*WAXAへのジャミング攻撃とオクダマ決起放送の間には結構日数あった  
 クリムゾン工場とディーラーアジトは二人の心中でボロボロになってるはず  
 だけどゲーム中は省略されちゃったんだぜぇ、と勝手に設定しちゃった上でのお話。  
 
 
 クリムゾン精製工場から強力なノイズ反応が検出された。  
 そんな話が出たのはWAXA日本支部壊滅から数日たってからだった。  
 あそこは苦い記憶が残る場所だ。行けばきっと思い出してしまう。本来なら近づきたくはない。  
 しかしディーラーの居場所が掴めず手詰まりな状況のいま、行けば足取りが掴めるかも知れない。  
 自分にやれることは何でもやりたい。  
 その気持ちが、ロックマンを再びあのクリムゾン工場に立たせていた。  
 
 「しかし見事にボロボロだな!」  
 左手のウォーロックがわざと冷やかすような口調で言った。  
 「そうだね」  
 相棒の返事はそっけない。  
 地下シェルターに入ってからというもの、スバルはすっかり口数が少なくなっていた。  
 心ここにあらずと言った感じだ。  
 何を考えているのか、そろそろ付き合いの長いウォーロックには手に取るように分かる。  
 「気をつけろよスバル。クリムゾンなんておっかねぇもんが、しこたま貯め込んであったんだからな」  
 だからこそ努めて明るく振る舞ってみるが、「…分かってる」とだけ返事をした相棒の表情は硬いままだ。  
 ロックマンの足下で床を覆い尽くす瓦礫のあちこちに、赤いものが見え隠れしている。  
 精製したクリムゾンを詰めたカプセルの一部だ。割れずにしっかり残っているのは  
中が漏れ出ないように頑丈に作ってあるためだろう。施設もそうだ。  
 「あの爆発」で工場の中は瓦礫だらけでも、機材や工場そのものはしっかりと形を保っている。  
 カプセルの一つを拾い上げながら、スバルは辺りを見渡した。  
 「……特に異変はないよね? 人が出入りした跡もないみたいだし」  
 「あぁ。ノイズの濃度も高いっちゃあ高いが、前もこんなもんだったしな」  
 何せクリムゾンの精製工場である。  
 「カプセルにヒビでも入って残ってたクリムゾンが漏れ出した、とかじゃねぇか?」  
 「かもね……ディーラーがまたここで何かしてるわけじゃないみたいだ」  
 安心したような台詞とは裏腹に言葉の端には落胆が含まれていた。キングの手がかりはここには無い。  
 早くあいつらを止めなくちゃいけないのに……心の底が、焦りでじりじりとささくれる。  
 「焦るなよ」と、ウォーロックが囁いた。  
 その時だ。  
 工場の奥から何かが蠢く気配がする。  
 
 電波体だからこそはっきりと感じ取れる何かの気配に二人は同時に身構えた。  
 「何かいる!」  
 「ノイズの波長だ……でもなんだ、この嫌な感じは!」  
 二人が見つめるその先で瓦礫が盛り上がり赤い塊が吹き出した。  
 塊が吐出す強烈なノイズの衝撃波が、辺りの瓦礫ごとロックマンを吹き飛ばす。  
 
 「うわぁあああっ!!」  
 強烈な勢いで壁に叩き付けられる寸前周波数を切り替え、工場上部のウェーブロードに逃げ込む。  
 真下には不定形の真っ赤なノイズの塊が、辺りを破壊しながら無数の巨大な腕を振り回している。  
 大きい。今までどこにこんな巨体が潜んでいたのか。  
 工場の床の殆どを埋め尽くし、表面が波打つ様はノイズの海を思わせた。  
 赤い。血よりも鮮やかに赤い。  
 「……クリムゾン……ノイズが、実体化してる?」  
 「ありゃただのノイズじゃないぞ」  
 二人が呟き、戦慄する。吹き荒れるノイズの中この場に踏みとどまるので精一杯だ。  
 なぜ、こんな物が、どうやってここにいるのか。  
 闇雲に振り回されていたノイズの腕は、徐々に上の方へ、ロックマンの方へ向かって伸びて来る。  
 
