「うふふ・・・どう、素敵でしょう? 大きさも感触も弾力も熱さも、もう本物そっくりなのよ・・・? いいえ、本物より凄いかも・・・」  
逞しく張った雁首をつるりと撫で、ゆっくり上げ下げしてみせるフェラム。マリノは胸騒ぎに似た切なさを噛みしめながらも、フェラムの自慢する勃起したペニスの色と形から目を離せなくなってしまっていた。  
「よかったわ。気に入ってくれたみたいね・・・もっと近くで見てもいいのよ」  
「・・・? ち、ちが・・・」  
反射的にかぶりを振るものの、強く拒否することができない。拒否する理由も咄嗟に、満足に思い浮かべられないマリノである。  
フェラムは音を立てずに羽ばたいて、すい、と腰をマリノの顔の高さへと持ってきた。鼻先に差し出されたそれは間近で見れば見るほど凶悪で醜怪で、それなのに見るのをやめることができない、えもいわれぬ造形をしている。  
そのペニスを、湯気さえ見えるくらいに熱く、いやらしい匂いを漂わせる液をまとわりつかせた先端を、さらに近づけられた。上に上げさせられた両腕に髪を埋め首をすくめるが、逃げられるはずもない。  
マリノの朱の差した白い頬に、赤黒く充血した亀頭が擦りつけられた。  
「・・・熱いでしょう? まだそんなに使ってないんだけど、貴女にこんなことしてるだけで、ほら、ずる剥けちゃってビンビンなのよ・・・? まるで覚えたての必死な男の子みたいよね・・・」  
目をギュッと閉じて、耳を貸すまいとする。頬に埋まるフェラムのペニスが、ねぇねぇ、と左右に揺れてマリノの袖を引いてくる。  
瞼に焼き付いた逞しい亀頭の形がマリノの頬に粘液の糸を引き、案の定、唇の端の窪みから入り込もうとしてきた。  
「こんなになっちゃってるのも貴女のせいなんだから、もちろん嫌とは言わないわよね・・・。さぁ、召し上がれ」  
閉ざそうとしていたはずの歯が、それが押し込まれてくることがわかると、なぜか力を緩めてしまった。目を見開くとフェラムの見惚れるほどすらりとした下腹部のラインが目の前に迫ってくる。  
長大な女のペニスが唇をこじ開けて、マリノの喉奥まで一気に入り込んできた。  
 
(・・・っ・・・やっ・・・やめ、ろっ、あたしに、こんなもの、く、咥え・・・ぅぐっ、・・・お、大きいっ・・・ま、待って・・・熱ぅ・・・っ!)  
限りなく嫌悪に近い思考と、拒否ではありえない反応が口内で混濁する。絶頂を迎えたばかりのせいか、口の粘膜までが敏感にオスの象徴を受け止めていた。舌の上で感じるとろみと強い匂いで、喉が火傷してしまいそうだ。  
それでも、吐き出すことを考えられない。歯を立てることを思いつけない。どうにかしようとペニスを這い回るだけの舌の動きが、徐々に丁寧になっていってしまう。  
「あはっ・・・すごいわ、上手よ、マリノ・・・! もう、もう出ちゃいそうだわっ」  
(・・・・ッ!? だ、だめっ・・・それだけは、んむぅっ)  
頭を両手でつかまれて、激しく口内をかき回される。フェラムの勃起したペニスが自分の口の中で暴れている。想像することで更に体温が上がり、マリノは無自覚に舌を動かし、強く吸い上げていた。  
フェラムのレオタードの下腹部が鼻先をかすめ、動きが止まりかわりに荒々しい痙攣が伝わってくる。  
直後、口の中で亀頭が膨れ、煮立ったゼリーのような舌触りの粘液がマリノの口腔にぶちまけられた。  
「・・・――ッ!!」  
頭が傾ぐ。凄い量で、唇の端の隙間から逆流して溢れだし、胸の上に降りかかった。その雫さえ熱い。マリノの口腔はフェラムの放った濃厚な精液で煮えたぎった。  
それでも、まだ射精は終わらない。喉の近くで放たれる精液を嚥下しないわけにもいかず、むせかえりながらもマリノは精飲する。  
ようやく口で息が出来るくらいに精液を処理することができた頃には、マリノは飲まされたものの熱と味と匂いとに毒され、うなだれて完全に脱力してしまっていた。  
「ふぅ・・・素敵だったわ、マリノのお口。どう、美味しかったかしら? 私の精液は」  
白い粘液の糸を伸ばしてマリノの唇からペニスを引き抜き、その先端に付着した残滓をマリノの頬で丁寧に拭いながら、うっとりと尋ねるフェラム。  
マリノの舌の上にも、まだ精液は残っている。でも美味しいかと聞かれても、そうだとも違うとも答えられない。  
ただ、口にペニスを頬張らされて喉へと射精された、というその事実の味は、切ないほどはっきりと判っていた。  
 
