「全く!何でいっちゃんはああなんやろ!」  
 
 
アストラルの一室で数々の薬品に囲まれて穂波は抑えられぬ怒りを剥き出しにしていた。  
 
 
「アディといい、黒羽さんといい、気が付いたらイチャイチャしとるんやから!…しまいにはディアナさんとはキスまでして!」  
 
 
穂波の剣幕はかなり恐い。もし、いつきがいたら…否、誰が見ても全力で逃げ出すだろう。  
 
 
「こっちの気も知らんでいい御身分や。その前に社長としてやるべきことがあるやろ!」  
 
 
相当な鬱憤が溜まっているらしいが、それは冤罪である。  
いつきにはその気は全く無い。普通に接しているだけである。  
しかも、キスの件においてはディアナが勝手にしたのだ。と言ってもほっぺにだが…  
 
 
(まっ、いっちゃんやからな)  
 
 
穂波も分かっているのだ。いつきは普段はおどおどして頼りないが、常に一生懸命でここぞという時にはやる人物なのだ。  
そして、その人柄から周りの人に慕われることを  
 
・・・しかし、やはり怒りは込み上げてくるのである。  
 
「ほんと、いっちゃんももう少し自重してほしいわ」  
 
これが我が儘であることは分かっているのだが、恋する乙女としては切実な悩みなのだ。  
とか言いながら薬品の調合をする。作っているのは一つはいつきの目の薬だ。そして、もう一つは・・・  
 
(最近は社長として頑張っとるからな、少しは疲れがとれると良いんやけど)  
 
どうやら栄養剤(?)のようなものを作っているようだ。  
怒っていてもいつきの為に色々なことをしているのである。  
 
「お兄ちゃん社長〜♪今日はもうお仕事無いから一緒に遊びに行こう♪」  
 
「うわぁ!…みかんちゃんいきなり抱きつかないで」  
 
部屋の外からいつきの声が聞こえた。  
 
−ブチッ−  
 
「い、いっちゃんの・・・」  
 
その時カチャリとドアが開いた。  
 
「穂波、皆でご飯でも食べに行こうかと思ってるけどどうかなァァァ!?」  
 
「アァァァホォォォ!!!!」  
 
それは不幸としか良いようが無い。偶然にもいつきが部屋に入ってきた。  
そして、怒りでその事に気付かなかった穂波は作りかけの栄養剤?をいつきに向かって思いっきり投げつけてしまったのだ。  
 
−バリン−  
 
「うわぁぁぁ!」  
 
「…えっ?」  
 
栄養剤をもろに顔に被ったいつきはそのまま倒れてしまう。しかし、そこには数々の薬の入った試験管があった。  
 
「あ、あかん!」  
 
−ボォン−  
 
助けようとした穂波だが間に合わず、いつきは様々な薬の中にダイブした。  
いつきの身体からはシュウーと煙が出ている。  
 
「…い、いっちゃん?」  
 
恐る恐るいつきに駆け寄るが、いつきの反応は無い。穂波は一気に青ざめた。  
魔法遣いが使う薬品はどれも劇薬なのだ。調合しだいでは毒にもなる。  
 
「ね、猫屋敷さん!!」  
 
 
 
−数時間後−  
 
穂波の行動は早かった。猫屋敷さんを呼び、いつきをベッドに移すと急いで置いてあった薬品を調べ、治療をした。  
早期の対処により、命に別状は無い。  
だが、穂波の顔には焦りと後悔の色が常にあった。  
 
「いつき君の様子はどうですか?」  
 
幽霊の黒羽まなみが心配そうな様子で聞いてくる。  
 
「分からへん、命に別状は無いんやけど、どの薬をどの位あびたのかが分からんのや。  
もしかしたら何らかの副作用があるかもしれへん。最悪このまま目覚めないことも・・・」  
 
その言葉に集まったアストラルの社員達は顔をうつ向かせる。  
 
(…私の、私のせいや…)  
 
その中でも穂波は責任を感じ、病人ではないかと思わせる顔をしている。  
 
「とりあえず今日はもう遅いですから皆さんも帰りましょう。社長は私が看ていますから」  
 
既に23時近くである。猫屋敷さんが進言した。  
皆がその言葉に渋るがここに居ても出来る事が無いため帰ろうとする。  
 
「いや、猫屋敷さんも帰ってええよ。社長は私が看る」  
 
それを言ったのは穂波である。  
 
「…しかし…」  
 
「猫屋敷さん、ここ連日は雑誌の〆切で寝てないやろ。私なら大丈夫やから今日はゆっくり休んで」  
 
穂波の言うとおり、昨日まで雑誌の原稿を書いていたため、猫屋敷さんは徹夜だったのである。  
 
(私のせいでいっちゃんがこんな風になったんや。看病くらいせな)  
 