 「オレたちを狙ってんのか!?」  
 「どちらにしろ放ってはおけない! いくぞ、ロックバスター!!」  
 渾身のチャージショットをお見舞いする。  
 1発、2発、3発、打ち込んだ光は触れた一瞬ダメージを与えたようだが、  
すぐにノイズの赤い表面が波立ち吸い込まれてしまう。  
 マッドバルカン、シルバーメテオ、属性カードも一通り試してみたがノイズの塊の勢いは増すばかりだ。  
 少年の上に瓦礫が雨のように降り注ぐ。  
 
 「これならどうだ……インパクトキャノン!」  
 光弾が塊の真ん中に吸い込まれ、一息置いて激しい光が工場を包み込んだ。  
 
 光の爆発に一瞬視界を取られスバルは思わず目を閉じた。その右腕に何かが触れる。  
 (何?)  
 恐る恐る目を開くと、まだちらつきの残る視界に赤い物が入った。  
 右腕にしっかりと絡みついた赤い、長い何か。それが何かを認識する前に体が赤い物に引かれ宙を舞う。  
 ノイズの塊の腕だった。  
 
 「わぁっ!」「くっ!」  
 抵抗する暇もなく次々と絡みつく無数の赤い触手が四肢の自由を奪い取り、  
引き込まれた体は半ばノイズの海に沈み込む。  
 「くそ…っ!」  
 自由が効かない腕を精一杯振り回し溺れる人のように藻掻いてみるが、体にしがみつく触手は  
どんどん数を増し、やがて全く自由は効かなくなった。  
 それどころか感じることの無くなったはずの、あの違和感が体の外から内へじわじわと広がっていく。  
 暴れれば暴れるほど違和感は体の内に染みこんでゆき、四肢から力が失せていく。  
 
 「ぅおー…ろっ、く…」  
 まともに呂律が回らなくなった舌で何とか相棒の名前を形作ってみたが、反応はない。  
 その事がどういう意味を持つのか、ノイズで曖昧になりつつある意識は理解も遅く、  
スバルは緩やかな苛立ちと意味のない焦りに捕らわれた。  
 ウォーロックはというと、実は既に気を失っていた。ノイズの塊に飲まれた時点で  
ノイズの濃度は純粋な電波体である彼の耐久力をとうの昔に越えていたからだ。  
 
 ノイズが起こす気だるい痺れが体の隅々まで支配していく。  
 体を好き勝手に這いずるノイズの腕を振り払うだけの気力もスバルには残っていなかった。  
 
 
 「ん……」  
 吊り下げられたようなポーズでノイズに沈み込んだスバルの唇を  
 少し熱を持ったノイズの触手がつんつん、と突きそっと形をなぞっていった。  
 耳、鼻、その入り口を触手が辿っていき反射的に顔を反らせると、今度は下半身に触手が伸びる。  
 股の内側をねっとりと這い、股の間を通って尻の輪郭を辿っていく。  
 「んん…」  
 執拗に特定の場所に絡みつく赤い腕を感じて、彼は一つ思い当たった。  
 (ボクの中に入ろうとしてるんだ……)  
 
 ノイズで鈍くなった頭より先に体が理解し震え出す。  
 そんな様子は知ってか知らずか、唇をなぞっていた細い腕が中に割り入れられる。  
 首を振って抵抗してみるが、細いノイズの腕は簡単に喉の奥まで忍び込み  
 口いっぱいに蠢いた。  
 「ん、っぐっ…ふぐ」  
 遠慮無しの陵辱に、スバルの目には息苦しさと嘔吐感で涙が滲む。  
 触手はやがてスバルの反応から学習したのか、今度は柔らかく舌を絡め取り  
口の裏側を這いずり舌の輪郭をなぞって、かき回し始めた。  
 首筋や背筋にも別のノイズの腕が這いまわり、脇や腿の内側を撫であげ  
未熟な性感を徐々に引き出していく。  
 
 くちゅ、ぴちゃ、くちゅ  
 やがて行為を求めるように自分から舌を絡めて触手を奥へ誘い入れる。  
 彼の欲求に答えるように赤い触手が歯の裏や上あごの裏を愛撫した。  
 粘りを含んだ水音が少年の意識の中で甘く濃い霧に変わっていく。  
 もう少し、もう少しだけ、とスバルが刺激を求め頭を動かした拍子に腕が  
光る糸を引いて口から抜け落ちた。  
 もう一度唇の間に忍び込もうと揺れる腕に、虚ろな目で自ら舌を伸ばす。  
透明なものを滴らせながら、宙で舌と腕が絡みあう。  
 
