王都ファンは平和な街だ。  
 だが飼い犬がその主人に似るように、この街もやはりその統治者の気風が色濃く出ていた。  
“ガシャンッ!!”  
 場末の酒場では今日も、予定調和の様にアルコールと、猛る自分の血に酔った男達が、目の前の相手に向かって拳を唸らせている。  
 そしてこの界隈では、こういったシチュエーションになれば常に彼が主役だった。  
「どうした、絡んで喧嘩を売ってきたのはそっちだぜ それともこの辺でやめとくかい?」  
 派手に吹っ飛んだ男は白目を剥いていてピクリとも動かない。大男がしゃべっている相手はその傍らで、  
「う、うるせいっ!!」  
 誰がどう見ても、内心ではびびっているのが丸わかりの、もうひとりの男に対してだ。  
 ちなみにリウイを睨んでいる男の合計は、ノックダウンをさせられている男を抜いたとしても、あと三人はいる。  
 だがその程度の人数では、リウイにとっては文字通り物の数ではない。男達の目には皆ありありと、怯えの感情が窺えた。  
 結果はやる前から見えてはいたが、これでは役者不足もいいところだろう。  
 ではこの酒場にいま彼の相手が務まる腕利き、または気概があるものはいるのか? 老人はその鋭い視線を店内中に走らせた。  
「…………オレとオマエを外せば、やはりあの娘たちだけだろうな」  
 声に出して、老人にしてはガタイの良すぎるその男は言ってみたが、そんなことは店に入ったときから気配だけでわかってはいる。  
 話しかけられたのも身体こそは小さいが、背筋はピンッと伸びている老人だ。  
 首肯するだけで応えるその顔は、目こそもうひとりの男に負けず鋭いが、印象はなんだか随分と疲れている。  
 色々と気苦労が絶えない様だ。  
「しかしヤツも、当たり前だが若いな、目の前にある美しい花より、まだまだ喧嘩の方を欲するか」  
 身体の小さな老人は“フン”と鼻を面白くもなさそうに鳴らす。  
「知らんのか…………あれでヤツはここらの界隈では『女殺し』などと呼ばれている……………………」  
「クククッ 『女殺し』ねぇ………… まぁ十年早いというやつだな」  
 そんなことを言いながらも、不平・不満・イライラ、そういった負の感情を隠しもしてない花たちを、男は熱心にジッと見ていた。  
 口元には笑みが浮かんでいる。  
 
「だが、我が息子ながら女の見立ては悪くない」  
 男、建国王にして竜殺しのリジャールの笑みは深くなる一方だ。  
 それを見て小さな老人、建国王の古くからの友人であり仲間、いまは魔術師ギルドの長を務める懐刀、さらにはリウイの養父でもある  
カーウェスは“やれやれ”といった感じで、長く重いため息を吐く。  
 リジャールがろくでもないことを考えているのは、無論のことわかっていた。  
 しかし困ったことに、いつもそうだが、そういうときほどこの男はいい顔をする。それは奇しくも、息子であるリウイもそうだ。  
「『来る者は拒まない』などと悠長なことを抜かしてるんだろうが『美しい花は誰に摘まれるかわからん』ということを教えてやるか」  
 友人の愉しそうな声を耳にしながら、カーウェスは少しだけ己の、しいてはリジャールの半生を回想してみる。  
 昔からそうだった。この男は欲しいと思ったものは、国でもなんでも手に入れてきた。  
 特に女には悪辣といって差し支えない手段を用いたのは一度や二度ではない。貴族の令嬢だろうが人妻だろうがお構いなしだ。  
 それが今回は息子のものだった、ただそれだけである。  
「………ワシは協力は出来んぞ………………」  
 カーウェスは諦めていた。こんな風に笑っているときは、なにがなんでも、例え息子のものでも手に入れるというときである。  
 こうなったら止まらないし、止められない。  
「安心しろ、育ての親であるオマエにそこまで酷な真似はさせんよ」  
 生みの親はオマエだろう  
 言葉が喉から出そうになったが、カーウェスはなんとかギリギリで呑み込む。止められないのなら、言っても詮無いことだ。  
 それにまだ正確には、花に喩えられた彼女たちは、別にリウイのものと決まったわけでもない。  
 早い者勝ちというわけではないが、カーウェスの目から見ても美しいと思える花たちを摘みもせずに、いつまでも傍で咲いていると思う  
のは、なるほど、少しばかり悠長がすぎるだろう。  
 
