薄暗い部屋。  
月明かりを頼りに目を凝らせば豪華な家具や調度品が見えてくる。  
その中で一際目を引く天蓋付きのベッドの中で裸の男女が絡み合っていた。  
「んんっ、ああ、そ、そんなに激しくしては、んんっ、お、おかしくなってしまいますわ!!」  
男に組み敷かれ艶かしい歓喜の声を上げているのはこの部屋の主、アディリシア・レン・メイザースである。  
美しい金髪を純白のシーツの上に乱れさせながらその両腕と両足を男に絡めている。  
いやその相手は男、というよりもまだ少年といったほうがいいであろう。  
右半分を眼帯で覆われたそのあどけない顔からは相手を悦ばせようという必死さが見て取れる。  
眉間にしわを寄せながらもベッドのスプリングの反動を利用した力強い腰使いでアディリシアの急所をえぐっていく。  
少年の名は伊庭いつき。  
魔法使い派遣会社アストラルの元社長である。  
そしてそんな二人の愛の営みを眺めながら穂波・高瀬・アンブラーは思った。  
(どうしてこんなことになってしまったのやろか・・・・・・)  
 
そもそもの発端は三ヶ月ほど前になる。  
魔法使い派遣会社アストラルは度重なる巨額の出費と資金繰りの行き詰まりから倒産に追い込まれていた。  
その危機を救ったのがアディリシアが首領を務めるイギリスの魔術結社ゲーティアであり、以後アストラルはゲーティアの傘下におさめられることとなった。  
元より伊庭いつきに興味と好意を持っていたアディリシアはいつきを首領補佐に任じ、そして穂波をいつきから遠ざけた。  
穂波はそれに不満があったが、何も言う事はできなかった。  
首領に異を唱えることが出来ないというのもあったが、いつきは自分のことが好きなのだから大丈夫、という根拠のない自信も頭の片隅にあった。  
 
そんなある日のことだった。  
「ホナミ、今晩空いているかしら」  
アディリシアに呼び止められた穂波は首をかしげた。  
「めずらしいですね、首領。どないな風の吹き回しですか?」  
アディリシアは微笑む。  
その笑顔は今までアディリシアが見せたことがない妖艶な笑みで、穂波は少したじろいでしまう。  
「今晩、私の私室にいらしてください。そこであなたに重大な任務を差し上げますから」  
そういって踵を返すアディリシアを穂波はどこか不安な気持ちで見送った。  
 
「首領、穂波・高瀬・アンブラー参りました」  
ドアをノックしながら呼びかける。  
「開いていますわ、ホナミ。どうぞお入りなさい」  
「失礼します、っ!!!?」  
ドアを開け、室内に入った穂波は息を呑んだ。  
アディリシアはベッドの上に座っていた。  
全裸で。  
美しい金髪は窓から差し込む月明かりに照らされ黄金のような光を放っている。  
雪のように白い肌は興奮のためかほのかに赤みが差している。  
その美しさはまるで一枚の神聖な絵画のようであった。  
だが穂波にとってそれよりももっと衝撃的だったのはその隣に立っている少年の姿だった。  
「いっちゃん・・・・・・」  
アディリシアと同じように生まれたままの姿で、穂波の想い人の少年はそこに立っていた。  
穂波と視線が合うと、いつきは慌てて視線を逸らした。  
「ふふふふ、そんなところで立っていないでこちらにいらっしゃい、ホナミ」  
挑戦的なような、勝ち誇ったような笑みを浮かべながらアディリシアは穂波にそう促した。  
まるで催眠術にでもかかったかのように穂波はふらふらと二人に近づいていった。  
 
二人の間近にまで来た穂波。  
いつきは相変わらず視線を逸らしたままである。  
穂波の視線は思わずいつきの下腹部にいってしまう。  
いつきのあどけない顔立ちとは裏腹にそこは雄雄しくそそり立っている。  
血管の浮き出た幹、大きく黒く膨らんでいる亀頭。  
てらてらと輝いているのはそれが先程までアディリシアの口の中に納められていたからなのだが、それは穂波にはあずかり知らぬことであった。  
幼馴染だった少年の思いがけない男らしさに穂波は無意識のうちに唾を飲み込んだ。  
「くすくす、ホナミったらどこを見ているのかしら?」  
アディリシアの愉快そうな声に穂波は慌てて視線をいつきの男の象徴から逸らした。  
「まあいいわ。それより先程もいった通り、あなたに重大な任務を授けますわ」  
「え・・・?」  
そういえばそんな話であたしはここに呼ばれたのだっけ。  
今更のように穂波はそのことを思い出したが、こんな状況で自分に何をさせるつもりなのか、皆目見当がつかない。  
困惑する穂波を楽しそうに眺めながらアディリシアは口を開く。  
「実は今度ある魔法薬を作成しようと思っているのです」  
「・・・・・・なんですか、その魔法薬って」  
「媚薬ですわ」  
「び、媚薬!?」  
「ええ、でもそれを作成するのにどうしても必要なものがあるのですが、それをあなたに作ってもらいたいのです、ホナミ」  
「・・・・・・なんですか、そのどうしても必要なものって」  
「乙女の愛液ですわ」  
「なっ・・・・・・!」  
今度こそ、穂波は絶句した。  
 
