非常におぼろげだが、まひろには「最後まで」をどうすればいいか見当がついている。  
沙織がそういう話を時々していたのだ。  
それとパピヨンの囁いた「挿入」と、彼が触っていた場所を頼りに、まひろはコクリと頷いた。  
 
両膝を立てパピヨンにまたがった。  
あます所なく晒されている濃い恥毛は、しっとりと水気を帯び  
すらりとした細身と不釣合いな胸は、重力に引かれ綺麗な釣鐘を描いている。  
そしてそれは緊張の息と共に、ふるふると震える。  
(痛そう)  
生唾を飲み込みながら、股の下でそそり立つそれを握ってみる。ひどく太い。  
滲んだ先走りから生々しい匂いが雲散し、鼻に沁みる。  
(恐いけど……)  
嫌でもないし、どうしてもすべきコトだと思う。拒絶だけはしたくない。  
そーっとそーっと、右手に握った屹立目がけて腰を落とす。  
入り口に粘り気を帯びた感触がぬちゃっと当たり、軽く逸れた。  
「あ…っ」  
生々しい快感に、顔から火が出そうになる。  
「ひ、開いた方がいいかな?」  
ドキドキと疼く心臓に大きく息を吐きながら、左手を足の付け根に回し、秘裂を指で押し広げる。  
お尻が心持ち後ろに突き出す形になる。  
その格好を想像すると、体が緩やかに火照ってきた。横目に移る自分の肩はぽぅっと桜色。  
それが照れくさくて、目線をパピヨンの薄い胸板に落とす。  
「ん… あぁっ」  
再び腰を落とすと、熱く湿った入り口に赤黒の尖端が埋没した。  
それは太くカサが張っていて、ひどい窮屈さを覚える。  
「や…キツい… でも──…」  
こわごわと腰を落としていく。  
膝が曲がり、まだ幼女の細さを残すふくらはぎと太ももの隙間が徐々に狭まる。  
それにつれて怒張が裂け目にぬぷぬぷと埋まっていく。伝う愛液は濃さを増し、すっかり白い。  
強引に広げられる感触にまひろは目を伏せ、切なそうに声を上げる。  
「はぁ、はぁ、うぅん… な、なんか当たってる」  
やや長めの怒張が3分の1ほど入った頃か。まひろは胎内に妙な固さを感じた。  
 
ぴったりと内壁同士が閉じたそこは、純潔の証だ。  
沙織曰く、「痛いけど、ココを破らなきゃ終わりじゃない」らしい。  
その時はキャーキャー騒ぎながら聞いていたコトだが、いざ直面すると恐くなってきた。  
怒張はまだ少ししか入っていないが、それでもすごくキツいのだ。  
(ほほほ本当に入るの? さーちゃんウソついてない? 私とちーちんをからかってない?)  
慌てた顔でキョロキョロしてみたが、それで埒が開くワケでもない。  
唾を飲み込むと覚悟を決めて、腰を落とした。  
「痛い!」  
泣きそうな顔で眉毛をひくつかせる。奥の方に固いカサが当たりズキズキする。  
「痛いけど」  
ちゃんと名前を覚えててくれて、行為の最中でもどこか優しかった『変態さん』を拒みたくはない。  
ちゃんと受け入れて、住む場所や友達を作るのを傍で手伝いたい。  
その考えが正しいかどうか、まひろには分からない。よく、ズレていると言われるからだ。  
けれど傍にさえいれば、寒空の下へ二度と一人で行かせずに済むかも知れない。可能性があるなら諦めたくない。  
現に、行為をしているうちはココにいてくれた。目も少しだけ暖めてくれた。  
「だから、最後まで」  
真っ赤な頬に幾筋もの汗を垂らしながら、緊張の息をふぅーっと大きく吐く。  
そして一気に体重をかけ、細い腰を静めた。  
刹那。  
大きな杭を刺されたように、鈍い圧迫感が全身を貫いた。  
「あ、あああ」  
首が前のめりに大きく揺れた。ガクンとアゴが鳴り終わると、目が開き、景色が大きく霞んでいた。  
「入った………」  
足を力なくシーツに預けながら、うわ言のように呟くと、顔が幼く引きつった。  
「うぅっ、すごく痛い」  
ジンジンと激しい痛みが走り、汗がびっしょりと白い肌を覆っている。  
でもどうにか、できた。そう思うと少しだけ達成感を覚えた。  
「あ、しまった」  
軽く涙を滲ませながら、あっけらかんと呟いた。  
「ここからどうすればいいんだろ」  
沙織の話が佳境に入ると、決まって千里が赤面しながら怒って中断させたので分からない。  
手持ち無沙汰になんとなく、お腹のあたりをさすってみる。  
 
