34号を読んでこんな光景がうかんだ。  
 
「…種類が少ないな」  
「斗貴子さん、このへんで水着を売っているのはここだけみたい」  
「六枡先輩が穴場と言ってたけど」  
「確かに、浜辺の広さに比べて人も店も少ないね」  
 
などと海豚海岸海水浴場近くの店で水着を調達中。  
 
サイズと予算の制約から数着の候補を選んで順に試着。特技の早着替えが役に立つ。  
最後の候補を着た自分を試着室の鏡に写す。黒のセパレート。  
(カズキは気に入ってくれるかな…)  
などと考えている自分に気づき、顔を赤く染めてみたり。  
 
(…最初のワンピースが無難か?)  
と思案していると、試着室のカーテンが少し開き、まひろが顔だけを突っ込んできた。  
「おn…斗貴子さん、良く似合ってるよ!お兄ちゃん、そういうの、大好きだし!」  
「イヤ、カズキの趣味に合わせたわけでは…」  
「うんうん、さすが良くわかってるね!じゃあ、私、先にお金を払ってくるね」  
「オイ!ちょっと!」  
水着についていた値札を外し、レジに走っていくまひろ。  
「まったく…まあ、カズキが喜ぶなら…いいか」と口に出してしまい、また顔を赤くしてみたり。  
 

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