「いっちゃん…。」
深夜のアストラル社内、疲れ果てて机に突っ伏したまま眠っている少年に、毛布を持って傍らに立つ
少女が、呟くように呼びかける。
少女の視線の先で眠る少年は、亡き父からこの会社を継いでまだ日が浅く、ただでさえ馴れない社長業に
苦労が多い上、会社の経営状態はすこぶる悪く、連日早朝から深夜まで金策や営業に走り回っているが、
その努力も虚しく、会社の経営は苦しくなる一方であり、今日も夜遅く帰って来て、そのままこの机で
眠ってしまったのだ。
「もう、いっちゃんにばっかり苦労させへんからね…。」
少女は眠っている少年に小声でそう囁くと、持ってきた毛布を少年にかけ、更に、じっと少年の顔を見つめた。
窓から差し込む月明かりの中、少女の目に映る少年は、度重なる心労の為に以前よりずいぶんと痩せて
しまっており、疲労の極みにある事が容易に見て取れる。
子供の頃からずっと好意を寄せ、また、あの事件以来、何があっても守ると誓った少年のその姿に
少女の胸は締め付けられ、自らの無力さに歯噛みすると共に、少女はある決意を一層固くする。
「ごめんね…。」
少女は搾り出すようにその言葉を発すると、眠っている少年の顔に自らの顔を近付けると、少年の頬に
そっと唇を触れさせ、彼の右目を覆っている眼帯を優しく撫でる。
眼鏡の奥の瞳にうっすらと涙が浮かべた彼女は、やがて意を決したように身を起こし、眠っている少年を
起こさないように、そっと部屋から出ていった…。
アストラルでそんな事があった翌日の昼、魔術結社ゲーティア首領、アディリシア・レン・メイザースは、
執務室で裏社会の情報が交換される闇サイトに目を通していた。非正規での魔術師派遣・怪しげな薬や
武器の売買・犯罪計画・売春…今日も様々な情報が尽きる事無く遣り取りされていた。
「ふぅ…」
アディリシアは画面から目を離すと、溜息をついて紅茶を啜る。
大手魔術結社の首領と言う立場上、こういった裏情報にもある程度精通しておかなくてはならないのだが、
それは彼女の性格上不愉快極まる作業なのであった。
憂鬱な気分になりつつ画面を流し読んでいたアディリシアの目に、突然見知った顔写真が飛び込んできた、
「穂波…!?」
アディリシアは驚いて紅茶のカップを置くと、画面を食い入るように見つめる。
売春を斡旋しているそこに表示されているのは確かに穂波の写真であり、そこには今夜一夜の穂波の値段が
オークション形式で提示されており、既に最高入札額はかなりの値段だ。
アディリシアは一瞬、これは穂波の写真を使った詐欺ではないかと疑っが、伝え聞くアストラルの
経営状況、そして、先日アストラルに出向いた折の穂波の思い詰めた様子を思い出すと、嫌な予感を
拭い去る事ができない。
アディリシアはとっさに立ち上がって電話を取り、アストラルに連絡を取ろうとしたが、我に返って手を止めた。
(もし本当だったら…)
アディリシアは受話器を片手にその状況をシミュレートしてみたが、どう考えてみてもまともな結果にはならない。
冷静さを取り戻したアディリシアは、受話器を置いて椅子に腰を下ろすと、モニタに向き直り
最高入札額を上回る値段を入力すると、じっと入札の締め切り時間を待った…。
その日の夕方、アディリシアは繁華街の外れにあるホテルに向かって、夕闇迫る街を歩いていた。
「まったく、なんで私がこんな事を…」
思わず愚痴が口を突いて出るが、彼女はあの後数度に渡って最高入札額を争い、かなりの額を注ぎ込んで
競争相手に競り勝ち、お金を振り込んで、今指定された場所へ向かっているのだ。
「これで詐欺だったら許しませんわよ…。」
そう独り言を口にしつつ、目的のホテルの近くまでやってきたアディリシアは、そこに立っている人影を見て
思わずその場に立ちすくんでしまった。
栗色の髪に四角い眼鏡をかけたその少女は、紛う方なくアディリシアのよく知る、穂波・高瀬・アンブラー
その人であった。
よもやとは思っていたが、実際に自分で目にしたその光景は、アディリシアを激しく動揺させるのに十分であり、
アディリシアは思わず傍らの物陰に隠れてしまう。
数秒して冷静さを取り戻したアディリシアは、物陰から再びホテルの前に立つ穂波の様子を覗う。
斡旋所ででも借りたのであろうか、普段の穂波であれば絶対に着ないような、胸と腰回りだけを僅かな衣服で
覆っただけで、肩も臍も太股も大きく露出した煽情的な服装をし、視線を伏せて壁に寄り掛かっている様は、
まるで本職の娼婦が客待ちをしているようでさえあったが、よく見れば赤い夕日に照らされているにも関わらず
顔は青ざめ、もう夜でも暖かい季節だと言うのに膝は小刻みに震え、かなり無理をしているのが分かる。
「どうしてこんな事を…」
アディリシアの口から思わずそんな言葉が零れるが、理由は考えるまでもなく明らかである。穂波が心を寄せ、