「それを作るためにはどうしても必要なんですの。それもできれば強力な魔力をもった乙女の愛液が望ましいのです。  
本来であれば私のそれがよろしいのですが・・・」  
アディリシアはそこで一旦言葉を切り、ちらりといつきの方をみる。  
「私は残念ながらその資格を失ってしまったものですから」  
頬を赤らめながらそういうアディリシアに穂波はついに限界を超えた。  
「ふざけるのいいかげんにしときいや!!そないな命令に従う義務も義理もあらへん!!」  
穂波の魔神でも殺さんとばかりの剣幕にもしかしアディリシアは余裕の笑みを浮かべたままだ。  
「どうしても協力してくれませんの?」  
「あたりまえや!!」  
「イツキ、あなたからもいってくださいな。私とあなたの愛のために協力してくださいと」  
「な!!!」  
それまで黙っていたいつきが口を開く。  
「穂波・・・その、悪いんだけど・・・協力してくれないか・・・僕と、アディリシアの愛のために・・・」  
「なんでや・・・いっちゃん、なんでそないこというん・・・!!」  
悔しくて涙が滲んだ。  
アディリシアに言わされていることはわかっている。  
しかしいつきがアディリシアのことを呼び捨てにしているのがひどく穂波の心をざわつかせた。  
「ホナミ、どうしても協力しいただけませんの?」  
「・・・・・・・・・・・」  
「ならばイツキにお仕置きをしなくてはなりませんね」  
「なんでや!いっちゃん関係ないやんか!」  
「関係なくありませんわ。あなたがこの私に反抗的なのは元社長の社員教育がなっていなかったから。その責任はイツキにありますわ」  
「・・・・・・」  
「ホナミ、これが最後ですわ。協力しいただけませんか?」  
穂波は唇を血が出るほど噛み締めながら、首を縦に振ったのだった。  
 
「それではこれがいっぱいになるくらいお願いしますわ」  
アディリシアが小瓶を差し出してくる。  
「・・・今、ここで?」  
「もちろんですわ。あなたが不正をしないようにしっかり見張っておかなければなりませんもの」  
アディリシアから小瓶を受け取ったものの、穂波は途方に暮れていた。  
愛液を出せ、ということここで自慰に耽れということであろうか。  
いつきの前で、どんな格好で、どんな顔してそんなことをすればいいというのか。  
「そんなに緊張しなくても、あなたが普段しているようにすればいいのですわ」  
「くっ・・・」  
穂波は羞恥にその身を焼かれながらも目を閉じ身に着けていた縞柄の下着をズリ下ろす。  
まずは右足を抜き取り、続いて左足。  
そして生暖かいそれを脇に放り投げる。  
「いっちゃん・・・・・・お願いやから見んといて・・・」  
穂波のストリップに熱い視線を注いでいた純朴な少年は、その言葉に我に返り、己を恥じながら慌てて視線をそらす。  
だが嗜虐に目覚めた彼の女主人はそれすら許さない。  
「だめですわ、イツキ。ちゃんと彼女のはしたない姿をその目に焼き付けておきなさい」  
結局穂波は少年の視線を痛いほどに感じながらその場にしゃがみこんでいくことになった。  
ちょうど和式便所で用を足すときのような格好である。  
「ホナミ、肝心の部分がよく見えませんわ。もっと足を開いてくれますか」  
言われるままに穂波は足を開いていくと、少女の最も隠しておきたい部分が外気に晒される。  
厚めの肉唇はぴったりと閉じられていながらも呼吸に合わせてわずかに震えている。  
それはこれから始まる行為に怯えているかのようでもあった。  
穂波の股間をしげしげと覗き込みながらアディリシアは楽しげに語る。  
「ホナミは随分と毛深いのですわね。冬だからといって油断してないでしっかりと手入れするのが淑女のたしなみ。そんなことではイツキに嫌われてしまいますわよ」  
確かにアディリシアの指摘どおり穂波の陰毛は黒々と必要以上に生い茂っていた。  
姫貝の上だけでなくその周りを囲うように、そして下はひっそりと息づく肛門の周りにまで覆われている。  
そのぶしつけな感想に穂波は悔し涙を滲ませるのだった。  
 
