毎晩のようにカズキと体を重ねている。
この年頃の男子はこんなものだろうと思う。核鉄の回復力もあるだろう。
それに応じている自分は戦士としてどうか?─
と思わなくもないが、まあ、待機中の身だ。許されるだろう。
が、しかし。
寄宿舎内で表立った男女交際はできないが、親しい連中には隠せていない。
「カズキ、今日もかよ!」
「カズキ君、がんばって」
「カズキ、平均的男子高校生の(以下、薀蓄)」
「お義姉ちゃん、お兄ちゃんをよろしくね!」
こんな風に冷やかされることがしばしばだ。
そして、そんな夜のカズキは特に激しい。
『力が沸いてきている』
そんな風に言う。まるで本当に他人(ヒト)から力を分けてもらっているかの様。
今日も、何度、果てたかわからない。
そして、さすがに精魂つきた様子で眠っているカズキを見ながら思う。
私の中に放たれた内の幾分かは他人の力を吸った結果なのかもしれない─
カズキがシェイプシフトしたわけじゃないが、そんな不安を感じる。
こんな不安な日々がいつまで続くのだろう?
明日から海水浴らしい。不安を忘れて楽しめるといいのだが─