見ていてね・・・ゼロ・・・  
人間とレプリロイドが手をとりあえるような平和な世界を作ってみせる・・・  
あなたは人間を信じて戦ってくれた  
わたしは、あなたを・・・ゼロを信じてる  
 
 
「こんなところにいたのか」  
不意に聞こえた声にシエルは胸を躍らせた。  
まさか、まさか・・・帰ってきたのだろうか?  
 
だが振り返ったシエルの目に映ったのは、確か集落のリーダーの・・・名前は何といったか。  
みると、いつの間にか集落の男達が何人も集まっていた。  
深刻な顔をしている者、ニタニタと下卑た笑みを浮かべている者、  
仲間になりつつある人々だが、その雰囲気に恐怖を覚えないわけにはいかなかった。  
「ぁ・・・あの、何かあったんですか?」  
 
「あのクズテツは死んだんだろ?」  
「クズテツ?」  
シエルには咄嗟には理解できなかった。  
下卑た笑いを浮かべている男が言う。  
「赤い英雄様ことだよ。エックス様を殺して、俺たちから平和を奪ったな。」  
「な・・・っ!・・・違う!ゼロは、私たちは・・・!」  
言葉を続けようとするシエルを遮ってキャラバンのリーダーが言葉をとる。  
 
「お前らがどんなつもりで戦ってたかは関係ない。  
実際にお前達のせいで多くの人間が死んだんだ。  
俺たちの中には、ラグナロクの攻撃でネオアルカディアに残してきた家族を失ったものもいる。  
ま・・・それもようやく終わりだがな。」  
 
シエルは顔を真っ赤にし、ほとんど泣きそうなのを堪えている。  
 
「安心しろって・・・ちゃんと償いをさせてやろうってんだからな。そのために俺たちが来た」  
「償い?」  
「ああ、お前らのせいで死んだ人間の数だけ、お前が子供を産め」  
「は・・・?」  
シエルは恐怖を忘れあっけにとられてしまった。この男は何を言ってるんだろう。  
 

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