できるコトはそれぐらいで、しばらくボーっとしていると、涙が突然はらはら溢れ、慌てて拭いた。  
その意味する所はまひろ自身にも分からない。  
 
パピヨンが目覚めたのは、それから1分後のコトだった。  
彼は最初、自分に何が起こったのか理解できなかったらしい。  
寝ぼけ眼で変調を確かめるまでしばらくかかり、気付いた彼は狼狽した。  
 
「ちょっ、何をしたオマエは」  
「頑張ったよ!」  
馬乗りになりながら、まひろは涙目でVサインを繰り出した。  
感じているだろう痛みを想像すると、パピヨンは妙な気分だ。  
「答えになっとらん! というかオマエのしたコトは歴とした犯罪だぞ!」  
「えぇっ!? そんな。好きな人と最後までしただけなのに…」。  
媚薬を飲まれた時に比べればひどくさっぱりした怒鳴り声に、まひろは「困ったな」という顔をした。  
「どうしよう」  
「どうしようもあるかァッ」  
パックリと飲まれた自分のそこに幾筋もの赤い血を見つけ、パピヨンまで泣きたくなってきた。  
自分のした苦労や葛藤や譲歩が全部無駄になった上、ムードの欠片もないのが泣ける。  
現状を端的にいうなら、男が女に陵辱されたのだ。  
けれど相手は善しと信じて、ごく生真面目にそこにいる。いったコトを守り通して、代償に血を流して。  
ため息をついた。つくと、気分は少しだけ落ち着いた。  
(…武藤の妹らしい)  
ちょっとだけ笑うパピヨンの屹立を、まだこなれていない肉壁が生暖かく締め付ける。  
固く初々しい感触が、媚薬で火照った体に心地よい。だが気まずい。  
(始末は後で付けるが、しかし、武藤に何を言われるか……)  
幸運なコトに、行為を誘ったのも最後までしたのもまひろなのだ。怒りはしないだろう。  
むしろ「まさか蝶野がまひろと引っ付くなんて。でも…ウン。意外に似合ってるぞ」と笑顔で祝福してきそうだ。  
(ええい、兄ならせめて嫉妬ぐらいはしろ!  
ああでもコイツと引っ付いたら武藤が俺の義兄になるのか。なるんだなァ)  
年下のお義兄(にい)さん。その魅惑的な響きにパピヨンの頬は緩む。  
 
「いや問題はそこじゃないだろ!」  
「何が!? あたたっ」  
一人ノリツッコミの妙な振動が響いて、まひろはちょっと顔をしかめた。  
「その、なるべく動かないで。実はちょっと痛いの……」  
「いや見れば分かるし。抜けばいいだろ」  
「ううん。このままでいたいの。でもできたら痛くない方が嬉しい」  
パピヨンの腹にちょこんと乗せた手を支えにしつつ、まひろは答える。  
時おり苦悶を浮かべながらも、笑ったり生真面目だったりする顔はなんとも健気で色っぽい。  
思わず腰を突き入れた。  
「きゃっ! う、動かないで言ったのに」  
困り顔でピクっと顔を震わすのがまた初々しい。  
「知らないよ。キミが悪いんだからね。  
俺だって武藤との約束を守りたかったんだ。でもキミのせいで破る羽目になった。まぁ武藤は……」  
「怒ったりはしないよきっと。ウン。私の決めたコトだから」  
ウン、の言い方は想像のカズキとそっくりだ。パピヨンは不気味に笑った。  
「だからこそお仕置きさ。嫌と言えばすぐやめてやるが、それまで痛がれ」  
くつくつと笑いながら白い脇腹をがっしり掴み、律動を激しく繰り返す。  
まひろ相手にそういうコトをするのがひどく楽しい。  
後先も肉欲も約束も矜持も、その全てがどうでも良くなるほど楽しい。  
「もう一度言う。いつまでも受けに回っている俺だと思うな」  
まひろはパピヨンがカッコよく見えて、ポーっとした。でも、痛いものは痛い。  
「やん、痛いっ 痛いのはやめてー や、約束破らせちゃったのは…謝るからぁ」  
真っ赤な顔で一生懸命頼むが無視だ。  
下から思うさま突くと、大きな胸が激しく揺れて興奮を誘う。  
いっそ身を起こして鮮やかな突起を舐めしゃぶりたいが、それは後の楽しみだ。  
「はっ…はっ… ヤダ擦れっ…太いから…痛っ あ、ああ!!」  
切れそうな吐息と合わせるように、粘着質で規則正しい淫らな水音が結合部から響く。  
溢れる愛液と流れた破瓜の血がちょうどいい潤滑の役目を果たし、抽送を助けている。  
さりとて、まだ受け入れたばかりのそこはひどく固く、そして狭い。  
太々とした屹立が出入りするたび、切羽詰った甘い声が上がる。  
やがてまひろは薄い胸板に倒れこみ、訴えかける眼差しから涙をぽろぽろこぼした。  
「うぅ、もっとゆっくり……」  
 
