え〜と…、、、△Ozz^2が正三角形になるには、z^2=e^i(π/3)・zが成立すればいいんだから……、
ここを、こうやって、、、計算して、、、、、、、よし!解けた!!
………………
「何故、何故、答えと違うのだァァァァァアアアアア!!!!!」
「こンの野郎!!!………臓物を、、、ブチ撒けろォォォオオオ!!!!」
ビリッ!!ビリビリビリビリッ!バンッ!!!!
「ハァ……。ハァ……・。ハァ……。フ、フフフフフ、己の無力さを思い知ったか、
『細野真宏の複素数平面が本当によくわかる本』よ。フハハハハハ……。」
「はぁ…………。」
数学が、、、できない……。
「深刻だ……。」
参考書の残骸を拾い集め、ホチキスで留め直しながら、また、ため息をつく…。
鬱ぎ込んだ私の心に、カズキの顔が浮かんだ。
「カズキ……。君は、何故、理系教科だけはできるんだ……。」
過去に3回ほどブチ撒けられ、もはや本としての原型をあまり留めていない、それをみつめてると、
なんだか、自分がとても惨めに思えてきた。
戦士として生き、この方、約8年。
中学までは訓練の傍ら、通っていた。
しかし、皆が高校に進学するころ、私は戦士として生きる道を行った。
それこそが私の生きるべき道だと思ったし、もちろん、今だって、そう思ってる。
「しかし、こんなことになろうとは………。」
ことの起こりは、数日前。寄宿舎の食堂にて…、
「ねぇ、斗貴子さん!こないだの模試、どうだった!?」
私に話しかけてきたのは、カズキだった。
………、模試、模試か。そういえば、今日、返されたっけな。
高校の勉強を殆どおざなりにしてきた私だが、英語と国語は、好きな教科であることも手伝って、
まあまあの成績を保っていた。
『河○塾高校二年全統模試 ツムラ トキコ さんの成績』と表されたA4版の紙を、今日のHRで受け取っていた。
英、国、数の三教科のみの試験だったが、成績を表すグラフは、それぞれ、英文法・長文読解、現代文・小説、数学基礎・応用、といったように分類分けがなされ、六角形の枠を作っていた。
その六角形のなかに、私の成績があるわけだが……、これでもかってほど、綺麗な三角形を形成していた。
数学……、24点は流石に、辛いな………。などと思いながら、ファイルにしまい、持って帰ってきていた。
「……ねぇ、、斗貴子さん?」
「え…、あ、うん?」
「模試だよ、模試!どうだったの?」
こんな、成績、とてもじゃないが、見せられない……。
「う、うるさい!!どうでもいいだろ!君には関係ないことだ!!」
声を荒げ、そして、自分の顔が赤くなってることに気づくと、カズキから目を背けた。
「あ〜、斗貴子さん、もしかして、できなかったの?意外だなぁー。」
カズキの笑いが、私をあざ笑うかのように聞こえて、居たたまれなくなった私は、よそよそしいそぶりを見せながらも内面、かなり動揺して、カズキに五月蠅いと言い捨て、部屋へと走り戻ってきた。
「カズキに、笑われてしまう…、こんな成績…。」
鞄から成績表を取り出し、目を落とす。
科目 得点 偏差値 校内順位
数学 24/200 42.4 253/300
………。どう考えても、壊滅的だ。
しかし、どうにかして、カズキを見返してやりたい。
悔しくて、悔しくて、堪らない。
プリントを机にしまい、立ち上がると、財布を持ち、私は書店へと走った。