設定は、サファイアが海賊と森で悪い大臣たちと対決して、  
フランツ王子に亜麻色の髪の少女=サファイアだと知られ、  
サファイアが魔女に女の子の心を抜き取られたあと、  
ふたたびフランツに会ったときから。  
 
 
「結婚? アハハハ、フランツ王子、じょうだん言うなよ」  
 きみと結婚したい、というフランツの真摯なプロポーズを、  
サファイヤはからりと笑い飛ばした。  
「おかどちがいだよ、僕は王子だよ」  
 すまして言うサファイヤに、フランツは混乱した。まだ  
サファイアは芝居の続きをしているのだろうか?  
「へんなおしばいはもうやめよう、きみは女の言葉を  
使っていいんだよ」  
「ばかばかしい、女の言葉なんて使えるもんか、  
ぼくが女だって? そんなふうに見えるのかい?」  
 フランツが嘘だ、といい募ると、サファイアは剣まで  
抜いて反論しようとする。もう、何がどうなっているのか  
フランツにはまったく分からなかった。男だ、女だ、とふたりで  
何度も不毛な論争を繰り返す。  
「サファイア、きみは本当は女の子なんだろう?」  
「しつこいな、僕はきみを愛してなんかいないし、正真正銘の  
れっきとした男だぞ?」  
 サファイアはまるで、頭のおかしい男を見るような目を  
フランツに向けている。つい先ほど、サファイアこそ想い  
続けていた亜麻色の髪の少女だと判明し、やっと互いの気持ちが  
通じ合ったと思ったのに。ほんの少し離れていた間に、サファイアは  
フランツへの気持ちをなくしてしまったようだ。いや、それどころか  
本当の少年になってしまったかのように、女であることまで否定する。  
「僕はきみを后にすると決めたんだ。きみだって僕を……」  
 言いかけてフランツはあることに気がついた。サファイアはずっと  
あの海賊と行動を共にしていた。そして海賊の手を借りてこの森に現れた。  
 何の見返りもなく、海賊がこんな危険を冒すものだろうか?  
 フランツはまっすぐに立ち、自分を睨みつけるサファイアの目を  
まじまじと見た。彼女の少年そのものの振る舞いに、男を知った女の  
気配は見られない。けれど……。  
 サファイアが実は王女であったことも、亜麻色の髪の少女と  
同一人物だったということも、フランツ自身の目では見抜けなかった。  
(もう僕は誤摩化されたりしないぞ)  
 フランツの胸の中に、サファイアが海賊と情を通じたのではないか  
という疑惑が広がる。もうすでに、あの海賊に乙女を捧げてしまった  
のではないか。純潔と引き換えにこの計画に加担させたのではないか。  
「きみがそんなに男だと言い張るんなら、僕にも考えがあるよ」  
 フランツはサファイアに飛びかかると、華奢な身体をしっかりと  
腕に抱いた。  
 
「なにをする!?」  
「きみがほんとうに男なのか、たしかめさせてもらうよ。きみの  
言葉に嘘がなければ僕のすることは何でもないはずだ」  
「……なにをする気だ?」  
 サファイアが怪訝な表情でフランツを見た。亜麻色の髪の少女の  
優しい瞳も、初めて王子として会ったときに見せた親しみもその顔にはない。  
「きみの胸に触る」  
 フランツが言うと、サファイアはぷっと吹き出した。  
「なんだ、そんなことか」  
 サファイアはフランツを突き飛ばし、両手を腰に当てて胸を反らせた。  
「そんなことで確かめられるっていうのなら好きなだけ触りたまえよ。  
さあ、どうぞ」  
 女の心を抜き取られたサファイアは自分の身体が女であること、  
また、フランツの申し出が性的なものを含んでいるということを  
すっかり失念していた。  
「もしきみが女の子だったら、平気じゃいられないはずだ。それじゃ失礼」  
 フランツは服の上から、サファイアの胸に手を置いた。  
「……!」  
 余裕の表情で笑みを浮かべたままのサファイアの睫毛が、  
わずかに震えた。フランツの手が胸を抑えたとき、胸の頂上が  
ほんの少し、ちりりと疼いたのだ。  
「ぼくはなんともないぞ」  
「ああ、そうだね。でももう少し待っててごらん」  
 フランツは左腕でサファイアの肩を掴んで引き寄せ、服の上から  
サファイアの胸をまさぐった。男ものの服を着てしまったら分からなく  
なるくらいの小さな胸だ。  
 だが丁寧に探ればその形がしだいに掴めるようになってくる。かすかな  
膨らみを手のひらで圧迫するように撫でると。ぷつりとしこったものが  
手のひらにあたった。硬くなったところを人さし指で小刻みに擦ると、  
サファイアはフランツから顔を背けた。首筋と耳たぶが真っ赤になっている。  
「やっぱりきみは女の子だ。ここが硬くなってるよ」  
 ぎゅっと勃起した乳首をつまむ。さっきまでの威勢の良さはどこへやら、  
サファイアは弱々しく首を振った。  
「ぼくは女じゃない……放せ!」  
 フランツを振りほどこうとサファイアはもがいた。逃がすまいとフランツは  
サファイアを後ろから羽交い締めし、近くの木にサファイアの身体を押し付けた。  
そして木と自分の身体でサファイアを挟み、逃げられないように押さえつけた。  
「きみは女の子だ。きみが何と言おうと証明してみせるぞ」  
 