 貪欲なほどに動くリジャールを、リウイは見習った方がいいのかもしれない。  
 などとここまで考えて、カーウェスはまた鼻を“フン”と鳴らした。これが息子への言い訳なのはわかっている。  
「……………しかしなんともお粗末な言い訳だ………その上に回りくどい………………」  
 カーウェスはリウイが可愛かった。手の掛かる子ほど可愛い。でも結局選んだのは友情………………ではない。  
 そんなものではなく、男としてよりリジャールの生き方に惹かれたということだ。自分には決して出来ない生き方だから。  
「もっとも……………これも回りくどいか………………」  
 不機嫌そうにリジャールの顔を見ると、高揚しているのがわかった。花たちに魅入っている。  
 その目は『さて、どいつから摘んでやろうか』そう言っていた。  
 また一つ、老人には墓場まで持っていかねばならない秘密が増えそうである。自然と老人の口元には皮肉めいた笑みが浮かんでいた。  
 
 
 
「ツーペア、またオレの勝ちだな」  
 リジャールはニヤニヤしながら、カードをわなわなと握り締めて睨んでいるミレルに笑いかけた。  
 ふたりの座っているテーブルには、少なくはない数の金貨が積まれてはいるが、それは圧倒的にリジャールの前にあるものの方が多い。  
「テ、テメェ汚ねぇぞっ!! さっきからブラフばっかりじゃねぇかっ!!」  
「ククッ…………オマエは本当に面白いことを言う娘だな そういうゲームだろうが」  
「…………………………」  
 その通りだ。ポーカーがそういうゲームだということは、勿論ミレルだって、わざわざ言われずともわかってはいる。  
 だが、全然まったく納得がいかない。  
 今日も一日、魔法使いのイメージを根底から覆すような大男にリズムを狂わされたミレルは、酒場でひとり、あまり強くもないのに酒を  
呑んで憂さを晴らしていた。  
 もっとも、そんなことで晴れやしないのを、ミレルはわかっている。こんなものは一時凌ぎでしかない。いや、それすら出来ていない。  
 晴らそうと思ったら酒などではなく、親友と呼べるふたりに愚痴をぶちまけるのが一番いいのだが、しかしそれも最近何か変なのだ。  
 誰かがあの男を、ケチョンケチョンに罵ったりすると、必ず残ったふたりの内、どちらかはフォローする様なことを言うのである。  
 どうしてあんな男をフォローするのか、その気持ちがミレルにはわからない。  
 なぜメリッサは、なぜジーニは、なぜ自分は、あの男をフォローなどしてしまうのか………………わからない。  
 