僅かしか飲んでいない媚薬の効能は薄く、かなり痛いらしい。  
むしろパピヨンの方が、ヤバイ。  
寝ていたせいで少しは薄まったが、処女特有の強い締め付けに達しそうになるコトしばしばで  
奥歯を強くかみ締め、どうにかこうにか耐えている。  
そんな時に見たのが、子犬のように怯えた瞳の上目づかい。カズキそっくり。破壊力たるや抜群だ。  
放出の予感が走り、慌ててまひろと上下を入れ替えると屹立を抜いた。  
「あっ」  
にゅるっと出ていく感触を惜しむ声は、ちょっと色っぽい。  
「やだ…」  
「何が? 何がどうイヤなのかな?」  
まひろのいわんとしたコトを察したのか、パピヨンは意地悪く笑った。  
「せっかく、そのっ せっかく入れたのに…」  
「だから一体何をだい? はっきり言わないと分からないよ」  
「えと、えぇと」  
ねちっこい尋問に恥ずかしくなったのか、顔を両手で覆い隠し、  
「抜いちゃ…………ヤダ」  
まひろはすごく小さく呟いた。  
聞き逃すパピヨンではない。見られてないのをいいコトに、舌など出しつつ歓喜に喘いだ。  
「痛いのにか?」  
「痛いけど、もう一度……その、い、入れて」  
まひろは手をずらし、恥ずかしそうな目だけをチラリと出し、耐えられないとばかりにすぐ隠した。  
(よくもまぁこんな媚びた仕草をッッ 可愛いなどとは思わんぞ。思って…)  
思惑とは裏腹に、青白い顔がかぁっと朱に染まり、どうしようもなく湯気が立った。  
(い、いや、別に思ったところで構わんような気も…  
武藤の妹を不細工呼ばわりするのは、武藤を見下すコトになるし。うん)  
とりあえず名称をいわせるのは勘弁してやった。淫語を口走る『武藤』は見たくないというのもある。  
「キミがそういうなら、俺はだいぶ疲れているが入れてあげよう」  
蝶楽しそうな声を上げるやいなや、パピヨンはまひろをひっくり返し、四つん這いにさせた。  
「え…?」  
何をされるかわかっていないらしい。  
振り向く戸惑い顔は、ふくよかに引き締まったヒップのラインともどもいい眺めだ。  
半透明のピンクに濡れる怒張も怒髪のように天を衝き、かなりの衝動が沸き起こる。  
 
白い尻たぶに埋もれるすぼみに、蜜を塗りたくって怒張を思うさま抜き差ししたい。  
けれどそれをやってしまうと、カズキにしてる錯覚を覚えそうでシャレにならない。  
まひろもきっと「んあっ み゛ゃぁ゛ああ! らめっ!」とおかしな喘ぎをあげそうなので、断蝶の思いでやめた。  
「行くぞ」  
「え!? 外に…」  
なんか勘違いしている声を黙殺し、後ろから一気に刺し貫く。  
表情を見たくて始めた行為だが、媚薬抜けきらぬ体では見ない方が安全だ。  
「ふわぁぁっ あ、入れ… んんっ」  
騎乗位とは微妙に違う圧迫感に、顔が前へと仰け反った。  
細い腰をふしくれだった手に掴まれ、まひろの目は切なげに潤んだ。  
そんな彼女の中へと、パピヨンは緩やかに突き入れる。  
まだ未成熟な粘膜をかき分ける度、豊かな双乳が誘惑的に揺れる。  
そして背中にかかった髪から肩甲骨のくぼみがわずかに覗く。  
パピヨンはその小ささを想像すると、眼下であらわもなく押し広げられている花弁よりもエロスを感じた。  
速度を上げる。  
肌同士がぶつかり合う乾いた音が響き、熱い最奥が突かれていく。  
「や、やだっ また早くっ… 痛っ ぁ、ぁ、ふあ… ダメぇー」  
切羽詰った声が上げると、まひろの上体は力なくシーツに伏した。  
髪もパピヨンの手をかすめてパサリと滑り落ち、純白のシーツに栗色の乱流を描いている。  
「ダメ、ゆっくりっ あっ ぁ…」  
いきおい、お尻を高く突き上げる体勢である。  
その体勢のまま、今度は力を込めてゆっくりじっくりと突き上げる。  
露わになった背中には汗がうっすら浮かび、そして幼く軋む。  
「あっ! あぁぁ! はっ はっ… んんぅっ」  
結合部からぬちゃぬちゃと粘音を響かせながら、細い腰は前後に揺れる。  
なだらかに跳ね上がった背中がしなりにしなり、その柔らかさにパピヨンは舌を巻き、軽く呻いた。  
愛液に濡れきった膣壁がヌルヌルと絡み付いてきてひどく気持ちいい。  
まひろは目をつぶったまま、息も途切れ途切れに耐えている。  
パピヨンはふと、痛みを訴えなくなったのに気付く。自分の方も、媚薬の効果が小さくなっている。  
「なら…」  
 