 体中の感覚は鈍くなっているのに触れられている部分だけが鮮明だった。  
むずがゆいような、心地良いような、気分は悪くない。  
 
 「あむ、は………、ぁっ?」  
 交わりが突然舌の上で消えて、一瞬スバルは我に返った。赤い腕の先がとろっと溶けて、そのまま体の奥へ消えていったのだ。しかしすぐさま次の腕が彼の舌に絡みつく。  
 「……?」  
 快楽の裏の、一瞬の違和感。口の中の物が溶けた瞬間、異様な興奮を自分の中に感じた気がした。  
 しかし先ほどとは違う形の腕との交わりがあっという間に疑問を塗り潰した。  
 
 どこから入り込んだのか、ピッタリしたボディスーツの下を無数の赤い腕が這っている。  
震えが消え、代わりに熱を帯び固さが消えていく。  
 ノイズの異形は最も反応が返ってくる部分を探っている。  
 「はっ…あっ、あぁっ……」  
 固くとがった胸の先を強く擦られ、スバルが思わず喘ぎ声を零した。  
 その反応を感じて今度は触手の一本がもう一つの突起に強く巻き付き引っ張り上げた。  
 「ふぁっ!」  
 今までにない強い刺激に息をのむ。突き、擦り、なぞって、細い体の反応を楽しむように、  
赤い触手が思い通りに胸の先を弄ぶ。  
 
 「んぁ…あんっ」  
 
 胸を犯されよがる少年をよそに、触手は少年の両足に巻き付いて股を大きく開かせた。  
 腿の間にはっきりと盛り上がった少年の分身と、形の良い尻が丸見えになる。  
 無意識に股を閉じようと足を寄せようとするが、逆にきつく触手が巻き付き  
身動きが一切取れなくなった。  
 スバルの動きを完全に封じ、ノイズの塊は腰に集めた触手の一本を尻のすぼまりに差し入れる。  
 その意図に気が付いたスバルは、口を犯していた触手を吐き出し慌てて抵抗する。  
 「っ……!」  
 ぎゅっと閉じられた下の口の前で思わぬ抵抗を受けた触手達は、少し逡巡したあと  
腿の間の少年の分身に狙いを変えた。  
 
 まだ未発達のそれをボディスーツをの上下から縛り上げ、一気に擦り下げる。  
 「―――っ!!」  
 自分でも殆ど触れたことのない部分を無理矢理剥かれ、スバルは声にならない悲鳴を上げた。  
 剥き出しになった敏感すぎる先端は触れられただけで激痛が走り、視界が白くスパークする。  
 「いぎっ…ひぃ、っつ、いたっ…いたいっ!や、あぁっ」  
 耐えきれぬ刺激が与えられる度に引き絞るような悲鳴が上がる。  
 とうに恥じらうだの、耐えるだのという意志は消えている。  
 
 拷問に近い痛みに恥も外聞もなく泣き叫ぶスバルを、触手はボディスーツの股間部分を  
引き千切り、なおも激しく上下に責め立てる。  
 「……ひぁあっ、あ、ひぃぁぁ!」  
 自分で触れたことはあったが、あくまでもさわるだけの好奇心を満たす程度のものだった。  
 他人が触れたことなど無かったし、ましてこんなに激しく触れられることも、  
性の快感や苦痛を感じたことも無かった。  
 
 「ゆるし、てぇ…!ひあっ、いや…!ぁ、あぁうっ」  
 緩急をつけた執拗な責めに僅かに残った意志も削がれ、体の自由を奪われた彼に出来るのは  
悲鳴を上げ体をよじることだけだ。  
 「もう、やめ……っ、あうっ、むっ」  
 悲鳴すら、別のひときわ太い腕が塞いでしまう。  
 
 それでもしばらく経てば少年の反応に少しずつ、確実に変化が起きはじめた。  
 初めよりずっと優しく穏やかになった股間への責めが、快楽を注ぎだしたからだ。  
 無数の触手が少年自身に指のように絡まり、やわやわと上下にしごく。  
 「うぅっ…あっ、んっんっ」  
 先ほどまでとは明らかに違う、甘い喘ぎ声。  
 裏側を撫で上げ先端を這い回り、根本を軽く締め付けたあと再び竿全体に巻き付いて上下に動く。  
触手が動けば動くほど股間のモノが湿りを帯びる。  
 さすがに勉強したのかノイズの塊は股間への愛撫を続けながら、スバルの口から指より一回り  
細い触手を一本引き抜くと、濡れたそれをゆるんだ後ろの穴に差し入れた。  
 