 そうやってミレルが自分の心を持て余し、ヤケ酒の杯を重ねていると、  
「もうやめとけ、味のわからん子供が呑むにしては、度が過ぎる量だ」  
「ああん?」  
 空になったので新たに頼もうと上げた手を、後ろから掴まれて引き戻された。  
 ミレルは育ちを窺わせるガラの悪い声で振り返ると、その男をマジマジと見上げる。大きかった。  
 自分をこれだけ苛立たせる男と同じくらいに大きかった。軽く手首を握っられているだけだがわかる。力も同じくらいかもしれない。  
 それがただでさえ、酒の注文を邪魔された上に、子供扱いまでされたミレルを、あの男といるときの様に苛立たせる。  
「余計なお世話なんだよっ!! ジジィ!!」  
 言ってミレルは手を振り解くと、ぷいっとそっぽを向いた。その仕草がまた幼いのを、本人は気づいていない。  
 男がニヤリと笑ったのも気づかなかった。  
「どうだ娘 シケた顔でひとり呑んでいてもツマラんだろう?」  
 そう言いながら男は、ミレルがなにも言わない内に、イスを引いて勝手に正面の席に座る。  
「おいっ なに座ってんだよっ!!」  
「まあそう言うなよ 今日はいい女がいなくてな そこへオマエが目に入った」  
「ああん?」  
「寄って来るんじゃねぇ そんな雰囲気が面白かったんでな 将来性も期待して、今夜はオマエに酒の呑み方を教えてやろう」  
 手を上げて大声で店員を呼ぶと、ミレルが呑んでいるよりもあきらかに十倍はアルコール度数の高い酒を頼んで、男は懐からカードを  
取り出した。  
「はんっ なんだよ、女引っ掛けんのにそんな小道具使ってんのか?」  
 どう言ったところで席を立ちそうにない男に、ミレルは小馬鹿にしたような声で鼻を鳴らし言い放つ。  
 占いでもしようというのだろうか? 女が誰でも占いが好きだと思ったら大間違いだ。  
「いや、金がなくてな オマエの懐を当てにしている」  
 ミレルの杯を、これも勝手に手にとって煽りながら、男はカードを配っていく。  
「…………テメェ、文無しかよ」  
「そういうことだ」  
 ここでもう一度ミレルは、男の身なりを改めて上から下まで物色する様に見回した。  
 汚れてはいるものの、決して仕立ての悪くない服を着ている。だが、やはり目がいくのは、腰に差しているものだ。  
 
「その剣、多分魔剣だろ 剣の柄に付いている装飾品、宝石を売るだけでもここの勘定くらい払えんだろうが」  
 勘定どころか、ちゃんとしたところに持っていけば、この界隈一帯が買えるかもしれない。  
 ミレルの審美眼は、男の剣にそれほどの価値を付けた。もっとも、実際はその程度では、とても済まない価値の魔剣だが。  
「うん? ああ、こいつをちょいと売ればわけないな しかし目の前に財布があるんだ その必要はあるまい」  
「…………言うじゃねぇか文無し、よ〜〜し いいだろう勝負してやる キッチリ身包み剥いで、店の外に放り出してやるよ」  
「そりゃ愉しみだ」  
 こんな経緯で始まったカード勝負。  
 文無し文無しと言っておきながらも、男も多少の金は持っていたようだ。  
 それを序盤はミレルが一方的に撒き上げていく。だが、男の有り金が金貨一枚という心許ないものになったとき、状況は一変した。  
 手も足も出ないとは、おそらくこういうことを言うのだろう。  
 次々にミレルの前に積まれてあった金貨が、男の前へと移動していった。それも鮮やかなブラフ、ハッタリだけで。  
「どうする? これ以上続けると、オマエの方が未熟な身体を晒すハメになるぞ」  
「テ、テメェ!! 死にてぇのかっ!!」  
「ククッ クハハハハッ 冗談だ冗談 十年後なら見てやってもいいがな さて」  
 男はテーブルの上に積まれている金貨の半分以上を、豪快にミレルの方に押しやって席を立った。  
「今夜は中々愉しかったぞ これはその駄賃だ」  
「オイ テメェなんだよこりゃ」  
「ナメたマネをされたくないなら、もう少し自分のクセを隠すことを覚えた方がいい いい手がキタとき舌が出るのは悪いクセだぞ」  
「えっ!?」  
 ミレルが今更なのに慌てて口元を覆う。それがまた男のまったく忍んでいない忍び笑いを誘った。  
 キッとミレルは睨むが、普段なら大の男でも後ずさる視線もいまは全然迫力不足。目を細める男は、露ほども迫力を感じてない。  
 挑発するように舌を少しだけペロッと出すと、背を向けて店を出ようとする。  
 