穂波の気持ちを分かったのか猫屋敷さんは納得して皆と一緒に帰った。  
 
部屋にはいつきと穂波だけが残されている。  
 
(…いっちゃん…)  
 
穂波は今は眠るいつきの横で自分の行動を悔いている。  
 
(あの時に薬を投げたりしなければいっちゃんはこんな目にあわへんかったのに)  
 
穂波が自分を責めているといつきの腕がピクリと動く。  
 
「!…いっちゃん、目が覚めたんか?」  
 
「…うーん?…穂波?…」  
 
いつきはベッドに寝たまま目を薄く開けて返事をした。  
 
「いっちゃん…良かった。心配したんよ」  
 
いつきはまだ完全に意識が覚めていないようだがゆっくりと起き上がる。良く見ると穂波は安心したのか目に少し涙を溜めていた  
 
「…ごめんね穂波…心配かけた見たいで…うぐっ!」  
 
「いっちゃん!?」  
 
いつきが頭を押さえてうつ向く姿に穂波は側による。  
 
「…体が熱い…」  
 
「待ってて、今冷たい水を持ってくる!」  
 
穂波は急いで部屋を出ていった。  
 
(な、なんだドンドン熱くなる…それに何だか頭がボーッとする)  
 
いつきが体の異常に戸惑っていると穂波が氷と水の入ったディッシャーとグラスを持って帰ってくる。  
 
「いっちゃん、水やで」  
 
グラスに水を注ぐといつきの口に近づけ少しずつ飲んで貰う。  
 
「ありがとう穂波、楽になったよ」  
 
笑顔で答えるいつきに穂波は、いつきの顔に汗が浮かんでいることに気付く。そして、気を引き締め  
 
「社長、今日はごめんな。私のせいで」  
 
「へっ?」  
 
「私のせいでこんな風になったんや。本当にごめん」  
 
いつきは穂波の顔をマジマジと見る。そして今度は本当に笑顔で答える。  
 
「大丈夫だよ穂波は悪くない。元はと言えばノックもしないで部屋に入った僕も悪いしさ。」  
 
「でも!私が薬を投げなかったらこんな事にはならなかったんやで!」  
 
「じゃあ、お互いに悪い所があったからおあいこ。今度はお互い気を付ければようよ」  
 
いつきは笑顔を崩さずに言う。いつきの言葉は慰めではなく本当に本心で言っているのが穂波にはよく分かった。  
 
(ありがとう、いっちゃん)  
 
穂波は密かに心の中でいつきにお礼を言う。  
 
「それにもうこんな時間だ。穂波も今日は寝よう。僕もォ…っ!?」  
 
−ドックン−  
 
いつきの表情が一変する。胸を押さえてハァハァと息をはく。  
 
「いっちゃん、どないしたん?」  
 
「・・・ほ、穂波・・・」  
(体がさっきよりも全然熱い。頭も霞がかかったみたいだ…ダメだ)  
 
いつきは意識を失う。穂波はいつきの肩を支える。  
 
「いっちゃん!いっちゃん!」  
 
しかし、いつきは今回は直ぐに眼を覚ます。しかし、何か様子がおかしい。  
 
「いっちゃん、やっぱり私はここにおるから今は寝とき!」  
 
穂波の言葉にいつきは真っ直ぐ穂波を見る。  
 
「大丈夫だよ、穂波」  
 
「あかんよ、無理して倒れたら皆が心配するゥ…んむっ、んー!?」  
 
いつきは穂波の唇を奪った。穂波は突然の事に何が起こったのか理解できなかった。  
 
(な、何キス?私いっちゃんとキスしとるの?)  
 
当のいつきは自分の舌を穂波の舌に絡ませたり、それを吸ったりする。俗にいうディープキスである。  
それを穂波が理解すると同時にいつきを押し退ける。  
「い、いきなり何するんや!い、いくらいっちゃんでも許さへ…ん…で」  
 
いつきから距離をとるつもりだったのだがペタリと床に座り込んでしまう。  
 
(ち、力が入らん…それに少しずつやけど体が熱うなってきとる)  
 
先程までは気付かなかったが穂波は身体が痺れて上手く立てなくなっていた。  
更に身体の奥から何とも言えない快美感が生まれ、全身が熱くなってきている。  
 
(ま、まさか…これは、!)  
 