繋がったまままひろの腰を抱えて、膝立ちの後背位へと移行した。後座位にもやや近い。  
「あ、ああっ」  
奥を叩くずっしりとした重量感に、まひろの体はひどく強張った。  
一層キツくなった締めつけを、乱雑に突き上げる。  
「ふぁ、あっ、あっ、ああ」  
声からは苦痛が薄まり、子犬が鼻を鳴らしているように切なく可愛いらしい。  
甘美な感覚がビリビリ走るが、奥歯をかみ締めパピヨンは耐える。  
腰の動きに合わせて乳房が重そうに揺れているのが、肩の上からわずかに見えた。  
ちょっと余裕が無いので苦し紛れに気まぐれに、それへ両手を伸ばし持ち上げた。  
「わ、わーっ!!」  
不意に脇の下から回ってきた手の行動に、まひろは目を見開いてビックリした。  
「いや、さんざ触られて何を今さら驚く」  
「両手でいっぺんに触られたのは…その、初めてだか…きゃっ!!」  
「ならこういうのも初めてだろう」  
後ろから両方同時に鷲づかみにすると、それぞれ別々の方向へこねくり回す。  
柔らかな膨らみはサラサラしていて、触るだけでも充分な満足感がある。  
まひろはそれを知ってか知らずか、頬を赤らめうっとりと胸の動きを感じている。  
しかしパピヨンは欲張りだ。胸を触りながらも腰をひっきりなしに突き上げる。  
「んっ… んっ… んんっ あ、ちょっとだけ痛くない… 変態さんのおかげ?」  
胸を愛撫されたせいで痛みが消えたと思っているらしい。  
「ありがとー 変態さんの胸もあったかくて落ち着くよ」  
疲れながらものほほんと振り向いた顔に、パピヨンは複雑な表情を浮かべた。  
「いや、オマエが勝手に慣れただけだ! そもそも胸を触られるコトを嫌がれ!」  
何をしようと結局はこういうやり取りをしてしまうらしい。  
睦言というには拙すぎる、幼稚園児が砂場で交わすような他愛もない会話だ。  
(しかし…)  
まひろが正面を向いたのを念入りに確かめると、ちょっとだけ照れを浮かべた。  
(どうも俺はそっちの方が好きらしい)  
目的を達成できた時とはまた違う、柔らかな充実感がある。  
多分それは行為などせずとも、普通に会話しているだけで得られたのだろう。  
高みなど目指さずとも無償で得られる小さな小さな幸福がそこにあり、パピヨンは寂しそうに笑った。  
 
(だが──…)  
次の瞬間にはいつもの冷然とした表情で、「そろそろ終わりにするぞ」と言い放った。  
 
ややあって。まひろは再び仰向けになってパピヨンを見ていた。  
軽く立てられた細足に割り入った彼は、無言で赤黒いそこを秘裂に押し当てた。  
「ちょっとだけ、いい?」  
「なんだ。嫌になったのなら」  
「違うよ。そうじゃなくて、あのね…」  
毒々しい蝶の仮面と、足の付け根にあるそれとを赤い顔で見比べると、遠慮がちにこういった。  
「まひろって呼んで」  
「…どうしてだ」  
「呼んで欲しいの。ダメ…かな?」  
気恥ずかしそうで寂しそうな、それでいてどこか大人びた顔だ。  
その名前は、名を呼んでくれた男の妹の名は、複雑だ。  
一番好きな人間に一番似ているが、しかし、一番好きになってはいけない人間だからだ。  
ないがしろにしたくはないが、呼びたくはない。呼べば後戻りできない予感がある。  
沈黙を受けて、まひろの目はほんのりと潤んだ。  
カズキとの落差を少し感じつつ、それでもカズキが大好きだから納得して喜んでいるらしい。  
そんな目の奥の感情を認めると、パピヨンは口を開きかけ、閉じた。  
(やっぱり今はダメなのかな。でも一緒にいればいつか必ず)  
まひろは意欲に燃えつつ、少ししょんぼりした。その瞬間。  
「オマエは、オマエだ」  
「え?」  
突然響いた不機嫌そうな声に、まひろは思わず聞き返した。  
「二度は言わんぞ。聞こえていたなら勝手に解釈しろ」  
言わんとするコトは、呼び方を「オマエ」のままで変えるつもりが無いのか  
「武藤まひろ」は「武藤まひろ」で、その兄と同様同格の変えがたい存在だと認めているのか、どちらかは分からない。  
しかしまひろは後者だと思うようにした。そっちの方が嬉しいからだ。  
「うん」  
本当に無邪気な微笑を満面に浮かべて、しっかりと頷いた。  
 