「じゃあな小娘 今日は本当に愉しかったぞ」  
 その背中に、ミレルは立ち上がると叫んでいた。  
「小娘じゃねぇっ!! あたしにはミレルって名前があるんだよっ!!」  
「オレはリ…………いやジャールだ 機会が会ったらまた遊んでやるよ、ミレル」  
 店の扉がカランッと鳴る。振り向きもしなかった背中を、ミレルはしばらくずっと睨んでいた。  
 
 リジャールが店の外の出ると、息子と同じく長くしている髪を風が薙ぐ。高揚している身体に気持ちよかった。そこへ、  
「随分と捻りのない偽名だな」  
 すぐ後から店を出てきた男が声を掛けてくる。  
「おや? これはギルド長ではないか、こんなところでずいぶんと暇のようだ」  
「いえいえ 国王陛下ほどではありませんよ それよりももう少し名前には、気を遣っていただきたいものですな」  
「そう言うなよ あまり凝った偽名を遣うと咄嗟には出てこない 下手をすると他の女の前で違う名前を言ってしまう恐れもある」  
 竜殺しのリジャールは豪放磊落でいながら、こういうときには色々計算する男である。  
 それは長年の付き合いで、カーウェスは無論知っていた。呆れ半分諦め半分で、いつも通りに言ってみただけである。  
「あの娘 てっきり力づくでものにするのかと思ってたぞ」  
「そういうのも嫌いじゃないが まあ三人もいることだし、バリエーションを持たせた方が飽きないだろうと思ってな …………それに」  
「それに?」  
「身体だけじゃなく心も欲しくなった 一夜の関係で終わりにしようかと思っていたが、ミレルをオレは大いに気に入ったよ」  
 ご満悦の顔で月に語りかける様なリジャール。その横でカーウェスは胃の辺りを押さえていた。  
 小さな声で呟く。  
「…………これ以上はバスタード(妾腹)はこさえてくれるなよ」  
 
 
“パサッ”  
 まったくどうでもいいように、カードは力なくテーブルの上に投げ出される。  
「フルハウス」  
「おっ!? て、またオレの負けかっ!!」  
 ミレルのカードを、大きな身体を折り畳むようにして覗き込むリウイだが、それは誰がどう見ようとも一目瞭然だった。  
 彼の手でフルハウスに敵うわけもない。  
「そんなこともわからないのですか勇者様……………………………………不本意です」  
 メリッサはよく通るが抑揚のない声でそう言いながら、リウイの手元、カードの役を軽蔑の冷たい眼差しで直視していた。  
 リウイの手はツーペアだ。  
「どうやったらその手で勝てるんですか勇者様、あるのでしたらどうぞわたくしめに教えてください」  
 言葉にトゲがある。それも必要以上にだ。  
 リウイだってカードゲームを挑まれ受けたのだから、別にフルハウスとツーペア、どちらが上位の役かなど、無論知っているだろう。  
 それはメリッサもわかってはいるが、何かを言わずにはいられなかった。  
 正直、自分が生涯懸けて尽くせとの神託を受けた、この魔術師のイメージを打ち壊す、大きな身体の勇者を見ているとイライラする。  
 その気持ちを言葉にするのなら、たったの一言で済む。  
 この大きな身体の勇者を、その大きさと同じくらい大っ嫌いなのだ。それも会ったときから、いや、いまはもっともっと大っ嫌いだ。  
 日に日にその気持ちが大きくなっていく。  
 