「さて、ではそろそろ始めてもらいましょうか。でもその前に確認させていただきますが、ホナミ、あなたは確かに処女なのですね?」  
「ええ、間違いなく処女や・・・」  
「結構ですわ。それでは始めてください」  
アディリシアにそういわれ覚悟を決めた穂波は、股の間に小瓶をセットし、おずおずと指を動かし始める。  
左手で人より大きめな乳房をこね回し始めながら、右手の人差し指で割れ目を上下になぞり上げる。  
最初は緊張のためぎこちない指の動きであったが、今までに何十回と繰り返してきた行為でもあり、次第にリズミカルになってくる。  
何度も何度も執拗に指で刺激を受けた花弁は綻び、内臓の朱をさらけだしていく。  
そこがくちゅくちゅといういやらしい水音を奏で始め、静かな部屋の中でその音は嫌に大きく響く。  
恐らく、アディリシアだけでなくいつきの耳にもそれは届いているであろう。  
「うう、くぅ、ふぅん・・・」  
穂波の口からも押し殺したあえぎ声が漏れ始めた。  
女性器からもたらされる快感が徐々に耐え難いものになってきたのである。  
にじみ出た愛液のぬめりのおかげで指の動きは更にスムーズになっていく。  
左手もいつのまにか乳房全体への愛撫から、硬くしこった乳首への集中攻撃へと変わっていた。  
(く、なにやってるんや・・・うう、いっちゃんに見られてるゆうのに・・・!)  
穂波の内心の葛藤とは裏腹に性的な快感はますます高まっていき、指の動きはもはや止められそうにない。  
むしろライバルの少女と愛しい少年に見られているという恥ずかしさが燃料となり官能の炎を大きく燃え上がらせているのである。  
「あらあら、ホナミは随分と手慣れていらっしゃるのね。週に何回くらいしてらしたのですか?」  
アディリシアの意地の悪い質問にも、羞恥の公開オナニーに没頭し始めた穂波は素直に答えてしまう。  
「うう、あふっ、しゅ、週に、さ、3回くらいや――――――――」  
「まあ、3回も!!!ホナミはとてもいやらしいのですわね」  
その回答にアディリシアは大げさに驚いてみせる。  
「それで、一体どのようなことを考えながらしていたのですか?」  
「そ、それは、んんっ、いっ、いっちゃん・・・」  
それは穂波が幼いころより胸に秘めてきた大切な思い。  
「なんですの?聞こえませんわ」  
アディリシアの言葉が穂波を追い詰めていく。  
「いっちゃんのことを考えながら、オナニーしてました・・・・・・!!」  
 
(あああ、言ってしもうた・・・こないな形で、伝えとうなかったのに・・・)  
あまりにも汚らわしい愛の告白。  
しかしそれでも想いを伝えることができたことに、穂波は奇妙なカタルシスを感じていた。  
「聞きました、イツキ?ホナミは貴方のことを思いながら夜毎自慰に耽っていたそうですわよ」  
「穂波・・・・・・」  
意外な告白にいつきは絶句した。  
(あああ、いっちゃん、そないな、そないな汚いものでも見るかのような目であたしを見んといてぇ・・・・・・!!)  
頭ではそう考えているはずなのに、穂波は爛れきった己の女性器をいつきに見せつけるかのように腰を大きく突き出していた。  
その間も指の動きは止まらず、より快感を引き出せる動きへとシフトしていく。  
男性経験のない穂波は体内に直接指をねじ込むことが余り好きではなかった。  
そのため人差し指と中指は普段から行っている通りにクリトリスへと伸びていき、皮に包まれた陰核を挟み、それを剥いたり再び皮で包み込んだりを繰り返す。  
クリトリスの皮オナニーである。  
今までの経験から、穂波はどうすれば気持ちよくなれるか自分の肉体を熟知していた。  
(でも、でも、今日のが、一番、気持ちイイ・・・!いっちゃんに、見られて、するのが・・・気持ちイイ・・・!)  
「ああ、イクッ!イクッ!いっちゃん、見てて、あたしがイクとこ、見ててぇえ〜〜〜!!!」  
絶頂宣言と同時に穂波の身体に細かい痙攣が走った。  
靴の中の足指が床を掻く。  
右手はクリトリスに当てたまま、左手で小瓶を鷲掴み、太股の筋が出るほど大きく突き出された股間にそれをあてがう。  
クリトリスからの官能が背骨を通り抜け、脳内で炸裂する。  
「うあ!!うっ!!うっ!」  
穂波の腰がビクッ、ビクッと大きく爆ぜ、そのたびに尿道口から大量の潮が小瓶の中に吐き出された。  
それに合わせ陰毛に覆われた肛門がキュ、キュとわななく。  
あまりにも無様な排泄行為を披露した稀代の魔法使いはその場にへたり込んだのだった。  
 
