせいか、抵抗も少ない。
「ふぁ、ふぁぁあ…!」
ゆったりと胸を揉む腕をはねのけようとするも、かなわず、斗貴子は喘ぐ。
秘所からの水音が、恥かしくも心地良い。
蜜が更に白く、濃くなっていく。濃くなれば濃くなるほど
ぬるぬるとした内壁が一層強く優しく屹立を締め上げて
「斗貴子さんっ 気持ちいいよ…!」
と、ムズ痒くもある刺激をかき消そうと、カズキは必死に動いていく。
「はう…! い、いい加減、胸、触らないでぇ…!」
ささやかな胸を、右手でややキツく潰されて一際高い声が上がったが
カズキは構う事無く、片膝から細い脚をがくんがくんと揺らしながら打ちつける。
時おり、「ッ…!」と閉じた眼を震わせながら、なおも突く。
「む、胸、触っていいから、も、もっとゆっくり…」
仕方なく折り合いをつけて、カズキが喜ぶのならと腰を動かしたくなったのだが
彼が早すぎて合わせれない。ちょっと生殺しな気分。
頼む斗貴子は、こういう時のクセなのか、片目だけをギュッとつぶっている。
はぁはぁとつく息は、全力疾走した子猫のように甘ったるい。
「ひゃ…」
「ゴメン。このまま…」
座ったままでは大分キツくなったらしい。そんなカズキの体重に少し、おののく。
砂漠における水ッ! きちんと仕上がってるH×Hッ! 荒木作品における真人間ッ!
以上のような貴重で希少な斗貴子の胸に、カズキはうずまりつつ突き入れる。
「あ、あ、あぁ…」
「斗貴子さん、気持ちいい?」
「き! 気持ちいいが、もっと、はぁっ ゆっくり…」
上目づかいのカズキに、熱っぽい息を吐きかけられ、アルコールを嗅いだようにぼぅっとする。
霞む視界の先のカズキがガクガクと揺れて見える。突かれる速度が上がっている。
「だからゆっくり…ひぁ!」
そして更に乳首が、空になったチューペットを未練がましく吸う幼稚園児の調子で、強引に吸われた。
「すっ 吸うなぁ… なにもでなっ……ひぐぅ…っ! ……っ〜〜〜ッ!」
「はんだか、ひふらへみたい…(なんだか、きくらげみたい)」
軽く噛みつつのん気で勝手なコトをいうカズキをよそに
斗貴子は伸ばしきった首の先で、一人震えた。
「そろそろ終わりに…」
カズキは身を起こすと、自身の太ももの上に斗貴子のそれを乗せた。
「! こ、こらぁ…! いつの間にこんな格好にしたんだキミは………っ!」
この時初めて、斗貴子は自分がおしめを替えられるような格好だと気付いて
羞恥のあまり、赤面から逆に青く血を引いた。
「…でも、可愛いよこの格好。お人形さんみたい」
「う、うるさい! そんな人形どこで売ってるんだ! と言うか人に変な格好させて勝手に喜ぶなぁ…!」
瞳孔を開く斗貴子だが、怒声は嬌声へ変わる。あと、悲しみは優しさに、自分らしさは力に(だったか?)
「ああ、あぁ…!」
蠢く屹立が膨張したような錯覚を覚えて、斗貴子は軽く首を振った。
だがしかし、思った。このまま受けでいていいのかと。いや良くない。何故なら斗貴子は年上だから!
(”攻め”に回れぬ以上!! 今の私の全力でなんとかするしかない!!!
この身に年上の誇りやら何やらを込めて!!! ゆくぞっ!!!) カッと目に光を灯す。
下腹部に力を込めて締め上げる。
この時、六舛孝二「カズキ、そいつに触れたらおしまいだなんとかかわせー」と自室で呟いたが別の話。
「う、うわぁ…!?」
締め上げたまま、腰が動く。うなぎを掴むようなにゅるにゅる感がカズキに走る。
「…どうだ…っ! 良い…あふっ ん、んんぅ… 気分だろう…! まるで花をつむような…!」
回避は不能とか斗貴子は得意げになったが、もっとも、あまり意味はない。
というか一番影響を被るのは斗貴子自身だ。強く締めた屹立の質感に、花弁がひくついている。
「く…!」
カズキ、思わぬ反抗にめずらしくムキになったのか
黒靴下に覆われているふくらはぎを強引に斗貴子の頭の方へと曲げて
鞭を打ちつけるような乾いた音を以て、一際強く早く激しく打ちつける。
「や、嫌、こんな格好……あん…!」
思わず出た甘い声に口を抑えて、だらしなく白い蜜をこぼしながらも、なお腰を動かす姿は健気だ。
はっ、はっ、はっ、とお互いの口から息が漏れる。
「ひ、ひぁぁあ! あ、あ、あ…!」
乳首を軽くつねられて、斗貴子は半開きの口から小さな舌を覗かせた。
それだけの刺激のせいか、内膜が押しつぶすように締め付ける。
「と、斗貴子さん、もう…!」
限界が近いのか、切羽詰った声を上げながらカズキが倒れこんでくる。
小さな胸を押しつぶす、温かくて逞しい胸がせつない。
手を大きな首根っこへと、組み伏せられた足をカズキの腰へと、どうにか回す。
「これじゃ中に…! そ、外に出すから、離して…!」
だがしかし、恐らく最初で最後だから斗貴子はカズキを最後まで受け入れたいのだ。
「かっ かまうなぁっ! 私の勝手…! はぁ…! あああぁぁっ!」
秘所よりぴゅるぴゅると透明の液を吹きながら、斗貴子が
「で、出ちゃう…!」
情けない声をあげながらカズキが倒れこみ、ほぼ同時に達した。
どくんどくんと自身の中に迸る感触を、斗貴子は目を閉じてしばし味わった。
ふぅ、ふぅ…とお互いに余韻にひたる。消耗はあるが、満たされた気分だ。
しかし。
斗貴子は細い首を震わせながら、カズキは足にかかった体液に手をやりながら
ほぼ同時に気付いた。
(お漏らしした…!)と。
勿論ただの「潮吹き」なのだが、周知の通り、性知識を「Hでキレイなお姉さん」から得ている
プリティでキュアキュアで、二人がそれを知らなかったのは何故か。説明しよう!