 暴れるサファイアの上着のボタンを、フランツは背後から器用に外していった。  
中の下着をたくしあげ、かすかな膨らみを両手でじかに包み込む。  
「……ぁん!」  
 びくんと細い身体が揺れた。サファイアは確かに胸で感じている。  
「男の胸がこんなに柔らかく膨らんでるもんか、きみは女の子じゃないか!」  
「ち、ちが……。なにかの間違いだ……!!」  
 サファイアはフランツの手の中で形を変える胸を目にし、信じられない思いで  
叫んだ。どうして男の自分に女の胸なんかついているのだろう。今までどうして  
それを不思議に思わなかったのだろうか? どうして? どうして? 自分は  
確かに男なのに……。  
 フランツの手はサファイアの白い胸を擦るように揉みしだき、指の間で  
先端をきゅっとつまむ。そうされると、脚の間にとろけるような感覚が生まれた。  
「女の子でなければきみは何なんだ?」  
 フランツがサファイアの身体を自分のほうへと向かせた。強い視線に気圧され、  
サファイアはつい俯いてしまう。  
「きみは男かい? それとも女かい?」  
 つんと尖った乳首に、フランツがふっと息を吹きかけた。サファイアはひゅっ  
と首を竦め、目を瞑ってしまう。  
「あ……、わ、わからない……」  
 ちゅく、と胸の先に吸いつかれ、なんだか恥ずかしくて堪らなくなって、  
サファイアは両手で顔を隠した。それを見てフランツはまた首を傾げた。  
 サファイアは本当に自分が男か女か分からないのだろうか? 嘘をついてるとは  
思えない。けれど、自分の性別を思い違うことなんてあるだろうか?  
 フランツは紅潮した白い肌と未発達な胸をじっと見つめた。性急に弄った胸の  
飾りは赤く充血し、かたほうは唾液に濡れて光っている。しみひとつない  
ほっそりとした身体。サファイアがどう言おうと、これは間違いなく女のものだ。  
 そしてサファイアが未だ処女であるということも確信した。もし男に抱かれた  
ことがあれば、自分の性別が分からないなんてことはないはずだからだ。  
「きみが自分で分からないというなら」  
 身体が熱くなっているのをフランツは感じた。胸を暴いて女の印を示して  
終わるつもりだったけれど、今となっては無理なことだった。サファイアを  
犯すつもりはないが、もう少しこの身体を開きたい。  
「きみが男か女か、はっきりするまで続けようじゃないか」  
 
 フランツはサファイアの身体を抱き上げると、白いタイツに覆われた脚の間に  
自分の片足を滑りこませ、腿の上にサファイアが跨がる格好を取らせた。  
そうしてからサファイアの身体にしっかりと両腕を回し、白い胸に唇を  
押し付けた。  
「や……! フランツ……!!」  
 サファイアはフランツの肩に爪を立てた。フランツはサファイアの胸に頬を  
押しつけ、膨らみを口いっぱいに頬張って舌で乱暴に乳首を転がす。  
そうしながら、サファイアの股間を自分の腿に擦りつけるように身体を  
揺するのだ。  
「だめ、だめ、だめだ……! いやだ!」  
 フランツはサファイアの胸から顔をあげ、涙を滲ませたサファイアの  
瞳を覗きこんだ。  
「どうしてだめなんだい?」  
 問いかけるあいだも、サファイアの身体を揺することはやめない。  
サファイアは困惑した様子でフランツを見上げていた。フランツは  
サファイアを拘束していた腕をほどき、今度はそっとサファイアの胸に  
手のひらを当てた。  
「ここを触られて気持ちいいんだろう?」  
 ゆっくりと、サファイアに見せつけるように鎖骨から胸へと指を滑らせ、  
最後に両方の乳首を摘んで指先で捏ねる。サファイアは拒絶を示そうと顔を  
背けて目を瞑ったが、紅潮した頬と乱れた呼吸に、それはなかばうっとり  
してるようにも見えた。フランツは腿の上で、サファイアの腰がもじもじと  
動いているのに気づいた。  
「そうか、きみはやっぱり男の子だったのかな。女の子なら気持ちよくなって  
当然なんだが」  
 フランツが手を引くと、サファイアは恥ずかしげに上着を胸の前で合わせた。  
もう、自分が男だとは主張しない。  
(でも、女だと認めもしない、か……)  
「おや、サファイア。男はこんなところを濡らしたりはしないよ?」  
 フランツはまるで今気づいたかのように、うっすらと湿った自分の腿と  
サファイアの股間を指差した。  
「それにきみには、男の印がないようだね」  
 いたずらっぽく笑い、フランツはつ、とサファイヤの下腹部から股へと  
指を滑らせた。上着の前を合わせたまま硬直していたサファイアの唇が、  
しどけなく緩む。  
「ぁ……」  
「どうしてここは何もないのかな」  
 サファイアが抵抗せずにいるのをいいことに、フランツは指を自分の腿と  
白いタイツの間にもぐりこませた。柔らかい湿った肉の感触が布ごしに伝わる。  
「いや……フランツ王子……」  
 
 

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