そしてこれが、二人の交わした最後の会話になった。  
 
尖端に力がこもったのを悟ると、まひろは白い足をゆっくり開いた。  
一息置いて、不慣れなそこへ太い屹立が滑り込んだ。  
「うっ…!」  
今までと違う圧迫感に苦悶を浮かべ、儚げな腕を頭の横で折り曲げた。  
「はぁ、はぁ、あ、ああ…」  
ゆっくりとした抜き差しにかすれた声をあげる。目は虚ろだ。  
ゆさゆさと乳房が揺れる。  
赤黒い肉の棒が裂け目から出入りする度、鮮やかなヒダがまくれあがる。  
ぷじゅっ、ぷじゅっと空気と愛液と粘膜同士を攪拌する音が響き、まひろはつながっているコトを実感した。  
まだこなれていなくてキツくはあるが、少しだけ気持ちよくてドキドキする。  
「も、もっと早くても…んぁっ…いい、よ」  
頬にそっと伸ばされた手をパピヨンは避け、うっすらと脂肪のついたわき腹に手を置くと、腰の動きを早めた。  
「あああっ そ、そう、それ位なら大丈… んぁぅ! 大丈夫だから……」  
嬌声を聞きながら、パピヨンはある変調に気付いた。  
まひろが、ぎこちなくだが腰を動かしている。本能かどうかはともかく、それがどうにも彼女らしい。  
衝動的に身をかがめ、張り詰めた桃色の突起を口に含んだ。  
「ひゃっ!? あ、ぁぁ、んふぅ… 気持ちいい…」  
首をもたげたまひろの思惑と気配を察してか、手をわき腹から乳房へ伸ばし、もにゅもにゅと揉みしだく。  
収まりきらない弾力が手の中で熱を帯び、パピヨンは夢中で手を動かした。  
そして全身をまひろに重ねながら、なお激しく突き入れる。  
乳首をひっきりなしにしゃぶりまわし、痣がつかんばかりの力を込めて膨らみをこね続ける。  
「ふぁ、ぁぁっ! ダメ、3ついっぺんはダメ! ああ、はぁぁ!」  
律動で壊れそうに首を振りながら、まひろはパピヨンの頭をしっかりと抱えた。  
しとしとと擦れ合う陰毛の感覚が痛くもあり、こそばゆい。  
パピヨンは手をふりほどき、顔をゆっくりまひろの前に持ってきた。  
熱い息が重なり合い、脳髄の奥まで甘美に灼いていく。  
近づきつつあるパピヨンの唇を認めると、まひろは再び優しく重ねた。  
すると、ねっとりとした感触が歯列を割り入り、リンゴの匂いのする粘膜を舐め始めた。  
「ん……」  
 
少し驚いたがパピヨンの舌だと分かると、小さな自分のそれを絡めようとした。  
しかし舌はそれを避け、唇の端や前歯の裏を勝手に這いずり回る。  
ひどく熱ぼったい錆びた柔らかさに、まひろは心地よさそうに目を閉じた。  
 
(口って気持ちいいんだ…)  
そこに広がる血味の唾液に気付き、ズンズンと揺れながらちょっと考える。  
(病気が移るぞ! って怒られるかな……? でも)  
大事なモノのような気がして、唾液をコクコクと飲み始めた。  
気配に気付き、阻止しようとしたのか。  
「んむっ ふぅ…」  
舌が絡んだ。人体とは思えないその艶かしさがとても気持ちいい。  
鼻にかかった甘い声がしばし続き、そして唇が離れた。  
唇から引く糸はうっすら赤く、リンゴの色に見えた。  
「ふぁ……?」  
突然の解放にまひろは子犬のような疑問符を浮かべた。  
しかしそれは、細い両足がM字に折り畳まれると緊張に置き換わった。  
 
パピヨンは、ハリのある太ももを掴んだ。  
そして一拍置いて、今までで最も激しく前後運動を始めた。  
「あ、あっ、あああ!!」  
奥を激しく突きたてる運動にビクビクと体が跳ねる。  
まひろは懸命に腰を合わせようとするが、しかし、  
息を荒げながらひたすら乱暴に突き立てられ、かき消される他なかった。  
「あ、あん、はぁ、はぁ、はぁ… んんーっ!」  
ぐずったような顔でひたすら喘ぎ、まひろは必死に息をつく。  
(もうそろそろいいか)  
ぐじゃぐじゃと屹立が出入りする裂け目の、更に上にある突起を指でつまんだ。  
「ひぁ!? そこは、ふぁ、ぁあ、触らないでっ」  
真っ赤な顔で涙をうっすら溜めながらの懇願だが、しかし聞くつもりはない。  
幼い肢体を少しだけ横に傾けると片足を上げ、より深く密着するように屹立を差し入れた。  
「な、なんか当たって、ああん、やだ、なんかズンズン…」  
叫ぶまひろからは力が抜け切り、律動の任せるままガクガクと揺れる。  
 