「見事な潮吹きでしたわね、ホナミ。ですがその小瓶がいっぱいになるには程遠いですわよ。早く続けてくださいな」  
「少し・・・休ませてえな・・・そんなには無理や・・・」  
「では貴女がその気になるようにして差し上げますわ」  
「・・・え?」  
アディリシアはいつきの方へ向き直る。  
「あらあらこんなに硬くして。イツキったらホナミの恥ずかしい姿を見て興奮していたのね」  
そういうアディリシアもいつになく興奮した面持ちである。  
「え、アディリシア、ちょ?うわぁ!」  
そのまま何のためらいもなくいつきの男根を口に含む。  
「んん、むちゅ、ちゅぱ、んふう、ちゅぽ」  
歯を立てないように唇で陰茎を押さえつけ、その亀頭部分に刺激を与えていく。  
汚れの溜まりやすいエラの部分に舌を這わせてそこを清めると、次に先走りのにじみ出た鈴口を舌でほじくる。  
亀頭への奉仕が一段落すると今度は陰茎へと舌を纏わり付かせていく。  
「ア、アディリシア、んんん!!」  
口奉仕を続けながらいつきの顔を上目使いに見上げるアディリシア。  
以前のアディリシアは男性のモノを口に含むなど想像もつかない行為であった。  
しかし今はこうしていつきの性器を口に含み、その快感にゆがむ顔を観察するのが何よりの楽しみになっていた。  
そうして行為の手応えを感じたアディリシアは奉仕をより激しくしていく。  
「ずちゅる、ずちゅ、ちゅぱあ、ずちゅうう」  
その上品な顔立ちを歪め、頬をへこまし、思いっきり下品な音を立てながらいつきの性器を吸い上げる。  
更には右手で陰嚢を優しく揉んであげながら、頭を大きくピストンして唇で男根全体をしごき上げていく。  
 
その様子を見ていた穂波はいつの間にか自慰を再開していた。  
(ああ、いっちゃん、そないな気持ちよさそうな顔して、アディの口そないにきもちいいの・・・?)  
いつきとアディリシアのオーラルセックスをオカズにオナニーをする自分が惨めで、情けなくてしょうがない。  
だがその惨めさが穂波により被虐的な倒錯感をもたらし、脳髄を痺れさせる。  
(言ってくれればあたしがしてあげたのに・・・)  
両足を広げて皮オナニーをしながらそんなことを思う。  
(あたしの方が、もっともっとずっと気持ちよくしてあげるのに・・・)  
いつきのモノを口に含むアディリシアを妄想の中で自分に置き換えながら腰を振り、涎を垂らしながら自慰に没頭していく。  
(美味しいよ、いつちゃんのおちんちん、すごく美味しい!)  
穂波が高ぶっていく一方で、いつきの方もいよいよ切羽詰ってきた。  
「うう、アディリシア、もう・・・!」  
それを聞いたアディリシアは陰茎から一旦口を離す。  
アディリシアの形のいい唇といつきのグロテスクな亀頭とがきらきらした唾液の橋で繋がる。  
「イツキ、私の顔にかけるのと口の中に出すの、どちらがいいのですか?」  
そう訊ねる間も右手で陰茎を扱くのを忘れない。  
「うう、か、顔に、かけたいです」  
それは口に出すのは失礼だろうといういつきの気遣いなのだが、アディリシアはそうは受け取らなかったようだ。  
「まあ、イツキは私の顔をご自分の精液でどろどろに汚すのがお好きなのですね。そうやって殿方の征服欲を充たすのですわね」  
アディリシアは右手の動きを加速させながら自らの顔を鈴口の正面に持っていく。  
そして静かに目を閉じそのときを待った。  
「アディリシア、出るぅ!!」  
大量の白濁液がアディリシアの顔に降り注ぐ。  
それは美しい金髪にねっとりと絡みつき、通った鼻梁から零れ落ち、閉じられた両のまぶたが開けなるなるくらいに顔中をコーティングした。  
顔中を精液パックされたアディリシアは、それでもうっとりとした表情で鼻から大きく息を吸い込む。  
精液特有の生臭い、青臭い臭いで肺が満たされる。  
「んあ・・・イツキ、濃すぎますわあ・・・」  
まるで体の奥底までいつきのものにされたかのような幸せな屈服感を、アディリシアは味わっていた。  
 