アディリシア自身も強い好意を抱く、あの少年のためであろう。
アディリシアはなおもしばらく物陰から穂波の様子を見ていたが、やがて意を決して歩を進め、穂波に
近付いて行く…。
穂波は視線を伏せて立っていたが、自分に近付いてくる人間の気配を感じ、ついに来るべき時が来たと
覚悟を決めて顔を上げる。しかし穂波の視界に映ったその人物は彼女の予想に反して女性であり、しかも、
穂波のよく見知った人物であった。
「アディ…?」
一瞬(まずい所を見られた)と思うが、よく考えればこんな時間にこんな場所で遭うような相手ではない。
この現実に適正な答えを導き出す事ができずに困惑する穂波の耳に、アディリシアの声が響く。
「穂波…貴女、どうして…」
同情や嘲笑ではない、真に悲しそうな表情でその言葉を発したアディリシアに、穂波は全てを悟った、
(アディは全ての事情を承知した上でここにいるのだ)と。
途端に穂波の眼鏡の奥の目が潤む、張り詰めていた緊張の糸が切れたのだろう、穂波はアディリシアに
寄り掛かるように倒れ込むと、声を詰まらせて泣きだした。
一方のアディリシアも、目に一杯涙を溜めながら穂波を抱きしめる。
しばらくの間そうしていた二人であったが、このまま路上でこんな事をしている訳にもいかない、
アディリシアはまだ泣き続ける穂波を抱き抱えるようにしてホテルに入り、斡旋所で渡された鍵の部屋を
探すと、穂波を運び込んだ。
「本当に貴女ときたら、何故こんな馬鹿な事を…。」
部屋に入ってもなお泣き続ける穂波に、アディリシアが声をかける。
穂波は何かを言おうとするが、声が詰まって言葉にならない。
そんな穂波を見て、アディリシアは再び穂波を優しく抱きしめる。
「アディ、ごめんね…、ごめんね…」
しばらくして、穂波が涙声で言葉を発した。それは、いつもの凛とした穂波しか知らなかった
アディリシアにとって、想像だにしなかった年頃の女の娘らしい、繊細で弱々しい穂波の姿だった。
「穂波…」
今まで知らなかった穂波の少女らしい一面を見て、アディリシアには穂波が堪らなく愛おしく感じられた。
思えば、今までの穂波とアディリシアは、宿敵とも言うべきもので、互いに一目置く魔術師として、また、
互いにいつきに心を寄せる女として、顔を合わせる度に互いを牽制し、幾度も喧嘩をしてきた。それが
今までの二人の関係であった。
しかし、今自らの腕の中で弱々しく泣くこの少女は、今までアディリシアが知っていた穂波とは、全く別の
存在であった。
「貴女程の魔術師なら、こんな事をしなくとも他に幾らでもお金を稼ぐ方法があったでしょうに、
なぜこんな馬鹿な事を…」
昼間見た裏社会の情報交換所を思い出しながら、アディリシアが同じような質問を繰り返す。
「だって、悪い事したら、バレた時いっちゃんに迷惑が掛かるよ…これ以上いっちゃんを苦しめたくないよ…。」
穂波は弱々しくではあるが、ようやく返事を返す。
「穂波、貴女はこの事をいつきが知ったら、苦しまないと思いますの?」
アディリシアの問いに、穂波は再びアディリシアの胸に顔をうずめて涙を流す。
アディリシアもまた、穂波を抱きしめ頭を撫でる。
アディリシアは今自分の胸の中にいるこの少女が、あの穂波ではなく弱々しく震える子猫のようにさえ思われた。
「アディ…」
今までアディリシアが聞いた事のないような甘い声で、穂波がアディリシアの名前を呼ぶ。
「アディ…ありがとうな…」
普段の穂波からは想像もできない素直なその言葉に、アディリシアも優しく微笑み返す。
(まったく、いつもこんなでしたら可愛げがありますのに…)
と、心の中で呟くアディリシア。
二人はそのまま、互いの温もりを感じながら数時間を過ごしたのであった…。
陽はすっかり落ち、夜霧が町を覆う頃、二人の少女が並んで歩いている、泣き腫らした目をしているが、
表情に明るさを取り戻した少女。彼女を見ながらアディリシアは考えていた、もしも今回の立場が
逆であったら、自分も穂波と同じ事をしていたかも知れない。しかし、その時にはきっと、穂波が
私を助けてくれただろう…訳ねーですよ、むしろ屈強な男共を雇って、恐怖に怯えるアディを
無理矢理押さえ込んで、前戯も無しで前後同時に二本挿しですよ。
で、処女喪失の痛みと強引に入れられて裂けちゃったアナルの激痛に、背中仰け反らせて悲鳴上げる
アディを、容赦なく前後から乱暴に突きまくりですよ。
そして、穂波はマンコとアナルから鮮血流して泣き叫ぶアデイを見ながら、ケラケラ大笑いですよ。
更に、涙流しての必死の懇願も聞き入れて貰えず、中出しされて血と精液が混じった液体が足を伝って流れるのを、
指で掬って一発ギャグ「いちごみるく」で奏でて〜夢〜♪
せっかくのクリスマスだ、みんな不快な気分にな〜れ。