パピヨンは深く息を吐くと、更に動きを早めた。  
「あっ、あっ、あっ、ああっ んんーっ ちょ、ちょっとヘン! いったん休…」  
充血しきった突起を再び強く押さえた。  
「ふぁぁあああっ!! やだ、そこはやめ、ひぃん! あ、ああああ!!!」  
逃れようと必死に身をよじり、電流が通り過ぎると  
まひろは艶かしくまなじりを下げ、どこか放心したように一筋のヨダレを垂らす。  
「は、は、はぁ。なんかホワホワする…」  
絶頂の余韻に浸る。しかしその間は少なかった。  
か細くしまったわき腹がフっと浮いた。ついで、パピヨンが再び前後運動を開始した。  
「え、ええ! ちょっと待って!」  
(待たないさ)  
ブリッジするように浮いた体へ、叩きつけるように腰を入れる。  
達したばかりで敏感な膣は、うねうねと生暖かく屹立を締め付ける。  
発作の前兆のように凄まじく息をつきながら、なお動きは止めない。  
突起を思うがままつねくり回すと、まひろは尾を踏まれた子犬の様に瞳孔を開いた。  
「あ、あああっ、ああ!!」  
そして細かく痙攣すると、力なく崩れ落ちた。パピヨンはそれを見届けると、大きく息を吐いた。  
「ようやく… うっ」  
そしてきゅぅぅっと収縮する内壁に血相を変えると、素早く引き抜いた。  
一拍遅れて飛び出した白濁は、びちゃびちゃと音を立て、腹から胸にかけて飛び散った。  
寝顔にもほんのちょっとだけかかり、桜色との対比が鮮やかなそれらを、パピヨンは無言で拭いた。  
(終わったな)  
拭きながら思う。どうにかこうにか、黙らせるコトができた。  
残すは部屋を出るのみ。まひろのセリフが過ぎるが、しかし。  
「構わないだろ。一応、『最後』まで付き合ったから。  
キミの兄に聞いてごらん。俺がそういう男だとアイツが一番知っているからね」  
こんこんと眠るまひろに語りかける。行為の余韻で感覚は薄く、夢見心地というのはこういうモノだと思う。  
「だが、始末は一応つけてあげるさ」  
パピヨンはそう呟いた。夢より現実に対処する方が、性分にあっている。  
 
そして、しばらく後。  
 
まひろは普段着のまま布団に包まれ、すやすやと寝息を立てている。  
パピヨンは椅子に腰掛け、寝顔をしばらく見ている。  
なんだかんだと後始末をつけ、服を着た後、まひろも着替えさせて皿もコップも片付けたのだ。  
(汚れたショーツやシーツは共用の洗濯機にわざわざ入れてきた。今敷いてあるシーツは隣の空き部屋のだ)  
「もういいだろう」という顔をすると、パピヨンは薄い掛け布団をめくり、スカートの中へ手を突っ込んだ。  
猥雑な動きをするワケではない。  
すぐに出てきたその手には、核鉄が握られている。  
それに備わる治癒力で裂けた場所が治るかどうか不明だが、当てておいた。  
(ま、治らなくても自業自得さ。ともかくコレで貸し借りは無しだ)  
ほんのりと漂う甘い匂いをティッシュで拭う。  
まるで偽善者みたいな自分に気づいて苦笑を浮かべ、核鉄を元の鞘に戻す。  
まだ体温が残っていたらしい。  
しまった場所からほんわりと体が温まる錯覚を覚え、過ごしたひとときを思い出す。  
まひろは幸せそうな寝顔で、むにゃむにゃ呟いた。  
きっとユメの中では『変態さん』が隣で一緒に寝てて、朝になっても一緒だと信じているのだろう。  
静かな手つきで布団を掛けると、鮮やかな唇が目に入り、思わず顔を近づけた。  
すぴーすぴーと立つ寝息が、接近中の鼻先をくすぐる。  
フっと仮面の下で微妙な表情が浮かび、次に。  
「うぅ」  
ひょいと鼻がつままれ、寝顔が苦しそうに呻いた。  
彼女はそれをスキンシップと称したが、実際はどうなのか。  
彼は手を離すと立ち上がり、扉に向かって歩き出した。  
思えば、ほんの七歩進めば出られる部屋を出るべく、煩雑な思いをした。  
ツカツカと歩を進める。  
後ろからは何の声もかからない。  
扉の前についた。口とともに開けた。  
「ま、それなりに楽しかったよ。けど──…」  
いつもの尊大な声と一緒に、ガラスの軋む音が薄暗い廊下の奥まで響いた。  
「二度と会いたくないな」  
ぴしゃり…と後ろ手で扉を閉め、彼は闇に向かって歩き出した。  
その頬に、本当に満足そうな笑みを浮かべながら。  
 