 僅かな抵抗も無く、するりと少年の中に吸い込まれる。  
 「…ん…ん……」  
 内側で動く触手にかすかな異物感を感じたものの、したたるほど濡れたモノの  
侵入を拒むことはできない。  
 彼が淫楽に溺れ抵抗しないのを良いことに、触手は後ろのすぼまりを広げ、  
スバルの口から引き出された次の一本を導き入れる。  
 
 一本、また一本と後ろに受け入れていくうちに彼の息は上がり、気が付けば  
ぬらぬらと濡れた触手が何本も後ろを出入りし、尻の肉を揉みしだいている。  
 痛みとノイズで狂いきった触覚が、後ろどころか性経験など全く無いスバルにも  
目がくらむような快楽をもたらしていた。  
 
 「んん、ぁあ…はぁ…」  
 背後から口に咥えさせられていたひときわ太い触手が引き抜かれた。  
するすると体の上を這って、後ろの穴の前まで伸びていく。  
 それをスバルはぼんやりと眺めていた。  
 今まで咥えていた触手を一斉に引き抜かれると下の口は涎を垂らしながらヒクヒクと震え、  
目前まで伸びてきた触手にむしゃぶり付こうとする。  
 近づけられれば甘噛みするように伸縮した。  
 「あ……」  
 触手が下の口に押し当てられる。全身を拘束する赤い腕の力が僅かに強くなった気がした。  
 細い体には大きすぎるそれが焦れるほどゆっくり差し込まれ、下の口は悦んでそれを咥え込んだ。  
 
 「あ、あっ、あっ、あっ」  
 ごりごりと内側を擦り、限界まで押し広げながら赤いそれが侵入してくる。  
 強烈な異物感に一瞬吐き気を覚える。  
 だが彼の体を覚え込んだノイズの先が、一点をむごいほど強く突き上げた。  
 「ひぁっ!あああああああっ!」  
 その一点を突き上げながら奥まで到達した触手が一気に引き抜かる。  
 激しい勢いで再び奥を突き上げると、じゅぷじゅぷと艶めかしい音を立てながら  
何度も何度も角度を変えてスバルの体を貫く。  
 「んっ!あっ!あん!んんっ!はぁっ、あうっ!」  
 
 奥まで貫かれては体を反らし、引き抜かれては叫びを上げ、悶え、よがる。  
 己を犯す太いそれに合わせて腰を揺らし、もっと激しい快楽を求めて自ら奥をかき回す。  
 正気の者なら怖気立つ異形に躰を開き、まぐわい、淫欲に狂う。  
 おぞましい行為に歓喜をあげて狂喜する。  
 「あんっ!んっ、くぁあっ!あぁっ、あぁっ」  
 突き上げられるほど背筋を昇ってくる予感が快楽以外の全てをはぎ取っていく。  
 
 快楽に飛びそうになる意識を掴む代わりに、突き立てられるモノを後ろで強く締め付けた。  
 締め付ければ締め付けるほど快楽は強くなり、スバルの下腹部が形が変わるほど波打つ。  
 前で彼の陰部を擦り上げる触手が敏感な先端を嬲っている。  
 「は、あっ!あ、ぁあっ!」  
 体ごと突き上げられ少年の体が上下に大きく揺れる。  
 激しすぎる快楽の連続は幼い性をあっという間に限界まで追い詰めた。  
 
 
 「あっあぁぁっ!んんあぅううう!ふぁああああああああっ!」  
 
 はじめての絶頂を迎え、弓なりにしなった体が硬直する。  
 股間のモノが大きく脈打ち痙攣する。  
 
 後ろに深く突き立てられたモノが彼の中で大きく脈打ちながら、何かを身内に流し込んでくる。  
 「あぁぁ……ぁぁあ……はいって…くるぅ……」  
 それを意識して初めてスバルは、自分の中に絶頂の興奮とは違う欲求が  
渦巻いていることに気づいた。  
 