 きっとだからだ。これは彼に原因があるに決まっている。  
 普段ならリウイを、居るのか居ないのかの空気のように扱うミレルが、自分からカードゲームに誘っただけでイラついたのはだからだ。  
「いや、その、まぁ………………ねぇけどさ、なんかあったのかメリッサ?」  
 人の気持ちを察する洞察力も、勇者の資質の一つといえるだろう。  
 それなのに自分の気持ちがわからないリウイを、勇者として敬い尽くさねばならない自分の身が、メリッサはなんとも恨めしかった。  
 わけがわからずポカンとした顔のリウイから目を逸らす。  
「なんでもありません、大変大変不本意ではありますが、なんでもありません」  
 山より高く海より深くなんでもありそうだった。  
 我関せずとばかり、黙々と杯を重ねていたジーニも『やれやれ』と、そんな感じで頬の紋様を撫でる。  
 しかし、リウイのフォローをしてやる気はなさそうである。  
 目を瞑ってなにか物思いに耽る様にしながら、ひたすら面白くなさそうにしてカードを切っているミレルを、何とはなしに眺めながら、  
また新たに酒を注いで杯を煽った。  
「なんかいつもにも増して機嫌悪そうだなぁ …………よしっ、ここはオレがオゴるからさ 機嫌直せよ、な!!」  
 リウイとて、呑んだくれのオッサンじゃあるまいし、メリッサの機嫌がこんなことで取れるとは、さすがに思ってはいない。  
 彼本人は知らないが、父親には鼻で笑われたとはいえ『女殺し』などという異名を持っているのだ。その辺りはわかっている。  
 でも、メリッサも含めて彼女たち三人は、あらゆる面でリウイがいままで接してきた女たちと違うのだ。  
 そこが鼻で笑われる一因だろうが、とにかくリウイには対処の仕様がない。露骨だが腰の低いご機嫌取りをするしか仕様がなかった。  
 それがまたメリッサの逆鱗に触れたりする悪循環。  
「あなたは――――」  
 だがリウイへと振り返ったメリッサが、憤然と上品な柳眉を逆立てて怒鳴ろうとしたその声を、  
「…………今日はあたしのオゴりだよ」  
 しかし、ミレルが遮った。目は合いも変わらず、面白くもなさそうに切るカードに注いだままだ。  
 
「アンタに勝った今日の勝ち分もいらない」  
「なに?」  
 顔を上げてリウイにそう言う声も、やはり面白くなさそうである。  
「いや、おい待てよ 勝負に負けたのはオレなんだからさ ちゃんとミレルにも負け分は払うし、ここの勘定だって任せてもらいたいぜ」  
「…………だよな、あたしも同じ気持ちだった…………あのジジィ、人のこと小娘だなんだとナメやがって」  
 この場でリウイと勝負していながら、その実でミレルの見ている相手は昨晩のムカつく大男だった。  
 思わずポロッと本音が出てしまったが、初めからリウイ程度の腕ではは物の数ではない。ちょっとだけ溜飲を下げられたくらいだ。  
「なんだって?」  
「別になんでもねぇよ ナメたマネされたくなきゃ、もう少し自分のクセを隠すことを覚えるんだな」  
「なんだそりゃ? オレになにかクセがあったのか?」  
「知るかよっ!! 自分で考えなっ!!」  
 そんなものはミレルも知らない。  
 リウイにリジャールを重ねてひとりでカッカッしていたのだ。そんなもの見抜けるわけもない。元からある実力差で薙ぎ払っただけだ。  
“ガタンッ!!”  
 けたたましい音を立てて席を立つと、ミレルは店の出口に向かって歩き出す。  
 
「帰るのか?」  
 気遣う風もないのに、なぜかミレルには優しく聴こえたジーニの声。振り向かずに答えた。  
「うん…………なんか調子悪い」  
「送りましょうか?」  
 こちらは誰が聴いても優しい響きを感じるだろうメリッサの声。それにもミレルは振り向かない。  
「だいじょうぶ、夜風に当たれば問題ないよ」  
 ふたりの気持ちはミレルにはとても嬉しかったが、いま一緒にいると八つ当たりしそうだ。  
 この気持ちを誰にぶつけたらいいかは、ちゃんとミレルはわかっている。まぁ、ヌルい相手だったがリハーサルも済んだ。  
「じゃね」  
“バンッ!!”  
 ミレルは勢いよく店の扉を開けると夜の街へと飛び出す。最後にリウイのポツリと洩らした声が聴こえた。  
「結局オレが勘定払うんじゃねぇか オマケにわけもわからず怒鳴られてよ」  
   
 

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