目覚めた時、傍には誰もいなかった。  
いや、割り当てられた寄宿舎の部屋ならそれが当たり前なのだが、まひろは血相を変えた。  
部屋を一通り探して、扉を開け廊下を見回した。  
誰もいない。  
「ユメだったのかな……」  
部屋も、激しい動きを受けた自分のそこも、なんら変化がない。  
頬に手を当て考える。彼の容姿は奇抜すぎた。ユメの存在でも不思議じゃないとつい思ってしまう。  
「あ! でも!」  
大声を上げると、机の前に走り、CDプレーヤーを開けた。  
赤いCDがそこに入っている。彼女が彼と聞いた『覚醒』のCDだ。  
「やっぱり、ユメじゃなかった。変態さんはちゃんと居たんだ」  
そう思うと、ホっとしたような寂しいようなよく分からない感情が流れてきた。  
好きだったテレビ番組が終わってしまった時の感情に近い。  
けれどそれとはとても違って、まひろは少しだけ泣きたくなった。  
「また会えるかな……」  
ベッドに腰掛けながら本当に残念そうに俯くと、蛍光灯の白色に影が揺らめき  
その光は今晩だけでもずっと点けていようと思った。  
彼がひょっこり戻ってきた時、そこが暗い部屋なら寂しそうだから。  
 
パピヨンは既に外にいる。その手にあるモノをぶら下げて。  
5月といえど、外はまだ寒い。  
「ん…? ここはもしや」  
ひゅうひゅうと頬を撫でる風を持て余しながら、見覚えのある景色に声を漏らした。  
十数メートル先に見えたのは、水飲み場だ。  
そしてそこには夜の遠目でも恰幅のいい男が一人、佇んでいる。  
何やら妙な音もするが、その正体はパピヨンにはどうでもいい。  
「どうやら足が勝手に向いたらしい」  
思えば、ココで武藤カズキに初めて会った。その妹にも。だからだろう。  
「しかし…いったい何をしている?」  
そこにいられる不快感と親近感を同時に覚えながら、その男に向かって歩を進めた。  
 
”片手に” ”ピストル”  
 
”心に” ”花束”  
 
”唇に” ”火の酒”  
 
”背中に” ”人生を”  
 
聞き覚えのあるメロディーが突如闇夜に響き、パピヨンは打ちひしがれるように足を止めた。  
メロディーは響き続ける。恰幅のいい男の横から。  
 
ありがとう ジェニー  
 
オマエはいい女だった  
 
半端なワインより 酔わせてくれたよ  
 
だけどジェニー あばよジェニー  
 
俺は行かなくちゃいけないんだよ  
 
寝顔にキスでもしてあげたいけど  
 
そしたら一日 旅立ちが延びるだろう  
 
男は誰でも 不幸なサムライ  
 
花園で眠れぬコトも あるんだよ  
 
 
”片手に” ”ピストル”  
 
”心に” ”花束”  
 
”唇に” ”火の酒”  
 
”背中に” ”人生を”  
 
ありがとう ジェニー  
 
オマエはいい女だった  
 
オマエと暮らすのが 幸せだろうな  
 
だけどジェニー あばよジェニー  
 
それが男にはできないのだよ  
 
部屋から出たなら 冷たい木枯らし  
 
オマエの体の温もりが消えてゆく  
 
男はいつでも 悲しいサムライ  
 
幸せに照れてるコトも あるんだよ  
 
 
”片手に” ”ピストル”  
 
”心に” ”花束”  
 
”唇に” ”火の酒”  
 
”背中に” ”人生を”  
 
 
”片手に” ”ピストル”  
 
”心に” ”花束”  
 
”唇に” ”火の酒”  
 
”背中に” ”人生を”  
 