若い二人がこの程度でおさまるわけもなく、二人はそのまま抱き合い、ベッドの上に倒れこんだ。  
「イツキ、私を思うがままに貫いて、征服してください・・・」  
いつきは誘われるままアディリシアに覆いかぶさっていく。  
「あんっ!」  
すでに穂波のオナニー鑑賞といつきへの口淫ですっかり潤っていたアディリシアの女穴は恥ずかしいくらい簡単に少年のペニスをくわえ込んでいく。  
かといってその締め付けが緩いわけではない。  
はじめは狭く何人もの侵入をも拒んでいたそこは、いまやちょうどいつきのペニスの形に開発され、膣襞はオーダーメイドされたかのようにぴったりと吸い付いてくる。  
吸い付き、締め付け、蠕動し、貪欲に愛しい少年の精液を搾り取ろうする。  
アディリシアは類稀な名器の持ち主なのであった。  
だがその恩恵はいつきだけではなく、アディリシア本人にも向けられる。  
「んんっ、ああ、そ、そんなに激しくしては、んんっ、お、おかしくなってしまいますわ!!」  
あまりの快感にはやくも腰を振りはじめたいつきにより、アディリシアもまた乱れさせられる。  
彼女の名器は男を悦ばせるだけではなく、その感度もまた極上でもたらされる刺激をすべからく快楽へと変換し主をも悦ばせる。  
いつきとアディリシア、二人は睦みあい、とろけあい、溶け合うかのように法悦へと上り詰めていく。  
そんな二人を眺めながら穂波は思った。  
(どうしてこんなことになってしまったのやろか・・・・・・)  
しかしその一方で目の前の光景から目が離せないのも事実であった。  
食い入るようにいつきの逞しい腰使いを見つめながら陰核をいじくりまわす。  
この快楽がいつきから与えられているのだと自分に思い込ませるために。  
粘度の濃い愛液が小瓶の中に滴り落ちていった。  
 
アディリシアは早くも一度目の絶頂を迎えようとしていた。  
普段ならいつきのほうが先に音をあげるのだが、今日は先に一度精を放っていたぶん長持ちするようだ。  
だが原因はそれだけではない。  
(あふんっ、いつ、もより、なんか、気持ちひぃ、いい、んんっ)  
アディリシア自身も普段より大分ペースが速い。  
(ホナミ、に、見られている、いえ、あふっ、見せつけて、いるから)  
魔法使いとしてのライバルであり、恋敵でもあった穂波にいつきとのセックスを見せつけている。  
しかもそれをオカズに穂波にオナニーまでさせている。  
その優越感が快楽のスパイスとなり、アディリシアは今までにない絶頂感を味わうこととなった。  
「イツキ、私、もう、イキますわぁ!!」  
アディリシアの中で大量の脳内麻薬が分泌され、その高潔な精神、理性がどろどろに溶けていく。  
この瞬間はゲーティアの首領としての立場、責任、重圧が全て真っ白く塗りつぶされ、そこから解放される。  
「アディリシア、う、僕も、出そうです・・・・・・!!」  
「あああ、膣に、なかに出してくださいぃ・・・あああああああ――――――――!!」  
アディリシアの全身が震え、それと同時に膣襞も今までにない複雑な動きでいつきの男根を締め上げる。  
それに耐えられるはずもなくいつきは、アディリシアのはしたない中出しおねだりに答えるべく、少女の最奥で射精しようと腰を突き出す。  
アディリシアもいつきの腰に足を絡ませ、二人は一つになってしまったかのようにしっかりと密着する。  
「ああ、出てる・・・・・・・!いつきの精液が私のお腹の中に・・・」  
体内に熱い迸りを感じたアディリシアは恍惚とした表情でそうつぶやく。  
多幸感で胸がいっぱいになる。これ以上ないほど幸せだ。  
それと同時に、穂波もまた果てていた。  
人知れずに。  
 
夜明けはまだ程遠く、ゲーティアの夜は続く――――――――  
 
 

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