ここはどこだろう?
私はゆっくり起き上がる。離れたところでロックマンがウイルスと戦っている。
私も参加しなきゃ、そう思って走ったけど全くたどり着かない。
自分の目の前で爆発が起きた。一気に自分の視界が広くなる。
「起きるんだ。ハープノート」
私の後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。他でもないロックマンの声だ。
起き上がり私はロックマンと対面する。
「ロックマン、デグレを倒そう!」
私の言葉にロックマンは笑いながら答えた。
「お前ごときにデグレ様は倒せないよ。デグレ様の手を煩わせないためにも僕がお前を倒す」
何を言っているのかわからなかった。真っ先に反応したハープが声をあげる。
「何言ってるのロック?私たちがデグレを倒さないと地球が大変なことになるのよ?」
でも、ロックにはその言葉は届いてなかったみたいで私に向かってスピードを上げてきた!
「ミソラ、危ないわ!」
私はウェーブロードから飛び上がりロックマンのジェットアタックをよける。
「フリーズナックル」
ロックマンが氷の拳を振り上げて空中にいる私に攻撃を仕掛けてくる。空中にいるから私はかわすことができない。
「マシンガンストロング!」
私の前に網のようなものを張って攻撃をガードする。ゴムのようにしなった網がロックマンを飛ばす。私は向かいのウェーブロードに着地する。
「モエリング」
ロックマンは右腕を前に突き出し燃える火の輪を飛ばしてきた!
「ショックノート!」
音符で火の輪を撃墜する。ロックマンが声をあげた。
「攻撃してこないと、お前が死ぬぞ」
足が震えてきた。ようやく私はロックマンの言うことがわかった気がした。
・・・ダメだ。ロックマンがおかしくなってる。何とかして洗脳をとかなきゃ・・・!
「バルカン」
ロックマンがバルカンを放ってくる。足が震えて私はかわすことも自分を守ることもできない。
「ミソラ!」
ハープが言うけど、私は動くことができなかった。
「もう!」
ハープが私をそこから別次元に飛ばした。
ハープは私の電波変換を解除した。そして口を開いた。
「ミソラ、気持ちはわかるけど・・・攻撃しなきゃ・・・」
「わかってるよ!」
私は強い口調で返事をした。攻撃しなきゃいけないのはよくわかってる。ロックマンの口調がもう違ってた。本気で戦わないと私は倒されると思う。周りは暗い。
「でも・・・でも・・・」
「ミソラ!ロックマンを助けたいんでしょ!?スバル君を助けたいんでしょ!?じゃあ、攻撃してでも目を覚ましてもらわないといけないじゃない!何でわからないの!?」
ハープは今まで私にしたことのないぐらい強い口調で言った。
「・・・ミソラ、こういう言い方は失礼かもしれないけど、あなたの最も強い技を当ててもロックマンは倒れないわ。大丈夫、攻撃しなさい」
「でも、どうやってロックマンを元に戻すの?」
「さっきジェットアタックをかわしたときに、ロックから変な電波が出ているのを感じたわ。あなたの最も強い技ならそれをロックの体から追い出せるかもしれない」
私はハープの方を見る。
「それって・・・」
ハープが答える。
「そう、マグネソング」
マグネソングというのは、私がショックノートの音符の変わりに磁力を飛ばす攻撃のこと。
「でも、マグネソングを打った直後のあなたとても疲れていたわ。だって、私たちは電波。電磁波で自分たちにもダメージが入る・・・」
「ハープ・・・・・・ついてきてくれる?」
私は小さな声で言った。ハープは笑顔で答えてくれた。
「ミソラが望むなら私はついていくわ。でも、反動の量的に撃てる回数は1発が限度。外さないでね!」
「うん!電波変換!響ミソラ、オン・エア!」
私たちは電波変換するとロックマンがいた場所に戻った。
そしてロックマンと向かい合う。
「どうだ?攻撃できる覚悟ができたか?」
ロックマンが笑いながら声をあげる。ハープが小声で言う。
「ミソラ、ロックマンの声は聞いちゃダメ。動きを封じた上でマグネソングよ」
私はロックマンがいる方向目掛けて飛び上がった。ロックマンに向けて急降下をしていく。
「そんな単純な攻撃じゃ。僕に傷1つつけれないよ。バルカン!」
ロックマンがバルカンを放つ。
「ハープ、回避して!」
「まかせて!」
姿を消し、ロックマンの横を通り過ぎる。ロックマンが首を左右に動かしきょろきょろと私を探している。だけど私はすでにロックマンの下。見つかるわけがない。
私は上を向く。そして叫びつつギターを弾く。
「マシンガンストロング!」
弦は上にいるロックマン目掛けて飛んでいく。ロックマンは声の方向を探っている。
狙い通りロックマンに技が当たる。ロックマンの動きを制限できた!
「マグネソング!」
ロック目掛けて磁力の弾が飛んでくる。私は反動で動けない。そのまま下に落ちていく。薄れ行く意識の中、私はロックにマグネソングが当たるのが見えた。
私は地面に叩きつけられそのまま意識を失った・・・
「ミソラちゃん。おきて!」
「う・・・ううん」
私の戻ってくる視界の中には見慣れた顔があった。
「スバル君」
「・・・ゴメン。君に迷惑をかけたみたい・・・」
スバル君が下を向きながら言う。
「・・・大丈夫だった?・・・痛・・・!」
地面にぶつかったときの痛みがまだ響いている。
「うん、ミソラちゃんは?」
「大丈夫。デグレは?」
「どうやら俺に取り付いてたみたいだな。すまなかったな。けど、あいつの電波はもうねぇ。やったな、ハープノート」
ウォーロックが口を挟む。ハープも会話に参加する
「ハープノートじゃないわ。『響ミソラ』よ」
私とスバル君は青空の下、勝利の喜びを分かち合い手を握り合った。
〜fin〜