遥か銀成の彼方にある「Hでキレイなお姉さん」の編集部にはジンクスがある。
「潮吹き」の記事は、扱うたびに不幸が注ぐ、と。そう、漫画の題材における「鬼」の様に。
父の会社が倒産する お気に入りの漫画が最下位を彷徨う、鉛筆で人を刺しただけなのに殴られる
アンケ出し続けたのに掲載順が上がらない、「怪奇千万! 十五朗」の掲載順が上がらない
娘が目の前で三日月頭に喰われる、妻が巨漢二人に強姦され流産
実際、上記の不幸がライターの身に注いだ為、今では取り上げないようにしているのだ。
故に、性知識を「Hでキレイなお姉さん」からしか得ていないカズキと斗貴子氏には
秘所から吹かれた液が「お漏らし」としか思えず、ひどく気まずかったりする。
ああ、知らないという罪と知りすぎる罠。戦え、デカレンジャー。捜査せよ、特捜戦隊デカレンジャー。
以上の様な事を、六舛孝二はピッコロさんの声真似で呟きながら
銀の脳をオレンジの染料液体に浸して、金の脳を作ったがそれは別の話。
場面は戻る。
「キ、キミがあんな無茶をするから…!」
半泣きとも取れる声音で、斗貴子は怒った。
花も恥らう(脳漿をブチ撒けられた花もいるが)18歳が
好意を寄せている男性の目の前で失禁してしまったのだ。
目線を必死に背けている真っ赤な顔に浮かぶのは、汗か涙か。
「ゴ、ゴメン! けどオレだって似たような事をしたから気に…」
「するに決まってるだろ…! キミはバカだ! バカだバカだ! …バカだぁ!」
射精を引き合いにカズキが慰めようとするが、いくらなんでも的外れ過ぎて
斗貴子は少しヒステリックに叫んだ。
「誰だって失敗はするんだ! 恥かしいことじゃあないから!」
「うるさいうるさい! この傷を無駄にしないで笑って歩ければいいとでも言うのかァァァ!!」
カズキは(なんでNARUTOなんだろう)とか思ったが、とにかくなだめるコトにした。
「拭くから! 誰にも言わないから…」
真剣な顔で訴えられて、斗貴子はぐっ…と言葉がつまる。
基本的に彼に甘いから、いざ詰め寄られると怒れない。
「ふ、拭くなら自分についてるのを先にしなさい…! 私は自分で拭くから」
上体を起こしてさっさと拭いた。拭きながら、うっすらと赤みの混じったシミが目に入る。
「取りあえず」
横に座っているカズキに語りかけるワケでもなく、ぽつりと呟く。
「任務完了…か」
貞操自体に興味はないが、カズキとのこういうコトがもうないかと思うと少し、名残惜しい。
秘所から、とろり…と白濁が流れて、いっそこれだけでも乾かなければと思う。
「ね、斗貴子さん」
「なんだ…?」
不意に横からの声。
「…も、もう一度しちゃダメ? その、気持ちよかったから…」
「キミねぇ…」
出そうになる笑みを抑えながら、わざとらしく溜息をつく。
そして、あくまで毅然と(と思ってるのは彼女だけだが)
「…い、いいか! もう一回だけだぞ! もう一回だけ…」
言いながら、斗貴子はカズキを押し倒した。
この後、実に16回ほどカズキは絞られて、凄まじい山吹色の朝日を見た。
さて、その頃パピヨンはと言うと。苦しんだ後、ちょっぴりいい思いをしていた。
と、言う訳で→ 続く。