 
『ハーイ、今晩最後の曲は銀成市にお住まいのPN・ハチミツボーイ君からのリクエスト!  
沢田研二の”サムライ” この曲を聴きながらのお別れとなりますー では来週までごきげんよう。バイバイー!』  
能天気なパーソナリティーの声が途切れると同時に、大浜は「よし!」と喜んだ。  
「やった! 100通連続採用!」  
「それはそれはおめでとう」  
「ありが…って誰!?」  
喜びも束の間だ。  
振り返れば、そこには街で噂の(銭湯で実際見た)蝶々覆面の怪人が居て、声を失くした。  
ラジオは、放送時間の終わりを告げると雑音を流しはじめた。  
その耳にザラつく不快な音に、大浜の恐怖は更に高まる。図体に見合わず小心者なのだ。  
深夜にどうして、100通連続だから召喚されたの!?とガタガタ震える。  
「いい曲だったね。キミがリクエストしたんだろ?」  
暗がりのせいか仮面のせいか、表情は良く見えないそれが、恐ろしい。  
「はいっ、はいっ、ぞ、ぞう゛でず! せめて海でスクール水着を見るまではどうにか!」  
直立不動でしどろもどろに(しかし後半は毅然たる意思を込めて)答える大浜に、パピヨンはおや?という顔をした。  
「キミは確か、銭湯で武藤と一緒にいた… そう固くならなくていいよ。今は危害を加えないから」  
「あああありがとうございます! と、ところで、その片手に持ってるのは何ッ!? ピストル!?」  
「コレはまぁ、野暮用、かな」  
ちらと目線を這わす直方体には、「ジャイアントロボDVDBOX」と描かれている。  
実はまひろの部屋を出たあと管理人室に忍び込み、盗んできた。  
本当はカズキのビデオを盗もうとしたが、やめた。大事なモノは正面から奪ってこそだ。  
しかしカズキの初体験を汚した罰プラス嫌がらせとして、ブラボーが一番大事にしてそうなコレを盗んできた。  
「欲しかったらあげるよ。どうせかさばるし」  
 
無造作な様子で押し付けられ、それが何か知った大浜に喜色が浮かぶ。盗品とも知らず。  
「え、本当にいいんですか?」  
「…気まぐれさ。どうも今晩の俺は」  
チラっと寄宿舎を見る。脳裏を過ぎるは本当に長かった夜の光景たち。  
出会った人間は誰一人欠けても、まひろとああはならなかっただろう。  
運命的な何かがあった。そして終わった。  
「止そう。強いていうならピッタリだったからさ」  
「はぁ…」  
大浜は不承不承頷いた。  
何がどうピッタリなのかは分からないが、しかし長話をしたい相手でもない。  
けど、100通連続のお祝いとしてはいいかなーと思う。  
DVDBOX貰ったし。ジャイアントロボ好きだし。まぁ盗品だが。  
「じゃあね」  
 
パピ! ヨン!  
 
パピヨンは黒い羽を纏うと、空の彼方へと消えた。武装錬金を発動したのだ。  
 
ひゅううっと風が吹いた。何事もなかったかのごとく。  
「夢だきっと夢なんだ。アハハハ。これも朝になったら消えてるはず」  
戦慄の出来事を、大浜は務めて忘れようとした。心臓はまだバクバクしている。  
「それにしても」  
ラジカセとDVDBOXを両手に抱えて、大浜は寄宿舎を見た。  
そこは真っ暗で、逆に耳鳴りがしてしまうほど音がない。  
「静かな夜だなぁ………」  
何も知らない大浜は、ただいつも通り呟いた。  
 
思えば長い夜だった。10ヶ月くらいに感じられるほど長い夜だった。  
 
夜空に溶け込むように、パピヨンは銀成の街を見下ろしていた。冷えた夜気が心地よい。  
夜のとばりはすっかり下り、どの建物にも明かりがない。  
「一人でも高く遠く飛べるように、か」  
背中のニアデスハピネスをうっとりと眺める。  
足元で黒色火薬が絶えず燃焼し、それが飛行を可能にしている。  
「俺らしい」  
銀成学園高校の方へ目を移すとそこはやはり真っ暗で、クスクス笑った。  
武装錬金は闘争本能を形にしたモノだ。  
いわば、戦いへの意思を凝縮した自分自身でもある。  
乾ききっているが、一度火がつけば弾けるように燃え盛り、高みを目指す為そこにいる。  
そして自分というものは、同時に、人生を現していると言えなくもない。  
歩んだ日々の一つ一つが、人格に多かれ少なかれ影響を及ぼすのだ。  
背中に人生を。  
再びニアデスハピネスを眺めたパピヨンは、やはり「俺らしい」と呟いた。  
点々と散らばる黒は過去の日々同様、決して色を変えないのだろう。  
「おや?」  
最後に寄宿舎の方へ目を移したパピヨンは、目を細めた。  
遠く真っ暗な中で一部屋だけ、明かりが点いている。  
「アイツらしい」  
なんとなく正体を判じたパピヨンは、ニっと笑った。  
そして思う。日常と非日常で考えるのならば  
まひろに看病され、最後まで受け入れられたのは、自分にとり間違いなく非日常だと。  
今まで一度もなかったのだ。そしてこの先も。  
そんな日常が黒色火薬を発現させ、それを以って理想を叶えるべく  
ただ一人認めた男すら殺そうとしている男は、たった一度の出来事で覆られないのだ。  
朝になれば校舎はキレイさっぱり燃やすつもりだ。  
どこかで、まひろの顔を見たくないと思っているが、変えるつもりはない。  
緩やかに火薬を噴かすと、その時まで静かに眠るべく、彼は森に向かって飛び始めた。  
 
と、言う訳で→                                   終わり。  
 

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