(・・・み、認めるな・・・認めるな、認めちゃダメだ・・・っ)  
「ふふ・・・そう。嬉しいわぁ」  
マリノの弱々しい仕草と、その顔色から満足のいく答えを得たらしい。  
頬の表面で、フェラムのペニスからまた熱い泉が湧き出たような気がした。  
「・・・えっ・・・」  
「あぁ・・・本当に可愛いわよ、マリノ。恥ずかしがるのもとてもいいけど、遠慮はしなくてもいいのよ。・・・もっと飲みたいのなら、いくらでも飲ませてあげるわ」  
「・・・! ちょ、ま・・・待って」  
「そう・・・浴びるくらいにね」  
フェラムがおもむろにマリノの両乳房を掬い上げ、ぴったりと左右から合わせて谷間を作った。  
マリノの視界から、ペニスが消える。そして、乳房の下から熱いものを押しつけられる感触。  
「やっ・・・ぁ・・・! な、何をっ・・・!」  
みっちりと合わせられた柔らかい胸の谷間を熱くて固くて獰猛なものが押し通ってくる。粘ついたオスの匂いの汁を肌に擦りつけて、乳房の中からマリノの目の前に、透明にてらてら光る大きな亀頭が顔を出した。  
「あぁ。むっちりしてて気持ちいいわ・・・これなら、すぐにでももう一度出してしまえそう」  
「あっ・・・やっ!、だめ、こ、こんなのッ・・・!」  
自分の乳房でフェラムの勃起ペニスを挟まされているという眺めと、乳房を押し広げられている感覚と、自分が今取らされている姿勢とを意識し、マリノの声が興奮に弱々しくなる。  
「・・・こんなの・・・こんなのぉ・・・」  
顔を背けようとしながら、切なげな目で亀頭を見ては、唇を結んで小さく動かす。こっそりと唇を舐め、息を乱す。  
胸を両側からしっかりとつかみ、ズリズリと乳房の中で動かすと、マリノの目の前から亀頭が消えたり現れたりした。その度に、マリノの胸元に先ほどの白濁と混じって濁った透明な粘液がたっぷりと塗りたくられる。  
胸の谷間の摩擦が少なくなり、フェラムが乳房の間でペニスを動かす動きがぬるぬると滑らかなものになっていく。  
それに伴って、乳房の中でフェラムのペニスがより熱く、大きく脈打っていく・・・。  
「あ・・・あぁ・・・」  
消えては現れる亀頭の傘が、いっぱいに広がって激しく乳肉をかき分けていた。生唾が喉に落ちる。だめだ、だめだ、と先ほど自分に言い聞かせた声が頭の奥で返ってくるが、マリノはそれに背を向けて歩き出してしまった。  
「さぁ・・・口を開けなさい。飲ませてあげるわ・・・」  
上ずったフェラムの声に命じられるまま、マリノはとうとう、おずおずと、自分から唇を開いた。  
打倒すべき敵の幹部にいいように弄ばれ、屈服してしまうという敗北感は不思議にそれほど強くはなかった。ただ、この女の悪魔のような命令に従う誘惑に、歯向かうことができなくなってしまった。  
そして、身をゆだねることの甘美さは、マリノの想像した以上のものだった。  
「いい子ね、マリノ・・・舌を出しなさい。たっぷり・・・味わうのよ・・・?」  
いつしか従順になったマリノに舌なめずりをしたフェラムが甘く呻いて、乳房から大きくペニスを押し出した。  
一拍の間を置き、さらに膨張した亀頭の鈴口が割れて、中から熱い粘液の濁流が再び勢いよく噴き出してくる。  
「きゃ・・・ッ!」  
断続的にマリノを襲うフェラムの精液は、舌の上に、喉の奥に、唇の表面に、頬に、瞼に、と至るところに叩きつけられた。  
反射的に顔を背けてしまったマリノの髪を握り、正面を向けさせるフェラム。  
「あら・・・ダメよ・・・せっかく出してあげてるのにっ・・・ちゃんと味わいなさいって・・・言ったでしょ・・・?」  
「くぁ・・・」  
言いつけを思い出し、目をギュッと閉じたまま舌を伸ばすマリノ。乳房から剥き出たペニスはまだ精液を出し始めたばかりで、フェラムの手にしごかれてマリノにたっぷりと顔面射精を続けた。  
どろりと熱く、張り付くとその匂いと熱が肌の奥に染み入ってくる。重く滴り、マリノの顔面に濁った白化粧を施す。  
「はぁ・・・あ・・・」  
たっぷり糊のついた唇を閉じ、喉に絡む精液を嚥下し、また唇を大きく開ける。  
顔にも胸にも散々飛び火したというのに、マリノが飲んだ精液の量は先ほどよりも多いように感じられた。  
 
 

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