「…穂波、大丈夫だよ。直ぐに気持ち良くなるからね」  
 
顔を挙げるといつきが直ぐ近くまで来ていた。身体の異常に戸惑っていたために気付かなかったのだ。  
 
「穂波、綺麗だよ」  
 
そう言うと再びキスをした。穂波はまた押し退けようとするが上手く力が入らず抵抗できない。  
 
「んー!んむ、んっ、んー」  
(ダメや、抵抗したいのに力が抜けてく。それに何か頭もボーッとするわ)  
 
チュプチュプと音が響く。1分程続けるといつきの方から離れる。  
 
「穂波はおてんばだな。でも、もうこれで動けないかな?」  
 
いつきの言うように穂波は床に座り、ハァハァと息を吐くだけで立ち上がることができなかった。  
顔は紅潮し、白い肌は火照って赤みがさしている。  
 
(…み、認めたくあらへんけど…これは媚薬!)  
 
薬を作っていた部屋には栄養剤を作る為に精力増強薬や神経系の薬も何種類も置いてあった。しかし、まさかあんなデタラメな事でこんな風になるとは夢にも思っていなかったのだ。  
 
(何とかせえへんとマズイ!)  
 
そんな穂波を他所にいつきが次の行動に移る。  
穂波を支えて起こすと、ベッドに床り穂波をその上にに座らせる。それから制服の上から胸を揉みだした。  
 
「やっ!いっちゃんやめ…あっ、あん…だめや、うん、あっ、やっ…んっ!」  
(な、なんやコレ?)  
 
穂波は想像以上の快楽に身を震わせた。  
 
しかし、それは当たり前なのだ。  
先程の時にいつきは大量の様々な栄養剤を始めに精力増強剤、神経系の薬に頭をスッキリさせる薬など様々な薬を浴びた。  
その結果、薬は相手を痺れさせ、神経を敏感にする媚薬になった。  
そして、いつきの身体で調合したことから体に順応し、媚薬が唾液に混ざり、キスした所はそれらを直接塗るのと同じ効果がある。また、調合がデタラメな為にその効果も普通の数倍なのだ。  
ちなみにディープなんてしたらその媚薬を飲むのと同様なので全身が痺れ、敏感になる。  
そして、頭がスッキリして冷静に物事を考えて相手の一番感じやすい責め方をすることができるのである。  
 
「まだ胸を揉んでるだけなのに穂波はエッチだね」  
 
「ハァハァ…な、何いっとるんや、これはいっちゃんの…あっ、や、やめ…あぁん!」  
 
いつきは穂波の右耳を甘噛みしたのだ。  
 
「穂波のGスポット見っけ♪」  
 
いつきの言うように穂波は右耳が弱かった。  
いつきは軽く噛んだり、そのまま引っ張って見たり、耳の奥までピチャピチャ舐めたりと耳ばかりを責めた。  
 
「んっ、やめ…あっあっあっ、…こんなん…ふぅん、耐えられへん…」  
 
「我慢なんかしなくていいよ。穂波は少し素直にならなきゃ♪」  
 
耳だけを責めてから10分が発った。媚薬の効果もあり耳はさらに敏感になっていた。  
 
−ピチャピチャ−  
 
「あっあっ、はん、いつまで…あっ、あん続けるんや…」  
 
「そろそろ、良いか」  
 
いつきは制服の中に腕を入れてブラを下にずらすとそのまま揉みだした。  
 
「ひゃあっっ!…あかん、それ…あかん」  
 
「え?なんで?」  
 
穂波は最初は抵抗していたが思うように体が動かず、次第に快感に翻弄されていった。いつきは胸と耳を同時に責める。  
 
「あん…あかんって言うてるのに!…あっあっ、はぁん」  
 
穂波の眼鏡の奥にある蒼氷色の瞳からは涙が流れ、口からは涎が出ている。  
そして、いつきは止めとばかりに乳首をクリクリする。  
 
「あっ、あっ、はぁ〜ん…だめや…胸と耳だけやのに…あぁぁん、イク、イッてまうぅぅぅ」  
 
そして、乳首を引っ張る。  
 
「あっ、はぁぁぁぁん、イクゥゥゥゥ!!」  
 
その声と共に穂波は生まれてはじめて潮を吹いた。  
スカートの下から伸びる健康的な足からは愛液がピチャピチャと滴り落ちていた。  
 
 
 

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