「斗貴子さん、なんでもしてくれるって……言ってくれたよね?」
カズキが真剣な面持ちで話しかけてきた。
悲しみに満ちた、何かを訴えかけるようなその瞳に見つめられると、
私の思考は容易に破裂しそうになる。
気が付けば私はカズキの胸の中に飛び込んでいた。
「そうだ……君が死ねと言えば笑って死に、体が欲しいと言うならば
たとえ公衆の面前でだって君に抱かれよう。それが……私の償いだ」
もう、自分が何を言っているのかもわからなくなっていた。
ただ感情をありのままにぶつける。生身の人間に対して。
それは多分、私の人生が狂ったあの日以来初めてのことだったろう。
「じゃあさ、斗貴子さん、あややのチケット取ってきてくれない?」
「ああ、わかっ……って、あやや?」
「うん、それからのどが乾いたからコーラ買ってきてよ。ダイエットコーラはだめだよ。
それと最近俺の部屋掃除してないからさ。俺が帰るまでに綺麗にしといて」
「いや、その……」
「ああ良かった。最近まひろが全然言うこと聞いてくれないからまいってたんだ。
じゃあ俺は桜花先輩のお見舞いに行ってくるから頼んだよ斗貴子さん……斗貴子さん?」
「臓物を……ぶちまけろぉぉぉおおぉおっっ!!!!!」