 今、彼の中に注がれている物は何か。  
 それはノイズ。  
 ノイズに支配された電波体は狂い、衝動の赴くままに暴走し破壊をまく。  
 制御プログラムは暴走することなくノイズの力を調節する機能がある。しかしそれも限界があり、  
正常に稼働するには電波体の強い意志力が必要だ。  
 
 内側から燃え盛る炎のように湧き上がるそれは、強い強い破壊への欲求だった。  
 すっかり忘れ去られていたスバルの本質が、危機を感じて起きあがろうとする。  
 しかし……  
 
 「ふぁっ!?」  
 ノイズの赤い腕が一気に体の奥まで突き立てられた。  
 彼を再び絶頂へ追い詰めようと、激しい水音をたてながら容赦のない責めを再開する。  
 疲れ果てされるがままになった彼の体が、壊れた人形のように大きく上下に揺れた。  
 
 工場が放棄されたあと、カプセルは内部の超高濃度ノイズに耐えられず  
猛烈な速度で劣化していた。  
 管理者も失せ、飛び出した中身を処理する者もいない。  
 そうやって飛び出した精製クリムゾンは行き場を失い、自然消滅の運命に抗うように  
お互い寄り添ってひとところに集まった。  
 そこで静かに眠りにつき新しい器を待っていたのだ。  
 
 そこにやってきたのがロックマンだ。  
 強いノイズへの抵抗力、あらゆる電波への柔軟な適応力、底のない潜在能力……  
巨大なノイズ変異生命体と化したクリムゾンの塊にとって、彼との出会いは万に一つの奇跡  
だったのかもしれない。  
 器に潜り込む障害である、ヒーローの強い意志力を突破する方法を偶然学習できたのは  
ノイズ変異体の生命への執着が成した技だったのだろう。  
 
 「はぁっ、あっ、は…あはは」  
 何度も絶頂を繰り返しながら莫大な量のノイズを注ぎ込まれ半壊した精神は、  
快楽と破壊衝動の区別が付かなくなっていた。  
 衝動と狂気と快楽に支配された彼の目が赤い輝きで染まっていた。  
 
 
 ―ス……、…バ……  
 「スバル…、おい、起きろスバル!」  
 「は……はぅ?」  
 うっすら目を開くと、そこには実体化したウォーロックがいた。  
 「まったく、オレはオマエの目覚ましウィザードじゃねぇって何度言ったら…」  
 ブツブツといつものセリフを垂れるウォーロックに、何故か深い安堵感を感じた。  
 
 頭が痛い。  
 長い間悪い夢を彷徨っていたような、何だか妙にスッキリしたような、おかしな気分だ。  
 ウォーロックが気が付くと、二人はノイズウェーブの片隅に倒れていたらしい。  
 空間の裂け目の向こうにはディーラーの地下シェルター……の、無惨な姿が見えた。  
 「……一体なにがあったのかな?」  
 「ノイズの塊にとっつかまったまでは覚えてるけどよ……」  
 「ボクもそこまでは記憶にあるんだけど……」  
 
 どっちも何も覚えていないのだから、どうしようもない。  
 「良く覚えてないけど、何だか凄く疲れた気がする…」  
 「良く覚えてねぇけど、アレだけ暴れりゃあな…」  
 
 ノイズの裂け目の向こう、ただの穴と化したシェルター跡地を二人で見つめ考え込む。  
 その様子を半壊したノイズウェーブのずーっと端で、怯えきったノイズム達が覗いていた。  
 
 
 スバルからおぞましい記憶がすっぽり抜け落ちたのも、ノイズのお陰だったのだろう。  
 表立った後遺症は無かったがファイナライズ時のスバルにしばらくの間ちょっとした変化が起きた。  
 常日頃のウサを晴すような限度を越えた暴れっぷりを見せるようになったのだ。  
 あまりのハジケぶりに、ノイズ制御PGMの3ターン制限に対してウォーロックが感謝の念を  
抱くようになったほどだ。  
 とはいえそれも不幸な相棒だけが確認できた事実である。  
 
 
 
 
 
オマケ 
 
 
 「ちょうかぁあああん!ノイズガイガーカウンターが限界を振り切りましたぁあああ!」  
 「スカウターみたいに吹っ飛びましたぁッ!」  
 「星河スバルをしばらくWAXAに入れるなぁ!WAXAがまた壊滅してしまうッ!!」  
 
 ――ロックマン出禁を食らう――  
 
 
 

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